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公開番号2025039377
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-21
出願番号2023146441
出願日2023-09-08
発明の名称灰押出装置
出願人三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社
代理人弁理士法人真田特許事務所
主分類F23J 1/02 20060101AFI20250313BHJP(燃焼装置;燃焼方法)
要約【課題】簡単な構成でガス抜き管の開口の閉塞を防止する灰押出装置を提供する。
【解決手段】灰押出装置は、灰シュート9と駆動室10とに接続されたガス抜き管18と、注水管12に接続されてガス抜き管18に散水する第一散水ノズル19を備える。ガス抜き管18は、駆動室10から継続的に上昇する第一通路部18aと、第一通路部に接続され、第一通路部との接続箇所から継続的に下降する第二通路部18bと、灰シュートの側面と第二通路部とに接続され、第二通路部との接続箇所から灰シュートに向かって継続的に下降し、第二通路部の断面積よりも大きな断面積の開口が灰シュートの側面に連通して形成される拡径部18cとを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
負圧の焼却炉から焼却灰が排出される灰シュートに接続された導入口並びに貯留水で冷却された前記焼却灰を排出する排出口を備えた冷却槽と、
前記冷却槽内に配置され、前記焼却灰を前記排出口側へ押し出すスクレーパと、
前記導入口に対し前記排出口と逆側に配置された駆動室の内部で前記スクレーパを駆動する駆動装置と、
前記駆動室に配置され、前記冷却槽内の前記貯留水の水位を検出する水位計と、
前記水位計で検出された水位に基づいて、前記冷却槽内の前記貯留水を増水する注水管と、
前記灰シュートと前記駆動室とに接続されたガス抜き管と、
前記注水管に接続され、且つ、前記ガス抜き管に散水する第一散水ノズルと
を有し、
前記ガス抜き管は、
前記駆動室から継続的に上昇する第一通路部と、
前記第一通路部に接続され、前記第一通路部との接続箇所から継続的に下降する第二通路部と、
前記灰シュートの側面と前記第二通路部とに接続され、その下端が、前記第二通路部との接続箇所から前記灰シュートに向かって継続的に下降し、前記第二通路部の断面積よりも大きな断面積の開口が前記灰シュートの側面に連通して形成される拡径部と
を備え、
前記第一散水ノズルは、前記第一通路部及び前記第二通路部のいずれにも同時に散水することができる灰押出装置。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
貯水槽または水道に一端が接続され且つ他端が前記注水管に接続された配水管と、
前記配水管または前記注水管に配置された電磁弁と、
前記水位計で検出された水位に基づいて前記電磁弁の開度を制御する制御装置と、
をさらに有し、
前記制御装置は、前記検出した水位が閾値以上の場合に、前記電磁弁を閉弁し、前記検出した水位が前記閾値未満の場合に、前記電磁弁を開弁して前記第一散水ノズルから水を散水する請求項1に記載の灰押出装置。
【請求項3】
前記拡径部の上端または上端近傍に配置され、且つ、前記注水管に接続されて、前記開弁の際に下方に水を散水する第二散水ノズル、
または、
前記第二通路部に配置され、且つ、前記注水管に接続されて、前記開弁の際に前記拡径部に向かって水を散水する第三散水ノズル
のいずれか一方または両方をさらに有する請求項2に記載の灰押出装置。
【請求項4】
前記開口は、多角形、円形、または楕円形である
請求項3に記載の灰押出装置。
【請求項5】
前記拡径部の一端は、前記灰シュートの側面に溶接され、前記拡径部の他端にはフランジが形成され、
前記駆動室の天井板には、貫通穴と、前記貫通穴に接続され且つフランジを備えたガス抜き管接続部が形成され、
前記第一通路部と前記第二通路部とは一体に形成され、
前記第一通路部のフランジを前記ガス抜き管接続部のフランジに接続し、前記第二通路部のフランジを前記拡径部のフランジに接続することで、前記駆動室の内部と前記開口とを前記ガス抜き管で連通する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の灰押出装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、焼却灰を冷却して排出する灰押出装置に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ごみの焼却炉(例えば、ストーカ炉)を備えた廃棄物清掃工場(焼却炉プラント)では、焼却後の灰(焼却灰または焼却残渣)を冷却して排出するために、一般的に、灰押出装置が配置される。灰押出装置は、焼却炉に接続された灰シュートから落下する焼却灰を導入口に受け入れ、灰押出装置内に貯留された水で冷却する。また、灰押出装置は、冷却された灰を排出口からスクレーパで排出する。さらに、灰シュートを含め焼却炉内は負圧であるが、灰押出装置は水封構造であるため、灰押出装置の排出口から導入口への空気の流れは遮断される。なお、灰押出装置では、水封構造を維持するため、水位計に基づいて注水管から水が供給される。
【0003】
ところで、焼却炉で焼却されるごみには、金属アルミニウムが含まれうる。そして、焼却灰の主成分は、湿潤状態でアルカリ性を示す。このため、灰押出装置の内部でアルカリ溶液と金属アルミニウムとが化学反応すると、水素等の可燃性ガスが発生することがある。また、灰押出装置に貯留された水に高温の焼却灰が接触すると水蒸気のガスが発生する。これらガスは、灰押出装置や周辺設備の故障を誘発するおそれがある。
