TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024179832
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-26
出願番号2023099042
出願日2023-06-16
発明の名称昇降圧コンバータ
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人 快友国際特許事務所
主分類H02M 3/155 20060101AFI20241219BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】複数のコンバータ回路(以下「回路」)が並列に接続された昇降圧コンバータにおいて、特定の回路への電流集中を抑制する。
【解決手段】各回路は、低電圧端、高電圧端、並列に接続されている上SW素子と下SW素子、リアクトルを備える。コントローラは次の処理を実行する。(1)低電圧端の目標電圧VLTに対応する指令デューティ比dutyTを決定する。(2)各回路に対して、dutyTの上SW駆動信号とその反転信号を上SW素子と下SW素子に与え、残りの回路を停止した状態で、低電圧端と高電圧端の電圧とVLTと制御周期SWtime01からデッドタイムずれDT(i)を求める。(3)各回路の補正値dutyC(i)=DT(i)/SWtime02を計算する。(4)各回路に対してデューティ比(dutyT+dutyC(i))を有する補正上SW駆動信号とその反転信号を上SW素子と下SW素子に与え、全ての回路を駆動する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
並列に接続されているN個のコンバータ回路と、
N個の前記コンバータ回路を制御するコントローラと、
を備えており、
それぞれの前記コンバータ回路は、
低電圧端と、
高電圧端と、
前記高電圧端とグランド線の間に直列に接続されている2個のスイッチング素子であって、前記高電圧端に接続されている上スイッチング素子と、前記グランド線に接続されている下スイッチング素子と、
前記上スイッチング素子および前記下スイッチング素子の直列接続の中点と前記低電圧端との間に接続されているリアクトルと、
前記低電圧端と前記グランド線の間の電圧を計測する低電圧センサと、
前記高電圧端と前記グランド線の間の電圧を計測する高電圧センサと、
を備えており、
前記コントローラは、
(1)前記低電圧端の目標電圧VLTを実現するための前記上スイッチング素子に対する指令デューティ比dutyTを決定し、
(2)i番目の前記コンバータ回路に対して、前記指令デューティ比dutyTを有する上SW駆動信号を前記上スイッチング素子に与えるとともに、前記上SW駆動信号を反転させた下SW駆動信号を前記下スイッチング素子に与えつつ、残りの前記コンバータ回路を停止した状態で、
dDT(i)={(VLS/VHS)-(VLT/VHS)}×SWtime01
ただし、
i:1からNまでの自然数
dDT(i):i番目のコンバータ回路のデッドタイムずれ
VLS:低電圧センサの計測値
VHS:高電圧センサの計測値
SWtime01:電圧センサの計測値取得時の上SW駆動信号の制御周期
を計算し、
(3)i番目の前記コンバータ回路に対して、前記指令デューティ比dutyTにdDT(i)/SWtime02(ただし、SWtime02は、dDT(i)の算出後に前記コンバータ回路を駆動するときの上SW駆動信号の制御周期)を加えたデューティ比を有する補正上SW駆動信号を前記上スイッチング素子に与えるとともに前記補正上SW駆動信号を反転させた補正下SW駆動信号を前記下スイッチング素子に与えつつ、全ての前記コンバータ回路を同時並列に駆動する、
昇降圧コンバータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、複数のコンバータ回路が並列に接続された昇降圧コンバータに関する。各コンバータ回路は、低電圧端と高電圧端を有しており、低電圧端から高電圧端へ電圧を昇圧する機能と、高電圧端から低電圧端へ電圧を降圧する機能を備える。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
