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公開番号
2024156017
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-31
出願番号
2024146361,2023086870
出願日
2024-08-28,2016-08-30
発明の名称
含フッ素エーテル化合物、含フッ素エーテル組成物、コーティング液および物品
出願人
AGC株式会社
代理人
弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類
C08G
65/00 20060101AFI20241024BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】撥水撥油性、耐摩擦性、指紋汚れ除去性、潤滑性および外観に優れる表面層を形成できる含フッ素エーテル化合物、含フッ素エーテル組成物およびコーティング液、ならびに表面層を有する物品の提供。
【解決手段】A
1
-O-(R
f1
O)
m1
-Q
1
-[C(O)N(R
1
)]
p1
-R
11
-C[-R
12
-SiR
13
n1
X
1
3-n1
]
3
で表される含フッ素エーテル化合物。ただし、A
1
:炭素数1~20のペルフルオロアルキル基、R
f1
:分岐構造を有しないフルオロアルキレン基、m1:2~210の整数、Q
1
:単結合または分岐構造を有しないフルオロアルキレン基、R
1
:水素原子等、p1:0または1、R
11
:単結合、アルキレン基等、R
12
:アルキレン基等、R
13
:1価の炭化水素基等、X
1
:加水分解性基、n1:0~2の整数。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記式(14)で表される化合物とH
2
N-R
11
-C(CH
2
CH=CH
2
)
3
とを反応させて得られる下記式(17G)で表される化合物と、HSiR
13
n1
X
1
3-n1
とを反応させる、下記式(1G)で表される化合物の製造方法。
A
1
-O-(CF
2
CF
2
O)(CF
2
CF
2
O)(R
F1
O)
x
-CF
2
-C(O)OR
10
・・・(14)
A
1
-O-(CF
2
CF
2
O)(CF
2
CF
2
O)(R
F1
O)
x
-CF
2
-C(O)NH-R
11
-C(CH
2
CH=CH
2
)
3
・・・(17G)
A
1
-O-(CF
2
CF
2
O)(CF
2
CF
2
O)(R
F1
O)
x
-CF
2
-C(O)NH-R
11
-C[CH
2
CH
2
CH
2
-SiR
13
n1
X
1
3-n1
]
3
・・・(1G)
ただし、
続きを表示(約 4,100 文字)
【請求項2】
下記式(14H)で表される化合物とH
2
N-R
11
-C(CH
2
CH=CH
2
)
3
とを反応させて得られる下記式(17H)で表される化合物と、HSiR
13
n1
X
1
3-n1
とを反応させる、下記式(1H)で表される化合物の製造方法。
A
1
-O-CHFCF
2
OCH
2
-(CF
2
O)(R
F1
O)
x
-CF
2
-C(O)OR
10
・・・(14H)
A
1
-O-CHFCF
2
OCH
2
-(CF
2
O)(R
F1
O)
x
-CF
2
-C(O)NH-R
11
-C(CH
2
CH=CH
2
)
3
・・・(17H)
A
1
-O-CHFCF
2
OCH
2
-(CF
2
O)(R
F1
O)
x
-CF
2
-C(O)NH-R
11
-C[CH
2
CH
2
CH
2
-SiR
13
n1
X
1
3-n1
]
3
・・・(1H)
ただし、
A
1
は、炭素数1~20のペルフルオロアルキル基であり、
R
F1
【請求項3】
下記式(14I)で表される化合物とH
2
N-R
11
-C(CH
2
CH=CH
2
)
3
とを反応させて得られる下記式(17I)で表される化合物と、HSiR
13
n1
X
1
3-n1
とを反応させる、下記式(1I)で表される化合物の製造方法。
A
1
-O-(R
F1
O)
x
-Q
12
-C(O)OR
10
・・・(14I)
A
1
-O-(R
F1
O)
x
-Q
12
-C(O)NH-R
11
-C(CH
2
CH=CH
2
)
3
・・・(17I)
A
1
-O-(R
F1
O)
x
-Q
12
-C(O)NH-R
11
-C[CH
2
CH
2
CH
2
-SiR
13
n1
X
1
3-n1
]
3
・・・(1I)
ただし、
A
1
は、炭素数1~20のペルフルオロアルキル基であり、
R
F1
は、分岐構造を有しないペルフルオロアルキレン基であり、
xは、1~198の整数であり、
Q
12
は、分岐構造を有しないペルフルオロアルキレン基であり、
R
10
は、アルキル基であり、
R
11
は、単結合、アルキレン基、アルキレン基のC(CH
2
CH=CH
2
【請求項4】
下記式(15)で表される化合物と下記式(30)で表される化合物とを塩基性化合物の存在下で反応させて得られる下記式(17J)で表される化合物と、HSiR
13
n1
X
1
3-n1
とを反応させる、下記式(1J)で表される化合物の製造方法。
A
1
-O-(CF
2
CF
2
O)(CF
2
CF
2
O)(R
F1
O)
x
-CF
2
-CH
2
