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公開番号2025044035
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-01
出願番号2023151711
出願日2023-09-19
発明の名称二酸化炭素固定検知用セメント硬化体、二酸化炭素固定範囲の検知方法
出願人清水建設株式会社,国立大学法人北海道大学
代理人個人,個人,個人
主分類G01N 31/22 20060101AFI20250325BHJP(測定;試験)
要約【課題】pHが8~11の範囲においてもCO2の固定化の進行状況を検知することができる二酸化炭素固定検知用セメント硬化体、およびそれを用いた二酸化炭素固定範囲の検知方法を提供する。
【解決手段】セメント硬化体と、前記セメント硬化体に担持したpH7~13の範囲において呈色反応示す二酸化炭素固定範囲指示液と、を含む、二酸化炭素固定検知用セメント硬化体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
セメント硬化体と、前記セメント硬化体に担持したpH7~13の範囲において呈色反応示す二酸化炭素固定範囲指示液と、を含む、二酸化炭素固定検知用セメント硬化体。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記二酸化炭素固定範囲指示液の含有量が、前記セメント硬化体100質量部に対して、0.01質量部以上5質量部以下である、請求項1に記載の二酸化炭素固定検知用セメント硬化体。
【請求項3】
前記セメント硬化体に担持した二酸化炭素吸収剤を含む、請求項1に記載の二酸化炭素固定検知用セメント硬化体。
【請求項4】
前記二酸化炭素吸収剤の含有量が、前記セメント硬化体100質量部に対して、0質量部以上20質量部以下である、請求項3に記載の二酸化炭素固定検知用セメント硬化体。
【請求項5】
前記セメント硬化体がコンクリートである、請求項1に記載の二酸化炭素固定検知用セメント硬化体。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の二酸化炭素固定検知用セメント硬化体を板状または柱状に成形する工程と、
前記二酸化炭素固定検知用セメント硬化体における対向する2つの端面以外の面を封止する工程と、
前記2つの端面の一方を、対象となるコンクリート躯体の二酸化炭素の吸収面と同一面上となるように、前記二酸化炭素固定検知用セメント硬化体を配置する工程と、を有し、
前記二酸化炭素固定検知用セメント硬化体が板状の場合、前記2つの端面は、前記二酸化炭素固定検知用セメント硬化体の短手方向または長手方向に沿う端面であり、
前記二酸化炭素固定検知用セメント硬化体が柱状の場合、前記2つの端面は、前記二酸化炭素固定検知用セメント硬化体の上面および底面である、二酸化炭素固定範囲の検知方法。
【請求項7】
前記二酸化炭素固定検知用セメント硬化体を構成するセメント硬化体は、前記コンクリート躯体と組成が同一である、請求項6に記載の二酸化炭素固定範囲の検知方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素固定検知用セメント硬化体、およびそれを用いた二酸化炭素固定範囲の検知方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
地球温暖化防止のために、二酸化炭素(以下、「CO

」とも言う。)排出量の削減が世界的に求められている。建設材料分野では、セメント量を低減することで、コンクリート製造時に発生するCO

量を削減する方法や、CO

を固定(吸収)できるコンクリートに関する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
コンクリートによるCO

の固定化の進行状況を把握する必要があるものの、CO

を固定してもコンクリートの外観が変化しないため、目視によりCO

の固定化の進行状況を把握することができない。
コンクリートがCO

を固定する現象は「中性化」と呼ばれている。この中性化の深さを把握する方法は、JIS A 1152:2018「コンクリートの中性化深さの測定方法」(以下、「フェノールフタレイン法」と言う。)に規定されている。この方法は、コンクリートを割裂し、割裂面に対して、JIS K 8001のJA.5に規定されるフェノールフタレイン溶液を噴霧し、抵触しない部分を中性化部位として把握する方法である。フェノールフタレイン法では、フェノールフタレインの呈色反応を利用しており、CO

