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公開番号2024160835
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-15
出願番号2023076250
出願日2023-05-02
発明の名称過酸化水素分解用複合材料及びその製造方法
出願人東京都公立大学法人
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類B01J 31/22 20060101AFI20241108BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】過酸化水素の分解を触媒する活性を維持しつつ、水性溶液中でも分解が抑制された過酸化水素分解用複合材料及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】固体支持体と、固体支持体に結合された、過酸化水素を酸素と水に分解する反応を触媒することが可能な複合体であって、イミダゾール環の3位の窒素が非置換であるか又は一部のイミダゾール環の3位の窒素にアルキル基又はアルケニル基が結合しているポリビニルイミダゾールと、ポルフィリン骨格の中心金属がマンガン原子、鉄原子、銅原子、又はセレン原子である金属ポルフィリン化合物とが結合されてなる複合体と、を備えた過酸化水素分解用複合材料。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
固体支持体と、
固体支持体に結合された、過酸化水素を酸素と水に分解する反応を触媒することが可能な複合体であって、イミダゾール環の3位の窒素が非置換であるか又は一部のイミダゾール環の3位の窒素にアルキル基又はアルケニル基が結合しているポリビニルイミダゾールと、ポルフィリン骨格の中心金属がマンガン原子、鉄原子、銅原子、又はセレン原子である金属ポルフィリン化合物とが結合されてなる複合体と、
を備えた過酸化水素分解用複合材料。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記複合体が前記固体支持体に非共有結合により結合され、前記ポリビニルイミダゾールと前記金属ポルフィリン化合物とが非共有結合により結合される、請求項1に記載の過酸化水素分解用複合材料。
【請求項3】
前記複合体が、下記式(4)で表される複合体である、請求項1又は2に記載の過酸化水素分解用複合材料。
JPEG
2024160835000014.jpg
78
169
(式中、
mは、0≦m<1であり、
Rは、置換されていてもよい炭素数1~20のアルキル基又は置換されていてもよい炭素数1~20のアルケニル基であり、炭素数1~20のアルキル基又は炭素数1~20のアルケニル基が置換されている場合、置換基はカルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、及びアミド基から成る群より選択される少なくとも一つであり、
Ar

、Ar
2
、Ar
3
、及びAr
4
はそれぞれ独立して置換又は非置換のアリーレン基又は置換又は非置換の複素芳香環基であり、
Mはマンガン原子、鉄原子、銅原子、又はセレン原子であり、


は、COO

又はSO


である。)
【請求項4】
前記固体支持体は負に帯電しており、前記ポリビニルイミダゾールが前記固体支持体に非共有結合により結合されている、請求項1に記載の過酸化水素分解用複合材料。
【請求項5】
前記固体支持体は、過酸化水素を通過させる膜である、請求項1に記載の過酸化水素分解用複合材料。
【請求項6】
前記ポリビニルイミダゾールのアルキル基の導入率が1mol%~99mol%である、請求項1に記載の過酸化水素分解用複合材料。
【請求項7】
前記ポリビニルイミダゾールの数平均分子量は1000~100000である、請求項1に記載の過酸化水素分解用複合材料。
【請求項8】
生体試料中の過酸化水素の分解に使用される、請求項1に記載の過酸化水素分解用複合材料。
【請求項9】
過酸化水素分解用複合材料の製造方法であって、
工程(1):固体支持体に、下記(i)及び(ii)のうちの一方を結合させる工程
(i)イミダゾール環の3位の窒素が非置換であるか又は一部のイミダゾール環の3位の窒素にアルキル基又はアルケニル基が結合しているポリビニルイミダゾール
(ii)ポルフィリン骨格の中心金属がマンガン原子、鉄原子、銅原子、又はセレン原子である金属ポルフィリン化合物
、及び
工程(2):前記固体支持体に結合された前記(i)及び(ii)のうちの一方に、前記(i)及び(ii)のうちの他方を結合させる工程、を含み、
互いに結合された前記(i)のポリビニルイミダゾール及び前記(ii)の金属ポルフィリン化合物が、過酸化水素を酸素と水に分解する反応を触媒することが可能である、方法。
【請求項10】
前記工程(1)は、負に帯電した固体支持体を、前記ポリビニルイミダゾールと接触させることを含み、前記工程(2)は、前記ポリビニルイミダゾールと接触させた固体支持体を、金属ポルフィリン化合物と接触させることを含む、請求項8に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、過酸化水素分解用複合材料及びその製造方法
に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
活性酸素は老化や多くの生活習慣病にかかわっているとされ、生体内で発生した活性酸素との関連が示唆されている疾病は動脈硬化、心筋梗塞、がんのほかにも、パーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、白内障、気管支喘息、潰瘍性大腸炎、糖尿病、自己免疫疾患などが挙げられる。
【0003】
過酸化水素(H



)は活性酸素種(ROS)の代表分子であり、生体内のシグナル伝達に関与したり、抗原から身を守る役割がある一方、生体内に過剰量が存在すると、様々な重篤な疾患を引き起こす可能性が示唆されている。従って、H



消去活性(カタラーゼ活性)を有する抗酸化酵素を用いて過剰なH



を消去する事で、かかる疾患に対して有意な効果を示す可能性がある。
【0004】
本発明者らは、過酸化水素を酸素と水に分解するカタラーゼを模倣したバイオマテリアルの分子設計に取り組んできた。
【0005】
非特許文献1は、カルボキシメチルポリ(1-ビニルイミダゾール)(CM-PVIm)とMnM4Py4P又はMn P2Py4Pであるカチオン性Mnポルフィリンとの複合体を形成し、これらの複合体がH



からO2を発生することを開示している。
【0006】
非特許文献2は、本発明者らの研究室で主に遺伝子キャリアとして用いられているポリ(1-ビニルイミダゾール)(PVIm)誘導体とアニオン性鉄ポルフィリン(Fe-TCPP)とをPBS溶液中で混合し、PVIm/Fe-TCPPでは過酸化水素から有意な酸素生成は確認されず、 1-メチルイミダゾール(Me-Im)とアニオン性鉄ポルフィリン(Fe-TCPP)では酸素生成が確認されたことを開示している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
第62回高分子学会年次大会 予稿集 62号 ROMBUN NO.1 N23 2013年5月14日発行
第10回ポルフィリン-ALA学会年会 予稿集 p.34 2022年3月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来は、イミダゾール化合物の重合体と、カチオン性Mn(マンガン)ポルフィリン又アニオン性Fe(鉄)ポルフィリンとを水性溶液中で混合し、形成された複合体をカタラーゼ活性を示すことまでは確認できていたが、水系であるが故に、ポルフィリンが分解し、カタラーゼ活性を失うため、実用上は困難さがあった。
【0009】
本発明が解決すべき課題は、過酸化水素の分解を触媒する活性を維持しつつ、水性溶液中でも分解が抑制された過酸化水素分解用複合材料及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、ポリビニルイミダゾールと金属ポルフィリン化合物とを結合させて複合体を、固体支持体に対して結合することにより、かかる過酸化水素分解用複合材料を製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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