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公開番号2025086582
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-09
出願番号2023200660
出願日2023-11-28
発明の名称液体吐出ヘッドおよび液体吐出ヘッドの製造方法
出願人キヤノン株式会社
代理人弁理士法人谷・阿部特許事務所
主分類B41J 2/14 20060101AFI20250602BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】電気信頼性の高い液体吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】液体吐出ヘッドは、基板と、前記基板の一方の面側に設けられた振動板と、前記振動板における前記基板と反対側の面上に、第1の電極、圧電体、および第2の電極をこの順に有する複数の圧電素子と、前記第1の電極よりも低い電気抵抗率を有し、前記第1の電極と電気的に接続される第1の配線と、前記第1の電極よりも低い電気抵抗率を有し、前記第2の電極と電気的に接続される第2の配線と、備える。前記第1の配線および前記第2の配線の少なくとも一方に、前記第1の電極と同じ層で形成されたパッド電極が電気的に接続される。前記パッド電極は、外部から前記圧電素子に電気信号を与えるための実装電極が接合されたパッド領域と、前記パッド電極と電気的に接続される前記配線が接合された接続領域と、を有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
液滴が吐出される吐出口に連通する圧力室が形成された基板と、
前記基板の一方の面側に設けられた振動板と、
前記振動板における前記基板と反対側の面上に、第1の電極、圧電体、および第2の電極をこの順に有する圧電素子と、
前記第1の電極よりも低い電気抵抗率を有し、前記第1の電極と電気的に接続される第1の配線と、
前記第1の電極よりも低い電気抵抗率を有し、前記第2の電極と電気的に接続される第2の配線と、
を備え、
前記第1の配線および前記第2の配線の少なくとも一方に、前記第1の電極と同じ層で形成されたパッド電極が電気的に接続され、
前記パッド電極は、
外部から前記圧電素子に電気信号を与えるための実装電極が接合されたパッド領域と、
前記パッド電極と電気的に接続される前記配線が接合された接続領域と、
を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
液滴が吐出される吐出口に連通する圧力室が形成された基板と、
前記基板の一方の面側に設けられた振動板と、
前記振動板における前記基板と反対側の面上に、第1の電極、圧電体、および第2の電極をこの順に有する圧電素子と、
前記第1の電極よりも低い硬度を有し、前記第1の電極と電気的に接続される第1の配線と、
前記第1の電極よりも低い硬度を有し、前記第2の電極と電気的に接続される第2の配線と、
を備え、
前記第1の配線および前記第2の配線の少なくとも一方に、前記第1の電極と同じ層で形成されたパッド電極が電気的に接続され、
前記パッド電極は、
外部から前記圧電素子に電気信号を与えるための実装電極が接合されたパッド領域と、
前記パッド電極と電気的に接続される前記配線が接合された接続領域と、
を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項3】
前記パッド電極は、プラチナおよびイリジウムのうちいずれかの単体または合金で形成されている、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記パッド電極の硬度は、ビッカース硬度で45HV以上である、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
前記パッド電極と電気的に接続される前記配線は、金、アルミニウム、および銅のうちいずれかの単体または合金で形成されている、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項6】
複数の前記パッド電極を備え、複数の前記パッド電極は、前記第1の配線と電気的に接続された第1のパッド電極と、前記第2の配線と電気的に接続された第2のパッド電極と、を含む、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項7】
複数の前記パッド電極が並んで配列され、
前記パッド電極の配列方向と交差する方向における、前記パッド電極の長さに対する前記接続領域の長さの比が0.2以下である、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項8】
複数の前記パッド電極が並んで配列され、
前記パッド電極の配列方向と交差する方向における、前記パッド電極の長さに対する前記実装電極の長さの比が0.5以上である、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項9】
複数の前記パッド電極が並んで配列され、
複数の前記パッド電極の配列ピッチが50μm以下である、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項10】
複数の前記パッド電極が、前記基板の片側の周部に沿って並んで配列されている、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、液体吐出ヘッドおよび液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
