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公開番号2025085473
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-05
出願番号2023199374
出願日2023-11-24
発明の名称水素分離フィルターの製造方法、及び水素分離フィルター
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類B01D 71/02 20060101AFI20250529BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】パラジウムの使用量を低減することができる水素分離フィルターの製造方法、及びそれにより製造することができる水素分離フィルターを提供する。
【解決手段】酸化物材料から構成される多孔質基材と前記多孔質基材上に設けられたパラジウム層とを含む水素分離フィルターの製造方法は、(a)前記多孔質基材に親水性パラジウム化合物を吸着させるステップと、(b)吸着した前記親水性パラジウム化合物をパラジウムに還元するステップと、(c)パラジウムが付着した前記多孔質基材にパラジウム錯体を吸着させるステップと、(d)吸着した前記パラジウム錯体をパラジウムに還元するステップと、をこの順で含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
酸化物材料から構成される多孔質基材と、前記多孔質基材上に設けられたパラジウム層と、を含む、水素分離フィルターの製造方法であって、
(a)前記多孔質基材に親水性パラジウム化合物を吸着させるステップと、
(b)吸着した前記親水性パラジウム化合物をパラジウムに還元するステップと、
(c)パラジウムが付着した前記多孔質基材にパラジウム錯体を吸着させるステップと、
(d)吸着した前記パラジウム錯体をパラジウムに還元するステップと、
をこの順で含む、水素分離フィルターの製造方法。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
ステップ(d)の後に、
(e)パラジウムが付着した前記多孔質基材に親水性パラジウム化合物を吸着させるステップと、
(f)吸着した前記親水性パラジウム化合物をパラジウムに還元するステップと、
(g)パラジウムが付着した前記多孔質基材にパラジウム錯体を吸着させるステップと、
(h)吸着した前記パラジウム錯体をパラジウムに還元するステップと、
をこの順でさらに含み、
ステップ(e)~(h)を1回以上行う、請求項1に記載の水素分離フィルターの製造方法。
【請求項3】
前記多孔質基材の平均細孔径が5~20nmであり、
前記パラジウム層が、75~500nmの厚みを有する、請求項1又は2に記載の水素分離フィルターの製造方法。
【請求項4】
前記親水性パラジウム化合物が酢酸パラジウム又は塩化パラジウムであり、前記パラジウム錯体が、パラジウムアセチルアセトナート、パラジウムヘキサフルオロアセチルアセトナート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-へプタンジオナート)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、シクロペンタジエニルアリルパラジウム、又はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムである、請求項1又は2に記載の水素分離フィルターの製造方法。
【請求項5】
平均細孔径が5~20nmである多孔質基材と、
前記多孔質基材上に設けられた、75~500nmの厚みを有するパラジウム層と、
を含む、水素分離フィルター。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、水素分離フィルターの製造方法、及び水素分離フィルターに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
水素の精製方法として、金属膜を用いた膜分離法が知られている。特許文献1には、微細孔を有する多孔性セラミックス膜の一方面に開口した前記微細孔よりも大きな欠陥のみが金属により閉塞されており、前記多孔性セラミックス膜における微細孔が前記金属により閉塞されていないことを特徴とする多孔性フィルター、及び該多孔性フィルターの一方面にパラジウム薄膜又はパラジウム合金薄膜が形成された水素分離膜が記載されている。特許文献1には、平均細孔径0.1μmの多孔性セラミックス膜を用いて多孔性フィルターを作製し、その外表面に0.8μm以上の平均膜厚のパラジウム薄膜をめっきにより形成したことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第5891512号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パラジウムは高価であるため、パラジウムの使用量を低減することが望ましい。しかし、めっき法等の従来の成膜方法で多孔質基材上に厚みの小さい(例えば厚み20nm以下の)パラジウム層を形成しようとした場合、十分な水素分離性能を有するパラジウム層を形成することができなかった。そこで、本開示は、パラジウムの使用量を低減することができる水素分離フィルターの製造方法、及びそれにより製造することができる水素分離フィルターを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様は以下のものを含む。
[態様1]
酸化物材料から構成される多孔質基材と、前記多孔質基材上に設けられたパラジウム層と、を含む、水素分離フィルターの製造方法であって、
(a)前記多孔質基材に親水性パラジウム化合物を吸着させるステップと、
(b)吸着した前記親水性パラジウム化合物をパラジウムに還元するステップと、
(c)パラジウムが付着した前記多孔質基材にパラジウム錯体を吸着させるステップと、
(d)吸着した前記パラジウム錯体をパラジウムに還元するステップと、
をこの順で含む、水素分離フィルターの製造方法。
[態様2]
ステップ(d)の後に、
(e)パラジウムが付着した前記多孔質基材に親水性パラジウム化合物を吸着させるステップと、
(f)吸着した前記親水性パラジウム化合物をパラジウムに還元するステップと、
(g)パラジウムが付着した前記多孔質基材にパラジウム錯体を吸着させるステップと、
(h)吸着した前記パラジウム錯体をパラジウムに還元するステップと、
をこの順でさらに含み、
ステップ(e)~(h)を1回以上行う、態様1に記載の水素分離フィルターの製造方法。
[態様3]
前記多孔質基材の平均細孔径が5~20nmであり、
前記パラジウム層が、75~500nmの厚みを有する、態様1又は2に記載の水素分離フィルターの製造方法。
[態様4]
前記親水性パラジウム化合物が酢酸パラジウム又は塩化パラジウムであり、前記パラジウム錯体が、パラジウムアセチルアセトナート、パラジウムヘキサフルオロアセチルアセトナート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-へプタンジオナート)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、シクロペンタジエニルアリルパラジウム、又はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムである、態様1~3のいずれかに記載の水素分離フィルターの製造方法。
[態様5]
平均細孔径が5~20nmである多孔質基材と、
前記多孔質基材上に設けられた、75~500nmの厚みを有するパラジウム層と、
を含む、水素分離フィルター。
【発明の効果】
【0006】
本開示の水素分離フィルターの製造方法及び水素分離フィルターは、水素分離フィルターの製造に要するパラジウムの量を低減させることができ、低コストでの水素分離フィルターの製造を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は、実施形態に係る水素分離フィルターの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、適宜図面を参照して実施形態を説明する。以下の説明で参照する図面において、説明の都合上、各部材の寸法比率及び形状が誇張され、実際の寸法比率及び形状とは異なる場合がある。また、本願において、記号「~」を用いて表される数値範囲は、記号「~」の前後に記載される数値のそれぞれを下限値及び上限値として含む。本願において記載された数値範囲の上限値及び下限値は、単独で又は任意に組み合わせて好ましい範囲を規定することができる。
【0009】
(1)水素分離フィルター
図1に示される実施形態に係る水素分離フィルター1は、多孔質基材10と、多孔質基材10上に設けられた、パラジウム層60と、を含む。パラジウム層60は多孔質基材10上に直接的に形成されてよい。
【0010】
多孔質基材10は、金属酸化物、半金属酸化物、又はこれらの混合物等の酸化物材料から構成され、好ましくは酸化物材料からなる。本願において、「~から構成される」とは、記載される材料に加えて、水素分離フィルター1の性能に実質的に悪影響を及ぼさない追加の成分を含み得ることを意味する。「~からなる」とは、記載される材料のみを含むことを意味するが、不可避の不純物を含むことを除外しない。酸化物材料の例として、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、及びこれらの混合物が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)

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