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公開番号2025021057
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-13
出願番号2023124756
出願日2023-07-31
発明の名称水洗大便器
出願人TOTO株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類E03D 11/18 20060101AFI20250205BHJP(上水;下水)
要約【課題】貯水タンクの配置をローシルエット化しても、ボウル部の水位が上昇した場合に汚水が貯水タンク内に逆流することがない水洗大便器を提供する。
【解決手段】本発明のサイホンジェット式の水洗大便器は上昇管路と下降管路と頂部を備えた排水トラップ管路と排水トラップ管路の入口に向けて洗浄水を吐水するジェット吐水口と洗浄水を排水弁38の開操作によりジェット吐水口に供給する貯水タンク4とこの貯水タンクとジェット吐水口を接続し貯水タンク内の洗浄水がヘッド圧によりジェット吐水口に導かれるようになっているジェット導水路16と貯水タンクへの給水操作及び排水弁の開操作を行うコントローラとを有し、排水弁は弁体を備えこの弁体はボウル部の上面より低い位置に配置され洗浄動作中に貯水タンク内のタンク水位がボウル部の溜水面Wの水位よりも高い位置となるようにコントローラが貯水タンクへの給水操作又は排水弁の開操作を実行する。
【選択図】図7A
特許請求の範囲【請求項１】
サイホンジェット式の水洗大便器であって、
汚物受け面と、この汚物受け面の上縁部に沿って形成されたリム部とを備えたボウル部と、
このボウル部に洗浄水を供給するリム吐水口と、
このボウル部の下方に接続される排水トラップ管路であって、ボウル部の下方から上方に延びる上昇管路と、この上昇管路から下方に延びる下降管路と、これらの上昇管路と下降管路の間に位置し封水位置を規定する頂部を備えた上記排水トラップ管路と、
この排水トラップ管路の入口に向けて洗浄水を吐水するように上記ボウル部の下方に配置されたジェット吐水口と、
洗浄水を貯水する貯水タンクであって、この貯水された洗浄水を排水弁の開操作により上記ジェット吐水口に供給する貯水タンクと、
この貯水タンクと上記ジェット吐水口を接続し、上記貯水タンク内の洗浄水がヘッド圧によりジェット吐水口に導かれるようになっているジェット導水路と、
上記貯水タンクへの給水操作及び排水弁の開操作を行う制御部と、を有し、
上記排水弁は弁体を備え、この弁体は、ボウル部の上面より低い位置に配置され、
洗浄動作中に、貯水タンク内のタンク水位が、ボウル部の溜水面の水位よりも、高い位置となるように、上記制御装置が、貯水タンクへの給水操作又は排水弁の開操作を実行する、水洗大便器。
続きを表示（約 760 文字）【請求項２】
上記制御装置は、ボウル部の水位が上昇した場合、貯水タンクから排出される洗浄水の流量が削減されるように、上記排水弁を開操作する、請求項１に記載の水洗大便器。
【請求項３】
上記排水弁の引き上げ時間を所定の固定値とすることにより、貯水タンクから排水される洗浄水の瞬間流量を低くする、請求項２に記載の水洗大便器。
【請求項４】
ボウル部の水位が通常状態よりも上昇した場合、上記排水弁の引き上げ時間を通常状態よりも短い時間に短縮する、請求項２に記載の水洗大便器。
【請求項５】
上記排水弁の比重は、１．２～１．４の範囲である、請求項１に記載の水洗大便器。
【請求項６】
上記貯水タンクの待機時の洗浄水の水位は、上記ボウル部の上面よりも上方に設定されている、請求項１に記載の水洗大便器。
【請求項７】
汚物の詰まりが生じた状態で次に洗浄動作を行う場合も、貯水タンク内の洗浄水の水位が、ボウル部の溜水面の水位よりも、高い位置となるように、上記制御装置が、貯水タンクへの給水操作及び／又は排水弁の開操作を実行する、請求項１に記載の水洗大便器。
【請求項８】
タンク給水を行う前に、リム吐水を行う場合であっても、貯水タンク内の洗浄水の水位が、ボウル部の溜水面の水位よりも、高い位置となるように、上記制御装置が、貯水タンクへの給水操作及び／又は排水弁の開操作を実行する、請求項７に記載の水洗大便器。
【請求項９】
洗浄動作後において、貯水タンクにタンク給水して所定の洗浄水の水位にした後、リム吐水により洗浄水をボウル部に供給して溜水面を所定の水位にする（＝リフィール）、請求項７に記載の水洗大便器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、水洗大便器に係わり、特に、サイホンジェット式の水洗大便器に関する。
続きを表示（約 2,300 文字）【背景技術】
【０００２】
