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公開番号2025087535
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-10
出願番号2023202268
出願日2023-11-29
発明の名称組換え微生物、組換えタンパク質およびC6化合物の製造方法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12N 1/21 20060101AFI20250603BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】C6化合物を生産することのできる組換え微生物、組換えタンパク質および製造方法を提供すること。
【解決手段】ムコン酸を還元して2-ヘキセン二酸に変換する活性、および、2-ヘキセン二酸を還元してアジピン酸に変換する活性の少なくとも1つの還元活性を有するタンパク質をコードする外来性遺伝子を含む組換え微生物であって、前記外来性遺伝子が、特定のアミノ酸配列を有する、または、特定のポリヌクレオチド配列からなる、組換え微生物。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
還元活性を有するタンパク質をコードする外来性遺伝子を含む組換え微生物であって、
前記還元活性が、ムコン酸を還元して2-ヘキセン二酸に変換する活性、および、2-ヘキセン二酸を還元してアジピン酸に変換する活性の少なくとも1つであり、
前記外来性遺伝子が、以下:
(i)配列番号28、29または30に示すアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA、
(ii)配列番号28、29または30に示すアミノ酸配列に対して1~10個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA、
(iii)配列番号58、59または60に示すポリヌクレオチド配列と80%以上の配列同一性を有するポリヌクレオチド配列からなるDNA、
(iv)配列番号58、59または60に示すポリヌクレオチド配列によりコードされるタンパク質のアミノ酸配列に対して1~10個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA、
(v)配列番号58、59または60に示すポリヌクレオチド配列に相補的なポリヌクレオチド配列からなるDNAと緊縮条件下でハイブリダイズするDNA、または
(vi)配列番号58、59または60に示すポリヌクレオチド配列の縮重異性体からなるDNA
である、組換え微生物。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記外来性遺伝子が、以下:
(vii)配列番号28、29または30に示すアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA、または、
(viii)配列番号58、59または60に示すポリヌクレオチド配列からなるDNA
である、請求項1に記載の組換え微生物。
【請求項3】
前記外来性遺伝子が、Lachnospiraceae bacterium、Clostridium akagiiおよびTreponema saccharophilumから選択される少なくとも1つに由来する、請求項1または2に記載の組換え微生物。
【請求項4】
前記組換え微生物が、C6化合物の生産経路を有し、
前記C6化合物が、アジピン酸および2-ヘキセン二酸からなる群から選択される少なくとも一つである、請求項1または2に記載の組換え微生物。
【請求項5】
前記組換え微生物が、エスケリキア(Escherichia)属、バチルス(Bacillus)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、アルスロバクター(Arthrobacter)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、クロストリジウム(Clostridium)属、ザイモモナス(Zymomonas)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、バークホルデリア(Burkholderia)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、シネコシスティス(Synechocystis)属、アルカリハロバチルス(Alkalihalobacillus)属、サッカロマイセス(Saccharomyces)属、シゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)属、ヤロウィア(Yarrowia)属、カンジタ(Candida)属、ピキア(Pichia)属、またはアスペルギルス(Aspergillus)属に属する、請求項1または2に記載の組換え微生物。
【請求項6】
前記組換え微生物が、大腸菌(Escherichia coli)である、請求項1または2に記載の組換え微生物。
【請求項7】
2-エノエートレダクターゼをコードする遺伝子、2,4-ジエノイルCoAレダクターゼをコードする遺伝子、FAD依存性オキシドレダクターゼをコードする遺伝子、およびNADH-フラビンオキシドレダクターゼ/NADHオキシダーゼをコードする遺伝子からなる群より選択される少なくとも1つをさらに含む、請求項1または2に記載の組換え微生物。
【請求項8】
請求項1または2に記載の組換え微生物を用いるC6化合物の製造方法であって、
前記C6化合物が、アジピン酸および2-ヘキセン二酸からなる群から選択される少なくとも一つである、製造方法。
【請求項9】
