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公開番号
2025036046
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-14
出願番号
2024061952
出願日
2024-04-08
発明の名称
コンパクト回転式藻類バイオフィルム反応器
出願人
南京大学
,
NANJING UNIVERSITY
代理人
弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
主分類
C02F
7/00 20060101AFI20250306BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】太陽光の利用率を向上させ、単位面積及び単位空間あたりのバイオマス量を著しく向上させ、処理効率の向上により有利であり、さらなる曝気装置を必要とせず、経済性を強化する、コンパクト回転式藻類バイオフィルム反応器を提供する。
【解決手段】反応器は、藻類バイオフィルムモジュール及び導光モジュールを含み、藻類バイオフィルムモジュールは、複数の回転部材及び反応プールを含み、回転部材における藻類バイオフィルム成長ベクター2と動力伝達ベルトは、駆動軸3と従動軸4に巻きつけられ、回転部材は、トップが固定フレーム6に固定され、底端が反応プール5に浸漬され、低速モーター1は、回転するように回転部材を駆動し、導光モジュールは、上端に線形フレネルレンズ12が固定して設けられた回転可能なレンズホルダ11を含み、下端には導光板13が設けられ、線形フレネルレンズの一側にはステッピングモータ10が設けられる。
【選択図】図8
特許請求の範囲
【請求項1】
コンパクト回転式藻類バイオフィルム反応器であって、
藻類バイオフィルムモジュールと導光モジュールとが嵌合して構成され、
前記藻類バイオフィルムモジュールは、複数の回転部材及び反応プール(5)を含み、前記反応プール(5)の上部には固定フレーム(6)が設けられ、前記回転部材は、低速モーター(1)、藻類バイオフィルム成長ベクター(2)及び動力伝達ベルト(9)を含み、前記低速モーター(1)は、前記固定フレーム(6)の上部に固定され、前記低速モーター(1)の一側には駆動軸(3)が接続され、前記反応プール(5)における液面以下には従動軸(4)が設けられ、前記藻類バイオフィルム成長ベクター(2)は、前記動力伝達ベルト(9)で前記駆動軸(3)及び前記従動軸(4)に巻きつけられ、前記導光モジュールは、回転可能なレンズホルダ(11)を含み、前記回転可能なレンズホルダ(11)の上端には線形フレネルレンズ(12)が固定して設けられ、前記回転可能なレンズホルダ(11)の下端には導光板(13)が設けられ、前記線形フレネルレンズ(12)の一側にはステッピングモータ(10)が設けられ、前記ステッピングモータ(10)は、前記固定フレーム(6)に設けられる、ことを特徴とするコンパクト回転式藻類バイオフィルム反応器。
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【請求項2】
前記回転部材の数は、2つ以上である、ことを特徴とする請求項1に記載のコンパクト回転式藻類バイオフィルム反応器。
【請求項3】
前記線形フレネルレンズ(12)は、太陽光角度の変化に伴ってゆっくりと回転するように前記ステッピングモータ(10)で動かすことができ、太陽光を前記導光板(13)の一側に線形に常に集束させ、前記導光板(13)に面光源を形成し、前記導光板(13)は、隣接する回転部材の間に平行に固定される、ことを特徴とする請求項2に記載のコンパクト回転式藻類バイオフィルム反応器。
【請求項4】
前記線形フレネルレンズ(12)は、2つの隣接する前記回転部材のトップに設けられ、前記導光板(13)は、隣接する前記回転部材の中間に垂直に挿入され、前記藻類バイオフィルム成長ベクター(2)の表面に平行する、ことを特徴とする請求項3に記載のコンパクト回転式藻類バイオフィルム反応器。
【請求項5】
