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公開番号2025050345
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-04
出願番号2023159076
出願日2023-09-22
発明の名称吸放熱システム
出願人株式会社アイシン
代理人弁理士法人アイテック国際特許事務所
主分類F25B 23/00 20060101AFI20250327BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約【課題】相転移材料を含む固体熱媒体に圧力を印加して得られる放熱量と、当該固体熱媒体から圧力を解放して得られる吸熱量とを良好に確保する。
【解決手段】吸放熱システムは、相転移材料を含む固体熱媒体と、固体熱媒体の加圧方向における一端に圧力を印加する加圧部材と、固体熱媒体の加圧方向における他端を支持する支持部材と、加圧部材からの圧力の印加に応じて加圧方向に収縮すると共に当該加圧方向と直交する径方向に膨張する固体熱媒体の外周面を支持し、かつ加圧部材から固体熱媒体に圧力が印加されるときに加圧部材および支持部材に当接しないように配置される筒状部材とを含む。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
加圧に伴って相転移する相転移材料に圧力を印加して高温相から低温相への相転移を生じさせると共に、前記相転移材料に印加された圧力を解放して前記低温相から前記高温相への相転移を生じさせる吸放熱システムであって、
前記相転移材料を含む固体熱媒体と、
前記固体熱媒体の加圧方向における一端に圧力を印加する加圧部材と、
前記固体熱媒体の前記加圧方向における他端を支持する支持部材と、
前記加圧部材からの圧力の印加に応じて前記加圧方向に収縮すると共に前記加圧方向と直交する径方向に膨張する前記固体熱媒体の外周面を支持し、かつ前記加圧部材から前記固体熱媒体に圧力が印加されるときに前記加圧部材および前記支持部材に当接しないように配置される筒状部材と、
を備える吸放熱システム。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
請求項1に記載の吸放熱システムにおいて、
前記相転移材料の前記高温相から前記低温相への相転移を生じさせるように前記加圧部材から前記固体熱媒体に圧力が印加される前に、前記筒状部材の前記支持部材側の端面と前記支持部材との間には、前記加圧部材から印加される圧力に応じた前記固体熱媒体の前記加圧方向における最大収縮量よりも大きいクリアランスが画成される吸放熱システム。
【請求項3】
請求項2に記載の吸放熱システムにおいて、
前記筒状部材の前記支持部材側の前記端面を支持するように前記支持部材の周囲に配置される第1治具と、
前記固体熱媒体の前記加圧方向における前記最大収縮量よりも大きい厚みを有すると共に、前記第1治具の前記筒状部材側とは反対側の端面を支持する第2治具とを更に備える吸放熱システム。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の吸放熱システムにおいて、前記筒状部材の内周面には、潤滑剤が塗布される吸放熱システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、加圧に伴って相転移する相転移材料を含む固体熱媒体を用いた吸放熱システムに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、双安定性を有する相転移材料として、ルビジウム-マンガン-鉄シアノ錯体(RbxMn[Fe(CN)6]y )が知られている(例えば、特許文献1参照)。ルビジウム-マンガン-鉄シアノ錯体は、マンガンおよび鉄の価数がMn(II)-Fe(III)となる高温相と、マンガンおよび鉄の価数がMn(III)-Fe(II)となる低温相との2つの状態で双安定性を示すものである。かかるルビジウム-マンガン-鉄シアノ錯体を含む熱媒体に圧力が印加されると、高温相から低温相への相転移温度および低温相から高温相への相転移温度が高くなる。すなわち、熱媒体に圧力を印加すれば、低温相から高温相への相転移温度よりも低い高温相から低温相への相転移温度が高くなるので、熱媒体の温度を大幅に低下させなくても、ルビジウム-マンガン-鉄シアノ錯体を高温相から低温相に相転移させて熱媒体から熱を放出させることができる。また、ルビジウム-マンガン-鉄シアノ錯体を含む熱媒体に印加された圧力が解放されると、高温相から低温相への相転移温度および低温相から高温相への相転移温度が低下する。従って、熱媒体に印加された圧力を解放すれば、当該熱媒体の温度を大幅に高くしなくても、ルビジウム-マンガン-鉄シアノ錯体を低温相から高温相に相転移させて熱媒体に熱を吸収させることが可能になる。そして、熱媒体への圧力の印加と解放とを繰り返し実行することで、当該熱媒体を介して低温部から高温部へと熱を移動させることができる。