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公開番号
2024169306
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-05
出願番号
2024039020
出願日
2024-03-13
発明の名称
光学素子、光学系、撮像装置、および光学素子の製造方法
出願人
キヤノン株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
G02B
1/111 20150101AFI20241128BHJP(光学)
要約
【課題】 基材の屈折率に関わらず、反射率を十分に低減することが可能な光学素子を提供する。
【解決手段】 基材(200)と反射防止膜(100)とを有する光学素子(300)であって、反射防止膜は、基材の上に形成された第1の層(01)と、第1の層の上に形成された第2の層(02)と、第2の層の上に形成された第3の層(03)とからなり、第1乃至第3の層はそれぞれ、有機化合物を含み、波長550nmにおける第3の層の屈折率をn
3
とするとき、
1.10≦n
3
≦1.28
なる条件式を満足する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
基材と反射防止膜とを有する光学素子であって、
前記反射防止膜は、前記基材の上に形成された第1の層と、該第1の層の上に形成された第2の層と、該第2の層の上に形成された第3の層とからなり、
前記第1乃至第3の層はそれぞれ、有機化合物を含み、
波長550nmにおける前記第3の層の屈折率をn
3
とするとき、
1.10≦n
3
≦1.28
なる条件式を満足することを特徴とする光学素子。
続きを表示(約 1,800 文字)
【請求項2】
基材と反射防止膜とを有する光学素子であって、
前記反射防止膜は、前記基材の上に形成された第1の層と、該第1の層の上に形成された第2の層と、該第2の層の上に形成された第3の層とからなり、
波長550nmにおける前記第1の層の屈折率をn
1
、波長550nmにおける前記第2の層の屈折率をn
2
、波長550nmにおける前記第3の層の屈折率をn
3
、前記第1の層の物理膜厚をd
1
(nm)、前記第2の層の物理膜厚をd
2
(nm)、前記第3の層の物理膜厚をd
3
(nm)とするとき、
1.30≦n
1
≦1.50
1.56≦n
2
≦1.70
1.10≦n
3
≦1.28
10≦n
1
d
1
≦155
10≦n
2
d
2
≦155
100≦n
3
d
3
≦155
200≦n
1
d
1
+n
2
d
2
+n
3
d
3
≦300
なる条件式を満足することを特徴とする光学素子。
【請求項3】
前記第1乃至第3の層はそれぞれ、有機化合物を含むことを特徴とする請求項2に記載の光学素子。
【請求項4】
前記基材における前記反射防止膜が形成される光学面の面頂点を通る基準軸と該光学面との交点での前記第1の層の物理膜厚、前記第2の層の物理膜厚、および前記第3の層の物理膜厚をそれぞれd
1c
、d
2c
、およびd
3c
とし、
前記光学面の有効領域において、前記交点から最も離れた位置での前記第1の層の物理膜厚、前記第2の層の物理膜厚、および前記第3の層の物理膜厚をそれぞれd
1q
、d
2q
、およびd
3q
とするとき、
1.0<d
1q
/d
1c
≦1.3
1.0<d
2q
/d
2c
≦1.3
1.0<d
3q
/d
3c
≦1.3
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学素子。
【請求項5】
前記第1の層および前記第2の層のそれぞれの物理膜厚は、前記反射防止膜の中心において最も小さく、前記中心から離れるほど大きくなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学素子。
【請求項6】
前記第1の層は、アクリル樹脂を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学素子。
【請求項7】
前記第1の層は、中実粒子を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学素子。
【請求項8】
前記第2の層は、エポキシ樹脂またはポリイミド樹脂を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学素子。
【請求項9】
波長550nmにおける前記基材の屈折率をn
s
とするとき、
1.45≦n
s
≦2.10
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学素子。
【請求項10】
基材と反射防止膜とを有する光学素子であって、
前記反射防止膜は、前記基材の上に形成された第1の層と、該第1の層の上に形成された第2の層と、該第2の層の上に形成された第3の層と、該第3の層の上に形成された第4の層とからなり、
前記第2乃至第4の層はそれぞれ、有機化合物を含み、
波長550nmにおける前記第4の層の屈折率をn
4
とするとき、
1.10≦n
4
≦1.28
なる条件式を満足することを特徴とする光学素子。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学素子、光学系、撮像装置、および光学素子の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)
【背景技術】
【0002】
光学系に含まれるレンズやフィルターなどの光学素子の表面には、不要な反射によるフレアやゴーストを防止するため、反射防止機能を有する誘電体多層膜(反射防止膜)が形成されることが多い。反射防止膜は、最上層に屈折率の低い材料を使用すれば、高性能な反射防止性能を得ることができる。屈折率の低い材料としては、シリカやフッ化マグネシウム等の無機系材料、シリコン樹脂や非晶質のフッ素樹脂などの有機材料を用いることが知られている。これらの材料は、層内に空隙を形成することにより屈折率を下げることができる。
【0003】
特許文献1には、屈折率が1.70から1.95の基材の上に形成された、アルミナを主成分とした第1層、屈折率1.27のシリカエアロゲルである第2層からなる2層構成の反射防止膜が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009-162989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている反射防止膜は、アルミナを主成分とした第1層を蒸着により成膜している。このため、大開角レンズにおいては、レンズ面内に膜ムラが生じ、レンズ面内全域での反射防止性能(反射率の低減)が十分でない。また、最上層である第2層の屈折率が1.27程度であるため、屈折率がより低い基材を用いた場合には反射防止性能が十分でない。
【0006】
そこで本発明は、基材の屈折率に関わらず、反射率を十分に低減することが可能な光学素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としての光学素子は、基材と反射防止膜とを有する光学素子であって、前記反射防止膜は、前記基材の上に形成された第1の層と、該第1の層の上に形成された第2の層と、該第2の層の上に形成された第3の層とからなり、前記第1乃至第3の層はそれぞれ、有機化合物を含み、波長550nmにおける前記第3の層の屈折率をn
