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公開番号
2024166950
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-29
出願番号
2023083395
出願日
2023-05-19
発明の名称
移動物体の追跡システム
出願人
トヨタ自動車株式会社
代理人
弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
主分類
G06T
7/20 20170101AFI20241122BHJP(計算;計数)
要約
【課題】映像データから生成されたグラフのデータ及びこのグラフの生成に伴うグラフ付随データが無駄になることを抑えつつ、これらのデータが格納される記憶装置のメモリ容量が圧迫されるのを抑える。
【解決手段】プロセッサは、単カメラによって取得された映像データに基づいてデータ処理を行う。データ処理では、グラフが生成される。データ処理では、更に、複数の共通識別番号がそれぞれ付与された複数の同一移動物体が映り込んだ映像データの各フレーム群におけるこれらの同一移動物体の座標履歴の解析により、単カメラによって取得される映像データのフレーム群における任意の同一移動物体の存在確率分布が計算され、グラフの生成に伴うグラフ付随データのうち、存在確率分布の計算に用いられた複数の同一移動物体の座標履歴のデータを除いたデータが圧縮され、又は、記憶装置から消去される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
単カメラによって取得された映像データが格納される記憶装置と、
前記映像データに基づいてデータ処理を行うように構成されたプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、前記データ処理において、
少なくとも2点のノードと、前記少なくとも2点のノードの関係性を示す少なくとも1本のエッジと、で構成されたグラフを生成し、
前記グラフにおいて、
前記単カメラを表すノードと、当該単カメラが取得した映像データに映り込んだ移動物体に対して付与される識別番号を表すノードとが、エッジを介して結ばれ、
前記識別番号は、前記単カメラが取得した映像データに映り込んだ同一移動物体に対して付与される共通識別番号を含み、
前記プロセッサは、前記データ処理において、更に、
複数の前記共通識別番号がそれぞれ付与された複数の同一移動物体が映り込んだ前記映像データの各フレーム群におけるこれらの同一移動物体の座標履歴の解析により、前記単カメラによって取得される映像データのフレーム群における任意の同一移動物体の存在確率分布を計算し、
前記グラフの生成に伴うグラフ付随データのうち、前記存在確率分布の計算に用いられた前記複数の同一移動物体の座標履歴のデータを除いたデータを圧縮し、又は、前記記憶装置から消去する
ことを特徴とする移動物体の追跡システム。
続きを表示(約 860 文字)
【請求項2】
少なくとも2台のカメラによって取得された各映像データが格納される記憶装置と、
前記各映像データに基づいてデータ処理を行うように構成されたプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、前記データ処理において、
少なくとも2点のノードと、前記少なくとも2点のノードの関係性を示す少なくとも1本のエッジと、で構成されたグラフを生成し、
前記グラフにおいて、
前記少なくとも2台のカメラに含まれる単カメラを表すノードと、当該単カメラが取得した映像データに映り込んだ移動物体に対して付与される識別番号を表すノードとが、少なくとも1本のエッジを介して結ばれ、
前記識別番号は、前記単カメラが取得した映像データに映り込んだ同一移動物体に対して付与される共通識別番号を含み、
少なくとも2台の前記単カメラの間の関係性を示す少なくとも1本のエッジを介して、これらの単カメラを表すノードの中で当該関係性を有するノード同士が結ばれ、
少なくとも2台の前記単カメラによって取得された各映像データに映り込んだ少なくとも2つの移動物体が同一移動物体であることを示す少なくとも1本のエッジを介して、少なくとも2つの前記共通識別番号を表すノードの中で同一移動物体であると認められたノード同士が結ばれ、
前記プロセッサは、前記データ処理において、更に、
複数の前記共通識別番号がそれぞれ付与された複数の同一移動物体が映り込んだ前記映像データを取得した少なくとも2台の単カメラの間におけるこれらの同一移動物体の移動履歴の解析により、当該少なくとも2台の単カメラの間における任意の同一移動物体の存在確率分布を計算し、
前記グラフの生成に伴うグラフ付随データのうち、前記存在確率分布の計算に用いられた前記複数の同一移動物体の移動履歴のデータを除いたデータを圧縮し、又は、前記記憶装置から消去する
ことを特徴とする移動物体の追跡システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、単カメラ、又は、少なくとも2台のカメラによって取得された映像データを用いて、この映像データに映り込んだ移動物体を追跡するシステムに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