前記回転可能なレンズホルダ(11)のベースは、「人」字状をしている、ことを特徴とする請求項1に記載のコンパクト回転式藻類バイオフィルム反応器。
【請求項6】
前記藻類バイオフィルム成長ベクター(2)は、可撓性材料である、ことを特徴とする請求項1に記載のコンパクト回転式藻類バイオフィルム反応器。
【請求項7】
前記可撓性材料は、シリカゲルフィルム、ナイロン布、綿や麻の製品又は可撓性プラスチックである、ことを特徴とする請求項6に記載のコンパクト回転式藻類バイオフィルム反応器。
【請求項8】
前記低速モーター(1)は、前記駆動軸(3)に接続されて回転し、前記動力伝達ベルト(9)は、前記反応プール(5)の液面下に浸漬される前記従動軸(4)を駆動して回転させることで、前記藻類バイオフィルム成長ベクター(2)を前記動力伝達ベルト(9)に従って気-液媒体中で交互に回転させることができる、ことを特徴とする請求項1に記載のコンパクト回転式藻類バイオフィルム反応器。
【請求項9】
前記ステッピングモータ(10)と前記低速モーター(1)とは、前記固定フレーム(6)に同側に配置されてもよく、又は異側に設けられてもよい、ことを特徴とする請求項1に記載のコンパクト回転式藻類バイオフィルム反応器。
【請求項10】
前記反応プール(5)の一側の底部には吸水口(8)が設けられ、前記吸水口(8)に対向する他側には排水口(7)が設けられる、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載のコンパクト回転式藻類バイオフィルム反応器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパクト回転式藻類バイオフィルム反応器に関し、下水処理の技術分野に属する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
「第十四次五カ年計画」期に汚染防止・治療の難関攻略戦を戦い及びグリーン発展理念を打ち固めるために、下水処理に対して汚染・炭素排出削減の協同効果増加の要求を提出する。現在、主流となる下水処理技術は、活性汚泥法を核心とするものであり、エネルギー消費と薬物消費が高いという問題があり、下水処理業界の低炭素転換の発展方向と逆行である。近年、微細藻類に基づく下水処理技術は、汚染物(窒素、リン、重金属や薬物など)の効率的な除去、CO
2
の固定化及びバイオ燃料の生産などの優位性が広く注目され、広範な応用の見通しがある。藻類バイオフィルムの形式を用いて懸濁式微細藻類処理技術のバイオマス採集困難の問題をさらに突破する。しかし、従来の藻類バイオフィルム技術は、依然として物質含有量が低く、単位面積あたりの負荷が低いという問題がある。そのため、より効率的なコンパクト藻類バイオフィルム反応器の開発が必要である。
【0003】
CN108163972Aは、リン除去脱窒素に基づく藻類回転バイオフィルム反応器システム及び応用を開示し、まず、予め藻類バイオフィルムを掛けた可撓性ベクターを回転可能な伝達ベルト型装置に固定し、回転装置を活性汚泥プールの上方に配置し、回転部品の底部を廃水及び活性汚泥と接触させ、下水中の有機物、窒素やリンなどの物質を除去するために、活性汚泥との結合関係を形成し、また、回転部品の上端は、太陽光と空気にさらされ、藻類は、光合作用によって酸素を生成し及び成長する。上記方法は、以下の問題がある。(1)藻類バイオフィルムシステムに垂直に配置される回転部材の間に相互遮蔽を避けるために大きな距離を確保する必要があり、各回転部材における藻類バイオフィルムが十分な光照射を受けることを確保するために、単位面積あたりの藻類バイオフィルムの量を制限し、間接的に装置の敷地面積を増加させる。(2)太陽光の照射角度は、時間とともに変化し、光照射のムラにより処理効果が不安定になる場合が現れやすい。太陽の入射角が大きい場合(朝、晩)には、フィルム間は、互いに遮蔽しやすい一方、太陽の入射角が小さい場合には、回転部材の隙間に大量の太陽光が直接照射され、太陽光の利用率が低い。(3)藻類バイオフィルムと活性汚泥とを結合するには、曝気により大量のエネルギーを消費する必要があり、藻類バイオフィルムの汚染低減と炭素低減の相乗効果の利点を十分に利用できず、しかも曝気により藻類バイオフィルムが脱落しやすく、かつ接触過程で活性汚泥が藻類バイオフィルムに付着しやすく、藻類バイオフィルムの光合成作用にも不利である。
