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公開番号2025059800
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-10
出願番号2023170113
出願日2023-09-29
発明の名称加熱炉、制御装置、制御プログラム、および制御方法
出願人オムロン株式会社
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類G05B 13/04 20060101AFI20250403BHJP(制御;調整)
要約【課題】エネルギー消費の低減と生産効率の維持の両立を支援する。
【解決手段】制御装置は、制御部と、推定部と、決定部とを備える。制御部は、加熱炉の動作モードを通常モードおよび省エネルギーモードのいずれかに制御する。推定部は、動作モードが省エネルギーモードである場合に、対象降温モデルに基づいて炉内温度の推定値を出力する。対象降温モデルは、目標状態にある加熱炉を省エネルギーモードで動作させたときの、加熱炉の炉内温度の経時変化を表す。推定部は、動作モードが通常モードである場合に、対象昇温モデルに基づいて炉内温度の推定値を出力する。対象昇温モデルは、目標状態よりも低い温度の状態にある加熱炉を通常モードで動作させたときの、炉内温度の経時変化を表す。決定部は、推定値を用いて、動作モードの切り替えに関する情報を決定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
加熱炉を制御する制御装置であって、
前記加熱炉の動作モードを第1モードおよび第2モードのいずれかに制御する制御部と、
前記加熱炉の炉内温度の推定値を出力する推定部と、
前記推定値を用いて、前記動作モードの切り替えに関する情報を決定する決定部とを備え、
前記第1モードは、被加熱物を熱処理するための目標状態に前記加熱炉を維持するための第1条件に従って前記加熱炉が動作するモードであり、
前記第2モードは、前記第1条件よりもエネルギー消費量が少ない第2条件に従って前記加熱炉が動作するモードであり、
前記推定部は、前記第2条件に従って前記加熱炉が動作するように前記動作モードが制御される場合に、対象降温モデルに基づいて前記推定値を出力し、前記対象降温モデルは、前記目標状態にある前記加熱炉を前記第2条件に従って動作させたときの、前記炉内温度の経時変化を表し、
前記推定部は、前記第1条件に従って前記加熱炉が動作するように前記動作モードが制御される場合に、対象昇温モデルに基づいて前記推定値を出力し、前記対象昇温モデルは、前記目標状態よりも低い温度の状態にある前記加熱炉を前記第1条件に従って動作させたときの、前記炉内温度の経時変化を表す、制御装置。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
前記情報は、前記動作モードを前記第2モードから前記第1モードに切り替える第1タイミングを示し、
前記決定部は、前記加熱炉を前記目標状態に復帰させるべき第2タイミングにおいて前記加熱炉が前記目標状態に復帰するように、前記情報を決定する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記推定部は、前記動作モードが前記第1モードから前記第2モードに切り替わった第3タイミングにおける前記炉内温度の第1推定値を出力し、前記第3タイミングは、前記第1タイミングよりも前であり、
前記決定部は、前記第1推定値と前記第2タイミングと前記対象降温モデルと前記対象昇温モデルとに基づいて、前記情報を決定する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記第2条件に従って前記加熱炉が動作するように前記動作モードが制御される場合に、前記決定部は、
前記推定値と前記対象昇温モデルとに基づいて、現時点で前記動作モードを前記第2モードから前記第1モードに切り替えたと仮定したときの、前記加熱炉が前記目標状態に復帰する第4タイミングを算出し、
前記第4タイミングと前記第2タイミングとの時間差が閾値以下であるという条件が満たされたことに応じて、前記現時点を前記第1タイミングとして決定する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記情報は、現時点で前記加熱炉を前記第2モードから前記第1モードに切り替えたと仮定したときの、前記加熱炉が前記目標状態に復帰する第4タイミングを示し、
