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公開番号
2025034652
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-13
出願番号
2023141158
出願日
2023-08-31
発明の名称
車載充電装置
出願人
株式会社アイシン
代理人
弁理士法人R&C
主分類
H02M
7/48 20070101AFI20250306BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】車載の回転電機のコイル及びインバータを利用して、外部交流電源からの電力により車載の直流電源を充電する車載充電装置を、より高い安全性を備えると共にシステムコストの増加を抑制して構成する。
【解決手段】外部交流電源4の側の交流電力と第1の直流電力との間で電力を変換する第1回路1は、回転電機の複数のコイル7を用いて構成された入力インダクタLiと、一方のアーム1aがインバータ5を用いて構成されたフルブリッジ・アクティブ整流器とを備え、第1の直流電力から第2の直流電力を生成する第2回路2は、一次側コイルT1と二次側コイルT2とを備えたトランスTと、第1回路1及び一次側コイルT1に接続された一次側ブリッジ回路21と、直流電源3及び二次側コイルT2に接続された二次側ブリッジ回路22とを備えたデュアル・アクティブ・ブリッジ回路を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
中性点で互いに接続された複数相のコイルを備えた回転電機と、直流と複数相の交流との間で電力を変換するインバータと、前記インバータを介して前記回転電機に接続される直流電源と、を備えた車両に搭載され、外部交流電源から供給される電力によって前記直流電源を充電する車載充電装置であって、
前記外部交流電源の側の交流電力と第1の直流電力との間で電力を変換する第1回路と、
前記第1の直流電力から前記直流電源を充電する第2の直流電力を生成する第2回路と、を備え、
前記第1回路は、
前記外部交流電源の側に配置された入力インダクタと、
力率改善機能を有するフルブリッジ・アクティブ整流器と、を備えた交流直流変換器を備え、
前記第2回路は、
一次側コイルと二次側コイルとを備えたトランスと、
前記第1回路及び前記一次側コイルに接続された一次側ブリッジ回路と、
前記直流電源及び前記二次側コイルに接続された二次側ブリッジ回路と、を備えたデュアル・アクティブ・ブリッジ回路を備え、
前記入力インダクタは、複数の前記コイルを用いて構成され、
前記フルブリッジ・アクティブ整流器の2本のアームの内の一方のアームは、前記インバータを用いて構成されている、車載充電装置。
続きを表示(約 430 文字)
【請求項2】
前記第1回路は、前記外部交流電源と前記入力インダクタとの間に、複数の前記コイルのインダクタンスよりも大きいインダクタンスを有する付加インダクタをさらに備える、請求項1に記載の車載充電装置。
【請求項3】
前記車両は、前記直流電源よりも定格電圧が低い低圧直流電源を備え、
前記第2回路は、
前記二次側コイルが、二次側第1コイルと二次側第2コイルと、を備え、
前記二次側ブリッジ回路が、前記第2の直流電力を生成する二次側第1ブリッジ回路と、前記第1の直流電力から前記低圧直流電源を充電する第3の直流電力を生成する二次側第2ブリッジ回路と、を備えたトリプル・アクティブ・ブリッジ回路を備え、
前記二次側第1ブリッジ回路が、前記直流電源及び前記二次側第1コイルに接続され、
前記二次側第2ブリッジ回路が、前記低圧直流電源及び前記二次側第2コイルに接続されている、請求項1又は2に記載の車載充電装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載充電装置に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
特表2022-503713号公報には、電気自動車やハイブリッド自動車などの車輪の駆動力源として回転電機を備えた車両に搭載された直流電源を、車両に搭載された状態で充電する車載充電装置(Onboard Charger)が開示されている(背景技術において括弧内の符号は参照する文献のもの。)。この文献の図3には、外部交流電源(310)がY字接続された3相のコイルの中性点に接続され、当該3相のコイルのそれぞれにインバータ(220)の交流側のそれぞれのアームが接続され、インバータ(220)の直流側端子に直流直流変換器(DC/DCコンバータ)の入力側端子が接続され、直流直流変換器の出力側端子に直流電源が接続された車載充電装置が例示されている。3相のコイル及びインバータ(220)は、外部交流電源(310)からの正弦波のグリッド電流を直流に変換する交流直流変換器(AC/DCコンバータ)を形成している。インバータ(220)がスイッチング制御されることにより、この交流直流変換器は交流電力から変換される直流電力の力率を改善する力率改善(PFC:Power Factor Correction)回路としても機能する。交流直流変換後の電流には、外部交流電源(310)の周波数(系統周波数)の2倍の周波数のリップルが生じる。