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公開番号2025093444
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-24
出願番号2023209085
出願日2023-12-12
発明の名称流量推定システム
出願人国際航業株式会社
代理人弁理士法人 武政国際特許商標事務所
主分類G01F 1/00 20220101AFI20250617BHJP(測定;試験)
要約【課題】本願発明の課題は、従来の問題を解決することであり、すなわち水域のうち任意地点の流量を推定することができる流量推定システムを提供することである。
【解決手段】本願発明の流量推定システムは、対象範囲に設定された水域のうち任意個所における流量を推定するシステムであって、水部領域設定手段と最大幅長抽出手段、領域設定手段、水部割合算出手段、関係式設定手段を備えたものである。このうち関係式設定手段は、水域のうち観測流量が得られた観測点に係る分割領域の水部割合と観測点における観測流量との関係を示す「流量関係式」を設定する手段である。そして、水域のうち任意個所に係る水部割合と流量関係式に基づいて任意個所における流量を推定する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
対象範囲に設定された水域のうち、任意個所における流量を推定するシステムであって、
前記対象範囲を平面的に複数に分割した小領域と、前記水域と、を照らし合わせることによって、水部に相当する該小領域を水部領域として設定する水部領域設定手段と、
前記水域の水流に沿って設定される軸線に対して垂直方向に並ぶ前記水部領域の数に基づいて水域幅長を求めるとともに、該水域のうち最大の該水域幅長となる最大幅長を抽出する最大幅長抽出手段と、
前記最大幅長が前記軸線の方向に連続した全体領域を設定するとともに、該全体領域を前記軸線の方向に沿ってあらかじめ定めた単位軸長ごとに分割した分割領域を設定する領域設定手段と、
前記分割領域のうち前記水部領域が占める面積割合である水部割合を算出する水部割合算出手段と、
前記水域のうち観測流量が得られた観測点に係る前記分割領域の前記水部割合と、該観測点における該観測流量との関係を示す流量関係式を設定する関係式設定手段と、を備え、
前記水域のうち任意個所に係る前記水部割合と、前記流量関係式と、に基づいて任意個所における流量を推定する、
ことを特徴とする流量推定システム。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
異なる2以上の前記分割領域に、それぞれ前記観測点が設けられ、
前記関係式設定手段は、2以上の前記観測点に係る前記水部割合、及び前記観測流量に基づいて、前記流量関係式を設定する、
ことを特徴とする請求項1記載の流量推定システム。
【請求項3】
取得された水部情報と、3次元地形モデルと、を用いて前記対象範囲に前記水域を設定する水域設定手段を、さらに備え、
前記水部情報は、植生指数であり、
前記3次元地形モデルは、前記小領域によって構成され、
前記水域設定手段は、前記植生指数と、前記3次元地形モデルから得られる落水線と、に基づいて前記水域を設定する、
ことを特徴とする請求項1記載の流量推定システム。
【請求項4】
取得された水部情報と、3次元地形モデルと、を用いて前記対象範囲に前記水域を設定する水域設定手段を、さらに備え、
前記水部情報は、前記水域を含む水域画像であり、
前記3次元地形モデルは、前記小領域によって構成され、
前記水域設定手段は、前記水域画像と、前記3次元地形モデルから得られる落水線と、に基づいて前記水域を設定する、
ことを特徴とする請求項1記載の流量推定システム。
【請求項5】
前記水域設定手段は、2時期に取得された前記水部情報に基づいて、2時期の前記水域を設定し、
前記水部領域設定手段は、2時期ごとの前記水域に係る前記水部領域を設定し、
前記最大幅長抽出手段は、2時期ごとの前記水域に係る前記最大幅長を抽出し、
前記領域設定手段は、2時期ごとの前記水域に係る前記分割領域を設定し、
前記水部割合算出手段は、2時期ごとの前記水域に係る前記分割領域の前記水部割合を算出し、
前記関係式設定手段は、2時期ごとの前記水域に係る前記水部割合と、2時期ごとの前記観測流量と、に基づいて前記流量関係式を設定し、
任意個所における2時期の流量を比較することができる、
ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の流量推定システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願発明は、河川等の流量に関する技術であり、より具体的には、観測点で観測された流量に基づいて任意個所の流量を推定することができる流量推定システムに関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
