発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本発明は、疲労評価方法及び疲労評価プログラムに関する。 続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】 【0002】 自動車部品や鉄道車両部品、橋梁をはじめとした鉄鋼製品の安全性確保・長寿命化が社会的に重要な課題となっており、鉄鋼材料の高疲労強度化が求められている。高疲労強度化を実現するための設計指針を得るためには、高疲労強度化の効果の定量化や疲労寿命の予測技術を確立する必要がある。 【0003】 特開2017-187472号公報には、繰返し荷重が構造物に作用した場合に構造物に生じる疲労損傷を高い精度で評価する疲労評価方法が開示されている。この疲労評価方法は、試験体の試験結果とシミュレーションの結果とを比較して収束条件を満たすか判定し、収束条件を満たさない場合にはシミュレーションの条件を調整し、収束条件を満たす場合にはシミュレーションの条件を確定して、確定したシミュレーションの条件を用いて解析対象の疲労損傷を評価する。 【0004】 特許第2791174号公報には、電子部品はんだ接続寿命評価法が開示されている。この評価法は、電気回路機器のはんだ接続部に発生するせん断ひずみを求める第1工程と、予め有限要素法三次元熱弾性塑性解析から求めた相当ひずみ振幅と上記せん断ひずみとの関係から相当ひずみ振幅を求める第2工程と、予め温度サイクル試験後の破面解析によって求めたき裂進展速度と上記相当ひずみ振幅との関係を示すき裂進展速度式を求める第3工程と、上記相当ひずみ振幅とき裂の長さと寿命サイクル数との関係を示す寿命評価基準式より寿命を求める第4工程とからなる。 【0005】 非特許文献1には、α鉄における疲労き裂の評価のためのミクロ組織のモデル化及び結晶塑性シミュレーションについて記載されている。同文献では、平均せん断ひずみ振幅(average shear strain amplitude)と、疲労指数パラメータ(Fatigue Indicator Parameter)との関係が議論されている。 【0006】 本発明者らは過去に、結晶塑性解析を用いた疲労評価方法を開発し、特願2022-003921号(特開2023-103073号公報)として出願した。この疲労評価方法は、複数の結晶すべり系の各々について、部品に繰返し負荷を作用させた際のせん断ひずみ範囲を算出する工程と、せん断ひずみ範囲の部品面外方向成分の総和を算出する工程とを備える。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0007】 特開2017-187472号公報 特許第2791174号公報 特開2023-103073号公報 【非特許文献】 【0008】 F. Briffod, T. Shiraiwa and M. Enoki, "Microstructure modeling and crystal plasticity simulations for the evaluation of fatigue crack initiation in α-iron specimen including an elliptic defect", Material Science and Engineering A, Vol. 695(2017), pp. 165-177 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 疲労特性に優れた鋼材を開発するためには、繰返し負荷が作用する際の応力やひずみの発生を把握し、疲労き裂発生機構を解明する必要がある。材料設計指針の決定においては、結晶粒径分布や結晶方位分布等の組織形態に依存する微視的な応力やひずみを把握し、高疲労強度化を実現するための最適な組織形態を探索する必要がある。また、高疲労強度化を実現できているかを判断するためには、組織形態の疲労損傷への影響を考慮した疲労評価方法が必要となる。 【0010】 本発明の課題は、組織形態の疲労損傷への影響を考慮した疲労評価方法、及び疲労評価プログラムを提供することである。 【課題を解決するための手段】 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する