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公開番号
2025035053
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-13
出願番号
2023141823
出願日
2023-08-31
発明の名称
車両の制御装置
出願人
トヨタ自動車株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
G01M
17/007 20060101AFI20250306BHJP(測定;試験)
要約
【課題】ディファレンシャル装置の故障の予測精度を向上することができる車両の制御装置を提供する。
【解決手段】デフケース及び内蔵歯車の各々において摺動する摺動部の各々における入力負担及び摺動面温度が算出される。そして、入力負担と摺動面温度とに基づいてディファレンシャル装置の故障が今後発生する可能性があると判定される領域が予め定められた関係に、入力負担及び摺動面温度の各算出結果が適用されることで、ディファレンシャル装置の故障が予測される。これにより、摺動部の各々における発熱やストレスを直接的に予測することができる。よって、ディファレンシャル装置の故障の予測精度を向上することができる。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
動力源と、前記動力源からの動力をディファレンシャル装置及び左右のドライブシャフトを介して左右の駆動輪に伝達する動力伝達装置と、を備えた車両の、制御装置であって、
前記ディファレンシャル装置の内蔵歯車を収容し且つ前記ドライブシャフトが相対回転可能に嵌合された前記ディファレンシャル装置のデフケース、及び前記内蔵歯車の各々において摺動する摺動部の各々における入力負担及び摺動面温度を算出し、
前記入力負担と前記摺動面温度とに基づいて前記ディファレンシャル装置の故障が今後発生する可能性があると判定される領域が予め定められた関係に、前記入力負担及び前記摺動面温度の各算出結果を適用することで、前記ディファレンシャル装置の故障を予測することを特徴とする車両の制御装置。
続きを表示(約 660 文字)
【請求項2】
前記入力負担は、前記摺動部における面圧と摺動速度と摺動時間との乗算値で表される入力ストレスであることを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項3】
前記動力源のトルク、前記ディファレンシャル装置の入力回転速度、前記ディファレンシャル装置が差動状態とされている時間、及び前記ディファレンシャル装置の潤滑油の温度を含む前記動力伝達装置の内部情報と、前記左右の駆動輪の各回転速度、及びステアリングの操舵角を含む車両情報と、前記デフケースの寸法の設計値、前記デフケースと前記ドライブシャフトとの嵌合部分におけるクリアランスの設計値、及び前記デフケースの前記摺動部における面粗さの設計値を含む前記ディファレンシャル装置の製造情報と、を用いて、前記入力ストレス及び前記摺動面温度を算出することを特徴とする請求項2に記載の車両の制御装置。
【請求項4】
前記内部情報は、前記潤滑油の流量を更に含むものであり、
前記車両情報は、前記車両の前後加速度、前記車両の左右加速度、及び前記車両の重量を更に含むものであり、
前記製造情報は、前記デフケースの剛性の設計値、及び前記デフケースに対する前記内蔵歯車の相対位置の設計値を更に含むものであることを特徴とする請求項3に記載の車両の制御装置。
【請求項5】
前記ディファレンシャル装置の故障を予測した結果を運転者に報知することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の車両の制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディファレンシャル装置を備えた車両の制御装置に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
動力源と、前記動力源からの動力をディファレンシャル装置及び左右のドライブシャフトを介して左右の駆動輪に伝達する動力伝達装置と、を備えた車両の、制御装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載された車両制御装置がそれである。この特許文献1には、動力源のトルクに関する情報と動力伝達装置の歯車の回転速度に関する情報と動力伝達装置の作動時間に関する情報とに基づき、動力伝達装置の歯車の軸受保持部の累積負荷に関する情報を取得し、取得した軸受保持部の累積負荷に関する情報と軸受保持部の寸法に関する情報とに基づき、軸受保持部の摩耗量を推定し、推定した摩耗量に基づき、軸受保持部の摩耗に起因する騒音や振動のレベルが所定基準以上であるか否かを判定することによって、動力伝達装置における振動や騒音の原因が軸受保持部の摩耗であるか否かを特定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-15063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ディファレンシャル装置では、差動状態とされているときに、内蔵歯車を収容し且つドライブシャフトが相対回転可能に嵌合されたデフケース、及び内蔵歯車の各々において摺動する箇所がある。この際、摺動による焼付きによってディファレンシャル装置の耐久性が低下する可能性がある。その為、ディファレンシャル装置の故障(焼付き)を予測することが望まれる。特許文献1を参照すれば、例えば動力源のトルク、ディファレンシャル装置の歯車の回転速度、ディファレンシャル装置が差動状態とされている時間などを用いて、ディファレンシャル装置の故障を予測することが考えられる。しかしながら、故障の予測精度が低いと、車両不具合の発生や部品の誤交換による費用増加につながるおそれがある。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、ディファレンシャル装置の故障の予測精度を向上することができる車両の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明の要旨とするところは、(a)動力源と、前記動力源からの動力をディファレンシャル装置及び左右のドライブシャフトを介して左右の駆動輪に伝達する動力伝達装置と、を備えた車両の、制御装置であって、(b)前記ディファレンシャル装置の内蔵歯車を収容し且つ前記ドライブシャフトが相対回転可能に嵌合された前記ディファレンシャル装置のデフケース、及び前記内蔵歯車の各々において摺動する摺動部の各々における入力負担及び摺動面温度を算出し、(c)前記入力負担と前記摺動面温度とに基づいて前記ディファレンシャル装置の故障が今後発生する可能性があると判定される領域が予め定められた関係に、前記入力負担及び前記摺動面温度の各算出結果を適用することで、前記ディファレンシャル装置の故障を予測することにある。
【発明の効果】
【0007】
前記第1の発明によれば、デフケース及び内蔵歯車の各々において摺動する摺動部の各々における入力負担及び摺動面温度が算出される。そして、入力負担と摺動面温度とに基づいてディファレンシャル装置の故障が今後発生する可能性があると判定される領域が予め定められた関係に、入力負担及び摺動面温度の各算出結果が適用されることで、ディファレンシャル装置の故障が予測される。これにより、摺動部の各々における発熱やストレスを直接的に予測することができる。よって、ディファレンシャル装置の故障の予測精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明が適用される車両の概略構成を説明する図である。
デフの構成の一例を説明する図であり、又、デフとドライブシャフトとの組み付け前の状態の一例を示す図である。
車両におけるデフの故障の予測制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。
デフ故障判定マップの一例を示す図である。
電子制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであり、デフの故障の予測精度を向上する為の制御作動を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0010】
図1は、本発明が適用される車両10の概略構成を説明する図である。図1において、車両10は、動力源としてのエンジン12、駆動輪14、及びエンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路に設けられた動力伝達装置16などを備えている。
(【0011】以降は省略されています)
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