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公開番号2024141915
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023053794
出願日2023-03-29
発明の名称表面プラズモン共鳴センサー
出願人国立大学法人徳島大学
代理人
主分類G01N 21/41 20060101AFI20241003BHJP(測定;試験)
要約【課題】表面プラズモン共鳴センサーにおいて、広い測定範囲と、優れた分解能と、リアルタイム計測のトレードオフを解消することにある。
【解決手段】本発明のセンサーは、ガルバノミラーの角度を変化させることにより表面プラズモン共鳴が発生する角度を計測する角度走査スペクトル計測型表面プラズモン共鳴センサーであって、反復取得した角度スペクトルから光強度の時間的変化を算出し、その算出結果を出力する。さらにはガルバノミラーによりプリズムに対する入射角を変化させた際においても角度分解能が悪化しないように、二枚のレンズを、その焦点距離の和の距離を介して対向させてなるリレーレンズ光学系をさらに備える。上記構成により、広い測定範囲と、優れた分解能と、リアルタイム計測を兼ね備えたセンサーを実現する。
【選択図】図1A
特許請求の範囲【請求項1】
光ビームを発生させるレーザー光源と、 前記光ビームを反射するガルバノミラーと、 試料を接触させる金属薄膜と、 前記金属薄膜を一面に設けたプリズムと、 光検出器とを備え、前記ガルバノミラーは前記プリズムと金属薄膜の界面に対する光ビームの入射角を制御し、 前記界面で反射した光ビームの強度を前記光検出器で検出することにより角度スペクトルを取得し、反復取得した角度スペクトルから光強度の時間変化を算出し、その算出結果を出力する表面プラズモン共鳴センサー。
続きを表示(約 310 文字)【請求項2】
前記ガルバノミラーと前記プリズムの間には、二枚のレンズを、その焦点距離の和の距離を介して対向させてなるリレーレンズ光学系をさらに備える請求項1記載の表面プラズモン共鳴センサー。
【請求項3】
前記二枚のレンズは、共に平凸レンズであることを特徴とする請求項2記載の表面プラズモン共鳴センサー。
【請求項4】
前記二枚のレンズは、共にシリンドリカルレンズであることを特徴とする請求項2記載の表面プラズモン共鳴センサー。
【請求項5】
前記光ビームは可視光、または近赤外光であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の表面プラズモン共鳴センサー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、屈折率センシングあるいはバイオセンシングにおいて、測定範囲と測定分解能の双方に優れ、リアルタイム測定が可能な表面プラズモン共鳴センサーに関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
金属中においては、自由電子が集団的に振動して、プラズマ波と呼ばれる粗密波が生じる。そして、金属表面に生じるこの粗密波を量子化したものは、表面プラズモンと呼ばれている。従来、この表面プラズモンが光波によって励起される現象を利用して、試料中の物質を定量分析する表面プラズモン共鳴センサー(以下、SPRセンサーと称す)が種々提案されている。
【0003】
SPRセンサーは、簡便かつ高感度という特徴を持つことから、屈折率センサーを始め、抗原抗体反応などを用いたバイオセンサーなど様々な用途に用いられている。SPRセンサーは、大きく分けて角度走査スペクトル計測型、角度固定光強度計測型、波長走査スペクトル計測型に分類できる。
【0004】
角度走査スペクトル計測型SPRセンサーは、単色光を光源に用い、機械的にプリズム入射角を変化させながら光強度を測定することで表面プラズモン共鳴ディップ(以下、角度SPRディップと称す)の角度スペクトルを取得する。角度固定光強度計測型SPRセンサーは、単色光を光源に使い、プリズム入射角を固定し、角度SPRディップの角度スペクトルシフトに伴う光強度変化を測定する。波長走査スペクトル計測型SPRセンサーは、広帯域スペクトル光を用い、入射角を固定して波長ごとの光強度を測定することで表面プラズモン共鳴ディップ(以下、波長SPRディップと称す)の波長スペクトルを取得する。
【0005】
さて角度走査スペクトル計測型SPRセンサーは、広範囲なセンシングが可能であるが、入射角を変化させるためには重量が重く、かつ高い光学的精度が要求されるプリズムを回転させる必要があり、高速リアルタイムでの測定は非常に困難である。一方で、角度固定光強度計測型SPRセンサーは、プリズムを機械的に動かす必要がないことからリアルタイム測定が可能であり、光強度計測による高い測定分解能も可能であるが、角度SPRディップの線形スロープを利用するため、測定範囲が狭い。さらに、波長走査スペクトル計測型SPRセンサーは、機械的に動かす機構がなく、広範囲なスペクトル光を用いるため測定範囲も比較的広くできるが、広帯域光源とマルチチャンネル分光計が高価である。
上記のように、SPRセンサーの複数の形式はそれぞれに特徴があるものの、測定範囲が広く、分解能に優れ、リアルタイム測定が可能な測定装置としては不十分である。
【0006】
前記の課題に鑑みた改善提案として、特許文献1が開示されており、その構成を図5A(または図5B)に示す。入射角を変化させるためにガルバノミラー105a(または105b)などの光偏向器を用い、さらに反射された光を光検出器109の受光部の位置に、入射角が変化しても常に1点に光ビーム光ビーム110a(または110b)を収束させる出射光用集光レンズ114を配した構成が開示されている。図5A(または図5B)は、ガルバノミラーガルバノミラー105a(または105b)の角度に対応して、光ビーム110a(または110b)の経路が変化する様子を示している。
【0007】
上記の改善提案は、プリズムに対し光ビームが入射する位置が変わっても同じ位置でプラズモン共鳴を励起させるため、集光レンズやシリンドリカルレンズなどの集光光学系を用いている。これは、入射角を高速に変化させるためにプリズムを動かさず光ビームの経路を変化させていることによる。一方で、ガルバノミラー105の個々の角度においてプリズム入射ビームが集光されるということは、入射角度がある分散を有しているということになり、入射角度分解能の低下という課題が新たに発生している
【0008】
近年ではビーム角度走査機構の代わりにビーム位置走査機構を含む光偏向装置として、非特許文献1にはデジタルマイクロミラーデバイスを用いた構成が開示されているが、集光光学系を用いている、という点での課題は同じである。
【0009】
SPRセンサーは入射光学系として一般にレーザー光源を使用しているが、レーザー光源から発生する光ビームは一般に有限の大きさを持っている。有限の大きさを持ったビームを、集光光学系を通すと、回折限界の焦点に光を集めることができるが、この長所は同時に、一定の入射角度幅を持ったビームが同じ点に集まってしまう短所が同時に引き起こされる。言い方を変えると、僅かに角度の異なるビームの集合体、すなわち入射角のバラついたビームが同一焦点位置に入射されることに相当する。従って、この改善提案は、走査角度の高速化と引き換えに、角度分解能を犠牲にしているといえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開平9-292335号公報
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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