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公開番号2025002003
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023101865
出願日2023-06-21
発明の名称冷凍サイクル
出願人富士電機株式会社
代理人個人
主分類F25B 1/00 20060101AFI20241226BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約【課題】複数の収納庫を備える場合において、各々の収納庫における過剰な冷却を抑制して、消費電力を効果的に抑制することが可能な冷凍サイクルを提供する。
【解決手段】冷凍サイクル100は、圧縮機2と、凝縮器3と、膨張部4a~4cと、庫内ファン50a~50cを含み、複数の収納庫1a~1c内に1つずつ設けられた庫内冷却用の蒸発器5a~5cと、複数の収納庫1a~1c毎の変動する熱負荷の大きさを収納庫1a~1c毎に判定する熱負荷判定を行う制御部8とを備え、制御部8は、熱負荷判定において一部の収納庫1a、1bまたは1cの熱負荷が小さいと判定した場合には、一部の収納庫1a、1bまたは1cの庫内ファン50a、50bまたは50cの回転数を小さくする部分制御を行い、熱負荷判定において全体の収納庫1a~1cの熱負荷が小さいと判定した場合には、圧縮機2の回転数を小さくする全体制御を行うように構成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
商品が収納される複数の収納庫内を、冷媒を循環させて冷却する冷凍サイクルであって、
前記複数の収納庫に対して共通で設けられ、前記冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機に下流側から接続される凝縮器と、
前記凝縮器に下流側から接続され、前記複数の収納庫に対して1つずつ設けられた膨張部と、
各々が庫内ファンを含み、各々の前記膨張部に下流側から接続されるとともに、前記圧縮機に上流側から接続され、前記複数の収納庫内に1つずつ設けられた庫内冷却用の蒸発器と、
前記複数の収納庫毎の変動する熱負荷の大きさを、前記収納庫毎に判定する熱負荷判定を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記熱負荷判定において一部の前記収納庫の熱負荷が小さいと判定した場合には、前記一部の収納庫の前記庫内ファンの回転数を小さくする部分制御を行い、
前記熱負荷判定において全体の前記収納庫の熱負荷が小さいと判定した場合には、前記圧縮機の回転数を小さくする全体制御を行うように構成されている、冷凍サイクル。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記制御部は、前記熱負荷判定を繰り返し行い、前記熱負荷判定毎に前記部分制御および前記全体制御のいずれか一方を行うように構成されている、請求項1に記載の冷凍サイクル。
【請求項3】
前記複数の収納庫内に1つずつ設けられた庫内温度センサをさらに備え、
前記制御部は、前記庫内温度センサが所定の上限温度を計測した場合には、前記庫内ファンの回転数および前記圧縮機の回転数の各々を、所定の初期回転数に復帰させるように構成されている、請求項1に記載の冷凍サイクル。
【請求項4】
前記複数の収納庫内に1つずつ設けられた庫内温度センサをさらに備え、
前記収納庫毎に設定された前記蒸発器による冷却を開始する冷却開始温度と、前記収納庫毎に設定された前記冷却開始温度よりも小さな前記蒸発器による冷却を終了する冷却終了温度とが予め設定されており、
前記制御部は、各々の前記収納庫において、実際の冷却時間である前記冷却開始温度から前記冷却終了温度に到達するまでの時間に基づいて、前記熱負荷判定を行うように構成されている、請求項1に記載の冷凍サイクル。
【請求項5】
前記熱負荷判定の指標値となる冷却規定時間が予め設定されており、
前記制御部は、
前記実際の冷却時間である前記冷却開始温度から前記冷却終了温度に到達するまでの時間が、前記冷却規定時間未満の場合には、熱負荷が小さいと判定し、
前記実際の冷却時間が、前記冷却規定時間以上の場合には、熱負荷が大きいと判定するように構成されている、請求項4に記載の冷凍サイクル。
【請求項6】
前記複数の収納庫外の外気の温度を計測する外気温度センサをさらに備え、
前記制御部は、前記外気温度センサの計測値が高い程、前記冷却規定時間を長くする補正を行うように構成されている、請求項5に記載の冷凍サイクル。
【請求項7】
前記制御部は、各々の前記収納庫で前記蒸発器による冷却を行いながら所定の時間間隔毎に前記熱負荷判定を行うように構成されている、請求項1に記載の冷凍サイクル。
【請求項8】
前記冷媒の切替流路を含み、前記冷媒の流路を前記切替流路に切り替えることによって、前記庫内冷却用の蒸発器を、庫内加熱用の切替後凝縮器として機能させる冷媒流路切替機構をさらに備え、
