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公開番号2025010478
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-21
出願番号2024057342
出願日2024-03-29
発明の名称多層カーボンナノチューブ集合体、多層カーボンナノチューブ分散液、導電材料、電極、二次電池、平面状集合体、フィルター、電磁波シールド及び極端紫外線用ペリクル
出願人住友化学株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C01B 32/158 20170101AFI20250110BHJP(無機化学)
要約【課題】高い導電性を有する多層カーボンナノチューブ集合体、多層カーボンナノチューブ分散液、導電材料、電極、二次電池、平面状集合体、フィルター、電磁波シールド及び極端紫外線用ペリクルの提供。
【解決手段】0.004質量%濃度の水分散液とした場合に、遠心沈降法により得られる体積基準の粒度分布におけるメジアン径が80nm以上であり、かつ、0.2質量%濃度の水分散液とした場合に、遠心沈降法により測定される透過率の変化速度が0.3%/時間以下である多層カーボンナノチューブを含む多層カーボンナノチューブ集合体、多層カーボンナノチューブ分散液、導電材料、電極、二次電池、平面状集合体、フィルター、電磁波シールド及び極端紫外線用ペリクル。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
0.004質量%濃度の水分散液とした場合に、遠心沈降法により得られる体積基準の粒度分布におけるメジアン径が80nm以上であり、かつ、0.2質量%濃度の水分散液とした場合に、遠心沈降法により測定される透過率の変化速度が0.3%/時間以下である多層カーボンナノチューブを含む、多層カーボンナノチューブ集合体。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
0.2質量%濃度の水分散液とした場合に、小角X線散乱法により得られる散乱プロファイルの散乱ベクトルの大きさq=0.2nm
-1
における散乱強度S1と散乱ベクトルの大きさq=0.8nm
-1
における散乱強度S2との比である散乱強度比S1/S2が90以上である多層カーボンナノチューブを含む、多層カーボンナノチューブ集合体。
【請求項3】
0.2質量%濃度の水分散液とした場合に、小角X線散乱法により得られる散乱プロファイルの散乱ベクトルの大きさq=0.02nm
-1
における散乱強度S3と散乱ベクトルの大きさq=0.08nm
-1
における散乱強度S4との比である散乱強度比S3/S4が10以下である多層カーボンナノチューブを含む、多層カーボンナノチューブ集合体。
【請求項4】
0.004質量%濃度の水分散液とした場合に、遠心沈降法により得られる体積基準の粒度分布におけるメジアン径が80nm以上であり、0.2質量%濃度の水分散液とした場合に、遠心沈降法により測定される透過率の変化速度が0.3%/時間以下であり、かつ、0.2質量%濃度の水分散液とした場合に、小角X線散乱法により得られる散乱プロファイルの散乱ベクトルの大きさq=0.2nm
-1
における散乱強度S1と散乱ベクトルの大きさq=0.8nm
-1
における散乱強度S2との比である散乱強度比S1/S2が90以上である多層カーボンナノチューブを含む、多層カーボンナノチューブ集合体。
【請求項5】
0.004質量%濃度の水分散液とした場合に、遠心沈降法により得られる体積基準の粒度分布におけるメジアン径が80nm以上であり、0.2質量%濃度の水分散液とした場合に、遠心沈降法により測定される透過率の変化速度が0.3%/時間以下であり、かつ、0.2質量%濃度の水分散液とした場合に、小角X線散乱法により得られる散乱プロファイルの散乱ベクトルの大きさq=0.02nm
-1
における散乱強度S3と散乱ベクトルの大きさq=0.08nm
-1
における散乱強度S4との比である散乱強度比S3/S4が10以下である多層カーボンナノチューブを含む、多層カーボンナノチューブ集合体。
【請求項6】
0.2質量%濃度の水分散液とした場合に、小角X線散乱法により得られる散乱プロファイルの散乱ベクトルの大きさq=0.2nm
-1
における散乱強度S1と散乱ベクトルの大きさq=0.8nm
-1
における散乱強度S2との比である散乱強度比S1/S2が90以上であり、かつ、前記散乱プロファイルの散乱ベクトルの大きさq=0.02nm
-1
における散乱強度S3と散乱ベクトルの大きさq=0.08nm
-1
における散乱強度S4との比である散乱強度比S3/S4が10以下である多層カーボンナノチューブを含む、多層カーボンナノチューブ集合体。
【請求項7】
前記多層カーボンナノチューブの最大長さが1000μm~30000μmである請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の多層カーボンナノチューブ集合体。
