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公開番号2024159629
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2024070424
出願日2024-04-24
発明の名称含ハロゲン物質の吸収装置、含ハロゲン物質の吸収装置の製造方法、含ハロゲン物質の吸収装置の再生方法、吸収剤キット、及び含ハロゲン物質の吸収方法
出願人セントラル硝子株式会社
代理人弁理士法人航栄事務所
主分類B01D 53/68 20060101AFI20241031BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】アルカリ性固体の単位体積当たりの含ハロゲン物質の処理量を増大させることができる、含ハロゲン物質の吸収装置等を提供する。
【解決手段】第一気体が導入される導入口2と、内部空間3と、装置内での含ハロゲン物質の吸収により生じた第二気体を排出する排出口4とを有する筒状体1を含み、内部空間3は、粒状の第一アルカリ性固体5からなる第一粒群によって形成された第一層6と、粒状の第二アルカリ性固体7からなる第二粒群によって形成された第二層8とを含み、各層は、導入口2から排出口4に向かう方向に形成され、第一層6は、第二層8よりも、導入口側にあり、第一アルカリ性固体5の水分量は、第二アルカリ性固体7の水分量よりも少ない、含ハロゲン物質の吸収装置10、当該装置の製造方法、当該吸収装置の再生方法、当該吸収剤を含むキット、並びに当該装置を用いる含ハロゲン物質の吸収方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
含ハロゲン物質を含む第一気体から前記含ハロゲン物質を吸収するための装置であって、
前記装置は、前記第一気体が導入される導入口と、内部空間と、前記装置内での前記含ハロゲン物質の吸収により生じた第二気体を排出する排出口とを有する筒状体を含み、
前記内部空間は、粒状の第一アルカリ性固体からなる第一粒群によって形成された第一層と、粒状の第二アルカリ性固体からなる第二粒群によって形成された第二層とを含み、
前記第一層及び前記第二層の各層は、前記導入口から前記排出口に向かう方向に形成されており、
前記第一層は、前記第二層よりも、前記導入口側にあり、
前記第一アルカリ性固体と前記第二アルカリ性固体とは、水分量が異なっており、前記第一アルカリ性固体の水分量は、前記第二アルカリ性固体の水分量よりも少ない、含ハロゲン物質の吸収装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記第一アルカリ性固体及び前記第二アルカリ性固体は、それぞれ、アルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土類金属の水酸化物である、請求項1に記載の含ハロゲン物質の吸収装置。
【請求項3】
前記第一アルカリ性固体及び前記第二アルカリ性固体の少なくとも一方が、ソーダライムである、請求項1又は2に記載の含ハロゲン物質の吸収装置。
【請求項4】
含ハロゲン物質を含む第一気体から前記含ハロゲン物質を吸収するための装置の製造方法であって、
前記装置は、前記第一気体が導入される導入口と、内部空間と、前記装置内での前記含ハロゲン物質の吸収により生じた第二気体を排出する排出口とを有する筒状体を含み、
前記内部空間に、粒状の第一アルカリ性固体からなる第一粒群によって形成された第一層と、粒状の第二アルカリ性固体からなる第二粒群によって形成された第二層とを、それぞれ、前記導入口から前記排出口に向かう方向に、かつ、前記第一層を前記第二層よりも前記導入口側に形成する工程を含み、
前記第一アルカリ性固体と前記第二アルカリ性固体とは、水分量が異なっており、前記第一アルカリ性固体の水分量は、前記第二アルカリ性固体の水分量よりも少ない、含ハロゲン物質の吸収装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の含ハロゲン物質の吸収装置の再生方法であって、
使用済の前記第一アルカリ性固体を取り出し、未使用の前記第一アルカリ性固体を充填する工程a、及び、使用済の前記第二アルカリ性固体を取り出し、未使用の前記第二アルカリ性固体を充填する工程bの少なくとも一方を含む、含ハロゲン物質の吸収装置の再生方法。
【請求項6】
前記第一アルカリ性固体及び前記第二アルカリ性固体は、それぞれ、アルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土類金属の水酸化物である、請求項4に記載の含ハロゲン物質の吸収装置の製造方法。
【請求項7】
前記第一アルカリ性固体及び前記第二アルカリ性固体の少なくとも一方が、ソーダライムである、請求項4に記載の含ハロゲン物質の吸収装置の製造方法。
【請求項8】
