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公開番号2025012396
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023115197
出願日2023-07-13
発明の名称紫外線波長変換素子、及び紫外線分光測定装置
出願人国立大学法人徳島大学,国立大学法人高知大学
代理人
主分類G02B 5/20 20060101AFI20250117BHJP(光学)
要約【課題】新しい紫外線波長変換素子の形態により、波長分解能に優れた紫外線分光測定装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の紫外線波長変換素子は入力された紫外線を、異なる波長を持つ2つ以上の可視光に変換する。そして紫外線の波長は、変換された可視光の強度比情報から算出される。
また変換された波長の異なる可視光の強度比から、入力された紫外線の波長を得ることにより波長分解能に優れた紫外線分光測定装置を実現する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
紫外線の照射を受ける光入力部と、
前記光入力部で照射を受けた紫外線を可視光に変換する光変換部と、を備え、
前記可視光は、前記光変換部固有の少なくとも2つ以上の異なる波長を有し、
前記紫外線の波長は、変換された異なる波長を持つ可視光の強度比情報から算出される、紫外線波長変換素子。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記光変換部には、ジルコニウムと、アルカリ土類金属と、酸素と、を備えるペロブスカイト型酸化物に、希土類元素をドープしたものが含まれる、請求項1記載の紫外線波長変換素子。
【請求項3】
前記ペロブスカイト型酸化物は、その結晶構造が前記アルカリ土類金属の配置するサイトに対して反転対称性を持たない、請求項2記載の紫外線波長変換素子。
【請求項4】
前記希土類元素は、ユウロピウムである請求項2または3記載の紫外線波長変換素子。
【請求項5】
請求項1から3のいずれかに記載の紫外線波長変換素子と、
前記紫外線波長変換素子から出力された可視光を波長ごとに分ける分光部と、
前記分光部によって分けられた可視光のうち第一の波長の強度を測定する第一光検出器と、
前記可視光のうち第二の波長の強度を測定する第二光検出器と、を備え、
前記第二光検出器の出力を前記第一光検出器の出力で除算し、その除算結果から、入力された紫外線の波長を算出する、紫外線分光測定装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、波長分解能に優れた紫外線波長変換素子、及び波長分解能に優れた紫外線分光測定装置に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
紫外線は、波長が10~400nmの可視光より短くX線より長い電磁波である。紫外線はその波長の短さから可視光に比べ物質に対しての化学的な作用が著しいことが知られている。紫外線のうち近紫外線と呼ばれる波長200~380nmの領域は、人間の健康や環境への影響の観点から、より細かく分類されている。具体的には、波長320~400nmのUVAと呼ばれる領域では人体には日焼けを引き起こし、また産業的には樹脂硬化剤や塗料の硬化に利用されている。次に波長280~320nmのUVBと呼ばれる領域では、人体には皮膚細胞の活性化を引き起こし、炎症の原因となることがわかっている。さらに波長200~280nmのUVCと呼ばれる領域では強い殺菌作用を有するという特徴がある。
【0003】
近年、医学や生物学の発展により、UVCの領域、とくには265nm周辺の波長領域の紫外線は生物やウィルスの遺伝情報を保有するDNAと特異的に反応することがわかってきている。その結果、DNAの複製作用を失わせることにより強い殺菌効果、ウィルスに対する不活化効果が高いことが確認されている。また人体にも影響を及ぼす波長領域であることも併せて、より波長を正確に検出することが期待されている。
【0004】
しかし紫外線はその不可視性から光検出の技術は一般に可視光に比べ劣っている。そのため紫外線の検出方法の分野においては蛍光体材料などを用いて一旦可視光領域に変換してから検出する技術が多く検討され、また多くの特許が開示されている。
【0005】
その中でも希土類イオンをドープしたペロブスカイト型酸化物は、熱的及び化学的安定性を有する蛍光体材料として期待されている。その技術として例えば特許文献1では、カルシウム、ストロンチウム、チタンを含有するペロブスカイト型酸化物に、微量のプラセオジムイオンをドープし、それをさらにナノ粒子化することにより、波長200~400nmの紫外線を、波長600nm以上の可視光に変換する技術が公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2014-34609号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術における紫外線の吸収波長は220~370nmと広い範囲にわたっている。そのため、例えば強い殺菌効果を持つUVC領域と、他の波長を区別することは現状では困難である。即ち、従来技術では紫外線波長領域において市場より期待されている波長分解能には十分ではない、といえる。
本発明は、新しい紫外線波長変換素子の形態により、波長分解能に優れた紫外線分光測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記目的を達成するために、以下の特徴を有している。本発明の実施形態である紫外線波長変換素子は、紫外線の照射を受ける光入力部と、前記光入力部で照射を受けた紫外線を可視光に変換する光変換部と、を備える。そして前記可視光は、前記光変換部固有の少なくとも2つ以上の異なる波長を有し、前記紫外線の波長は、変換された異なる波長を持つ可視光の強度比情報から算出される。
【0009】
また本発明の実施形態である紫外線分光測定装置は、前記紫外線波長変換素子と、前記紫外線波長変換素子から出力された可視光を波長ごとに分ける分光部と、前記分光部によって分けられた可視光のうち第一の波長の強度を測定する第一光検出器と、前記可視光のうち第二の波長の強度を測定する第二光検出器と、を備える。そして前記第二光検出器の出力を前記第一光検出器の出力で除算し、その除算結果から、入力された紫外線の波長が算出される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によれば、紫外線の波長が、2つ以上の異なる波長を持つ可視光の強度比情報から算出されるという新しい機能を有する紫外線波長変換素子が実現される。また前記紫外線波長変換素子を使用することで、波長分解能に優れた紫外線分光測定装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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