【請求項8】
導電助剤である請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の多層カーボンナノチューブ集合体。
【請求項9】
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の多層カーボンナノチューブ集合体と、分散媒と、を含む多層カーボンナノチューブ分散液。
【請求項10】
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の多層カーボンナノチューブ集合体を含む導電材料。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、多層カーボンナノチューブ集合体、多層カーボンナノチューブ分散液、導電材料、電極、二次電池、平面状集合体、フィルター、電磁波シールド及び極端紫外線用ペリクルに関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブ(「CNT」ともいう。)は、炭素原子が六角形のハニカム状に配置されたグラフェンシートを筒状に丸めた円筒構造を有する物質である。CNTは、導電性、熱伝導性、耐熱性等の特性に優れることから、例えば、蓄電デバイスの電極材料をはじめとする様々な電子材料への適用が期待されている。
CNTは、基本的には、単層のグラフェンシートから形成された単層カーボンナノチューブ(「SWCNT」ともいう。)と、複数層のグラフェンシートから形成された多層カーボンナノチューブ(「MWCNT」ともいう。)に大別される。MWCNTは、SWCNTと比較して熱的安定性及び化学的安定性に優れるという利点を有しており、近年、MWCNTの特性をより効果的に高める試みがなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、炭素原子が六角ハニカム状に配列したグラフェンシートの筒を同軸状に2層以上有するCNTであって、透過型電子顕微鏡による像の観察に基づく最外層の直径が3nm以上15nm以下であって、走査型電子顕微鏡の像の観察に基づく長さが1.0mm以上のMWCNTが開示されている。特許文献1に記載のMWCNTによれば、高導電性、高熱伝導性等が求められる材料への適用性が高まるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-180028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、MWCNTの電子材料としての有用性に関心が高まっている。例えば、MWCNTを導電助剤等の電極材料として用いると、電極に高導電性を付与できるため、蓄電デバイスの性能の向上が期待できる。
しかし、特許文献1に記載のMWCNTをはじめとする従来のMWCNTは、電極材料として電極に用いた際の導電性の向上効果という点については、未だ改善の余地がある。
【0006】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものである。
本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、高い導電性を有する多層カーボンナノチューブ集合体を提供することにある。
本開示の他の実施形態が解決しようとする課題は、上記多層カーボンナノチューブ集合体を含む多層カーボンナノチューブ分散液、導電材料、電極、二次電池及び平面状集合体を提供することにある。
また、本開示の他の実施形態が解決しようとする課題は、上記平面状集合体を用いたフィルター、電磁波シールド及び極端紫外線用ペリクルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
[1] 0.004質量%濃度の水分散液とした場合に、遠心沈降法により得られる体積基準の粒度分布におけるメジアン径が80nm以上であり、かつ、0.2質量%濃度の水分散液とした場合に、遠心沈降法により測定される透過率の変化速度が0.3%/時間以下である多層カーボンナノチューブを含む、多層カーボンナノチューブ集合体。
[2] 0.2質量%濃度の水分散液とした場合に、小角X線散乱法により得られる散乱プロファイルの散乱ベクトルの大きさq=0.2nm
-1
における散乱強度S1と散乱ベクトルの大きさq=0.8nm
-1
における散乱強度S2との比である散乱強度比S1/S2が90以上である多層カーボンナノチューブを含む、多層カーボンナノチューブ集合体。
[3] 0.2質量%濃度の水分散液とした場合に、小角X線散乱法により得られる散乱プロファイルの散乱ベクトルの大きさq=0.02nm
-1
における散乱強度S3と散乱ベクトルの大きさq=0.08nm
-1
における散乱強度S4との比である散乱強度比S3/S4が10以下である多層カーボンナノチューブを含む、多層カーボンナノチューブ集合体。