更に、特許文献1には、ルビジウム-マンガン-鉄シアノ錯体の粉体を固化させた固体熱媒体と、当該固体熱媒体を加圧する加圧装置とを含む吸放熱システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2023/002698号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたような相転移材料を含む固体熱媒体に単純に圧力を印加しても、理論上想定される放熱量(固体熱媒体の温度上昇量)を得ることは困難であった。そして、固体熱媒体に圧力を印加して得られる放熱量が少なくなってしまうと、固体熱媒体の吸熱量(固体熱媒体の温度低下量)も理論値を下回ってしまう。
【0005】
そこで、本開示は、相転移材料を含む固体熱媒体に圧力を印加して得られる放熱量と、当該固体熱媒体から圧力を解放して得られる吸熱量とを良好に確保することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の吸放熱システムは、加圧に伴って相転移する相転移材料に圧力を印加して高温相から低温相への相転移を生じさせると共に、前記相転移材料に印加された圧力を解放して前記低温相から前記高温相への相転移を生じさせる吸放熱システムであって、前記相転移材料を含む固体熱媒体と、前記固体熱媒体の加圧方向における一端に圧力を印加する加圧部材と、前記固体熱媒体の前記加圧方向における他端を支持する支持部材と、前記加圧部材からの圧力の印加に応じて前記加圧方向に収縮すると共に前記加圧方向と直交する径方向に膨張する前記固体熱媒体の外周面を支持し、かつ前記加圧部材から前記固体熱媒体に圧力が印加されるときに前記加圧部材および前記支持部材に当接しないように配置される筒状部材とを含むものである。
【0007】
本開示の吸放熱システムにおいて、相転移材料を含む固体熱媒体の一端に加圧部材から圧力が印加されるときに、筒状部材は、加圧部材からの圧力の印加に応じて加圧方向と直交する径方向に膨張する固体熱媒体の外周面を支持し、当該固体熱媒体と実質的に一体になる。更に、筒状部材は、加圧部材から固体熱媒体に圧力が印加されるときに、加圧部材および支持部材に当接しない状態に維持される。これにより、加圧部材から固体熱媒体の一端に印加された圧力が当該固体熱媒体の外周面および当該外周面を支持する筒状部材を介して支持部材に伝達されたり、加圧部材から筒状部材を介して固体熱媒体の外周面に圧力が印加されたりすることを防止することができる。従って、加圧部材と支持部材との双方から固体熱媒体の加圧方向における全体に荷重を均等に伝達することが可能になる。更に、固体熱媒体の加圧部材に近接した部分が筒状部材の内周面に固着するのを抑制すると共に、固体熱媒体内に存在する空気を筒状部材の支持部材側の端部から外部に逃がすことができる。この結果、本開示の吸放熱システムによれば、相転移材料を含む固体熱媒体に適正に圧力を印加して相転移材料の高温相から低温相への相転移による固体熱媒体からの放熱量を良好に確保すると共に、当該固体熱媒体から圧力を解放して得られる吸熱量を良好に確保することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の吸放熱システムを示す概略構成図である。
本開示の吸放熱システムにおける固体熱媒体の加圧手順を説明するための概略構成図である。
本開示の吸放熱システムにおける固体熱媒体の加圧手順を説明するための概略構成図である。
本開示の吸放熱システムにおける固体熱媒体の加圧手順を説明するための概略構成図である。
本開示の吸放熱システムにおいて固体熱媒体に印加された圧力を解放して得られる吸熱量の評価結果を示す図表である。
比較例の吸放熱システムにおいて固体熱媒体に印加された圧力を解放して得られる吸熱量の評価結果を示す図表である。
本開示の他の吸放熱システムを示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
【0010】
図1は、本開示の吸放熱システム1を示す概略構成図である。同図に示す吸放熱システム1は、加圧部材としての上パンチ2と、支持部材としての下パンチ3と、筒状部材としてのダイセット4と、第1治具5と、複数(本実施形態では、2つ)の第2治具6と、固体熱媒体10とを含む。上パンチ2は、円柱状の加圧部2pを有し、図示しない加圧源(駆動装置)に連結される。下パンチ3は、円柱状の台座部3bと、当該台座部3bから同軸に延出された円柱状の支持部3sとを有する。支持部3sは、台座部3bよりも小さく、かつ上パンチ2の加圧部2pと同一の外径を有する。下パンチ3の台座部3bは、支持部3sが図1における上側に位置すると共に上パンチ2の加圧部2pと同軸に延在するように、吸放熱システム1の設置スペースに設けられた平坦なベース部B上に固定される。
(【0011】以降は省略されています)

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