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公開番号2025073610
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-13
出願番号2023184540
出願日2023-10-27
発明の名称射出成形条件生成装置、射出成形条件生成方法およびプログラム
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人湘洋特許事務所
主分類B29C 45/76 20060101AFI20250502BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】射出成形前の材料に対して非破壊による品質変動の予測、および、プロセス条件の適正化を可能とすることで、試作等のロスコストの削減ならびに使用可能な材料候補の増加および歩留まりの向上を実現することができる。
【解決手段】 1以上のプロセッサと、1以上のメモリリソースと、を有する射出成形条件生成装置であって、前記メモリリソースは、樹脂材料の各ロットの励起波長、蛍光波長の組合せ及び対応する蛍光強度を含む蛍光指紋データと、材料特性の実測値と、の対応関係が登録されている材料情報を記憶し、前記プロセッサは、前記材料情報を用いて生成された第1予測モデルと、前記樹脂材料の対象ロットの前記蛍光指紋データと、を用いて材料特性の特性値を算出し、算出した前記特性値に基づいて前記対象ロットの射出成形条件を算出する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
1以上のプロセッサと、1以上のメモリリソースと、を有する射出成形条件生成装置であって、
前記メモリリソースは、
樹脂材料の各ロットの励起波長、蛍光波長の組合せ及び対応する蛍光強度を含む蛍光指紋データと、材料特性の実測値と、の対応関係が登録されている材料情報を記憶し、
前記プロセッサは、
前記材料情報を用いて生成された第1予測モデルと、前記樹脂材料の対象ロットの前記蛍光指紋データと、を用いて材料特性の特性値を算出し、
算出した前記特性値に基づいて前記対象ロットの射出成形条件を算出する
ことを特徴とする射出成形条件生成装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
請求項1に記載の射出成形条件生成装置であって、
前記プロセッサは、
複数の前記励起波長および当該励起波長に対する前記蛍光波長と前記蛍光強度を示す分光スペクトルを含み、所定の波長幅で離散化されている蛍光指紋スペクトルデータから、前記特性値に影響を与える前記励起波長、前記蛍光波長及び対応する前記蛍光強度を抽出することで前記蛍光指紋データを生成し、
前記蛍光指紋データと前記材料特性の実測値との対応関係と、所定の学習アルゴリズムと、を用いた機械学習により、回帰式の前記第1予測モデルを生成する
ことを特徴とする射出成形条件生成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の射出成形条件生成装置であって、
前記メモリリソースは、
前記材料特性を制御するためのパラメータと、当該パラメータの各値に対応する前記材料特性の実測値と、の対応関係が登録されているプロセス情報を記憶し、
前記プロセッサは、
前記第1予測モデルに基づき算出した前記対象ロットの前記特性値が所定の品質規格を満たしていない場合、当該特性値と、前記プロセス情報を用いて生成された第2予測モデルと、を用いて前記対象ロットの射出成形条件を算出する
ことを特徴とする射出成形条件生成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の射出成形条件生成装置であって、
前記プロセッサは、
前記材料特性が前記樹脂材料の粘度に関する場合、
前記プロセス情報と、アンドレードの式と、を用いて前記第2予測モデルを生成し、
前記樹脂材料の溶融温度または射出成形機のノズル部の温度を前記射出成形条件として算出する
ことを特徴とする射出成形条件生成装置。
【請求項5】
請求項1に記載の射出成形条件生成装置であって、
前記射出成形条件には、前記樹脂材料の溶融温度または射出成形機のノズル部の温度と、添加剤の添加量のうち、少なくともいずれか一方が含まれる
ことを特徴とする射出成形条件生成装置。
【請求項6】
請求項1に記載の射出成形条件生成装置であって、
前記プロセッサは、
蛍光指紋スペクトルデータから、ある励起波長に対して少なくとも1以上の蛍光波長とその蛍光強度、あるいは、ある蛍光波長に対して少なくとも1以上の励起波長と対応する蛍光強度を有効波長領域として抽出し、前記蛍光指紋データを生成する
ことを特徴とする射出成形条件生成装置。
【請求項7】
請求項3に記載の射出成形条件生成装置であって、
前記プロセッサは、
外部装置から取得された情報を用いて、前記材料情報または前記プロセス情報を更新する
ことを特徴とする射出成形条件生成装置。
【請求項8】
請求項1に記載の射出成形条件生成装置であって、
前記第1予測モデルによって算出される前記材料特性の特性値は、前記樹脂材料の粘度および引張強度に関する特性値である
ことを特徴とする射出成形条件生成装置。
【請求項9】
