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公開番号
2025031653
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-07
出願番号
2024140147
出願日
2024-08-21
発明の名称
インナーロッド、及びボーリングロッド、並びに二重管削孔方法
出願人
株式会社ジオテック
代理人
個人
主分類
E21B
21/00 20060101AFI20250228BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約
【課題】エアー削孔で、孔底で発生する削孔スライムを孔口までスムーズに輸送・排出できる削孔技術の提供。
【解決手段】外管をなすケーシングと、ケーシング内に挿入されたインナーロッドとを備えたボーリングロッドを使用し、インナーロッドに打撃及び回転を加えて、インナーロッド、又はインナーロッド及びケーシングの先端に設けた削孔ビットにより地盤を削孔する二重管削孔に於いて用いられるボーリングロッドのインナーロッドにおいて、基端から先端に亘ってのロッド外側面に段差がない構成とする。段差がないことで、インナーロッドとケーシングとの間の排出流路の流路断面積が全体に亘ってほぼ一様となり、エアー削孔の際に、排出流路内の圧縮空気流が渦や滞溜のない一様な流れとなり、圧縮空気流によって流動するスライムが排出流路内に滞溜してジャミングを生じることが防止される。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
外管をなすケーシングと、前記ケーシング内に挿入され、内部に加圧流体の注入流路が形成されたインナーロッドとを備えたボーリングロッドを使用し、前記注入流路から加圧流体を注入させつつ前記インナーロッドに打撃及び回転を加えて、前記インナーロッド、又は前記ケーシングの先端、若しくは前記インナーロッド及び前記ケーシングの先端に設けた削孔ビットにより地盤を削孔する二重管削孔に於いて用いられるボーリングロッドのインナーロッドであって、
基端から先端に亘ってのロッド外側面に段差がないか、又はロッド端部の外側面の拡径した部分がテーパー状に形成されていること
を特徴とするインナーロッド。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
内部に加圧流体の前記注入流路が形成された中心鋼管と、
前記中心鋼管の外周全体を被覆するように設けられた吸音性の部材からなる吸音層と、 前記吸音層の外側を被覆する外側鋼管と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載のインナーロッド。
【請求項3】
前記吸音層は、天然樹脂、合成樹脂、アスファルト、膨張性セメント、その他の多孔性材料、又はその他の固結粉体材料の何れかであることを特徴とする請求項2記載のインナーロッド。
【請求項4】
請求項2記載のインナーロッドである単位インナーロッドがジョイントスリーブにより複数本接続された構成からなり、前記各単位インナーロッドのロッド外径は前記ジョイントスリーブの外径と同一であることを特徴とするインナーロッド。
【請求項5】
外管をなすケーシングと、前記ケーシング内に挿入され、内部に加圧流体の注入流路が形成されたインナーロッドとを備えたボーリングロッドを使用し、前記注入流路から加圧流体を注入させつつ前記インナーロッドに打撃及び回転を加えて、前記インナーロッド、又は前記ケーシングの先端、若しくは前記インナーロッド及び前記ケーシングの先端に設けた削孔ビットにより地盤を削孔する二重管削孔に於いて用いられるボーリングロッドであって、
前記インナーロッドは、請求項1乃至4の何れか一に記載のインナーロッドであり、
前記インナーロッドと前記ケーシングとの間の隙間空間である削孔スライムの排出流路の断面積が、前記中心鋼管の内部の前記注入流路の断面積の0.8倍以上1.2倍以下であることを特徴とするボーリングロッド。
【請求項6】
前記ケーシングの先端を閉蓋するように設けられた前記削孔ビットと、
前記インナーロッドの先端に、前記削孔ビットに嵌合して設けられた、前記インナーロッドに打撃及び回転を前記削孔ビットに伝達するハンマーピストンと、
前記削孔ビットの先端面の全体に亘って複数植設された、錐状のボタンビットチップと、
前記削孔ビットの先端面に開口形成され前記注入流路に連通する噴気孔と、
前記削孔ビットの先端面に開口形成され前記排出流路に連通する排出孔と、
を備えた、請求項5記載のボーリングロッド。
【請求項7】
外管をなすケーシングと、前記ケーシング内に挿入され、内部に加圧流体の注入流路が形成されたインナーロッドとを備えたボーリングロッドを使用し、前記インナーロッド、又は前記ケーシングの先端、若しくは前記インナーロッド及び前記ケーシングの先端に設けた削孔ビットにより地盤を削孔する二重管削孔方法であって、
