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公開番号2024171560
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023088630
出願日2023-05-30
発明の名称破面解析方法、破面解析装置、及びプログラム
出願人三菱重工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類G01N 21/88 20060101AFI20241205BHJP(測定;試験)
要約【課題】観察者の技量に依存することなく、破面上のビーチマークを安定して識別する。
【解決手段】破面解析方法は、構造物の破面を撮影した少なくとも一つの破面画像の情報を取得するステップと、取得した前記破面画像の情報に基づいて、前記破面画像における前記構造物に生じるき裂の進展するき裂進展方向の画素の輝度の分布情報である進展方向輝度分布情報を取得するステップと、前記進展方向輝度分布情報に基づいて、前記き裂進展方向で隣り合う複数の検出位置での画素の輝度の差分を算出して取得するステップと、前記差分の絶対値が予め定めた基準値を満たしているか否かを判定するステップと、前記基準値を満たしていると判定された前記検出位置の位置情報から前記破面画像におけるビーチマークの位置情報を取得するステップと、を含む。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
構造物の破面を撮影した少なくとも一つの破面画像の情報を取得するステップと、
取得した前記破面画像の情報に基づいて、前記破面画像における前記構造物に生じるき裂の進展するき裂進展方向の画素の輝度の分布情報である進展方向輝度分布情報を取得するステップと、
前記進展方向輝度分布情報に基づいて、前記き裂進展方向で隣り合う複数の検出位置での画素の輝度の差分を算出して取得するステップと、
前記差分の絶対値が予め定めた基準値を満たしているか否かを判定するステップと、
前記基準値を満たしていると判定された前記検出位置の位置情報から前記破面画像におけるビーチマークの位置情報を取得するステップと、を含む破面解析方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記破面画像の情報を取得するステップでは、光源の位置の異なる複数の前記破面画像の情報をさらに取得し、
前記差分を算出するステップでは、前記差分を、複数の前記破面画像の情報において、同じ位置を含むように算出する請求項1に記載の破面解析方法。
【請求項3】
前記ビーチマークの位置情報を取得するステップは、
前記基準値を満たしていると判定された前記検出位置を合格位置とし、複数の前記破面画像の情報ごとに、前記合格位置の位置情報を取得するステップと、
取得された前記合格位置の中で、同じ位置での登場頻度が予め定めた基準回数を満たした前記合格位置の位置情報を前記ビーチマークの位置情報として取得するステップとをさらに有する請求項1又は2に記載の破面解析方法。
【請求項4】
前記進展方向輝度分布情報を取得するステップでは、前記き裂進展方向に対して直交する直交方向に所定幅を有する領域で、前記進展方向輝度分布情報を取得する請求項1又は2に記載の破面解析方法。
【請求項5】
前記破面画像の情報から、予め定めた楕円線状模様を検出し、前記楕円線状模様が検出された模様検出位置の位置情報を取得するステップと、をさらに含み、
前記ビーチマークの位置情報を取得するステップは、前記基準値を満たしていると判定された前記検出位置と前記模様検出位置とが一致している位置の位置情報を前記ビーチマークの位置情報として取得する請求項1又は2に破面解析方法。
【請求項6】
構造物の破面を撮影した少なくとも一つの破面画像の情報を取得する画像取得部と、
取得した前記破面画像の情報に基づいて、前記破面画像における前記構造物に生じるき裂の進展するき裂進展方向の画素の輝度の分布情報である進展方向輝度分布情報を取得する輝度分布取得部と、
前記進展方向輝度分布情報に基づいて、前記き裂進展方向で隣り合う複数の検出位置での画素の輝度の差分を算出して取得する差分取得部と、
前記差分の絶対値が予め定めた基準値を満たしているか否かを判定する判定部と、
前記基準値を満たしていると判定された前記検出位置の位置情報から前記破面画像におけるビーチマークの位置情報を取得するビーチマーク取得部と、を備える破面解析装置。
【請求項7】
コンピュータに、
構造物の破面を撮影した少なくとも一つの破面画像の情報を取得するステップと、
取得した前記破面画像の情報に基づいて、前記破面画像における前記構造物に生じるき裂の進展するき裂進展方向の画素の輝度の分布情報である進展方向輝度分布情報を取得するステップと、
前記進展方向輝度分布情報に基づいて、前記き裂進展方向で隣り合う複数の検出位置での画素の輝度の差分を算出して取得するステップと、
前記差分の絶対値が予め定めた基準値を満たしているか否かを判定するステップと、
前記基準値を満たしていると判定された前記検出位置の位置情報から前記破面画像におけるビーチマークの位置情報を取得するステップと、を実行させるプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、破面解析方法、破面解析装置、及びプログラムに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