粒状の第一アルカリ性固体からなる第一粒群と、粒状の第二アルカリ性固体からなる第二粒群とを含む、含ハロゲン物質を吸収するための吸収剤キットであって、
前記第一アルカリ性固体の水分量は、2質量%未満であり、
前記第二アルカリ性固体の水分量は、2質量%以上である、吸収剤キット。
【請求項9】
前記第一アルカリ性固体及び前記第二アルカリ性固体は、それぞれ、アルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土類金属の水酸化物である、請求項8に記載の吸収剤キット。
【請求項10】
前記含ハロゲン物質が気体である、請求項8又は9に記載の吸収剤キット。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、含ハロゲン物質の吸収装置、含ハロゲン物質の吸収装置の製造方法、含ハロゲン物質の吸収装置の再生方法、吸収剤キット、及び含ハロゲン物質の吸収方法に関するものである。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
含ハロゲン物質を含む気体(「含ハロゲンガス」ともいう。)は、例えば、半導体、液晶、太陽電池等の各種製造工場で、エッチングガス、クリーニングガス、配線や薄膜の材料ガス等として使用されている。これら含ハロゲンガスの未使用ガス、及びこれらと反応により生成した別の含ハロゲンガスには毒性を有するものがあり、これらをそのまま大気放出することは環境汚染となる。たとえば、F

でSiをエッチングした場合は、下記式(1)で表される反応が起こり、別の含ハロゲンガスであるSiF

が生成する。
2F

+Si→SiF

(1)
そのため、これらを使用する製造工場においては、排気する際にこれらガスの除去処理を実施しなければならない。
【0003】
含ハロゲンガスの除去処理には、アルカリ性固体を使用する方式が広く採用されており、例えばソーダライムは含ハロゲンガスと反応し、その除去も容易である。
特許文献1には、含ハロゲンガスであるフッ素ガスをソーダライムで除去する方法が開示されており、さらにソーダライムの温度を70℃以上に加熱することが記載されている。
特許文献2では、水酸化カルシウム及び水酸化カリウムの混合物を用いることで含ハロゲンガスを効率よく反応させ除去量を増大させることができることが記載されており、特許文献3では、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムの混合物を用いることで含ハロゲンガスを効率よく反応させ除去量を増大させることができることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭61―101231号公報
特開平08-215538号公報
特開平08-215539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
含ハロゲン物質の除去処理は水や薬液を使用する湿式処理と、アルカリ性固体を使用する乾式処理に大別される。一般的に、湿式処理の設備は比較的高価ではあるが、多量に含ハロゲン物質の除去処理をする場合には含ハロゲン物質処理量毎の単価は低くなる傾向がある。一方、乾式処理の設備は比較的安価であるが、含ハロゲン物質処理量毎の単価は高くなる傾向がある。
【0006】
本開示は、含ハロゲン物質除去の乾式処理において、含ハロゲン物質処理量毎の単価を低くする、すなわちアルカリ性固体の単位体積当たりの含ハロゲン物質の処理量を増大させることができる、含ハロゲン物質の吸収装置、含ハロゲン物質の吸収装置の製造方法、含ハロゲン物質の吸収装置の再生方法、吸収剤キット、及び含ハロゲン物質の吸収方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示者らが上記課題に対して鋭意検討を行ったところ、含ハロゲン物質をアルカリ性固体で効率よく除去するために、アルカリ性固体の水分量が低いものと高いものとを使用することにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、以下の構成により上記課題を解決できることを見出した。
【0008】
[1]
含ハロゲン物質を含む第一気体から前記含ハロゲン物質を吸収するための装置であって、
前記装置は、前記第一気体が導入される導入口と、内部空間と、前記装置内での前記含ハロゲン物質の吸収により生じた第二気体を排出する排出口とを有する筒状体を含み、
前記内部空間は、粒状の第一アルカリ性固体からなる第一粒群によって形成された第一層と、粒状の第二アルカリ性固体からなる第二粒群によって形成された第二層とを含み、
前記第一層及び前記第二層の各層は、前記導入口から前記排出口に向かう方向に形成されており、
前記第一層は、前記第二層よりも、前記導入口側にあり、