請求項5に記載の射出成形条件生成装置であって、
前記添加剤は、前記樹脂材料の引張強度の改善剤または粘度の改善剤である
ことを特徴とする射出成形条件生成装置。
【請求項10】
請求項1に記載の射出成形条件生成装置であって、
前記樹脂材料は、再生材またはリサイクル材である
ことを特徴とする射出成形条件生成装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形条件生成装置、射出成形条件生成方法およびプログラムに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
ESG(Evnironment Social Governance)投資や資源循環への要求を背景として、プラスチック製品や樹脂製品に対する再生材の適用割合が増加傾向にある。一方で、再生材は、材料ロット間における材料特性の変動が生じ易いため、成形品品質にもばらつきが生じ易い。そのため、材料特性の変動が少ない再生材の利用拡大が進む一方で、比較的ばらつきの大きい再生材の利用拡大は進み難い、という課題がある。
【0003】
なお、特許文献1には、近赤外分光を用いてプラスチック材等のスペクトルを取得し、所望の特性値を測定する分析方法が開示されている。具体的には、特許文献1には、「プラスチックまたはゴムの所望の特性を、近赤外光を用いて分析する方法であって、(i)プラスチックまたはゴムの近赤外線領域の吸光度を測定する工程と(ii)吸光度の測定により得られた近赤外スペクトルデータを二次微分処理して補正スペクトルデータを得る工程と、(iii)補正スペクトルデータの各波長における吸光度の二次微分値に対して、PLS回帰分析により得られる回帰係数をそれぞれ乗算して足し合わせた値を算出する工程とを含み、得られた値がプラスチックまたはゴムの所望の性質の推測値を示す、分析方法を提供する。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-7236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、近赤外分光を用いてプラスチック材等のスペクトルを取得し、特性値を推算している。しかしながら、同文献の技術は、再生材を用いた射出成形を対象としたものではなく、特性値が目標特性を満たさない場合の対処については考慮されていない。また、再生材ペレットの多くが黒色に着色されているが、近赤外分光では光を吸収してしまい、精度の高い測定が困難という問題もある。そのため、特許文献1の技術では、再生材を用いた射出成形における上記課題を解決することは難しい、と考えられる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、射出成形前の材料に対して非破壊による品質変動の予測、および、プロセス条件の適正化を可能とすることで、試作等のロスコストの削減ならびに使用可能な材料候補の増加および歩留まりの向上を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。上記の課題を解決する本発明の一態様に係る射出成形条件生成装置は、1以上のプロセッサと、1以上のメモリリソースと、を有する射出成形条件生成装置であって、前記メモリリソースは、樹脂材料の各ロットの励起波長、蛍光波長の組合せ及び対応する蛍光強度を含む蛍光指紋データと、材料特性の実測値と、の対応関係が登録されている材料情報を記憶し、前記プロセッサは、前記材料情報を用いて生成された第1予測モデルと、前記樹脂材料の対象ロットの前記蛍光指紋データと、を用いて材料特性の特性値を算出し、算出した前記特性値に基づいて前記対象ロットの射出成形条件を算出する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、射出成形前の材料に対して非破壊による品質変動の予測、および、プロセス条件の適正化を可能とすることで、試作等のロスコストの削減ならびに使用可能な材料候補の増加および歩留まりの向上を実現することができる。
【0009】
なお、上記以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
射出成形条件生成システムの全体構成の一例を示した図である。
蛍光指紋スペクトルデータの一例を示した図である。
材料情報の一例を示した図である。
プロセス情報の一例を示した図である。
プロセス情報の一例を示した図である。
蛍光指紋データの生成処理の一例を示すフロー図である。
蛍光指紋データの生成処理に関するイメージ図である。
第1予測モデルの生成処理の一例を示したフロー図である。
第2予測モデルの生成処理の一例を示したフロー図である。
第2予測モデルの生成処理の一例を示したフロー図である。
プロセス条件算出処理の一例を示したフロー図である
第2予測モデルと、粘度および設定温度との関係を示した図である。
第2予測モデルと、引張強度および添加剤の添加量との関係を示した図である。
出力画面情報の一例を示した図である。
射出成形条件生成装置のハードウェア構成の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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