従来から、例えば、特許文献１に記載されているように、リム吐水口には水道から直接給水し、ジェット吐水口には低い高さの貯水タンクからヘッド圧により洗浄水が導かれるサイホンジェット式の水洗大便器が知られている。また、特許文献２に記載されているように、前リム吐水、中リム吐水、後リム吐水を継続して行い、且つ、中リム吐水のときにジェット吐水を行う（シーケンシャル制御）ようにしたサイホンジェット式の水洗大便器も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特許第５１８０２９５号公報
特開２０２３－３２９６４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上述した特許文献１の水洗大便器においては、タンクの配置をローシルエット化し、さらに、ジェット吐水をタンク内の洗浄水のヘッド圧よりジェット導水路に導くようにしているので、汚物の詰まり等でボウル部の水位が上昇した場合には、汚水がタンク内に逆流する場合がある。
また、特許文献２の水洗大便器においても、同様な汚水が逆流する問題が生じる。
【０００５】
そこで、本発明は、従来技術が持つ問題（課題）を解決するためになされたものであり、貯水タンクの配置をローシルエット化しても、ボウル部の水位が上昇した場合に汚水が貯水タンク内に逆流することがない水洗大便器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記の目的を達成するために、本発明は、サイホンジェット式の水洗大便器であって、汚物受け面と、この汚物受け面の上縁部に沿って形成されたリム部とを備えたボウル部と、このボウル部に洗浄水を供給するリム吐水口と、このボウル部の下方に接続される排水トラップ管路であって、ボウル部の下方から上方に延びる上昇管路と、この上昇管路から下方に延びる下降管路と、これらの上昇管路と下降管路の間に位置し封水位置を規定する頂部を備えた排水トラップ管路と、この排水トラップ管路の入口に向けて洗浄水を吐水するようにボウル部の下方に配置されたジェット吐水口と、洗浄水を貯水する貯水タンクであって、この貯水された洗浄水を排水弁の開操作によりジェット吐水口に供給する貯水タンクと、この貯水タンクとジェット吐水口を接続し、貯水タンク内の洗浄水がヘッド圧によりジェット吐水口に導かれるようになっているジェット導水路と、貯水タンクへの給水操作及び排水弁の開操作を行う制御装置と、を有し、排水弁は弁体を備え、この弁体は、ボウル部の上面より低い位置に配置され、洗浄動作中に、貯水タンク内のタンク水位が、ボウル部の溜水面の水位よりも、高い位置となるように、制御装置が、貯水タンクへの給水操作又は排水弁の開操作を実行する。
このように構成された本発明によれば、洗浄動作中に、汚物が詰まったとしても、貯水タンク内のタンク水位が、ボウル部の溜水面の水位よりも、常に、高い位置となるように、制御装置が、貯水タンクへの給水操作又は排水弁の開操作を実行するので、ボウル部側からタンク側へ汚水が逆流することを防止することができる。
【０００７】
本発明において、好ましくは、制御装置は、ボウル部の水位が上昇した場合、貯水タンクから排出される洗浄水の流量が削減されるように、排水弁を開操作する。
このように構成された本発明よれば、汚物の詰まり等により、ボウル部の水位が上昇した場合には、貯水タンクから排出される洗浄水の流量が削減されるように排水弁が開操作されるので、貯水タンク内の水位が低下し難くなるので、タンク内の水位がボウル部の水位よりも高くなり、それにより、逆流を防止することができる。
【０００８】
本発明において、好ましくは、排水弁の引き上げ時間を所定の固定値とすることにより、貯水タンクから排水される洗浄水の瞬間流量を低くする。
このように構成された本発明によれば、排水弁の引き上げ時間を所定の固定値とすることにより、ボウル部の水位と貯水タンクの水位差が小さくなった場合には、貯水タンクから排水される洗浄水の瞬間流量が低くなるので、貯水タンク内の水位が低下し難くなり、貯水タンク内の水位がボウル部の水位よりも高くなり汚水がボウル部から貯水タンク内に逆流することを防止できる。
【０００９】
本発明において、好ましくは、ボウル部の水位が通常状態よりも上昇した場合、排水弁の引き上げ時間を通常状態よりも短い時間に短縮する。
このように構成された本発明によれば、ボウル部の水位が通常状態よりも上昇した場合には、排水弁の引き上げ時間を通常状態よりも短い時間に短縮して、貯水タンクから排出される洗浄水量を少なくしているので、貯水タンク内の水位が低下し難くなり、貯水タンク内の水位がボウル部の水位よりも高くなり汚水がボウル部から貯水タンク内に逆流することを防止できる。
【００１０】
本発明において、好ましくは、排水弁の比重は、１．２～１．４の範囲である。
このように構成された本発明によれば、排水弁の比重は１．２～１．４の範囲であり、水の比重である１よりも大きいので、ボウル部の水位が上昇してタンク内の水位がボウル部の水位と平衡に近い状態となっても、排水弁は自重により閉じるので、汚水がボウル部から貯水タンク内に逆流することを防止することができる。
（【００１１】以降は省略されています）

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