河川に流れる水の量(流量)を把握することは有益であり、特に大雨など洪水が予測されるときには河川流量を把握することが極めて重要になる。洪水時の流量を観測するには、浮子による観測がこれまで100年以上にわたって基本とされていた。この浮子観測は、河川に投下した浮子が所定距離だけ流下するために要した時間を観測することで流速を求め、その流速に河川(通水部分)の断面積を乗ずることによってその流量を把握する方法である。そして浮子観測を行うには最低5人の観測員が必要とされ、すなわち多くの労力が求められていた。
【0003】
一方、山岳域における河川など多くの観測員を派遣することが難しいケースでは、断面計測法によって河川流量を観測するのが一般的である。断面計測法では、数cm間隔で河川断面を計測し、そのため最低2~3人の観測員が必要とされ、1地点での観測に係る時間は15~30分とされている。つまり、断面計測法によって河川流量を把握する場合も、浮子観測と同様、多くの労力が求められていた。
【0004】
浮子観測や断面計測法によらず、測定機器を利用して直接的に流量を測定することも考えられるが、洪水時に測定機器で測定するのは危険が伴い、仮に測定機器を常設したとしても破損したり欠測したりするおそれもあることから、現実的な手法とはいえない。
【0005】
そこで、近年では河川のうち注目すべき位置にカメラやビデオカメラを設置し、その画像や映像によって河川流量を把握する試みも行われている。例えば特許文献1では、監視地点にカメラを設置するとともに、上流と下流の2か所で水位を観測し、それら観測値とカメラ画像に基づいて観測地点の水位を推定する技術について提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2018-40732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これまで河川流量を把握するにあたっては、流量を把握したい着目地点で浮子の速度を観測したり、特許文献1のようにその着目地点に常設されたカメラの画像を利用したりするなど、着目地点で何らかの情報を取得していた。つまり従来技術は、あらかじめ着目地点が確定していることを前提として河川流量を求めていたわけである。しかしながら、河川や沢といった水域は広範囲にわたって流れており、あらかじめ着目点を定めることができないこともある。特に、上流側の流量の変化が下流側に影響を及ぼすことを考えると、上流側の流量を把握することは極めて有益であるが、その上流には人が入り込めないような山深いところもあり、このような場所を着目地点として設定することは現実的ではない。
【0008】
本願発明の課題は、従来の問題を解決することであり、すなわち水域のうち任意地点の流量を推定することができる流量推定システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明は、水域として考えられる最大領域を仮想的に設定するとともに、その最大領域に占める水部の面積割合を求め、さらにその面積割合と観測可能な地点で得られた流量との関係を表す関数を設定したうえで任意地点の流量を推定する、という点に着目したものであり、従来にはなかった発想に基づいてなされた発明である。
【0010】
本願発明の流量推定システムは、対象範囲に設定された水域のうち任意個所における流量を推定するシステムであって、水部領域設定手段と最大幅長抽出手段、領域設定手段、水部割合算出手段、関係式設定手段を備えたものである。このうち水部領域設定手段は、小領域(対象範囲を平面的に複数に分割した領域)と水域を照らし合わせることによって水部に相当する小領域を「水部領域」として設定する手段である。また最大幅長抽出手段は、水域の水流に沿って設定される軸線に対して垂直方向に並ぶ水部領域の数に基づいて「水域幅長」を求めるとともに、水域のうち最大の水域幅長となる「最大幅長」を抽出する手段である。領域設定手段は、最大幅長が軸線の方向に連続した「全体領域」を設定するとともに、全体領域を軸線の方向に沿ってあらかじめ定めた単位軸長ごとに分割した「分割領域」を設定する手段である。水部割合算出手段は、分割領域のうち水部領域が占める面積割合である「水部割合」を算出する手段であり、関係式設定手段は、水域のうち観測流量が得られた観測点に係る分割領域の水部割合と観測点における観測流量との関係を示す「流量関係式」を設定する手段である。そして、水域のうち任意個所に係る水部割合と流量関係式に基づいて任意個所における流量を推定する。
(【0011】以降は省略されています)

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