(a)ムコン酸を還元して2ーヘキセン二酸に変換する活性、および、2-ヘキセン二酸を還元してアジピン酸に変換する活性の少なくとも1つである還元活性を有し、
(b)以下:
(i)配列番号28、29または30に示すアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる、
(ii)配列番号28、29または30に示すアミノ酸配列に対して1~10個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなる、
(iii)配列番号58、59または60に示すポリヌクレオチド配列と80%以上の配列同一性を有するポリヌクレオチド配列からなるDNAによってコードされる、
(iv)配列番号58、59または60に示すポリヌクレオチド配列によりコードされるタンパク質のアミノ酸配列に対して1~10個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなる、
(v)配列番号58、59または60に示すポリヌクレオチド配列に相補的なポリヌクレオチド配列からなるDNAと緊縮条件下でハイブリダイズするDNAによってコードされるか、または
(vi)配列番号58、59、または60に示すポリヌクレオチド配列の縮重異性体からなるDNAによってコードされる、組換えタンパク質。
【請求項10】
(vii)配列番号28、29または30に示すアミノ酸配列からなるか、または、
(viii)配列番号58、59または60に示すポリヌクレオチド配列からなるDNAによってコードされる、請求項9に記載の組換えタンパク質。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、組換え微生物、組換えタンパク質およびC6化合物の製造方法に関する。本発明は特に、2-ヘキセン二酸およびアジピン酸の少なくとも1つを生産することのできる組換え微生物、組換えタンパク質および製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
アジピン酸、コハク酸、フマル酸、イタコン酸、およびグルタル酸といったモノおよびジカルボン酸は化学産業において重要な化合物であり、例えば、アジピン酸(CAS No.124-04-9)は、ナイロン-66などに代表される合成繊維、プラチック、ウレタン、および可塑剤原料など多様な製品の原料となるモノマー化合物である。
【0003】
アジピン酸は現在、一般的には、石油由来のベンゼンから誘導されるシクロヘキサノール単独の硝酸酸化、または、シクロヘキサノールとシクロヘキサノンとの混合物の硝酸酸化により製造されるが、その過程で亜酸化窒素(N

O)などの有毒な副産物が生成する。あるいは、従来の石油化学的経路よりも環境に優しい経路として、ムコン酸を化学的水素化により還元してアジピン酸を製造することもできる。
【0004】
しかしながら、これらの化学プロセスはエネルギー多消費であり、かつ、地球温暖化の一因とされている。そのため、化石燃料由来の原料から、バイオマス由来原料をはじめとする再生可能な資源原料への移行は低炭素社会実現に向けた重要な方策である。
【0005】
生物は様々な生合成経路および代謝経路を有しており、中でも微生物には特定の遺伝子操作を行うことができることが知られている。そのため、遺伝子組換えにより代謝改変された微生物を使用した発酵生産は、持続可能な製造方法として注目されている。
【0006】
例えば、アジピン酸、6-アミノカプロン酸、またはカプロラクタム生合成のための微生物が報告されている(特許文献1)。当該微生物による方法では、クエン酸回路により生合成されるスクシニル-CoAおよびアセチル-CoAを3-オキソアジピル-CoAに変換する「スクシニル-CoA:アセチル-CoAアシルトランスフェラーゼ」、3-オキソアジピル-CoAを3-ヒドロキシアジピル-CoAに変換する「3-ヒドロキシアシル-CoAデヒドロゲナーゼ」、3-ヒドロキシアジピル-CoAを5-カルボキシ―2-ペンテノイル-CoAに変換する「3-ヒドロキシアジピル-CoAデヒドラターゼ」、5-カルボキシ―2-ペンテノイル-CoAをアジピル-CoAに変換する「5-カルボキシ-2-ペンテノイル-CoAレダクターゼ」、ならびに、アジピル-CoAをアジペートに変換する「ホスホトランスアジピラーゼ」および「アジピン酸キナーゼ」をコードする遺伝子を導入した形質転換体を用いて、糖類からアジピン酸が製造される。
【0007】
また、ムコン酸生合成のための微生物が報告されている(非特許文献1)。当該微生物による方法では、シキミ酸経路により合成される3-デヒドロシキミ酸をプロトカテク酸に変換する「3?デヒドロシキミ酸デヒドラターゼ」、プロトカテク酸をカテコールに変換する「プロトカテク酸デカルボキシラーゼ」、ならびに、カテコールをcis,cis-ムコン酸に変換する「カテコール1,2?ジオキシゲナーゼ」をコードする遺伝子を導入した形質転換体を用いて、糖類からムコン酸が製造される。
【0008】
さらに、エノエートレダクターゼを導入した微生物を用いることで、ムコン酸を2-ヘキセン二酸(2,3-デヒドロアジピン酸)を介してアジピン酸に変換し、ムコン酸を化学的水素化によって還元してアジピン酸を得るプロセスを発酵生産に置き換える方法も報告されている(特許文献2)。
【0009】
これまでに報告された手法は、工業的利用に供するためには改善の余地があった。そのため、バイオマス由来の炭素原料からC6化合物を生合成する代替の手法への需要が存在した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特許第5951990号明細書
国際公開第2017/004709号
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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