前記決定部は、前記推定値と前記対象昇温モデルとに基づいて、前記情報を決定する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、
複数の降温条件の中から前記第2条件を選択し、
複数の昇温条件の中から前記第1条件を選択し、
前記推定部は、前記複数の降温条件に対応する複数の降温モデルのうち前記第2条件に対応する降温モデルを前記対象降温モデルとして選択し、前記複数の降温モデルの各々は、前記複数の降温条件のうちの対応する降温条件に従って前記加熱炉を動作させたときの前記炉内温度の経時変化を表し、
前記推定部は、前記複数の昇温条件に対応する複数の昇温モデルのうち前記第1条件に対応する昇温モデルを前記対象昇温モデルとして選択し、前記複数の昇温モデルの各々は、前記複数の昇温条件のうちの対応する昇温条件に従って前記加熱炉を動作させたときの前記炉内温度の経時変化を表す、請求項1に記載の制御装置。
【請求項7】
前記推定部は、外乱因子の計測値を学習済みモデルに入力することにより前記学習済みモデルから出力される調整量だけ、前記推定値を調整し、
前記学習済みモデルは、前記外乱因子の実績値と、前記外乱因子の影響による前記炉内温度の変動量との対応関係を示す訓練データセットを用いた機械学習によって生成される、請求項1に記載の制御装置。
【請求項8】
加熱炉を制御するための制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記加熱炉の動作モードを第1モードおよび第2モードのいずれかに制御することと、
前記加熱炉の炉内温度の推定値を出力することと、
前記推定値を用いて、前記動作モードの切り替えに関する情報を決定することとを実行させ、
前記第1モードは、被加熱物を熱処理するための目標状態に前記加熱炉を維持するための第1条件に従って前記加熱炉が動作するモードであり、
前記第2モードは、前記第1条件よりもエネルギー消費量が少ない第2条件に従って前記加熱炉が動作するモードであり、
前記出力することは、前記第2条件に従って前記加熱炉が動作するように前記動作モードが制御される場合に、対象降温モデルに基づいて前記推定値を出力することを含み、前記対象降温モデルは、前記目標状態にある前記加熱炉を前記第2条件に従って動作させたときの、前記炉内温度の経時変化を表し、
前記出力することは、前記第1条件に従って前記加熱炉が動作するように前記動作モードが制御される場合に、対象昇温モデルに基づいて前記推定値を出力することを含み、前記対象昇温モデルは、前記目標状態よりも低い温度の状態にある前記加熱炉を前記第1条件に従って動作させたときの、前記炉内温度の経時変化を表す、制御プログラム。
【請求項9】
加熱炉を制御する制御方法であって、
前記加熱炉の動作モードを第1モードおよび第2モードのいずれかに制御することと、
前記加熱炉の炉内温度の推定値を出力することと、
前記推定値を用いて、前記動作モードの切り替えに関する情報を決定することとを備え、
前記第1モードは、被加熱物を熱処理するための目標状態に前記加熱炉を維持するための第1条件に従って前記加熱炉が動作するモードであり、
前記第2モードは、前記第1条件よりもエネルギー消費量が少ない第2条件に従って前記加熱炉が動作するモードであり、
前記出力することは、前記第2条件に従って前記加熱炉が動作するように前記動作モードが制御される場合に、対象降温モデルに基づいて前記推定値を出力することを含み、前記対象降温モデルは、前記目標状態にある前記加熱炉を前記第2条件に従って動作させたときの、前記炉内温度の経時変化を表し、
前記出力することは、前記第1条件に従って前記加熱炉が動作するように前記動作モードが制御される場合に、対象昇温モデルに基づいて前記推定値を出力することを含み、前記対象昇温モデルは、前記目標状態よりも低い温度の状態にある前記加熱炉を前記第1条件に従って動作させたときの、前記炉内温度の経時変化を表す、制御方法。
【請求項10】