そこで、灰押出装置の内部で発生する可燃性ガスや水蒸気などのガスを、負圧の灰シュートに向かってガス抜き管で排気する灰押出装置が開発された(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6906122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の灰押出装置において、焼却灰の性状や当該灰押出装置の運転条件によっては、灰シュートとガス抜き管の接続箇所近傍に細かな焼却灰が付着する。そして、当該接続箇所を閉塞しかねない状態にまで当該付着した焼却灰は成長することが判明した。
そこで、本発明は、簡単な構成で、当該閉塞を防止してガス抜きを十分に行うことができる灰押出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の灰押出装置は、負圧の焼却炉から焼却灰が排出される灰シュートに接続された導入口並びに貯留水で冷却された前記焼却灰を排出する排出口を備えた冷却槽と、前記冷却槽内に配置され、前記焼却灰を前記排出口側へ押し出すスクレーパと、前記導入口に対し前記排出口と逆側に配置された駆動室の内部で前記スクレーパを駆動する駆動装置と、前記駆動室に配置され、前記冷却槽内の前記貯留水の水位を検出する水位計と、前記水位計で検出された水位に基づいて、前記冷却槽内の前記貯留水を増水する注水管と、前記灰シュートと前記駆動室とに接続されたガス抜き管と、前記注水管に接続され、且つ、前記ガス抜き管に散水する第一散水ノズルとを有する。
そして、前記ガス抜き管は、前記駆動室から継続的に上昇する第一通路部と、前記第一通路部に接続され、前記第一通路部との接続箇所から継続的に下降する第二通路部と、前記灰シュートの側面と前記第二通路部とに接続され、その下端が、前記第二通路部との接続箇所から前記灰シュートに向かって継続的に下降し、前記第二通路部の断面積よりも大きな断面積の開口が前記灰シュートの側面に連通して形成される拡径部と、を備え、前記第一散水ノズルは、前記第一通路部及び前記第二通路部のいずれにも同時に散水することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の灰押出装置によれば、第二通路部と灰シュートとの間に拡径部が配置される。従って、第二通路部から灰シュートに向かって流れるガスの流速が拡径部で緩和されるので、灰シュートと拡径部の近傍に付着した焼却灰の成長の原因と考えられるガスの渦の発生が低減され、当該付着した焼却灰の成長を抑制することができる。
また、第一通路部は、駆動室から上昇する形状であり、第二通路部は、第一通路部から下降する形状であり、拡径部は、その下端が第二通路部から灰シュートに向かって継続的に下降する形状である。従って、第一通路部及び第二通路部のいずれにも同時に散水できる第一散水ノズルから水を散水することで、第一通路部および第二通路部のみならず拡径部に付着する焼却灰も当該散水によって洗い流すことができる。言い換えれば、上記成長の起点となりうる焼却灰を除去することができる。
従って、第一通路部、第二通路部、拡径部、および第一散水ノズルを少なくとも備えた簡単な構成で、拡径部の形状によるガスの渦低減の効果と第一散水ノズルによる洗浄の効果が相乗的に作用して、上記閉塞を防止してガス抜きを十分に行うことができる灰押出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施形態に係る灰押出装置の断面図である。
図1の灰シュートとガス抜き管との接続箇所である開口の形状を示すZY平面図(図2(1))と、図1のガス抜き管の周辺構成拡大図(図2(2))である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1及び図2を参照して、本発明の灰押出装置の実施形態を説明する。これら各図においては、説明の簡便のため、適宜、X軸、Y軸、Z軸による直交座標系を用いて説明する。なお、実施形態はあくまでも例示に過ぎず、明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本発明に必須の構成を除き、実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択したり、種々変形して実施することができる。
ここでは、まず、図1においてガス抜き管18の周辺構成(図1にて一点鎖線で囲んだ構成)を除く灰押出装置1の構成概要につき、図1を用いて簡単に説明した後、当該一点鎖線で囲んだガス抜き管18周辺構成につき、図2を用いて詳しく説明する。
【0010】
図1は、実施形態の灰押出装置1の構成を模式的に示す断面図である。このため、図2で図示されたガス抜き管18の周辺の構成(図1にて一点鎖線で囲まれた構成)の一部、例えばフランジなどについては、図1では省略されている。
灰押出装置1は、焼却灰を冷却する貯留水が所定水位(図1の破線)に貯留された冷却槽2と、冷却槽2内に配置されたスクレーパ3及び駆動装置4とを有する。冷却槽2には、焼却灰が導入される導入口5及び冷却された焼却灰を排出する排出口6が設けられる。
また、冷却槽2の底板は、導入口5の直下から、排出口6(具体的には、排出口6における鉛直方向且つ下方の端部)に向かって上り傾斜となる第一傾斜面2aと、導入口5の直下から第一傾斜面2aの逆側に向かって上り傾斜となる第二傾斜面2bとを備える。従って、冷却槽2の底板は、導入口5の直下が最も低く、下に凸の曲面状となっている。冷却槽2の断面形状は幅方向に一様であり、第一傾斜面2a及び第二傾斜面2bの各幅寸法(図1の紙面に直交する方向の寸法、すなわち、Y軸方向の寸法)は全て同一である。
(【0011】以降は省略されています)

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