前記第一アルカリ性固体と前記第二アルカリ性固体とは、水分量が異なっており、前記第一アルカリ性固体の水分量は、前記第二アルカリ性固体の水分量よりも少ない、含ハロゲン物質の吸収装置。
[2]
前記第一アルカリ性固体及び第二アルカリ性固体は、それぞれ、アルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土類金属の水酸化物である、[1]に記載の含ハロゲン物質の吸収装置。[3]
前記第一アルカリ性固体及び第二アルカリ性固体の少なくとも一方が、ソーダライムである、[1]又は[2]に記載の含ハロゲン物質の吸収装置。
[4]
含ハロゲン物質を含む第一気体から前記含ハロゲン物質を吸収するための装置の製造方法であって、
前記装置は、前記第一気体が導入される導入口と、内部空間と、前記装置内での前記含ハロゲン物質の吸収により生じた第二気体を排出する排出口とを有する筒状体を含み、
前記内部空間に、粒状の第一アルカリ性固体からなる第一粒群によって形成された第一層と、粒状の第二アルカリ性固体からなる第二粒群によって形成された第二層とを、それぞれ、前記導入口から前記排出口に向かう方向に、かつ、前記第一層を前記第二層よりも前記導入口側に形成する工程を含み、
前記第一アルカリ性固体と前記第二アルカリ性固体とは、水分量が異なっており、前記第一アルカリ性固体の水分量は、前記第二アルカリ性固体の水分量よりも少ない、含ハロゲン物質の吸収装置の製造方法。
[5]
[1]~[3]のいずれか1つに記載の含ハロゲン物質の吸収装置の再生方法であって、
使用済の前記第一アルカリ性固体を取り出し、未使用の前記第一アルカリ性固体を充填する工程a、及び、使用済の前記第二アルカリ性固体を取り出し、未使用の前記第二アルカリ性固体を充填する工程bの少なくとも一方を含む、含ハロゲン物質の吸収装置の再生方法。
[6]
前記第一アルカリ性固体及び第二アルカリ性固体は、それぞれ、アルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土類金属の水酸化物である、[4]又は[5]に記載の含ハロゲン物質の吸収装置の製造方法。
[7]
前記第一アルカリ性固体及び第二アルカリ性固体の少なくとも一方が、ソーダライムである、[4]又は[5]に記載の含ハロゲン物質の吸収装置の製造方法。
[8]
粒状の第一アルカリ性固体からなる第一粒群と、粒状の第二アルカリ性固体からなる第二粒群とを含む、含ハロゲン物質を吸収するための吸収剤キットであって、
前記第一アルカリ性固体の水分量は、2質量%未満であり、
前記第二アルカリ性固体の水分量は、2質量%以上である、吸収剤キット。
[9]
前記第一アルカリ性固体及び第二アルカリ性固体は、それぞれ、アルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土類金属の水酸化物である、[8]に記載の吸収剤キット。
[10]
前記含ハロゲン物質が気体である、[8]又は[9]に記載の吸収剤キット。
[11]
含ハロゲン物質を含む第一気体を、粒状の第一アルカリ性固体からなる第一粒群によって形成された第一層と接触させる工程と、
前記第一層と接触させた後の前記第一気体を、粒状の第二アルカリ性固体からなる第二粒群によって形成された第二層と接触させる工程とを含み、
前記第一アルカリ性固体と前記第二アルカリ性固体とは、水分量が異なっており、前記第一アルカリ性固体の水分量は、前記第二アルカリ性固体の水分量よりも少ない、含ハロゲン物質の吸収方法。
[12]
前記第一アルカリ性固体及び第二アルカリ性固体は、それぞれ、アルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土類金属の水酸化物である、[11]に記載の含ハロゲン物質の吸収方法。
[13]
前記第一アルカリ性固体及び第二アルカリ性固体の少なくとも一方が、ソーダライムである、[11]又は[12]に記載の含ハロゲン物質の吸収方法。
【発明の効果】
【0009】
本開示により、含ハロゲン物質除去の乾式処理において、含ハロゲン物質処理量毎の単価を低くする、すなわちアルカリ性固体の単位体積当たりの含ハロゲン物質の処理量を増大させることができる、含ハロゲン物質の吸収装置、含ハロゲン物質の吸収装置の製造方法、含ハロゲン物質の吸収装置の再生方法、吸収剤キット、及び含ハロゲン物質の吸収方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
含ハロゲン物質の吸収装置の一例の概略図である。
含ハロゲン物質の吸収装置の一例の概略図である。
含ハロゲン物質の吸収装置の一例の概略図である。
含ハロゲン物質の処理量測定システムの一例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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