被記録体に液体を吐出して記録を行う液体吐出ヘッドとして、例えばインク滴を噴射するノズルに連通する圧力室の一部を振動板で構成したものが知られている。この振動板を圧電素子により変形させることで、圧力室のインクを加圧してノズルからインク滴を吐出させることができる。このような液体吐出ヘッドの圧電素子は、膜型の圧電体である圧電膜と、圧電膜を上下から挟むように形成した電極(上電極および下電極とも称される)とを備えている。上下の電極によって電圧を印加して圧電膜を駆動することで、圧電素子により振動板を変形させ、ノズルから液滴(インク滴)を吐出させる。このとき、圧電膜を十分に変位させるために必要な電圧は数十Vである。半導体を用いて圧電膜を形成する場合、半導体デバイスとしては比較的高い電圧を印加する必要がある。
【0003】
また、高精細な画像を印刷するために液体吐出ヘッドは微細化されており、複数の圧電素子が高密度で配置される。近年では、個々の圧電素子のノズルの並び方向に対応するピッチが、600npi(nozzles per inch)相当、1200npi相当、2400npi相当等のように、高密度で狭くなっている。圧電素子が高密度で配置されるのに伴って、圧電素子と電気的に接続された引出し配線、および、外部から圧電素子に電気信号(駆動信号)を与えるためのパッド電極が高密度で配置されている。パッド電極には、外部の駆動回路と接続して圧電素子に電気信号を与えるために、フレキシブル基板等が実装される。フレキシブル基板の実装方法として、ワイヤボンディングを用いた実装方法がある。また、フレキシブル基板の実装方法として、ACF(異方性導電フィルム)またはACP(異方性導電ペースト)を用いた実装方法がある。フレキシブル基板の実装方法として、NCF(非導電性フィルム)またはNCP(非導電性ペースト)を用いた実装方法がある。尚、ACFまたはACPを用いた実装方法は、ACF/ACP(Anisotropic Conductive Film/Paste)とも称される。NCFまたはNCPを用いた実装方法は、NCF/NCP(Non Conductive Film/Paste)とも称される。
【0004】
複数のパッド電極のうち、隣接するパッド電極のピッチが50μm以下程度になると、ファーストボンドのサイズの観点から、ワイヤボンディングを用いた実装方法が厳しくなる。ワイヤボンディングを用いた実装方法の場合、パッド電極の配置を千鳥配置にすること等の対策が考えられるが、隣接するパッド電極(ボンディングワイヤ)の間で短絡する可能性が高まる。また、前述したように、圧電膜を十分に変位させるためには比較的高い電圧が必要であり、当該比較的高い電圧がパッド電極にもかかる。そのため、接着剤中に導電粒子が存在するACF/ACPの場合、リーク電流等が生じる可能性がある。これらの理由により、隣接するパッド電極のピッチが50μm以下程度になると、信頼性の観点から、NCF/NCPが用いられることが多い。例えば特許文献1には、圧電素子の駆動接点(パッド電極)が細かいピッチで配列されている場合に、NCF/NCPを用いて実装を行うことが開示されている。
【0005】
また、液体吐出ヘッドを製造する際、液体吐出ヘッドの信頼性を確保するため、圧電素子の電気検査、エージング、スクリーニング等が実施される。例えば特許文献2には、圧力室を形成した後に、圧電素子のエージングとスクリーニングを実施することが開示されている。尚、圧電素子のエージングでは、実際に使用する時よりも高電圧、高周波数の電気信号(駆動信号とも称される)を圧電膜に印加する。また、圧電素子のエージングでは、圧電素子を加温する場合もある。これにより、圧電膜を分極したり、圧電素子を構成する各種薄膜の内部応力を緩和したりすることで、実際に使用する時の条件下での圧電素子の経時的な変動を小さくする。圧電素子のスクリーニングでは、エージングよりも厳しい条件で圧電膜を駆動することで、不適合となる圧電素子を除外する。液体吐出ヘッドの製造工程の途中で電気検査等を実施する際、引出し配線と繋がるパッド電極に、電気信号を印加するためのプローブを接触させるプロービングを行って圧電素子に電気信号を印加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2017-132050号公報
特開2009-184247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
引出し配線およびパッド電極には、電気抵抗率が低い材料(例えば、金(Au)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等)が用いられることが多い。上述の電気抵抗率が低い材料は比較的柔らかい材料が多く、その硬度は、ビッカース硬度で20~30HV程度である。このため、プロービングによりパッド電極が物理的な損傷を受ける(例えば、抉れる)ことがあり、パッド電極に1μm以上の高低差を有する凹凸、すなわちプローブ痕が形成されてしまうことがある。プローブ痕が形成されたパッド電極にフレキシブル基板が実装されると、プローブ痕の凹凸によって接続不良が発生する可能性がある。
【0008】
本開示は、電気信頼性の高い液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様に係る液体吐出ヘッドは、液滴が吐出される吐出口に連通する圧力室が形成された基板と、前記基板の一方の面側に設けられた振動板と、前記振動板における前記基板と反対側の面上に、第1の電極、圧電体、および第2の電極をこの順に有する圧電素子と、前記第1の電極よりも低い電気抵抗率を有し、前記第1の電極と電気的に接続される第1の配線と、前記第1の電極よりも低い電気抵抗率を有し、前記第2の電極と電気的に接続される第2の配線と、を備え、前記第1の配線および前記第2の配線の少なくとも一方に、前記第1の電極と同じ層で形成されたパッド電極が電気的に接続され、前記パッド電極は、外部から前記圧電素子に電気信号を与えるための実装電極が接合されたパッド領域と、前記パッド電極と電気的に接続される前記配線が接合された接続領域と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、電気信頼性の高い液体吐出ヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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