【0004】
一部の発明は、導光板を用いて反応器の内部の光照射を向上させ、藻類バイオフィルムの成長量を増加させる。例えば、CN111647501Aは、導光ベクターに基づく多層積層型吸着式微細藻類バイオフィルム光生物反応器を開示する。この反応器は、多層に積層された固体導光板から構成され且つ各層の固体導光板の左側にLEDランプストリップが取り付けられ、導光板は、光源伝送、変換媒体及び吸着式微細藻類バイオフィルムベクターとして、微細藻類細胞の多層積層型培養を実現し、単位敷地面積当たりの微細藻類バイオマス生産量を向上させる。また、CN112852588Aは、導光三次元多孔質バイオフィルムベース反応器及び微細藻類バイオフィルムの培養方法を開示する。この反応器本体内には、三次元多孔質構造を有する導光バイオフィルムベクターが配置され、各層の導光バイオフィルム内は、いずれも側面導光ファイバが嵌合され、且つファイバコレクタを介してファイバ専用光源に接続され、導光バイオフィルム内にはさらに導光ナノメートル粒子が均一に添加され、導光ナノメートル粒子は、サイド導光ファイバの受けた光を四周へ均一に散乱する。しかし、これらの方法は、導光板を固定する必要があり、入光端が狭く、角度が変化し続ける太陽光を効果的に利用することができないため、固定される人工光源(LEDランプストリップ及びファイバなど)を使用するしかなく、これは間違いなく動作コストを増加させ、低炭素の理念に合致しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明目的:本発明の目的は、コンパクト回転式藻類バイオフィルム反応器を提供することであり、導光モジュールを搭載することで太陽光の利用効率を向上させ、垂直に回転する藻類バイオフィルムベクターの設置距離をより緊密にすることを許可し、且つ活性汚泥システムに依存する必要がなく、単位面積あたりのバイオマスの量を著しく向上させることができ、それによって下水処理及び藻類生産効率を向上させ、下水の高効率低炭素処理を実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
技術案:本発明に記載のコンパクト回転式藻類バイオフィルム反応器は、藻類バイオフィルムモジュールと導光モジュールとが嵌合して構成され、前記藻類バイオフィルムモジュールは、複数の回転部材及び反応プールを含み、前記反応プールの上部には固定フレームが設けられ、前記回転部材は、低速モーター、藻類バイオフィルム成長ベクター及び動力伝達ベルトを含み、前記低速モーターは、固定フレームの上部に固定され、前記低速モーターの一側には駆動軸が接続され、前記反応プールにおける液面以下には従動軸が設けられ、前記藻類バイオフィルム成長ベクターは、動力伝達ベルトで駆動軸及び従動軸に巻きつけられ、前記導光モジュールは、回転可能なレンズホルダを含み、前記回転可能なレンズホルダの上端には線形フレネルレンズが固定して設けられ、前記回転可能なレンズホルダの下端には導光板が設けられ、前記線形フレネルレンズの一側にはステッピングモータが設けられ、前記ステッピングモータは、固定フレームに設けられる。
【0007】
さらに、前記回転部材の数は、2つ以上である。
【0008】
さらに、前記線形フレネルレンズは、太陽光角度の変化に伴ってゆっくりと回転するようにステッピングモータで動かすことができ、太陽光を導光板の一側に常に線形に集束させ、導光板に面光源を形成し、前記導光板は、隣接する回転部材の間に平行に固定される。
【0009】
さらに、前記線形フレネルレンズは、2つの隣接する回転部材のトップに設けられ、前記導光板は、隣接する回転部材の中間に垂直に挿入され、藻類バイオフィルム成長ベクターの表面に平行する。
【0010】
さらに、前記回転可能なレンズホルダのベースは、「人」字状をしている。
(【0011】以降は省略されています)
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