前記制御部は、前記庫内加熱用の切替後凝縮器が配置される前記収納庫についても前記熱負荷判定を行い、前記熱負荷判定毎に前記部分制御および前記全体制御のいずれか一方を行うように構成されている、請求項1に記載の冷凍サイクル。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、冷凍サイクルに関し、特に、圧縮機、凝縮器、膨張部および蒸発器を備える冷凍サイクルに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、圧縮機、凝縮器、膨張部および蒸発器を備える冷凍サイクルが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、圧縮機、凝縮器、減圧装置および1つの蒸発器を備える冷凍装置が開示されている。上記1つの蒸発器は、冷却空間であるショーケース内に配置されている。上記冷凍装置は、圧縮機の吸込側冷媒温度を計測して、吸込側冷媒温度に基づいて、1つのショーケースの蒸発器の冷却負荷を推定するように構成されている。そして、冷凍装置は、過剰な冷却を抑制して消費電力を抑制するために、冷却負荷の大きさに応じて、圧縮機の回転数を調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平11-281172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1の冷凍サイクルでは、1つのショーケースの冷却負荷の大きさを、吸込側冷媒温度に基づいて推定して、ショーケースに共通の圧縮機の回転数を調整している。このため、上記特許文献1の冷凍サイクルを、各々が1つの蒸発器を有する複数のショーケースの構成に適用した場合、すべてのショーケースの冷却能力が一律に小さくなり、冷却能力を調整する必要がないショーケースまでも冷却能力を変化させてしまう場合がある。このため、複数のショーケースを備える場合において、各々のショーケースにおける過剰な冷却を抑制して、消費電力が効果的に抑制されるような改善が望まれる。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、複数の収納庫を備える場合において、各々の収納庫における過剰な冷却を抑制して、消費電力を効果的に抑制することが可能な冷凍サイクルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における冷凍サイクルは、商品が収納される複数の収納庫内を、冷媒を循環させて冷却する冷凍サイクルであって、複数の収納庫に対して共通で設けられ、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機に下流側から接続される凝縮器と、凝縮器に下流側から接続され、複数の収納庫に対して1つずつ設けられた膨張部と、各々が庫内ファンを含み、各々の膨張部に下流側から接続されるとともに、圧縮機に上流側から接続され、複数の収納庫内に1つずつ設けられた庫内冷却用の蒸発器と、複数の収納庫毎の変動する熱負荷の大きさを、収納庫毎に判定する熱負荷判定を行う制御部と、を備え、制御部は、熱負荷判定において一部の収納庫の熱負荷が小さいと判定した場合には、一部の収納庫の庫内ファンの回転数を小さくする部分制御を行い、熱負荷判定において全体の収納庫の熱負荷が小さいと判定した場合には、圧縮機の回転数を小さくする全体制御を行うように構成されている。
【0008】
この発明の一の局面による冷凍サイクルでは、上記のように、複数の収納庫毎の変動する熱負荷の大きさを、収納庫毎に判定する熱負荷判定を行う制御部を設け、制御部により、熱負荷判定において一部の収納庫の熱負荷が小さいと判定した場合には、一部の収納庫の庫内ファンの回転数を小さくする部分制御を行い、熱負荷判定において全体の収納庫の熱負荷が小さいと判定した場合には、圧縮機の回転数を小さくする全体制御を行う。これによって、全体の収納庫の熱負荷が小さい場合には、冷凍サイクル内で特に消費電力が大きい圧縮機の回転数を小さくする全体制御を行い、消費電力を大きく低減しつつ全体の収納庫の冷却能力を下げることができる。また、一部の収納庫の熱負荷が小さい場合には、一部の収納庫以外の冷却能力を維持しつつ一部の収納庫の庫内ファンの回転数を小さくする部分制御を行い、一部の収納庫のみの冷却能力を下げることができる。すなわち、消費電力を大きく低減可能な圧縮機の回転数を小さくすることにより対処することができないような、一部の収納庫の熱負荷が小さい場合には、個別の収納庫に対する部分制御により対処することができる。その結果、複数の収納庫を備える場合において、各々の収納庫における過剰な冷却を抑制して、消費電力を効果的に抑制することができる。
【0009】
上記一の局面によるロータコアにおいて、好ましくは、制御部は、熱負荷判定を繰り返し行い、熱負荷判定毎に部分制御および全体制御のいずれか一方を行うように構成されている。
【0010】
このように構成すれば、熱負荷判定を繰り返し行い、熱負荷判定毎に部分制御および全体制御のいずれか一方を行うことができるので、商品数の減少などに伴う冷却能力の低下に応じて段階的に複数の収納庫の各々の冷却能力を下げることができる。その結果、複数の収納庫を備える場合において、各々の収納庫における過剰な冷却をより抑制して、消費電力をより効果的に抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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