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公開番号2024173780
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2024086604
出願日2024-05-28
発明の名称積層体及び積層体の製造方法
出願人AGC株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類B32B 15/082 20060101AFI20241205BHJP(積層体)
要約【課題】積層体の表面における耐摩耗性の向上と外観不良の抑制とを両立した積層体を提供すること。
【解決手段】積層体は、表面の少なくとも一部が金属である基材と、ポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖と反応性シリル基とを有する化合物を用いて形成される防汚層と、前記基材と防汚層との間に設けられ、多価ホスホン酸化合物を用いて形成されるプライマー部位と、を有し、前記プライマー部位は、前記基材の表面における前記金属の少なくとも一部に接し、かつ、前記防汚層の少なくとも一部に接する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
表面の少なくとも一部が金属である基材と、
ポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖と反応性シリル基とを有する化合物を用いて形成される防汚層と、
前記基材と防汚層との間に設けられ、多価ホスホン酸化合物を用いて形成されるプライマー部位と、
を有し、
前記プライマー部位は、前記基材の表面における前記金属の少なくとも一部に接し、かつ、前記防汚層の少なくとも一部に接する、積層体。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記多価ホスホン酸化合物の分子量は1,000以下である、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記多価ホスホン酸化合物は、2つのホスホン酸基と炭素原子に結合するOH基とを有する化合物、及び、3つ以上のホスホン酸基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の積層体。
【請求項4】
前記多価ホスホン酸化合物は、エチドロン酸、フィチン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、4-アミノ-1-ヒドロキシブタン-1,1-ジホスホン酸、及びグリシン-N,N-ビス(メチレンホスホン酸)からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の積層体。
【請求項5】
蛍光X線分光法により算出される前記プライマー部位におけるリン原子の強度は、0.2kcps以上である、請求項1又は2に記載の積層体。
【請求項6】
表面の少なくとも一部が金属である基材の前記表面に、多価ホスホン酸化合物と溶剤とを含む液状組成物を塗布し、塗布された前記液状組成物から前記溶剤を除去することで、前記基材の表面における前記金属の少なくとも一部に接する第1の部位を得ることと、
前記第1の部位が設けられた前記基材の表面に、ポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖と反応性シリル基とを有する化合物を含む組成物を用いて、前記第1の部位から得られるプライマー部位に接する防汚層を形成することと、
を含む、積層体の製造方法。
【請求項7】
前記多価ホスホン酸化合物の分子量は1,000以下である、請求項6に記載の積層体の製造方法。
【請求項8】
前記多価ホスホン酸化合物は、2つのホスホン酸基と炭素原子に結合するOH基とを有する化合物、及び、3つ以上のホスホン酸基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項6又は7に記載の積層体の製造方法。
【請求項9】
前記多価ホスホン酸化合物は、エチドロン酸、フィチン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、4-アミノ-1-ヒドロキシブタン-1,1-ジホスホン酸、及びグリシン-N,N-ビス(メチレンホスホン酸)からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項6又は7に記載の積層体の製造方法。
【請求項10】
前記液状組成物における前記多価ホスホン酸化合物の含有率は0.3質量%以上である、請求項6又は7に記載の積層体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、積層体及び積層体の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
各種基材の表面に撥水撥油性を付与するために、基材の表面に表面張力の低い防汚層を設けることで、汚れの付着を抑制したり、付着した汚れを除去しやすくしたりする性質、すなわち、防汚性を向上させることが知られている。
【0003】
防汚層の形成に用いる化合物としては、例えば含フッ素シラン化合物が挙げられる。一方、表面の少なくとも一部に金属を含む基材に、含フッ素シラン化合物を用いて形成される防汚層を直接設けると、防汚層表面の洗浄や摩擦を繰り返すことで防汚性が低下することがあった。
上記防汚性の低下を抑制する方法として、特許文献1では、基材と防汚層との間に、加水分解性シリル基を30質量%以上の割合で含有しフッ素原子を含まず質量平均分子量が500~200,000であるシラン化合物を用いてプライマー層を設ける方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2019/240093号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者によれば、表面の少なくとも一部が金属である基材の表面に、特許文献1に記載のシラン化合物を用いたプライマー層を介して防汚層を設けた積層体とすると、積層体の表面における外観不良が発生することがあることが分かった。