特開2017-021753号公報は、複数のカメラによって取得された映像データを用いて、この映像データに映り込んだ人物画像をグラフ化する技術を開示する。この従来技術では、映像データに含まれるフレーム(画像)のうちから、人物が検出されたフレームが抽出される。続いて、この抽出フレームから、検出人物を含む矩形領域(即ち、バウンディングボックス)がトリミングされる。人物が検出されたフレームの抽出と、バウンディングボックスのトリミングとは、撮影の時刻及び場所の少なくとも一方において異なる複数のフレームに対して行われる。そのため、抽出されるバウンディングボックスの数も複数となる。
【0003】
上記公報に記載の技術では、続いて、抽出された複数のバウンディングボックスのうちから、5つのバウンディングボックスからなる画像シーケンスが、カメラ間のユークリッド距離を参照して抽出される。続いて、画像シーケンスに含まれる人物画像の特徴量に基づいて、これらの人物画像の類似度が計算される。この類似度は、5つのバウンディングボックスに含まれる人物画像が同一人物であるか否かを判定するために用いられる。
【0004】
上記公報に記載の技術では、5つのバウンディングボックスに含まれる人物画像が同一人物であると判定された場合、5つのバウンディングボックスに対してグラフ(Graph)が生成される。このグラフは、グラフ理論におけるノード(頂点、節点)とエッジ(辺、枝)を用いて表現されるものである。上記公報の図7-9には、設置箇所の異なる複数のカメラによって取得された映像データに対するデータ処理により、同一人物であると判定された5つのバウンディングボックス(人物画像)をそれぞれノードとし、これらのバウンディングボックスがエッジで結ばれたグラフの例が示されている。
【0005】
本開示に関連する技術分野の技術水準を示す文献としては、特開2017-021753号公報の他に、特開2020-107171号公報、特開2020-149422号公報及び特許第7066362号を例示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2017-021753号公報
特開2020-107171号公報
特開2020-149422号公報
特許第7066362号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特開2017-021753号公報は、複数のカメラによって取得された映像データのグラフ生成後の取り扱いについて言及していないが、通常、このような映像データは一定期間の経過後に記憶装置から消去される。この理由としては、時々刻々と取得される映像データによって記憶装置のメモリ容量が圧迫されるのを抑えることが挙げられる。
【0008】
映像データからグラフを生成した場合を考える。この場合は、グラフの生成に用いられた映像データを一定期間の経過後に記憶装置から消去すれば、記憶装置のメモリ容量が圧迫されるのを抑えることができる。しかしながら、グラフを生成した場合は、このグラフのデータに加えて、このグラフの生成に伴うグラフ付随データも記憶装置に蓄積することになる。そのため、長期的には映像データによる蓄積の問題と同じ問題が発生しうる。ところが、一定期間の経過後にグラフのデータ及びグラフ付随データの全てを記憶装置から消去することは、グラフ及びグラフ付随データの活用の観点、特に、グラフを用いた移動物体の追跡の観点から望ましくない。従って、このような観点からの開発が求められる。
【0009】
本開示の1つの目的は、映像データから生成されたグラフのデータ及びこのグラフの生成に伴うグラフ付随データが無駄になることを抑えつつ、これらのデータが格納される記憶装置のメモリ容量が圧迫されるのを抑えることのできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の第1の観点は、移動物体の追跡システムであり、次の特徴を有する。
前記追跡システムは、記憶装置と、プロセッサとを備える。前記記憶装置には、単カメラによって取得された映像データが格納される。前記プロセッサは、前記映像データに基づいてデータ処理を行うように構成されている。
前記プロセッサは、前記データ処理において、少なくとも2点のノードと、前記少なくとも2点のノードの関係性を示す少なくとも1本のエッジと、で構成されたグラフを生成する。前記グラフにおいては、前記単カメラを表すノードと、当該単カメラが取得した映像データに映り込んだ移動物体に対して付与される識別番号を表すノードとが、エッジを介して結ばれている。前記識別番号は、前記単カメラが取得した映像データに映り込んだ同一移動物体に対して付与される共通識別番号を含む。
前記プロセッサは、前記データ処理において、更に、複数の前記共通識別番号がそれぞれ付与された複数の同一移動物体が映り込んだ前記映像データの各フレーム群におけるこれらの同一移動物体の座標履歴の解析により、前記単カメラによって取得される映像データのフレーム群における任意の同一移動物体の存在確率分布を計算し、前記グラフの生成に伴うグラフ付随データのうち、前記存在確率分布の計算に用いられた前記複数の同一移動物体の座標履歴のデータを除いたデータを圧縮し、又は、前記記憶装置から消去する。
(【0011】以降は省略されています)
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