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公開番号
2025011459
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023113585
出願日
2023-07-11
発明の名称
水性分散液、強化透明基材及び強化透明部材の製造方法
出願人
AGC株式会社
代理人
個人
主分類
C03C
17/32 20060101AFI20250117BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約
【課題】耐久性、耐熱性、耐衝撃性、透明性及び低黄変性に優れる塗膜を形成できる、水性分散液の提供。
【解決手段】溶融温度が280℃~320℃であるテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、ラメラ長が7.0~8.5mmであるポリマー系レベリング剤とを含む、水性分散液。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
溶融温度が280℃~320℃であるテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、ラメラ長が7.0~8.5mmであるポリマー系レベリング剤とを含む、水性分散液。
続きを表示(約 570 文字)
【請求項2】
前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、カルボニル基含有基を有する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項3】
前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の平均粒子径が、1μm以上である、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項4】
前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の含有量が30質量%以上である、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項5】
前記ポリマー系レベリング剤の動的表面張力が、60~80mN/mである、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項6】
前記ポリマー系レベリング剤の静的表面張力が、30~50mN/mである、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項7】
前記ポリマー系レベリング剤のHLBが、7.6~12である、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項8】
前記ポリマー系レベリング剤が、アクリル系ポリマー又はシリコーン系ポリマーである、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項9】
粘度が、1000mPa・s以下である、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項10】
透明基材のコーティング用である、請求項1に記載の水性分散液。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子を含む水性分散液、及び該水性分散液より形成される強化透明部材に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)
【背景技術】
【0002】
ガラス容器は、耐薬品性、気密性、透明性等に優れるため医薬品の収容容器として有用であり、アンプルやバイアルとして広く利用されている。
ガラスは、衝撃により割れやすく、ガラス容器は、内容物の充填に際する搬送や接触によって破損しやすいため、ガラス容器の外側表面にポリマー層を設け、ガラス容器の耐衝撃性を向上させる手法が採られている。しかし、ガラスとポリマー層とを強固に密着させるのは容易ではない。また近年、ガラス容器には高度な衛生管理が求められる場合が増えており、例えば、医薬品を収容するために用いられるガラス容器には、長時間の高温暴露や紫外線照射による滅菌処理が施されることが多い。
一方、テトラフルオロエチレン系ポリマーの特性を有する層を形成する材料として、テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と液状分散媒とを含む分散液が知られている。特許文献1には、特定のテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子を含む液状組成物を、ガラス容器の外側表面に付与し、加熱して、前記ガラス容器の外側表面にポリマー層を設ける、ガラス製強化容器の製造方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2022/149552号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法で得られるガラス製強化容器は、耐衝撃性、耐熱性及び耐UV性に優れる。一方、近年、医薬品を収容するために用いられるガラス容器において、その用途によってはさらなる透明性の向上や黄味の低減が求められている。
本発明者らは、特定のテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、特定のポリマー系レベリング剤とを含有する水性分散液は、テトラフルオロエチレン系ポリマーに基づく物性を発現しつつ、透明性及び低黄変性に優れる塗膜を形成できることを知見した。そして、かかる水性分散液をガラス基材等の透明基材のコーティング用として用いると、透明性及び低黄変性に優れる強化透明基材を製造でき、医薬品の収容用のガラス容器に好適に使用できることを見出し、本発明に至った。
本発明の目的は、耐久性、耐熱性、耐衝撃性、透明性及び低黄変性に優れる塗膜を形成できる、水性分散液の提供である。本発明の他の目的は、かかる水性分散液でコーティングされた強化透明基材、及び強化透明部材の製造方法の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、下記の態様を有する。
〔1〕 溶融温度が280℃~320℃であるテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、ラメラ長が7.0~8.5mmであるポリマー系レベリング剤とを含む、水性分散液。
〔2〕 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、カルボニル基含有基を有する、〔1〕の水性分散液。
〔3〕 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の平均粒子径が、1μm以上である、〔1〕又は〔2〕の水性分散液。