[4] 0.004質量%濃度の水分散液とした場合に、遠心沈降法により得られる体積基準の粒度分布におけるメジアン径が80nm以上であり、0.2質量%濃度の水分散液とした場合に、遠心沈降法により測定される透過率の変化速度が0.3%/時間以下であり、かつ、0.2質量%濃度の水分散液とした場合に、小角X線散乱法により得られる散乱プロファイルの散乱ベクトルの大きさq=0.2nm
-1
における散乱強度S1と散乱ベクトルの大きさq=0.8nm
-1
における散乱強度S2との比である散乱強度比S1/S2が90以上である多層カーボンナノチューブを含む、多層カーボンナノチューブ集合体。
[5] 0.004質量%濃度の水分散液とした場合に、遠心沈降法により得られる体積基準の粒度分布におけるメジアン径が80nm以上であり、0.2質量%濃度の水分散液とした場合に、遠心沈降法により測定される透過率の変化速度が0.3%/時間以下であり、かつ、0.2質量%濃度の水分散液とした場合に、小角X線散乱法により得られる散乱プロファイルの散乱ベクトルの大きさq=0.02nm
-1
における散乱強度S3と散乱ベクトルの大きさq=0.08nm
-1
における散乱強度S4との比である散乱強度比S3/S4が10以下である多層カーボンナノチューブを含む、多層カーボンナノチューブ集合体。
[6] 0.2質量%濃度の水分散液とした場合に、小角X線散乱法により得られる散乱プロファイルの散乱ベクトルの大きさq=0.2nm
-1
における散乱強度S1と散乱ベクトルの大きさq=0.8nm
-1
における散乱強度S2との比である散乱強度比S1/S2が90以上であり、かつ、上記散乱プロファイルの散乱ベクトルの大きさq=0.02nm
-1
における散乱強度S3と散乱ベクトルの大きさq=0.08nm
-1
における散乱強度S4との比である散乱強度比S3/S4が10以下である多層カーボンナノチューブを含む、多層カーボンナノチューブ集合体。
[7] 上記多層カーボンナノチューブの最大長さが1000μm~30000μmである[1]~[6]のいずれか1つに記載の多層カーボンナノチューブ集合体。
[8] 導電助剤である[1]~[7]のいずれか1つに記載の多層カーボンナノチューブ集合体。
[9] [1]~[7]のいずれか1つに記載の多層カーボンナノチューブ集合体と、分散媒と、を含む多層カーボンナノチューブ分散液。
[10] [1]~[7]のいずれか1つに記載の多層カーボンナノチューブ集合体を含む導電材料。
[11] 電極活物質と、[10]に記載の導電材料と、を含む電極。
[12] [11]に記載の電極を備える二次電池。
[13] [1]~[7]のいずれか1つに記載の多層カーボンナノチューブ集合体を含む平面状集合体。
[14] [13]に記載の平面状集合体を用いたフィルター。
[15] [13]に記載の平面状集合体を用いた電磁波シールド。
[16] [13]に記載の平面状集合体を用いた極端紫外線用ペリクル。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一実施形態によれば、高い導電性を有する多層カーボンナノチューブ集合体が提供される。
本開示の他の実施形態によれば、上記多層カーボンナノチューブ集合体を含む多層カーボンナノチューブ分散液、電極、二次電池、導電材料及び平面状集合体が提供される。
また、本開示の他の実施形態によれば、上記平面状集合体を用いたフィルター、電磁波シールド及び極端紫外線用ペリクルが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例1のMWCNT集合体を含む分散液の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
比較例1のSWCNT集合体を含む分散液の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
比較例2のMWCNT集合体を含む分散液の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
実施例1のMWCNT集合体、比較例1のSWCNT集合体、及び、比較例2のMWCNT集合体の小角X線散乱法により得られた散乱プロファイルのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係る多層カーボンナノチューブ集合体、多層カーボンナノチューブ分散液、導電材料、電極、二次電池、平面状集合体、フィルター、電磁波シールド及び極端紫外線用ペリクルについて、詳細に説明する。以下に記載する要件の説明は、本開示の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本開示はそのような実施態様に限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において、適宜、変更を加えて実施することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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