金属材料や複合材の損傷度合いを計測するために、疲労破壊後の材料の破面を検査する方法がある。疲労破壊後の材料の破面には、材料が使用されていた環境下での負荷変動等に対応した貝殻模様状のビーチマークが形成される。このようなビーチマークの観察は、外観画像やSEM画像上での目視観察により行われている。外観画像やSEM画像上での目視観察は、観察者の技量によって検出結果に差が生じやすいため、様々な現場で、目視観察に寄らない表面性状の検査方法が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の表面性状検査装置では、機械加工鋼材の表面検査を行う表面性状検査装置が記載されている。この表面性状検査装置では、線状のレーザ光が照射された被検査体の表面を撮像し、撮像した画像に対して画像処理を行っている。具体的には、複数の画像における線状のレーザ光の照射部分に対応する線分である光切断線を配列させた縞画像フレームに基づいて、被検査体の表面の凹凸状態を表す深さ画像と、表面における線状のレーザ光の輝度分布を表す輝度画像等とを利用している。そして、これらの画像のデータから、地肌残存部又は錆が、被検査体の表面に存在しているか否かを検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-48979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、破面に形成されるビーチマークは、貝殻模様状に形成されるが、単純な画像処理だけでは、破面自身の凹凸と区別がしづらい場合がある。具体的には、ビーチマークによる凹凸も破面上の凹凸であるため、破面自身の微小な凹凸と区別して、ビーチマークの凹凸だけを識別することが難しい。そのため、ビーチマークの識別には、まだ観察者の技量に依存する側面が大きく、観察者の技量によっては、識別作業に多くの時間や手間を費やす恐れや客観性を欠いた結論を導く可能性がある。そのため、破面上のビーチマークを安定して識別することが求められている。
【0006】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、観察者の技量に依存することなく、破面上のビーチマークを安定して識別可能な破面解析方法、破面解析装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る破面解析方法は、構造物の破面を撮影した少なくとも一つの破面画像の情報を取得するステップと、取得した前記破面画像の情報に基づいて、前記破面画像における前記構造物に生じるき裂の進展するき裂進展方向の画素の輝度の分布情報である進展方向輝度分布情報を取得するステップと、前記進展方向輝度分布情報に基づいて、前記き裂進展方向で隣り合う複数の検出位置での画素の輝度の差分を算出して取得するステップと、前記差分の絶対値が予め定めた基準値を満たしているか否かを判定するステップと、前記基準値を満たしていると判定された前記検出位置の位置情報から前記破面画像におけるビーチマークの位置情報を取得するステップと、を含む。
【0008】
また、本開示に係る破面解析装置は、構造物の破面を撮影した少なくとも一つの破面画像の情報を取得する画像取得部と、取得した前記破面画像の情報に基づいて、前記破面画像における前記構造物に生じるき裂の進展するき裂進展方向の画素の輝度の分布情報である進展方向輝度分布情報を取得する輝度分布取得部と、前記進展方向輝度分布情報に基づいて、前記き裂進展方向で隣り合う複数の検出位置での画素の輝度の差分を算出して取得する差分取得部と、前記差分の絶対値が予め定めた基準値を満たしているか否かを判定する判定部と、前記基準値を満たしていると判定された前記検出位置の位置情報から前記破面画像におけるビーチマークの位置情報を取得するビーチマーク取得部と、を備える。
【0009】
また、本開示に係るプログラムは、コンピュータに、構造物の破面を撮影した少なくとも一つの破面画像の情報を取得するステップと、取得した前記破面画像の情報に基づいて、前記破面画像における前記構造物に生じるき裂の進展するき裂進展方向の画素の輝度の分布情報である進展方向輝度分布情報を取得するステップと、前記進展方向輝度分布情報に基づいて、前記き裂進展方向で隣り合う複数の検出位置での画素の輝度の差分を算出して取得するステップと、前記差分の絶対値が予め定めた基準値を満たしているか否かを判定するステップと、前記基準値を満たしていると判定された前記検出位置の位置情報から前記破面画像におけるビーチマークの位置情報を取得するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示の破面解析方法、破面解析装置、及びプログラムによれば、観察者の技量に依存することなく、破面上のビーチマークを安定して識別できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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