前記インナーロッドは、請求項1乃至4の何れか一に記載のインナーロッドであり、
前記インナーロッドの前記注入流路に加圧エアを注入しながら、前記インナーロッドに打撃及び回転を加え、
鑿井孔の孔尻に於いて、前記削孔ビットにより地盤が粉砕されることにより生じる削孔スライムを、前記注入流路から孔尻に噴射される加圧エアの流れにより、前記インナーロッドと前記ケーシングとの隙間空間である排出流路へ輸送し鑿井孔の孔口側へと排出させることを特徴とする二重管削孔方法。
【請求項8】
前記インナーロッドと前記ケーシングとの間の隙間空間である前記排出流路の断面積が、前記中心鋼管の内部の前記注入流路の断面積の0.8倍以上1.2倍以下であることを特徴とする請求項7記載の二重管削孔方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、外管と内管の二本のロッドで削孔する二重管削孔方式のボーリングロッドを用いて地盤の削孔を行う二重管削孔技術に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
比較的軟弱な地盤又は岩盤(以下、まとめて「地盤」という。)を削孔する削孔技術として、先端にアウタービットを具備する外管(アウターケーシング)と先端にインナービットを具備する内管(インナーロッド)を用いて削孔を行う「二重管削孔方式」が広く用いられている。二重管削孔方式では、外管と内管の2本で削孔を行い、削孔後に外管を残しながら落盤から鑿井孔を保護しつつ内管のみを抜脱し、必要に応じて鋼材挿入・グラウト注入を行うことで削孔を完了する。二重管削孔方式を用いた工法としては、例えば、フォアパイリング工法、注入式長尺先受工法(AGF(All Ground Fasten)工法,長尺鋼管フォアパイリング工法)、パイプルーフ工法、EPルートパイル工法などが知られている。
【0003】
「AGF工法」は、特殊地山や不良地山等にトンネルを掘削する際に、掘削切端や天井面の地盤が自立しない地質、又は崩落の恐れのある地質の地山の緩みを補強する補強工の一つであり、掘削切端の前方外周部に、周面に多数の貫通小孔を設けた管状補強材(鋼管又は樹脂管)を斜めに打設した後、管状補強材の内部から速硬性の固結材(セメント系薬液、ウレタン系樹脂、シリカレジン等)を加圧注入し、この固結材を管状補強材の周囲の地山内に浸出させ膨張・固化させることで、地山内の地圧を上昇させ補強(改良)する先受け工である(非特許文献1参照)。「先受け工」とは、トンネル掘削に先行して掘削箇所の上部の地山を支える工法をいう。AGF工法は、最初、1992年に二ッ井西トンネル(秋田県能代市)の坑口部で適用されて以来、種々の改良を経ながら多くの施工実績を挙げている。管状補強材を地山に打設する際には、通常、山岳トンネルの工事で用いられている油圧ドリルジャンボなどが使用される。具体的には、ドリルジャンボに搭載された削岩機が、上述のインナーロッド及びアウターケーシング(管状補強材)の二重管からなる削孔ロッドのインナーロッドの側に回転力及び推進力並びに打撃力を加えることにより、インナーロッド先端のインナービット及び該インナービットの連結したアウターケーシング先端のアウタービット(リングビット)により、地山を所定の傾斜角度で削孔する。この削孔に伴い、アウターケーシングである管状補強材が地山の所望の位置に挿入される。その後、インナービットをアウタービットから切り離してインナーロッドを引き抜いて回収し、管状補強材(及びアウタービット)のみを地山中に残置する。このようにして、複数の管状補強材をトンネル周方向に所定間隔で挿入して、アーチ状の先受け補強構造(アンブレラアーチ)を構築する(特許文献1参照)。
【0004】
また、管状補強材の打設方式としては、ロストビット方式又はウイングビット方式が知られている。ロストビット方式は、削孔ビットとして、インナーロッドの先端に取り付けたインナービット及びアウターケーシング(管状補強材)の先端に取り付けたリング状のアウタービット(リングビット)を使用し、アウターケーシングを地盤内に挿入した後に、インナーロッド及びインナービットを引き抜いて回収し、アウターケーシングとともにアウタービットも地中に残置するワンユース方式である(例えば、特許文献2参照)。ウイングビット方式は、インナーロッドの先端に取り付けるインナービットとして、削孔時にアウターケーシングの関係よりも広く拡径し、回収時には縮径してアウターケーシングの管内に収納されるウイングビットを使用して、アウタービット(リングビット)を用いずに削孔を行う方式である(例えば、特許文献3,非特許文献2参照)。
【0005】
このような、AGF工法やその他の鋼管打設工などで用いられる削孔技術としては、特許文献4~7に記載の技術が公知である。
【0006】