3
とするとき、
1.10≦n
3
≦1.28
なる条件式を満足する。
【0008】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、基材の屈折率に関わらず、反射率を十分に低減することが可能な光学素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例1~14における光学素子の概略図である。
実施例1、2、5、7、8、11、13、比較例1、2における光学素子の概略断面図である。
実施例3、4、6、9、10、12、14における光学素子の概略断面図である。
実施例1における光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
実施例1における光学素子の位置C、Qでの入射角0度の反射率特性である。
実施例2における光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
実施例2における光学素子の位置C、Qでの入射角0度の反射率特性である。
実施例3における光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
実施例3における光学素子の位置C、Qでの入射角0度の反射率特性である。
実施例4における光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
実施例4における光学素子の位置C、Qでの入射角0度の反射率特性である。
実施例5における光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
実施例5における光学素子の位置C、Qでの入射角0度の反射率特性である。
実施例6における光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
実施例6における光学素子の位置C、Qでの入射角0度の反射率特性である。
実施例7における光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
実施例7における光学素子の位置C、Qでの入射角0度の反射率特性である。
実施例8における光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
実施例8における光学素子の位置C、Qでの入射角0度の反射率特性である。
実施例9における光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
実施例9における光学素子の位置C、Qでの入射角0度の反射率特性である。
実施例10における光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
実施例10における光学素子の位置C、Qでの入射角0度の反射率特性である。
実施例11における光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
実施例11における光学素子の位置C、Qでの入射角0度の反射率特性である。
実施例12における光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
実施例12における光学素子の位置C、Qでの入射角0度の反射率特性である。
実施例13における光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
実施例13における光学素子の位置C、Qでの入射角0度の反射率特性である。
実施例14における光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
実施例14における光学素子の位置C、Qでの入射角0度の反射率特性である。
実施例15における光学系の断面図である。
実施例16における撮像装置の外観斜視図である。
比較例1としての光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
比較例1としての光学素子の位置C、Qでの入射角0度の反射率特性である。
比較例2としての光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
実施例17~25における光学素子の概略図である。
実施例17、19、21、22、比較例1、2における光学素子の概略断面図である。
実施例18、20、23における光学素子の概略断面図である。
実施例24における光学素子の概略断面図である。
実施例25における光学素子の概略断面図である。
実施例17における光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
実施例17における光学素子の位置C、Qでの入射角0度の反射率特性である。
実施例18における光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
実施例18における光学素子の位置C、Qでの入射角0度の反射率特性である。
実施例19における光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
実施例19における光学素子の位置C、Qでの入射角0度の反射率特性である。
実施例20における光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
実施例20における光学素子の位置C、Qでの入射角0度の反射率特性である。
実施例21における光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
実施例21における光学素子の位置C、Qでの入射角0度の反射率特性である。
実施例22における光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
実施例22における光学素子の位置C、Qでの入射角0度の反射率特性である。
実施例23における光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
実施例23における光学素子の位置C、Qでの入射角0度の反射率特性である。
実施例24における光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
実施例24における光学素子の位置C、Qでの入射角0度の反射率特性である。
実施例25における光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
実施例25における光学素子の位置C、Qでの入射角0度の反射率特性である。
比較例3としての光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
比較例3としての光学素子の位置C、Qでの入射角0度の反射率特性である。
比較例4としての光学素子の位置Cでの入射角0、15、30、45、60度の反射率特性である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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