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公開番号2024158181
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023073161
出願日2023-04-27
発明の名称磁場発生装置および磁気冷凍装置
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類H01F 6/06 20060101AFI20241031BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】電磁力支持構造を簡素化しつつ、アンバランス電磁力の発生を抑制できる磁場発生装置および磁気冷凍装置を提供する。
【解決手段】回転磁場発生装置8は、周状に複数の電磁石4が配置された磁石円板3と、複数の電磁石4がそれぞれ対向するように間隔を空けて磁石円板3を積層することによって形成される磁場作用空間を有する磁場発生装置であって、回転磁場発生装置8は、支持円板2によって積層された電磁石4間に働く電磁力が支持されており、積層された磁石円板3の両端部には電磁石4間に働く電磁力を低減するエンドヨーク7が設置されており、磁石円板3内の電磁石4は、電磁石4の軸方向に磁束が連続するように磁石円板3内の同一位相位置に配置され、同一位相位置の電磁石4は、同一電流で運転されるように結線されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
周状に複数の電磁石が配置された円板と、
前記複数の電磁石がそれぞれ対向するように間隔を空けて前記円板を積層することによって形成される磁場作用空間を有する磁場発生装置であって、
前記円板によって積層された前記電磁石間に働く電磁力が支持されており、
積層された前記円板の両端部には前記電磁石間に働く電磁力を低減する磁性体ヨークが設置されており、
前記円板内の前記電磁石は、前記電磁石の軸方向に磁束が連続するように前記円板内の同一位相位置に配置され、
前記同一位相位置の前記電磁石は、同一電流で運転されるように結線されている
ことを特徴とする磁場発生装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載の磁場発生装置において、
前記電磁石は、
磁極を平板状に巻き回された超電導コイルを要素コイルとして有し、
前記要素コイルは、当該要素コイルが作る磁束が前記電磁石の軸方向に連続するように積層された各前記円板内に配置される
ことを特徴とする磁場発生装置。
【請求項3】
請求項2に記載の磁場発生装置において、
前記要素コイルは、それぞれ電流を流した際に隣接する前記要素コイルに発生する磁場が、互いに逆向きになるように配置される
ことを特徴とする磁場発生装置。
【請求項4】
請求項2に記載の磁場発生装置において、
前記要素コイルは、各前記要素コイルに流れる電流が連続となるように電気的に接続されている
ことを特徴とする磁場発生装置。
【請求項5】
請求項2に記載の磁場発生装置において、
前記要素コイルは、各前記円板内の同一位相位置に配置されてコイルカラムを構成し、当該コイルカラムを構成する各前記要素コイルが、一続きの電流で励磁される
ことを特徴とする磁場発生装置。
【請求項6】
請求項5に記載の磁場発生装置において、
前記コイルカラムを構成する各前記要素コイルに流れる電流または電流の比を所定値に保つ
ことを特徴とする磁場発生装置。
【請求項7】
請求項5に記載の磁場発生装置において、
並列接続された前記コイルカラムへの電流供給は、1つの電流経路から電流を流す
ことを特徴とする磁場発生装置。
【請求項8】
請求項5に記載の磁場発生装置において、
前記コイルカラムを構成する各前記要素コイルを一続きに結線して電流を流す
ことを特徴とする磁場発生装置。
【請求項9】
請求項1に記載の磁場発生装置において、
前記電磁石は、超電導磁石である
ことを特徴とする磁場発生装置。
【請求項10】
請求項1に記載の磁場発生装置において、
前記電磁石は、超電導磁石であり、
前記電磁石は、永久電流モードで運転される
ことを特徴とする磁場発生装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、磁場発生装置および磁気冷凍装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
昨今、脱炭素社会に向けた重要なエネルギー源として水素の利用が考えられている。水素は、酸素と化学結合させて発電したり、燃焼させて熱エネルギーとして利用したりすることができる。
水素をエネルギー源とする水素社会実現のためには、水素を社会に供給するために、水素の製造、貯蔵、輸送の水素サプライチェーンが構築される必要がある。水素エネルギーの貯蔵、輸送を考えるとき、水素ガスはエネルギー密度が低いことから、体積が1/800に小さくなる液体水素(液化水素)の形態を利用することが有用である。
【0003】
しかし、液体水素の液化温度は、マイナス253度であることから水素のエネルギーのおよそ1/3が液化および冷温保持のために使われてしまうことになる。したがって、液体水素の生成効率が十分に高くなければ、水素をエネルギー源とするメリットを活かすことができない。現在、既存の水素液化プラントの効率は30%程度とされており、さらなる効率の改善が望まれている。
【0004】
近年、磁気熱量効果を利用した高効率の水素液化が脚光を浴びている。磁気熱量効果とは、磁性体のエントロピーと温度の依存性から生じる性質である。一定温度で磁性体に磁場を印加すると、磁性体の磁気モーメントが磁場によって整列しエントロピーが減少する。一方、断熱状態にして磁場を取り除くと外部から熱を吸収して(外部を冷却して)磁気モーメントはランダムになる。これをカルノーサイクル的に運転すれば断熱消磁による冷却となる。
【0005】
磁気熱量効果を利用した磁気冷凍装置では、磁気作業物質(磁性体)に対して磁場を印加する、取り去るということを繰り返すことと、磁気作業物質(磁性体)と熱交換して冷熱を回収する作業流体の制御とが必要である。非特許文献1には、能動的蓄冷式磁気冷凍(AMR:Active Magnetic Regenerative)について解説がされている。
【0006】
AMRの動作は、下記の4つのステップからなる。1)磁場を磁気作業物質に印加する。2)作業流体を一方向から流入して熱交換する。3)磁場を取り除く。4)作業流体を逆方向に流して冷熱を回収する。非特許文献1では、固定された永久磁石に対して、磁気作業物質を詰め込んだユニットが、永久磁石がつくる磁場空間を往復運動することによって、磁気作業物質に対し磁場の印加と除去を繰り返している。
【0007】
特許文献1および特許文献2では、固定された磁気作業物質に対して磁界発生装置が回転することによって磁場の印加と除去を繰り返している。また、磁気冷凍機を用いた水素液化機については同じく非特許文献1に多段のAMRと水素凝縮用のカルノーサイクル磁気冷凍機(CMR:Carnot Magnetic Refrigerator)を組み合わせた液化装置が開示されている。
一方、水素液化用磁気冷凍装置の大容量化のために、回転型の超電導磁石を用いて磁場の印加、除去を行なう方法が特許文献3に開示されている。この方法によると、ギャップを空けて対向させた超電導コイル群を回転軸に対して回転方向に並べて配置し、これを軸を中心に回転させることによって磁気作業物質に磁場の印加および除去を繰り返し行なうこととし、この回転超電導コイル群を多数積層することによって作業領域を増やして大容量化を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2006-308197号公報
特開2007-147209号公報
特開2022-136671号公報
【非特許文献】
【0009】
TEION KOGAKU (J. Cryo. Super. Soc. Jpn.) Vol.50 No.2 (2015)特開2015-124741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献3に開示されている磁石のように、ギャップを有して対向する磁石(電磁石、永久磁石)では、互いにひきつけ合うような電磁力が磁石間に働く。磁気冷凍装置ではギャップの磁場強度を上げることが重要であるため、ギャップの磁場強度が高い磁石では強大な電磁力が働き、これを支持するための構造が必要である。特許文献3では電磁力支持するためのコイル支持円板を備えられており、かつ、ギャップを有して積層された磁石の端部には磁性体円板を設置し、磁性体に働く吸引力を利用して磁石間に働く電磁力を低減している。
(【0011】以降は省略されています)

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