昇降圧コンバータは、直列に接続された2個のスイッチング素子と、リアクトルを備える。2個のスイッチング素子は、高電圧端とグランドの間に接続される。説明の便宜上、高電圧端に接続されるスイッチング素子を上スイッチング素子と称し、グランドに接続されるスイッチング素子を下スイッチング素子と称する。リアクトルは、2個のスイッチング素子の直列接続の中点と低電圧端との間に接続される。上スイッチング素子のオンオフ動作が降圧動作に寄与し、下スイッチング素子のオンオフ動作が昇圧動作に寄与する。上スイッチング素子に所定のデューティ比の駆動信号を与え、その駆動信号の反転信号を下スイッチング素子に与えると、低電圧端と高電圧端の電圧比が一定となるように、低電圧端と高電圧端の電圧の状態に応じて昇圧動作と降圧動作が受動的に切り替わる。
【0003】
上スイッチング素子と下スイッチング素子が同時にオン状態になると、高電圧端とグランドが短絡する。短絡を防ぐため、一方のスイッチング素子がオンからオフ切り替わってから他方のスイッチング素子がオフからオンに切り替わる。2個のスイッチング素子が同時にオフとなる時間をデッドタイムと称する。デッドタイムを適切に選定しないと電圧変換効率が低下する。特許文献1には、デッドタイムを適宜に変更する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-9848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
大電力を扱えるように、複数の昇降圧コンバータを並列に接続する場合がある。説明の便宜上、並列に接続された複数の昇降圧コンバータのそれぞれを以下ではコンバータ回路と称し、装置全体を昇降圧コンバータと称する。
【0006】
スイッチング素子の特性のばらつきにより、同じ駆動信号を与えてもデッドタイムはコンバータ回路ごとに異なることがある。並列に接続された複数のコンバータ回路においてデッドタイムが異なると、電流が複数のコンバータ回路に均等に分散せず、特定のコンバータ回路に電流が集中してしまうおそれがある。電流が集中したコンバータ回路ではスイッチング素子の劣化が進んでしまう。本明細書は、複数のコンバータ回路が並列に接続された昇降圧コンバータにおいて特定のコンバータ回路への電流集中を抑制する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書が開示する昇降圧コンバータは、並列に接続されているN個(Nは2以上の自然数)のコンバータ回路と、それらコンバータ回路を制御するコントローラを備える。それぞれのコンバータ回路は、低電圧端、高電圧端、上スイッチング素子および下スイッチング素子、リアクトル、低電圧センサ、高電圧センサを備える。上スイッチング素子と下スイッチング素子は高電圧端とグランド線の間に直列に接続されている。2個のスイッチング素子のうち、高電圧端に接続されている方を上スイッチング素子と称し、グランド線に接続されている方を下スイッチング素子と称する。リアクトルは、上スイッチング素子および下スイッチング素子の直列接続の中点と低電圧端との間に接続されている。低電圧センサは、低電圧端とグランド線の間の電圧を計測する。高電圧センサは、高電圧端とグランド線の間の電圧を計測する。低電圧センサは、N個のコンバータ回路で共通であってもよい。高電圧センサやリアクトルも、N個のコンバータ回路で共通であってもよい。
【0008】
コントローラは、以下の処理を実行する。(1)コントローラは、低電圧端の目標電圧VLTを実現するための上スイッチング素子に対する指令デューティ比dutyTを決定する。
【0009】
(2)コントローラは、i番目のコンバータ回路に対して、指令デューティ比dutyTを有する上SW駆動信号を上スイッチング素子に与えるとともに、上SW駆動信号を反転させた下SW駆動信号を下スイッチング素子に与えつつ、残りのコンバータ回路を停止して次の(式1)でデッドタイムずれdDT(i)を計算する。
dDT(i)={(VLS/VHS)-(VLT/VHS)}×SWtime01
・・・(式1)
ただし、
i:1からNまでの自然数
dDT(i):i番目のコンバータ回路のデッドタイムずれ
VLS:低電圧センサの計測値
VHS:高電圧センサの計測値
SWtime01:電圧センサの計測値取得時の上SW駆動信号の制御周期
【0010】
(3)コントローラは、i番目のコンバータ回路に対して、補正指令デューティ比dutyC(i)=dutyT+dDT(i)/SWtime02を算出する。ここで、SWtime02は、この補正指令デューティ比duty比dutyC(i)を用いてコンバータ回路を駆動するときの上SW駆動信号の制御周期である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許