請求項1から7のいずれか1項に記載の制御装置を備える、加熱炉。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、加熱炉、制御装置、制御プログラム、および制御方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、製品の生産現場におけるエネルギー消費の低減に関する技術が提案されている。例えば、特許第5077475号公報(特許文献1)は、加熱炉のエネルギー消費を低減させるための制御装置を開示している。制御装置は、被加熱物を熱処理するための第1の状態に加熱炉を維持するために、通常モードに従って加熱炉を動作させる。制御装置は、所定の条件が成立した場合に、通常モードよりもエネルギー消費量が少ない省エネルギーモードに従って加熱炉を制御する。制御装置は、省エネルギーモードに従って動作している状態から第1の状態に加熱炉を復帰させるまでに要する時間である基準復帰時間を記憶する。制御装置は、加熱炉を省エネルギーモードで動作させている場合に、加熱炉を第1の状態に復帰させるべきタイミングまでの残り時間が基準復帰時間以下となったとき、加熱炉を通常モードに従って動作させる。基準復帰時間は、省エネルギーモードを開始してから第1の状態に加熱炉を復帰させるべきタイミングまでの時間に応じて定められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第5077475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
省エネルギーモードへの切り替えタイミングは、一般に生産計画等に応じて予め定められる。しかしながら、加熱炉の前段の装置のトラブルの発生に応じて、ユーザは、予め定められた切り替えタイミングよりも早い段階で、加熱炉を省エネルギーモードに切り替え得る。あるいは、ユーザは、加熱炉を第1の状態に復帰させている段階において、再度加熱炉を省エネルギーモードに切り替え得る。このように、加熱炉は、意図しないタイミングにおいて、省エネルギーモードに切り替えられ得る。
【0005】
特許文献1に記載の技術では、制御装置は、基準復帰時間に基づいて、省エネルギーモードから通常モードへの切り替えタイミングを決定する。上記のような意図しないタイミングにおいて加熱炉が省エネルギーモードに切り替えられた場合、基準復帰時間に基づいて決定されたタイミングで通常モードに切り替えたとしても、加熱炉は、基準復帰時間で第1の状態に復帰しない。なぜなら、意図しないタイミングにおいて加熱炉が省エネルギーモードに切り替えられたため、省エネルギーモードから通常モードに切り替えるときの加熱炉の温度が予想よりも低いためである。そのため、製品の滞留が生じる。その結果、製品の生産効率が低下する。
【0006】
本開示は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、エネルギー消費の低減と生産効率の維持との両立を支援することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一例によれば、加熱炉を制御する制御装置は、制御部と、推定部と、決定部とを備える。制御部は、加熱炉の動作モードを第1モードおよび第2モードのいずれかに制御する。推定部は、加熱炉の炉内温度の推定値を出力する。決定部は、推定値を用いて、動作モードの切り替えに関する情報を決定する。第1モードは、被加熱物を熱処理するための目標状態に加熱炉を維持するための第1条件に従って加熱炉が動作するモードである。第2モードは、第1条件よりもエネルギー消費量が少ない第2条件に従って加熱炉が動作するモードである。推定部は、第2条件に従って加熱炉が動作するように動作モードが制御される場合に、対象降温モデルに基づいて推定値を出力する。対象降温モデルは、目標状態にある加熱炉を第2条件に従って動作させたときの、炉内温度の経時変化を表す。推定部は、第1条件に従って加熱炉が動作するように動作モードが制御される場合に、対象昇温モデルに基づいて推定値を出力する。対象昇温モデルは、目標状態よりも低い温度の状態にある加熱炉を第1条件に従って動作させたときの、炉内温度の経時変化を表す。
【0008】
この開示によれば、制御装置は、加熱炉の炉内温度の推定値を把握できる。これにより、制御装置は、意図しないタイミングにおいて加熱炉が省エネルギーモードに切り替えられた場合であっても、推定値に応じて、加熱炉の動作モードの切り替えに関する情報を決定できる。そのため、制御装置は、加熱炉におけるエネルギー消費の低減と生産効率の維持との両立を支援できる。
【0009】
上述の開示において、情報は、動作モードを第2モードから第1モードに切り替える第1タイミングを示す。決定部は、加熱炉を目標状態に復帰させるべき第2タイミングにおいて加熱炉が目標状態に復帰するように、情報を決定する。
【0010】
この開示によれば、加熱炉は、第1タイミングにおいて動作モードを第2モードから第1モードに切り替えることにより、第2タイミングにおいて目標状態に復帰できる。
(【0011】以降は省略されています)

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