の吸収によってコンクリート中の細孔溶液のpH8が程度まで低下した部位を中性化範囲と判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第4822373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンクリートがCO

を吸収固定する過程においてした状態では、コンクリート中の細孔溶液のpHは徐々に低下する。最終的に到達するpHの値は、一般的にはpH8程度であるが、コンクリートの組成によって変動する。すなわち、あらゆるコンクリートに対して、フェノールフタレイン法で判定される中性化範囲とCO

の吸収固定範囲は必ずしも一致せず、そのため、フェノールフタレイン法では、CO

の固定範囲を判定できない。また、フェノールフタレイン法は、コンクリート躯体から採取したコアや、削孔したドリル紛をサンプルとするため、コンクリート躯体の微破壊を伴う試験方法である。従って、フェノールフタレイン法では、検査のためにコンクリート躯体を損傷し、検査を終了した後、コンクリート躯体の補修を要する。
【0006】
また、セメント硬化体を粉砕したサンプルに対して熱分析(TG-DTA)を実施することで、サンプル中の炭酸カルシウムの存在を判定し、その結果に基づいて、CO

の固定量を判定することも可能である。しかしながら、この方法においても、コンクリート躯体からサンプルを取得する必要があるため、コンクリート躯体の微破壊を伴う。加えて、分析装置を現場で使用することができず、現場での早期判定は難しい。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、pHが8~11の範囲においてもCO

の固定化の進行状況を検知することができる二酸化炭素固定検知用セメント硬化体、およびそれを用いた二酸化炭素固定範囲の検知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を有する。
[1]セメント硬化体と、前記セメント硬化体に担持したpH7~13の範囲において呈色反応示す二酸化炭素固定範囲指示液と、を含む、二酸化炭素固定検知用セメント硬化体。
[2]前記二酸化炭素固定範囲指示液の含有量が、前記セメント硬化体100質量部に対して、0.01質量部以上5質量部以下である、[1]に記載の二酸化炭素固定検知用セメント硬化体。
[3]前記セメント硬化体に担持した二酸化炭素吸収剤を含む、[1]または[2]に記載の二酸化炭素固定検知用セメント硬化体。
[4]前記二酸化炭素吸収剤の含有量が、前記セメント硬化体100質量部に対して、0質量部以上20質量部以下である、[3]に記載の二酸化炭素固定検知用セメント硬化体。
[5]前記セメント硬化体がコンクリートである、[1]~[4]のいずれかに記載の二酸化炭素固定検知用セメント硬化体。
[6][1]~[5]のいずれかに記載の二酸化炭素固定検知用セメント硬化体を板状または柱状に成形する工程と、
前記二酸化炭素固定検知用セメント硬化体における対向する2つの端面以外の面を封止する工程と、
前記2つの端面の一方を、対象となるコンクリート躯体の二酸化炭素の吸収面と同一面上となるように、前記二酸化炭素固定検知用セメント硬化体を配置する工程と、を有し、
前記二酸化炭素固定検知用セメント硬化体が板状の場合、前記2つの端面は、前記二酸化炭素固定検知用セメント硬化体の短手方向または長手方向に沿う端面であり、
前記二酸化炭素固定検知用セメント硬化体が柱状の場合、前記2つの端面は、前記二酸化炭素固定検知用セメント硬化体の上面および底面である、二酸化炭素固定範囲の検知方法。
[7]前記二酸化炭素固定検知用セメント硬化体を構成するセメント硬化体は、前記コンクリート躯体と組成が同一である、[6]に記載の二酸化炭素固定範囲の検知方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、pHが8~11の範囲においてもCO

の固定化の進行状況を検知することができる二酸化炭素固定検知用セメント硬化体、およびそれを用いた二酸化炭素固定範囲の検知方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施形態に係る二酸化炭素固定範囲の検知方法を示す斜視図である。
本発明の一実施形態に係る二酸化炭素固定範囲の検知方法を示す斜視図である。
実施例および比較例において、セメント硬化体の発色の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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