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公開番号2025103128
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-09
出願番号2023220254
出願日2023-12-27
発明の名称電池モジュール
出願人三菱自動車工業株式会社
代理人個人
主分類H01M 10/653 20140101AFI20250702BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】電池セルの膨張が生じても電池セルからの放熱を確保し、電池セルの温度上昇を防止して電池セルの劣化を抑制する上で有利な電池モジュールを提供する。
【解決手段】電池モジュール10は、複数の電池セル12と、複数のパッド14と、モジュールケース16と、ヒートシンク18と、複数のカプセル20とを含んで構成されている。パッド14の周縁部14A付近に、破裂することでパッド14に空孔を作る複数のカプセル20が配置されているので、電池セル12の劣化に伴う電池セル12の変形によって複数のカプセル20が破裂することによりパッド14の周縁部14A付近に形成された空隙22を介して電池セル側面1202からの放熱が促進される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
積層された複数の電池セルと、
隣り合う前記電池セル間の隙間にそれぞれ配置された弾性材料からなる複数のパッドと、
前記複数の電池セルおよび前記複数のパッドを拘束することにより、前記複数の電池セルを前記複数のパッドを介して前記電池セルの積層方向に加圧するモジュールケースとを備える電池モジュールであって、
前記パッドの周縁部付近に、破裂することで前記パッドに空孔を作る複数のカプセルが配置されている、
ことを特徴とする電池モジュール。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
前記カプセルの内部は空洞である、
ことを特徴とする請求項1記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記カプセルの内部に前記パッドを溶かす溶剤が充填されている、
ことを特徴とする請求項1記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記パッドは前記積層方向に沿った厚さを有し、
前記パッドは厚さ方向の両端に位置し前記電池セルに重ね合わされる一対の側面を有し、
前記パッドの前記周縁部付近に配置された前記複数のカプセルのうち、前記一対の側面に近い側に配置される前記カプセルは、前記パッドの厚さ方向の中央に配置される前記カプセルよりも多い、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記パッドの前記周縁部付近に配置された前記複数のカプセルのうち、前記周縁部に配置された前記カプセルは、前記パッドの中心部寄りの箇所に配置された前記カプセルよりも低い圧力で破裂するように形成されている、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の電池モジュール。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電池モジュールに関する。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
モータのみを駆動源とする電気自動車、あるいは、ハイブリッド車、あるいは、外部充電又は外部給電が可能なプラグインハイブリッド車(PHEV)などのモータを駆動源とした電動車は、モータに電力を供給するバッテリパックを備えている。
バッテリパックは、複数の電池モジュールを含んで構成されている。
このような電池モジュールとして、積層された電池セル(リチウムイオン電池などの二次電池)と、それら電池セルを収容するモジュールケースとを備えるものが知られている(特許文献1参照)。
ところで、電池セルには、上記特許文献1に示すような金属製のセルケースを備える角型の他に、ラミネートタイプが存在している(特許文献2参照)。
ラミネートタイプの電池セルは、発電要素を構成する正極、負極、セパレータ、電解液などをラミネートフィルムで挟んで封止したものである。
ところで、ラミネートタイプの電池セルを用いた電池モジュールにおいては、電池セルの性能を確保するために、積層された電池セルをその積層方向に加圧することが必要である。
そのため、ラミネートタイプの電池セルを用いた電池モジュールでは、隣り合う電池セル間の隙間にそれぞれ配置されたウレタンなどの弾性部材からなる複数のパッドを設けると共に、モジュールケースを用いて複数の電池セルおよび複数のパッドを拘束することにより、複数の電池セルを複数のパッドを介して電池セルの積層方向に加圧している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-163732号公報
特開2018-18586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電池セルは充放電を繰り返すことにより劣化していくが、その際に電池セル内部で発生するガスによって電池セルがその厚さ方向に膨張する。
膨張による電池セルの厚さ方向の変形量は、一般的に電池セルの中心部で最も大きくなる一方、電池セルの周縁部に至るにつれて減少する。
このような電池セルの厚さ方向の変形はパッドが変形することで吸収されるが、電池セルの厚さ方向の変形量が次第に大きくなると、やがて電池セルの中央部においてパッドが電池セルの変形を吸収しきれなくなり、隣り合う電池セルの中心部同士が潰れたパッドを介して近接した状態となってしまう。