特許文献4のドリル装置は、ロストビット方式のドリル装置に関する技術である。このドリル装置は、管状のケーシング部(2)の管内にドリルユニット(3)が挿入された構成とされている(仝文献図1参照)。ケーシング部(2)の先端には、リング状のリーミングドリル(5)が装着されている。ドリルユニット(3)の先端には、円柱状のドリルヘッド(4)が装着されている。ドリルヘッド(4)は、先端部が段差状に拡径しており、リーミングドリル(5)の内面に脱着自在に嵌着されている。リーミングドリル(5)の先端には、ビット(10b)が先端に向かって外向きに植設されている。ドリルヘッド(4)の先端には、ビット(10a)が植設されている。ドリルヘッド(4)の中心軸に沿って、噴射管腔(6a)が形成されており、噴射管腔(6a)の先端は、中心軸からずれて斜めになってドリルヘッド(4)の先端面の縁部付近に開口している。ドリルヘッド(4)の先端拡径部の外側面には、排出溝(6b)が形成され、削孔により生じる穿孔屑は、排出溝(6b)を通って、ケーシング部(2)の管内に排出される。
【0007】
特許文献5のボーリングロッドは、ロストビット方式のボーリングロッドに関する技術である。このボーリングロッド(1)は、アウターロッド(3)内部にインナーロッド(2)を挿入し、各ロッドとも多段に連結して長尺とした二重管構造に構成されている(仝文献図1~図4参照)。ボーリングロッド(1)の最下段のアウターロッド(3)の下端にリングビット(5)が回転自在に取付けられている。また、ボーリングロッド(1)の最下段のインナーロッド(2)の下端にビット(4)が取付けるられている。インナーロッド(2)の下端部とリングビット(5)との間には、軸方向に摺動でき且つ半径方向に係合する係止ピン(7)と外周溝(8)とからなる連係部(6)が設けられている。この連係部(6)によってインナーロッド(2)の回転をリングビット(5)に伝動させる。また、インナーロッド(2)の内部には、ビット付近に注出口を有する注水路が形成されている。また、インナーロッド(2)とアウターロッド(3)との間に排水路(12)が形成されており、インナーロッド(2)の外周にはスクリュー羽根(9)が周設されている。ボーリングロッドの上部でインナーロッド(2)が回転すると、その回転はインナーロッド(2)の最下段の下端部にある連係部(6)を介してアウターロッド(3)の下端のリングビット(5)に伝達され、インナーロッド(2)の下端のビットとアウターロッド(3)のビットとはともに回転し、地盤・土砂を削孔する。この時、アウターロッド(3)は回転しない。また、ボーリングロッドのビットで削孔された削り屑(スライム)はインナーロッド(2)とアウターロッド(3)の間の排水路から泥水・スライム・土砂等とともに上昇し、その上部から地上に排出される。この時、排出路にはインナーロッド外周に周設されたスクリュー羽根(9)があるので、インナーロッド(2)の回転とともにスクリュー羽根(9)が回転し、ビット付近にあるスライム・泥水・土砂等を強制的に上昇させる。同時に、排水路に詰った土砂等を強制的に排除して詰りを自動的に解消する。削孔後は、インナーロッド(2)はアウターロッド(3)から抜脱され、アウターロッド(3)及びリングビット(5)が、鑿井孔内に残置される。
【0008】
特許文献6の削孔ビットもロストビット方式の削孔ビットである。この削孔ビットは、AGF工法等に用いられる。この削孔ビットは、削孔しながら鋼管等を地中に貫入させる削孔ビットであり、パイロットビットであるインナービットと、地中に残置する拡孔用のロストビット(リングビット)とを内外に組み合わせて用いる(仝文献図1,図2参照)。ボーリングマシンとしてドリフタを使用し、回転と同時に軸方向の打撃を与えて掘進する。掘削流体としてエアー又は水を使用するとされている(仝文献明細書[0020],[0022]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2003-321992号公報
特開2003-166390号公報
特開2011-117126号公報
特表平8-504904号公報(特許第2992344号明細書)
実開平7-034089号公報(実公平07-043264号公報)
特開2002-138786号公報
【非特許文献】
【0010】
土木学会,「トンネル標準示方書[山岳工法編]・同解説」,p.233,1996.5.
東洋企画株式会社,「製品情報>ビット>仕様・構造説明」,[online],[令和5 年6 月9 日検索],インターネット,<URL:http://www.toyoplan.co.jp/product/bit/bit_structure.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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