〔4〕 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の含有量が30質量%以上である、〔1〕~〔3〕のいずれかの水性分散液。
〔5〕 前記ポリマー系レベリング剤の動的表面張力が、60~80mN/mである、〔1〕~〔4〕のいずれかの水性分散液。
〔6〕 前記ポリマー系レベリング剤の静的表面張力が、30~50mN/mである、〔1〕~〔5〕のいずれかの水性分散液。
〔7〕 前記ポリマー系レベリング剤のHLBが、7.6~12である、〔1〕~〔6〕のいずれかの水性分散液。
〔8〕 前記ポリマー系レベリング剤が、アクリル系ポリマー又はシリコーン系ポリマーである、〔1〕~〔7〕のいずれかの水性分散液。
〔9〕 粘度が、1000mPa・s以下である、〔1〕~〔8〕のいずれかの水性分散液。
〔10〕 透明基材のコーティング用である、〔1〕~〔9〕のいずれかの水性分散液。
〔11〕 前記透明基材がガラス基材である、〔10〕の水性分散液。
〔12〕 前記透明基材がバイアル、アンプル、ボトル又はカートリッジからなる群より選択されるガラス容器である、〔10〕又は〔11〕の水性分散液。
〔13〕 〔10〕~〔12〕のいずれかの水性分散液によりコーティングされた、強化透明基材。
〔14〕 前記強化透明基材が、医薬品の収容用のガラス容器である、〔13〕の強化透明基材。
〔15〕 溶融温度が280℃~320℃であるテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、ラメラ長が7.0~8.5mmであるポリマー系レベリング剤とを含む水性分散液を、透明基材の外側表面に付与し、加熱して、前記透明基材の前記外側表面に、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーを含むポリマー層を形成する、強化透明基材の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、耐久性、耐熱性、耐衝撃性、透明性及び低黄変性に優れる塗膜を形成できる、水性分散液が提供される。本発明の水性分散液はガラス基材等の透明基材のコーティング用途に好適に使用でき、例えば高温暴露や紫外線照射を伴う処理にも供し得る、透明性及び低黄変性に優れるバイアル、アンプル、ボトル又はカートリッジ等のガラス製強化容器を製造できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の用語は、以下の意味を有する。
「平均粒子径(D50)」は、レーザー回折・散乱法によって求められる、粒子又はフィラーの体積基準累積50%径である。すなわち、レーザー回折・散乱法によって粒度分布を測定し、粒子又はフィラーの集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が50%となる点の粒子径である。
粒子又はフィラーのD50は、粒子又はフィラーを水中に分散させ、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA-920測定器)を用いたレーザー回折・散乱法により分析して求められる。
「溶融温度」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定したポリマーの融解ピークの最大値に対応する温度である。
「ガラス転移温度(Tg)」は、動的粘弾性測定(DMA)法でポリマーを分析して測定される値である。
「粘度」は、B型粘度計を用いて、25℃で回転数が30rpmの条件下で水性分散液を測定して求められる。測定を3回繰り返し、3回分の測定値の平均値とする。
「チキソ比」とは、回転数が30rpmの条件で測定される水性分散液の粘度を、回転数が60rpmの条件で測定される水性分散液の粘度で除して算出される値である。それぞれの粘度の測定は、3回繰り返し、3回分の測定値の平均値とする。
ポリマーにおける「単位」とは、モノマーの重合により形成された前記モノマーに基づく原子団を意味する。単位は、重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって前記単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。以下、モノマーaに基づく単位を、単に「モノマーa単位」とも記す。
【0008】
本発明の水性分散液(以下、「本分散液」とも記す。)は、溶融温度が280℃~320℃であるテトラフルオロエチレン系ポリマー(以下、「Fポリマー」とも記す。)の粒子(以下、「F粒子」とも記す。)と、ラメラ長が7.0~8.5mmであるポリマー系レベリング剤とを含む。
本分散液からは、Fポリマーに基づく耐久性、耐熱性、耐衝撃性、接着性に優れ、かつ透明性及び耐黄変性に優れる塗膜を形成できる。
【0009】
耐久性、耐熱性、耐衝撃性の付与を目的に、ガラス等の無機材料である透明基材の表面にFポリマーを含むポリマー層を形成する場合、かかるポリマー層を透明基材に強固に接着させるために、F粒子を含む分散液の塗工を繰り返したりその焼成工程における条件を厳しくする必要がある。その際、かかるポリマー層の透明性が低下したり、黄味が増しやすく、透明基材が立体的でいわゆる肩部を有する基材であると、肩部の曲率部分でこの傾向がより顕著となりやすい。
本分散液において、特定のラメラ長を有するレベリング剤は、F粒子の本分散液中での分散安定性を向上させると共に、本分散液を塗工して形成される塗工層におけるF粒子の緻密なパッキングの形成を促し、それを焼成して塗膜(コーティング膜)を得る際の応力を緩和していると推測される。その結果、Fポリマーの緻密な溶融焼成がしやすくなり、また透明基材との接着性が向上して、透明性及び耐黄変性に優れる塗膜を得られると推測される。かかる効果は、本分散液が後述する特定のF粒子を含む場合に、より顕著となる。
【0010】
本組成物において、Fポリマーは、テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」とも記す。)に基づく単位(以下、「TFE単位」とも記す。)を含む、溶融温度が280℃~320℃であるポリマーである。
Fポリマーは、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
Fポリマーのガラス転移温度は、60℃以上が好ましく、75℃以上がより好ましい。
Fポリマーのガラス転移温度は、120℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。
Fポリマーのフッ素含有量は、70質量%以上が好ましく、72~76質量%がより好ましい。
Fポリマーの表面張力は、16~26mN/mが好ましい。なお、Fポリマーの表面張力は、Fポリマーで作製された平板上に、JIS K 6768に規定されているぬれ張力試験用混合液(和光純薬社製)の液滴を載置して測定できる。
(【0011】以降は省略されています)
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