【0006】
本開示はこのような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、積層体の表面における耐摩耗性の向上と外観不良の抑制とを両立した積層体及び積層体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1>
表面の少なくとも一部が金属である基材と、
ポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖と反応性シリル基とを有する化合物を用いて形成される防汚層と、
前記基材と防汚層との間に設けられ、多価ホスホン酸化合物を用いて形成されるプライマー部位と、
を有し、
前記プライマー部位は、前記基材の表面における前記金属の少なくとも一部に接し、かつ、前記防汚層の少なくとも一部に接する、積層体。
<2>
前記多価ホスホン酸化合物の分子量は1,000以下である、<1>に記載の積層体。<3>
前記多価ホスホン酸化合物は、2つのホスホン酸基と炭素原子に結合するOH基とを有する化合物、及び、3つ以上のホスホン酸基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む、<1>又は<2>に記載の積層体。
<4>
前記多価ホスホン酸化合物は、エチドロン酸、フィチン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、4-アミノ-1-ヒドロキシブタン-1,1-ジホスホン酸、及びグリシン-N,N-ビス(メチレンホスホン酸)からなる群より選択される少なくとも1種を含む、<1>~<3>のいずれか1つに記載の積層体。
<5>
蛍光X線分光法により算出される前記プライマー部位におけるリン原子の強度は、0.2kcps以上である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の積層体。
<6>
表面の少なくとも一部が金属である基材の前記表面に、多価ホスホン酸化合物と溶剤とを含む液状組成物を塗布し、塗布された前記液状組成物から前記溶剤を除去することで、前記基材の表面における前記金属の少なくとも一部に接する第1の部位を得ることと、
前記第1の部位が設けられた前記基材の表面に、ポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖と反応性シリル基とを有する化合物を含む組成物を用いて、前記第1の部位から得られるプライマー部位に接する防汚層を形成することと、
を含む、積層体の製造方法。
<7>
前記多価ホスホン酸化合物の分子量は1,000以下である、<6>に記載の積層体の製造方法。
<8>
前記多価ホスホン酸化合物は、2つのホスホン酸基と炭素原子に結合するOH基とを有する化合物、及び、3つ以上のホスホン酸基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む、<6>又は<7>に記載の積層体の製造方法。
<9>
前記多価ホスホン酸化合物は、エチドロン酸、フィチン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、4-アミノ-1-ヒドロキシブタン-1,1-ジホスホン酸、及びグリシン-N,N-ビス(メチレンホスホン酸)からなる群より選択される少なくとも1種を含む、<6>~<8>のいずれか1つに記載の積層体の製造方法。
<10>
前記液状組成物における前記多価ホスホン酸化合物の含有率は0.3質量%以上である、<6>~<9>のいずれか1つに記載の積層体の製造方法。
<11>
前記液状組成物は、前記多価ホスホン酸化合物以外の界面活性剤を含まない、<6>~<10>のいずれか1つに記載の積層体の製造方法。
<12>
第1の部位が設けられる前における前記基材の前記表面は、水の接触角が70度未満である、<6>~<11>のいずれか1つに記載の積層体の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、積層体の表面における耐摩耗性の向上と外観不良の抑制とを両立した積層体及び積層体の製造方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい
。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示における以下の用語の意味は、以下の通りである。
本開示において、式(1)で表される化合物を化合物(1)と記す。他の式で表される化合物、基等もこれに準ずる。
ペルフルオロアルキル基とは、アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換された基を意味する。また、フルオロアルキル基とは、パーシャルフルオロアルキル基とペルフルオロアルキル基とを合わせた総称である。パーシャルフルオロアルキル基とは、水素原子の1個以上がフッ素原子で置換され、かつ、水素原子を1個以上有するアルキル基である。すなわち、フルオロアルキル基は、1個以上のフッ素原子を有するアルキル基である。
本開示における数平均分子量(Mn)は、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法で測定される値である。
【0010】
[積層体]
本開示の積層体は、表面の少なくとも一部が金属である基材と、ポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖と反応性シリル基とを有する化合物を用いて形成される防汚層と、前記基材と防汚層との間に設けられ、多価ホスホン酸化合物を用いて形成されるプライマー部位と、を有し、前記プライマー部位は、前記基材の表面における前記金属の少なくとも一部に接し、かつ、前記防汚層の少なくとも一部に接する。以下、ポリ(オキシフルオロアルキレン)鎖と反応性シリル基とを有する化合物を「特定含フッ素化合物」ともいう。
本開示の積層体は、上記構成であることにより、積層体の表面における耐摩耗性の向上と外観不良の抑制との両立が実現される。その理由は以下のように推測される。
(【0011】以降は省略されています)

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