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公開番号2025010832
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-23
出願番号2023113084
出願日2023-07-10
発明の名称モータ制御装置
出願人三菱重工業株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類H02P 21/18 20160101AFI20250116BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】モータの回転位置を精度よく推定する。
【解決手段】モータの回転位置を推定するモータ制御装置において、前記回転位置を推定するための高周波信号を印加する高周波信号印加部と、前記高周波信号を重畳することにより励起される拡張誘起電圧を推定する誘起電圧推定器と、前記拡張誘起電圧に基づいて、前記モータの前記回転位置を推定する位置推定器と、を備え、前記誘起電圧推定器は、前記モータの高速回転時における第1の拡張誘起電圧を推定する高速用拡張誘起電圧推定オブザーバと、前記モータの低速回転時における第2の拡張誘起電圧を推定する低速用拡張誘起電圧推定オブザーバと、前記第1の拡張誘起電圧と前記第2の拡張誘起電圧とを合成して前記拡張誘起電圧を出力する電圧合成部と、を有し、前記高速用拡張誘起電圧推定オブザーバは、前記第1の拡張誘起電圧の位相を調整する時定数可変フィルタを含む。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
モータの回転位置を推定するモータ制御装置において、
前記回転位置を推定するための高周波信号を印加する高周波信号印加部と、
前記高周波信号を重畳することにより励起される拡張誘起電圧を推定する誘起電圧推定器と、
前記拡張誘起電圧に基づいて、前記モータの前記回転位置を推定する位置推定器と、を備え、
前記誘起電圧推定器は、
前記モータの高速回転時における第1の拡張誘起電圧を推定する高速用拡張誘起電圧推定オブザーバと、
前記モータの低速回転時における第2の拡張誘起電圧を推定する低速用拡張誘起電圧推定オブザーバと、
前記第1の拡張誘起電圧と前記第2の拡張誘起電圧とを合成して前記拡張誘起電圧を出力する電圧合成部と、を有し、
前記高速用拡張誘起電圧推定オブザーバは、前記第1の拡張誘起電圧の位相を調整する時定数可変フィルタを含むモータ制御装置。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
前記低速用拡張誘起電圧推定オブザーバは、前記高周波信号の高周波成分を除去する除去フィルタを含み、
前記除去フィルタは、前記モータの回転速度が高速になるにつれて、前記第2の拡張誘起電圧の位相遅れを大きくし、
前記時定数可変フィルタは、前記モータの回転速度に応じて、前記除去フィルタによる前記第2の拡張誘起電圧の位相遅れと合致するように、前記第1の拡張誘起電圧の位相を調整する請求項1に記載のモータ制御装置。
【請求項3】
前記時定数可変フィルタは、前記高周波信号のノイズを除去する機能を有している請求項1に記載のモータ制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、モータ制御装置に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、同期モータ(以下、モータ)の位置センサレス制御が知られている(例えば、非特許文献1参照)。モータの位置センサレス制御では、位置センサを用いずに、拡張誘起電圧から、モータの回転位置を推定している。この位置センサレス制御では、モータの回転速度に比例して励起される拡張誘起電圧(EEMF
ω
)と、高周波信号を重畳して励起される拡張誘起電圧(EEMF

)とを利用している。具体的に、位置センサレス制御では、モータの中高速域において、EEMF
ω
を利用し、モータの停止低速域において、EEMF
ω
の不足分をEEMF

で補うことにより、全速度域での回転位置の推定を行っている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
二村拓未 道木慎二、「信号重畳と速度により励起される拡張誘起電圧を利用した永久磁石同期モータの全速度域位置センサレス制御」、電気学会論文誌D、日本、電気学会,2020年、140巻、8号、p.589-596
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1のモータの位置センサレス制御では、モータの停止低速域での位置推定のために高周波信号を印加する。一方で、位置センサレス制御では、モータの中速高速域において、速度起因の拡張誘起電圧から位置推定を実施するため、高周波信号は不要であり、高周波信号の印加は、位置推定精度を劣化させる外乱となる。また、位置センサレス制御では、停止低速域での位置推定に必要な信号を取り出すために、ローパスフィルタ(LPF)やバンドパスフィルタ(BPF)を使用する。これにより、LPFとBPFを経て得られるEEMF

(e


)とEEMF
ω
(e


)との間に位相ずれが生じることで、モータの回転位置の推定精度が低下する恐れがある。
【0005】
そこで、本開示は、モータの回転位置を精度よく推定することができるモータ制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のモータ制御装置は、モータの回転位置を推定するモータ制御装置において、前記回転位置を推定するための高周波信号を印加する高周波信号印加部と、前記高周波信号を重畳することにより励起される拡張誘起電圧を推定する誘起電圧推定器と、前記拡張誘起電圧に基づいて、前記モータの前記回転位置を推定する位置推定器と、を備え、前記誘起電圧推定器は、前記モータの高速回転時における第1の拡張誘起電圧を推定する高速用拡張誘起電圧推定オブザーバと、前記モータの低速回転時における第2の拡張誘起電圧を推定する低速用拡張誘起電圧推定オブザーバと、前記第1の拡張誘起電圧と前記第2の拡張誘起電圧とを合成して前記拡張誘起電圧を出力する電圧合成部と、を有し、前記高速用拡張誘起電圧推定オブザーバは、前記第1の拡張誘起電圧の位相を調整する時定数可変フィルタを含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、モータの回転位置を精度よく推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、本実施形態に係るモータ制御装置に関する図である。
図2は、本実施形態に係るモータ制御装置の誘起電圧推定器に関する図である。
図3は、除去フィルタのローパスフィルタの周波数特性に関する位相線図である。
図4は、オブザーバのゲイン特性に関するボード線図である。
図5は、拡張誘起電圧のノイズの除去前後に関する説明図である。
図6は、モータの回転速度に関する指令値と実測値との偏差を、本実施形態と従来とで比較したグラフである。
図7は、モータの回転位置の推定誤差を、本実施形態と従来とで比較したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの開示が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能であり、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせることも可能である。
【0010】
[本実施形態]
本実施形態に係るモータ制御装置10は、モータ5の回転を制御する装置であり、例えば、ベクトル制御系の装置となっている。モータ5は、例えば、三相モータであり、モータ制御装置10は、d軸及びq軸の二相電圧を、U相、V相及びW相の三相電圧に変換してモータ5を制御している。図1を参照して、モータ制御装置10について説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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