直流直流変換器は、このリップルを低減して直流電源を充電するためのバッテリ電流を生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2022-503713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、例えば電気自動車やハイブリッド自動車における車載充電装置では、3相のコイルとして、例えば当該車両の車輪の駆動力源の回転電機のステータに備えられたコイル(ステータコイル)を用いることができる。図6はそのような車載充電装置の従来例である充電装置10Xの一例を示している。充電装置10Xは、車輪の駆動力源の回転電機70のコイル7及び当該回転電機70を駆動制御するインバータ5を兼用して構成されている。充電装置10Xは、交流直流変換器を備えた第1回路1と直流直流変換器を備えた第2回路2とを有して構成されている。第1回路1は、コイル7とインバータ5とを利用して構成されており、回転電機70の複数相のコイル7の中性点7Nに外部交流電源4が接続されている。第1回路1と第2回路2とは、機能切替コンタクタ12を介して選択的に接続されている。コイル7及びインバータ5が車輪の駆動に用いられる場合は、機能切替コンタクタ第1接点12aが閉成され、コイル7及びインバータ5が直流電源3の充電に用いられる場合は、機能切替コンタクタ第2接点12bが閉成される。
【0005】
しかし、外部交流電源4と直流電源3とがそれぞれ電気的に独立していない構成では、共通のグラウンドに、外部交流電源4からの比較的高い漏れ電流が流れる場合がある。直流電源3の充電中には、車両の近傍にユーザー等が存在する可能性があるため、このような漏れ電流についても考慮されていることが好ましい。また、外部交流電源4と直流電源3とがそれぞれ電気的に独立していない構成では、外部交流電源4の短絡故障等が生じた場合に、直流電源3、及び直流電源3に接続された車載装置に大きな短絡電流が流れるおそれもある。
【0006】
上記背景に鑑みて、車載の回転電機のコイル及びインバータを利用して、外部交流電源からの電力により車載の直流電源を充電する車載充電装置を、より高い安全性を備えると共にシステムコストの増加を抑制して構成することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に鑑みた車載充電装置は、中性点で互いに接続された複数相のコイルを備えた回転電機と、直流と複数相の交流との間で電力を変換するインバータと、前記インバータを介して前記回転電機に接続される直流電源と、を備えた車両に搭載され、外部交流電源から供給される電力によって前記直流電源を充電する車載充電装置であって、前記外部交流電源の側の交流電力と第1の直流電力との間で電力を変換する第1回路と、前記第1の直流電力から前記直流電源を充電する第2の直流電力を生成する第2回路と、を備え、前記第1回路は、前記外部交流電源の側に配置された入力インダクタと、力率改善機能を有するフルブリッジ・アクティブ整流器と、を備えた交流直流変換器を備え、前記第2回路は、一次側コイルと二次側コイルとを備えたトランスと、前記第1回路及び前記一次側コイルに接続された一次側ブリッジ回路と、前記直流電源及び前記二次側コイルに接続された二次側ブリッジ回路と、を備えたデュアル・アクティブ・ブリッジ回路を備え、前記入力インダクタは、複数の前記コイルを用いて構成され、前記フルブリッジ・アクティブ整流器の2本のアームの内の一方のアームは、前記インバータを用いて構成されている。
【0008】
本構成によれば、第2回路にトランスを備えることにより、直流電源と外部交流電源とが絶縁される。従って、外部交流電源からの漏れ電流に対してユーザーの安全を確保し易い。また、外部交流電源に短絡故障等が生じた場合に、直流電源、及び直流電源に接続された車載装置に大きな短絡電流が流れる可能性も低減させることができる。このように、本構成によれば、車載の回転電機のコイル及びインバータを利用して、外部交流電源からの電力により車載の直流電源を充電する車載充電装置を、より高い安全性を備えると共にシステムコストの増加を抑制して構成することができる。
【0009】
車載充電装置のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する例示的且つ非限定的な実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
回転電機の駆動制御システムの模式的な回路ブロック図
回転電機の駆動制御システムを利用した車載充電装置の第1の例を示す回路ブロック図
回転電機の駆動制御システムを利用した車載充電装置の第2の例を示す回路ブロック図
回転電機の駆動制御システムを利用した車載充電装置の第3の例を示す回路ブロック図
回転電機の駆動制御システムを利用した車載充電装置の第4の例を示す回路ブロック図
回転電機の駆動制御システムを利用した従来の充電装置の例を示す回路ブロック図
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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