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公開番号2025067233
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-24
出願番号2023177033
出願日2023-10-12
発明の名称回転電機
出願人株式会社日立産機システム
代理人青稜弁理士法人
主分類H02K 17/16 20060101AFI20250417BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】巻線ピッチの選定では最小にできない空間高調波次数の起磁力によって発生する騒音を低減できる回転電機を提供する。
【解決手段】回転電機は、固定子鉄心2と、固定子鉄心の周方向に配置され固定子スロット3と、固定子スロットに配置された固定子巻線4とを有する固定子1と、回転子鉄心6と、回転子鉄心の周方向に配置された回転子スロット7と、回転子スロットに配置された回転子導体8を有し、固定子とスキューレスに配置されている回転子5とを有する。固定子スロットの開口幅は固定子と回転子のスロット数と、スロット数で定まる固定子と回転子の起磁力の空間高調波次数と、空間高調波次数で定まる電磁加振力のモード次数とに基づいてモード次数及び起磁力の振幅が同一の空間高調波次数で極小値になるよう定められた開口幅である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
固定子鉄心と、
前記固定子鉄心の周方向に配置され固定子スロットと、
前記固定子スロットに配置された固定子巻線とを有する固定子と、
回転子鉄心と、前記回転子鉄心の周方向に配置された回転子スロットと、
前記回転子スロットに配置された回転子導体を有し、
前記固定子とスキューレスに配置されている回転子とを有する回転電機であって、
前記回転子スロットの開口幅は前記回転子のスロット数と、スロット数で定まる前記回転子の起磁力の空間高調波次数と、空間高調波次数で定まる電磁加振力のモード次数とに基づいてモード次数及び起磁力の振幅が同一の空間高調波次数で極小値になるよう定められた開口幅であるか、
前記固定子スロットの開口幅は前記固定子のスロット数と、スロット数で定まる前記固定子の起磁力の空間高調波次数と、空間高調波次数で定まる電磁加振力のモード次数とに基づいてモード次数及び起磁力の振幅が同一の空間高調波次数で極小値になるよう定められた開口幅である回転電機。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載の回転電機において、
前記固定子のスロットピッチに対する前記固定子スロットの開口幅は、前記回転子のスロット数に対する前記固定子のスロット数と、前記回転子のスロット数との差と予め定められた範囲内の値である回転電機。
【請求項3】
請求項1に記載の回転電機において、
前記固定子のスロット数をNs、前記回転子のスロット数をNr、前記固定子のスロットピッチに対する前記固定子スロットの開口幅をwsとするとき、1/(Nr/|Ns-Nr|+0.5)≦ws≦1/(Nr/|Ns-Nr|-0.5)を満たす回転電機。
【請求項4】
請求項1に記載の回転電機において、
前記回転子及び前記固定子のスロットの開口幅は前記回転子及び前記固定子のスロット数と、スロット数で定まる前記回転子及び前記固定子の起磁力の空間高調波次数と、空間高調波次数で定まる電磁加振力のモード次数とに基づいてモード次数及び起磁力の振幅が同一の空間高調波次数で極小値になるよう定められた開口幅である回転電機。
【請求項5】
請求項1に記載の回転電機において、
前記回転子のスロットピッチに対する前記回転子スロットの開口幅は、前記固定子のスロット数に対する前記固定子のスロット数と、前記回転子のスロット数との差と予め定められた範囲内の値である回転電機。
【請求項6】
請求項1に記載の回転電機において、
前記固定子のスロット数をNs、前記回転子のスロット数をNr、前記回転子のスロットピッチに対する前記回転子スロットの開口幅をwrとするとき、1/(Ns/|Ns-Nr|+0.5)≦wr≦1/(Ns/|Ns-Nr|-0.5)を満たす回転電機。
【請求項7】
請求項1に記載の回転電機において、
前記固定子の2極当たりのスロット数が36、前記回転子の2極当たりのスロット数が28であり、前記固定子のスロットピッチに対する前記固定子スロットの開口幅が1/4~1/3の範囲である回転電機。
【請求項8】
請求項1に記載の回転電機において、
前記固定子の2極当たりのスロット数が36、前記回転子の2極当たりのスロット数が28であり、前記回転子のスロットピッチに対する前記回転子スロットの開口幅を1/5~1/4の範囲である回転電機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機に関する。
続きを表示(約 1,100 文字)【背景技術】
【0002】
かご形誘導電動機等の回転電機は、固定子巻線が作る起磁力に空間的なひずみが生じ、それが磁束の分布に含まれる高調波成分を増大させ、電流波形、騒音、トルク脈動などに悪影響を及ぼす場合がある。起磁力の空間的なひずみが低減される誘導機の構造が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、複数の回転子スロットに励磁巻線を収納する回転子と、複数の固定子スロットに電機子巻線を収納する固定子を有し、前記回転子に収納する励磁巻線が励磁装置で励磁され、前記電機子巻線に電力を発電する同期発電機において、2極当たりの固定子スロット数と回転子スロット数の差が±6とし、固定子の極ピッチに対する電機子ピッチをほぼ83.3%とし、前記回転子スロットの形状を円周方向に非対称としたことを特徴とする同期発電機が開示されている。
【0004】
特許文献2には鉄心の導体挿入溝、及び、導体の単位長さあたりの曲げ量の変化率を鉄心積厚方向の各位置で、例えば、連続的に変化するように、各位置で異なるようにした誘導電動機の回転子構造が開示されている。
【0005】
特許文献3には、回転子鉄心に形成されたスロットにアルミダイカスト工程によってアルミニウムを充填させてアルミバーを形成するステップと、アルミバーが形成された回転子鉄心の外径表面を加圧するステップと、を備える回転軸を中心に回転するかご形回転子の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2005-304271号公報
特開平1-274651号公報
特開2016-208746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の交流励磁同期発電機(巻線形誘導発電機)は、固定子巻線の巻線係数のうち5次および7次の空間高調波に対する巻線係数が最小になるよう巻線ピッチが選定されている。
【0008】
しかしながら、仮に、巻線係数を最小にする高調波次数が、2極当たりのスロット数の自然数倍±1であった場合は、基本波の巻線係数も同時に最小になってしまうという問題がある。
【0009】
特許文献1によると、極ピッチに対する巻線ピッチをp、巻線係数の高調波次数(空間高調波次数)をkとすると、短節巻係数fpkは次式で表される。
【0010】
(数1)
fpk=sin(p・k・π/2)
スロットピッチに対する巻線ピッチをps、2極当たりのスロット数をNsとすると、fpkは次式で表される。
(【0011】以降は省略されています)

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