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公開番号2025073205
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-13
出願番号2023183769
出願日2023-10-26
発明の名称人工衛星及び人工衛星システム
出願人株式会社日立製作所
代理人ポレール弁理士法人
主分類B64G 1/22 20060101AFI20250502BHJP(航空機;飛行;宇宙工学)
要約【課題】送受電の効率の向上が可能となる人工衛星及び人工衛星システムを提供する。
【解決手段】人工衛星は、太陽光を受け発電する展開式の太陽光パネルと、発電した電力を受電設備に対して送電する複数の展開式の送電用アンテナと、展開式の太陽光パネルと複数の展開式の送電用アンテナを接続する複数の展開式の梁部材とを備え、複数の展開式の梁部材は、人工衛星に備えた状態から梁部材を展開するものであって、人工衛星の略中心を原点にして構成される仮想的な多面体の複数の回転対称軸において、回転対称軸の方向に略等距離で配置されていることを特徴とする人工衛星。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
宇宙太陽光発送電に用いる人工衛星であって、
前記人工衛星は、太陽光を受け発電する展開式の太陽光パネルと、前記展開式の太陽光パネルで発電した電力を受電設備に対して送電する複数の展開式の送電用アンテナと、前記展開式の太陽光パネルと前記複数の展開式の送電用アンテナを接続する複数の展開式の梁部材とを備え、
前記複数の展開式の梁部材は、前記人工衛星に備えた状態から梁部材を展開するものであって、前記人工衛星の略中心を原点にして構成される仮想的な多面体の複数の回転対称軸において、前記回転対称軸の方向に略等距離で配置され、
前記展開式の太陽光パネルの受光面の少なくとも一つと、及び、前記複数の展開式の送電用アンテナの設置面の少なくとも一つは、前記人工衛星から展開された際に、前記展開式の太陽光パネルの略中心を通る前記回転対称軸である太陽光パネル回転対称軸と略垂直であり、かつ、前記略中心を通る面を挟んで配置されており、
前記複数の展開式の送電用アンテナの設置面は、前記人工衛星から展開された際に、それぞれが異なる方向を向いていることを特徴とする人工衛星。
続きを表示（約 740 文字）【請求項２】
請求項１に記載の人工衛星であって、
前記人工衛星の自転を制御する回転制御部を有し、自転しながら前記受電設備に対して送電することを特徴とする人工衛星。
【請求項３】
請求項１に記載の人工衛星が複数で飛行することで人工衛星システムを構成し、複数の人工衛星が同一の前記受電設備に送電することを特徴とする人工衛星システム。
【請求項４】
請求項１に記載の人工衛星であって、
前記人工衛星を太陽光パネルの中心を軸として自転させることにより、所定の複数の前記受電設備から選択的に所定の前記受電設備に送電することを特徴とする人工衛星。
【請求項５】
請求項１に記載の人工衛星であって、
前記複数の展開式の送電用アンテナの各々は、各々異なる方向に設置される複数の受電設備に各々送電することを特徴とする人工衛星。
【請求項６】
請求項１に記載の人工衛星であって、
前記人工衛星の前記展開式の太陽光パネルと同一の設置面に、送電用アンテナを備えることを特徴とする人工衛星。
【請求項７】
請求項１に記載の人工衛星であって、
前記人工衛星の前記展開式の送電用アンテナと同一の設置面に、太陽光パネルを備える請求項１記載の人工衛星。
【請求項８】
請求項１に記載の人工衛星であって、
電力変換装置を備えることを特徴とする人工衛星。
【請求項９】
請求項１に記載の人工衛星であって、
張力部材の張力制御器と、梁部材の構造制御器とを備え、前記太陽光パネルと前記送電用アンテナの姿勢を変化させることを特徴とする人工衛星。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、宇宙太陽光発送電システムを構成するための人工衛星及び人工衛星システムに係り、特に受光／受電、送電に適切な立体構造を備える人工衛星及び人工衛星システムに関する。
続きを表示（約 1,600 文字）【背景技術】
【０００２】
宇宙太陽光発送電システム（ＳｐａｃｅＳｏｌａｒＰｏｗｅｒＳｙｓｔｅｍ：ＳＳＰＳ）においては、静止軌道上に設置された太陽電池で発電したエネルギーをマイクロ波で地上に送電する。
【０００３】
現状、静止軌道上は人工衛星を含む構造物を設置する場所が限られており、各国で静止軌道以外の軌道を用いる検討が進められている。特に低軌道（地上２０００ｋｍ以下）は、打ち上げコスト面での利点が報告されている。しかし、低軌道利用の場合、従来のパネル方式では受電または送電効率が低下する可能性があった。
【０００４】
この点に関し、特許文献１では、パネル毎に高い平面度を維持可能な軽量のパネル構造物を提供することを目的として「パネル構造物１は、複数の三角形状のパネル１１を有するパネルアレイ１０と、前記パネル１１の３つの角部の互いの間隔を拡張する方向にテンションを前記パネル１１に付加した状態で前記パネル１１の３つの角部が固定されるフレーム２０と、前記パネル１１に付加されたテンションを調整するテンション調整部３０と、を備えている。」のようにすることを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特開２０１８－９５０６３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
宇宙太陽光発送電システムを宇宙空間に配置するにあたり、大面積の太陽光パネルを常に太陽指向に維持することは、全体の送電容量を大きく維持するために重要であるが、例えば低軌道の場合、１．５～２時間で地球を一周するため、地上に固定された受電設備での受電時間は数分から１５分程度である。
【０００７】
この点に関して、特許文献１に記載の平面構造では、宇宙太陽光発送電システムである人工衛星と、太陽及び受電設備との位置関係から、受電量と送電量の両者を最大化することは困難であり、受電、送電の総合的な効率が低下することが課題となる。例えば、常時太陽への指向は難しいため発電量を常時最大化することは困難である。
【０００８】
以上のことから本発明においては、送受電の効率の向上が可能となる人工衛星及び人工衛星システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
以上のことから本発明においては、「宇宙太陽光発送電に用いる人工衛星であって、人工衛星は、太陽光を受け発電する展開式の太陽光パネルと、展開式の太陽光パネルで発電した電力を受電設備に対して送電する複数の展開式の送電用アンテナと、展開式の太陽光パネルと複数の展開式の送電用アンテナを接続する複数の展開式の梁部材とを備え、複数の展開式の梁部材は、人工衛星に備えた状態から梁部材を展開するものであって、人工衛星の略中心を原点にして構成される仮想的な多面体の複数の回転対称軸において、回転対称軸の方向に略等距離で配置され、展開式の太陽光パネルの受光面の少なくとも一つと、及び、複数の展開式の送電用アンテナの設置面の少なくとも一つは、人工衛星から展開された際に、展開式の太陽光パネルの略中心を通る回転対称軸である太陽光パネル回転対称軸と略垂直であり、かつ、略中心を通る面を挟んで配置されており、複数の展開式の送電用アンテナの設置面は、人工衛星から展開された際に、それぞれが異なる方向を向いていることを特徴とする人工衛星。」としたものである。
【００１０】
また本発明においては、「人工衛星が複数で飛行することで人工衛星システムを構成し、複数の人工衛星が同一の前記受電設備に送電することを特徴とする人工衛星システム。」としたものである。
【発明の効果】
（【００１１】以降は省略されています）

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