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公開番号2025038690
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-19
出願番号2023145449
出願日2023-09-07
発明の名称水素エンジン性能取得方法
出願人日野自動車株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F02D 45/00 20060101AFI20250312BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】水素燃料を用いた水素エンジンの性能を取得可能な水素エンジン性能取得方法を提供する。
【解決手段】水素エンジン性能取得方法は、水素エンジンのエンジン性能を取得するための水素エンジン性能取得方法であって、当量比φを含む燃料物性及び雰囲気条件の入力を受け、当量比φが0.5未満の場合に対応した層流燃焼速度モデルを用いた演算を行うことにより、水素エンジンにおける層流燃焼速度SLを算出する工程S102と、工程S102の後に、層流燃焼速度SLに基づいてエンジン性能を示す値を取得する工程S107と、を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
水素エンジンのエンジン性能を取得するための水素エンジン性能取得方法であって、
当量比を含む燃料物性及び雰囲気条件の入力を受け、前記当量比が0.5未満の場合に対応した層流燃焼速度モデルを用いた演算を行うことにより、前記水素エンジンにおける層流燃焼速度を算出する第1工程と、
前記第1工程の後に、前記第1工程で算出した前記層流燃焼速度に基づいて前記エンジン性能を示す値を取得する第2工程と、
を備える水素エンジン性能取得方法。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
前記第1工程と前記第2工程との間において、前記第1工程で算出した前記層流燃焼速度に基づいて、スワール及びタンブルを含む気流と点火位置とを考慮した火炎伝播モデルを用いた演算を行うことにより、前記水素エンジンにおける火炎伝播速度を算出する第3工程を備え、
前記第2工程では、前記第3工程で算出した前記火炎伝播速度にさらに基づいて、前記エンジン性能を示す値を取得する、
請求項1に記載の水素エンジン性能取得方法。
【請求項3】
前記第1工程と前記第2工程との間において、前記第1工程で算出した前記層流燃焼速度に基づいて、水素燃料の消炎距離を考慮した冷却損失モデルを用いた演算を行うことにより、前記水素エンジンにおける熱伝達率を算出する第4工程を備え、
前記第2工程では、前記第4工程で算出した前記熱伝達率にさらに基づいて、前記エンジン性能を示す値を取得する、
請求項1又は2に記載の水素エンジン性能取得方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、水素エンジン性能取得方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、エンジンの性能を予測する予測解析方法が記載されている。この方法では、エンジンの燃焼サイクルを吸気、圧縮、膨張、及び排気の4つの過程に分けて、吸気及び排気過程ではそれぞれエンジンの作動ガスの流れをCFD演算により記述する。一方で、圧縮及び膨張過程では少なくとも燃焼室における作動ガスを吸気及び排気過程に比べて多数のガス成分により模擬して、その状態を化学反応式の演算により記述する。
【0003】
特許文献1では、上記方法を、エンジンの作動ガスである吸気や排気等の流れを1次元又は3次元のCFD演算により記述するとともに、気筒内の燃焼を化学反応式により記述し、それらを組み合わせることによって、エンジンの運転を模擬するシミュレーションを行うようにしたシステムにおいて実施するとされている。また、3次元CFDの膨大な演算量に対応すべく高速のサーバコンピュータを複数台、並列に接続して使用するとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-239130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に記載の方法では、1次元CFDの物理モデル及び3次元のモデルが使用される。しかし、上記特許文献1に係るモデルのような従来の炭化水素燃料のためのモデル(例えば層流燃焼速度モデル)では、当量比φが0.5未満の希薄燃焼に対応していない。一方で、水素燃料を用いた水素エンジンでは、当量比φが0.5未満の希薄燃焼が可能であることから、当該従来のモデルでは水素エンジンのエンジン性能を十分に取得することが困難である。
【0006】
そこで、本開示は、水素燃料を用いた水素エンジンの性能を取得可能な水素エンジン性能取得方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を進めた結果、当量比φが0.5未満の希薄燃焼にも対応した層流燃焼速度モデルを構築するに至った。本開示は、当該研究に基づいてなされたものである。
【0008】
すなわち、本開示に係る水素エンジン性能取得方法は、水素エンジンのエンジン性能を取得するための水素エンジン性能取得方法であって、当量比を含む燃料物性及び雰囲気条件の入力を受け、当量比が0.5未満の場合に対応した層流燃焼速度モデルを用いた演算を行うことにより、水素エンジンにおける層流燃焼速度を算出する第1工程と、第1工程の後に、第1工程で算出した層流燃焼速度に基づいてエンジン性能を示す値を取得する第2工程と、を備える水素エンジン性能取得方法である。
【0009】
この方法では、第1工程において、当量比φが0.5未満の希薄燃焼に対応した層流燃焼モデルを用いた演算により、水素燃料を用いた水素エンジンにおける層流燃焼速度を算出する。これにより、第2工程において、当該算出された層流燃焼速度に基づいて、水素エンジンのエンジン性能を示す値(例えば、ヒートバランス(熱勘定)等)を取得することが可能となる。
【0010】
また、本開示に係る水素エンジン性能取得方法は、第1工程と第2工程との間において、第1工程で算出した層流燃焼速度に基づいて、スワール及びタンブルを含む気流と点火位置とを考慮した火炎伝播モデルを用いた演算を行うことにより、水素エンジンにおける火炎伝播速度を算出する第3工程を備え、第2工程では、第3工程で算出した火炎伝播速度にさらに基づいて、エンジン性能を示す値を取得してもよい。この場合、スワール及びタンブルを含む気流と点火位置とを反映した火炎伝播速度に基づいて、水素エンジンのエンジン性能を示すより精度の高い値を取得することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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