また、電池セルが劣化するにつれて内部抵抗が上昇することから充放電に伴って電池セルの発熱が顕著となるが、電池セルの中心部同士が近接してしまうと、電池セルからの放熱が阻害されるため、電池セルの温度がさらに上昇し電池セルの劣化が加速してしまうことが懸念される。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、電池セルの膨張が生じても電池セルからの放熱を確保し、電池セルの温度上昇を防止して電池セルの劣化を抑制する上で有利な電池モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の一実施の形態は、積層された複数の電池セルと、隣り合う前記電池セル間の隙間にそれぞれ配置された弾性材料からなる複数のパッドと、前記複数の電池セルおよび前記複数のパッドを拘束することにより、前記複数の電池セルを前記複数のパッドを介して前記電池セルの積層方向に加圧するモジュールケースとを備える電池モジュールであって、前記パッドの周縁部付近に、破裂することで前記パッドに空孔を作る複数のカプセルが配置されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記カプセルの内部は空洞であることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記カプセルの内部に前記パッドを溶かす溶剤が充填されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記パッドは前記積層方向に沿った厚さを有し、前記パッドは厚さ方向の両端に位置し前記電池セルに重ね合わされる一対の側面を有し、前記パッドの前記周縁部付近に配置された前記複数のカプセルのうち、前記一対の側面に近い側に配置される前記カプセルは、前記パッドの厚さ方向の中央に配置される前記カプセルよりも多いことを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記パッドの前記周縁部付近に配置された前記複数のカプセルのうち、前記周縁部に配置された前記カプセルは、前記パッドの中心部寄りの箇所に配置された前記カプセルよりも低い圧力で破裂するように形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施の形態によれば、パッドの周縁部付近に、破裂することでパッドに空孔を作る複数のカプセルが配置されているので、電池セルの劣化に伴う電池セルの変形によって複数のカプセルが破裂することによりパッドの周縁部付近に形成された空隙を介して電池セル側面からの放熱が促進される。
したがって、電池セルの劣化に伴う変形が生じ、電池セルの中央部においてパッドが電池セルの変形を吸収しきれなくなり、隣り合う電池セルの中心部同士が潰れたパッドを介して近接した状態となっても、パッドの周縁部付近に形成された空隙を介して電池セル側面からの放熱を確保することができるので、電池セルの温度上昇を防止して電池セルの劣化を抑制する上で有利となる。
また、カプセルの内部を空洞とすると、カプセルが破裂することで、その内部の空間がそのまま空孔となるため、カプセルが配置されたパッドの周縁部付近に確実に空孔および空隙を形成することができ、パッドの周縁部付近に形成された空隙を介して電池セル側面からの放熱を促進する上でより有利となる。
また、カプセルの内部にパッドを溶かす溶剤が充填されていると、パッドの周縁部に配置されたカプセルが破裂することで、カプセル内部の溶剤がカプセル周囲のパッドの箇所を溶かすことによって、大きい体積の空孔が形成されるのでより大きい体積の空隙が形成される。そのため、パッドの周縁部付近に形成されたより大きい体積の空隙を介して電池セル側面からの放熱を促進する上でより有利となる。
また、パッドの周縁部付近に配置された複数のカプセルのうち、一対のパッド側面に近い側に配置されるカプセルを、パッドの厚さ方向の中央に配置されるカプセルよりも多くすると、カプセルが破裂することで空孔、空隙が電池セル側面近くにより多く形成されるので、電池セル側面近くに形成された空隙を介して電池セル側面からの放熱を促進する上でより一層有利となる。
また、パッドの周縁部付近に配置されたカプセルのうち、パッドの周縁部に配置されたカプセルを、パッドの中心部寄りの箇所に配置されたカプセルよりも低い圧力で破裂するように形成すると、パッドの周縁部に配置されたカプセルが破裂するタイミングと、パッドの中心部寄りの箇所に配置されたカプセルが破裂するタイミングとを合わせる上で有利となり、パッドの周縁部付近に配置された複数のカプセルを効率よく確実に破裂させ、パッドの周縁部付近に空孔および空隙を効率よく確実に形成させることができ、パッドの周縁部付近に形成された空隙を介して電池セル側面からの放熱を促進する上でより有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
実施の形態に係る電池モジュールの構成を示す説明図である。
図1のA-A線断面図である。
(A)は電池セルの膨張が生じていない状態におけるパッドの断面を示す説明図、(B)は電池セルの膨張によりカプセルが破裂して空孔、空隙が生じた状態におけるパッドの断面を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施の形態は、モータのみを駆動源とする電気自動車、あるいは、ハイブリッド車、あるいは、外部充電又は外部給電が可能なプラグインハイブリッド車などのモータを駆動源とした電動車に搭載され、上記モータに電力を供給するバッテリパックを構成する電池モジュールに適用される。
【0009】
図1に示すように、電池モジュール10は、複数の電池セル12と、複数のパッド14と、モジュールケース16と、ヒートシンク18と、複数のカプセル20とを含んで構成されている。
複数の電池モジュール10は、互いに接続された状態で不図示のケースに収容されることによってバッテリパックが構成される。
なお、説明の都合上、図1においては、電池セル12については電池セル12の輪郭のみを描き、モジュールケース16、パッド14、ヒートシンク18については断面を示している。
【0010】
本実施の形態では、複数の電池セル12がラミネートタイプである場合について説明するが、複数の電池セル12は、金属製のセルケースを備える角型であってもよく、本発明は従来公知の様々な電池セルに適用可能である。
また、本実施の形態では、各電池セル12がリチウムイオン電池で構成されている場合について説明するが、電池セル12として従来公知の様々な二次電池が使用可能である。
電池セル12は、何れも図示しないが、発電要素を構成する正極、負極、セパレータ、電解液などが積層されたものがラミネートフィルムで挟まれて封止されて構成されている。
各電池セル12は、同形同大の矩形板状を呈し、厚さと、厚さよりも大きい寸法の高さと、厚さよりも大きい寸法の幅とを有している。
電池セル12の厚さ方向の両端に一対の電池セル側面1202が対向して位置し、電池セル12の高さ方向の両端に電池セル上端面1204および電池セル下端面1206が位置し、電池セル12の幅方向の両端に電池セル前端面1208と不図示の電池セル後端面とが位置している。
本実施の形態では、複数の電池セル12は、互いに電池セル側面1202同士を対向させて、高さ方向を上下方向に向けて積層されており、したがって、電池セル12の積層方向は電池セル12の厚さ方向と合致している。
(【0011】以降は省略されています)

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