OH ・・・(15)
CF
2
=CFOCF
2
CF
2
CF
2
-C(O)NH-R
11
-C(CH
2
CH=CH
2
)
3
・・・(30)
A
1
-O-(CF
2
CF
2
O)(CF
2
CF
2
O)(R
F1
O)
x
-CF
2
CH
2
OCF
2
CHFOCF
2
CF
2
CF
2
-C(O)NH-R
11
-C(CH
2
CH=CH
2
)
3
・・・(17J)
A
1
-O-(CF
2
CF
2
O)(CF
2
CF
2
O)(R
F1
O)
x
-CF
2
CH
2
【請求項5】
下記式(11)で表される化合物と下記式(30)で表される化合物とを塩基性化合物の存在下で反応させて得られる下記式(17K)で表される化合物と、HSiR
13
n1
X
1
3-n1
とを反応させる、下記式(1K)で表される化合物の製造方法。
A
1
-O-CHFCF
2
OCH
2
-(CF
2
O)(R
F1
O)
x
-CF
2
-CH
2
OH ・・・(11)
CF
2
=CFOCF
2
CF
2
CF
2
-C(O)NH-R
11
-C(CH
2
CH=CH
2
)
3
・・・(30)
A
1
-O-CHFCF
2
OCH
2
-(CF
2
O)(R
F1
O)
x
-CF
2
CH
2
OCF
2
CHFOCF
2
CF
2
CF
2
-C(O)NH-R
11
-C(CH
2
CH=CH
2
)
3
・・・(17K)
A
1
-O-CHFCF
2
OCH
2
-(CF
2
O)(R
F1
O)
x
-CF
2
CH
2
OCF
2
CHFOCF
2
CF
2
【請求項6】
下記式(15C)で表される化合物と下記式(30)で表される化合物とを塩基性化合物の存在下で反応させて得られる下記式(17L)で表される化合物と、HSiR
13
n1
X
1
3-n1
とを反応させる、下記式(1L)で表される化合物の製造方法。
A
1
-O-(R
F1
O)
x
-R
F
CH
2
OH ・・・(15C)
CF
2
=CFOCF
2
CF
2
CF
2
-C(O)NH-R
11
-C(CH
2
CH=CH
2
)
3
・・・(30)
A
1
-O-(R
F1
O)
x
-R
F
CH
2
OCF
2
CHFOCF
2
CF
2
CF
2
-C(O)NH-R
11
-C(CH
2
CH=CH
2
)
3
・・・(17L)
A
1
-O-(R
F1
O)
x
-R
F
CH
2
OCF
2
CHFOCF
2
CF
2
CF
2
-C(O)NH-R
11
-C[CH
2
CH
2
CH
2
-SiR
13
n1
X
1
3-n1
]
3
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、含フッ素エーテル化合物、含フッ素エーテル組成物、コーティング液および物品に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)
【背景技術】
【0002】
含フッ素化合物は、高い潤滑性、撥水撥油性等を示すため、表面処理剤に好適に用いられる。該表面処理剤によって基材の表面に撥水撥油性を付与すると、基材の表面の汚れを拭き取りやすくなり、汚れの除去性が向上する。該含フッ素化合物の中でも、ペルフルオロアルキル鎖の途中にエーテル結合(-O-)が存在するポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖を有する含フッ素エーテル化合物は、特に油脂等の汚れの除去性に優れる。
【0003】
該含フッ素エーテル化合物を含む表面処理剤は、指で繰り返し摩擦されても撥水撥油性が低下しにくい性能(耐摩擦性)および拭き取りによって表面に付着した指紋を容易に除去できる性能(指紋汚れ除去性)が長期間維持されることが求められる用途、たとえば、タッチパネルの、指で触れる面を構成する部材の表面処理剤として用いられる。
【0004】
基材の表面に形成される表面層に耐摩擦性を付与するためには、たとえば、含フッ素エーテル化合物の末端に加水分解性シリル基を導入し、含フッ素エーテル化合物と基材とを化学結合させればよい。耐摩擦性に優れる表面層を形成することを目的とした含フッ素エーテル化合物としては、含フッ素エーテル化合物の両末端のそれぞれに、ペンタエリスリトールによる分岐構造を介して3つの加水分解性シリル基を導入した含フッ素エーテル化合物が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-070163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らの知見によれば、特許文献1に記載の含フッ素エーテル化合物には、下記の問題がある。
・含フッ素エーテル化合物の両末端の加水分解性シリル基が基材と反応したり、分子間で反応したりすることによって、含フッ素エーテル化合物の両末端が固定化される。そのため、表面層の潤滑性(表面層を指で触った際の滑らかさ)および耐摩擦性が不充分となる。
・ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖が分岐構造を有しているため、表面層の指紋汚れ除去性および潤滑性が不充分となる。
・末端の非フッ素部分(ペンタエリスリトールによる分岐構造および3つの加水分解性シリル基)の含有量が多いため、表面層の外観が悪くなりやすい。その理由は、含フッ素エーテル化合物分子間で加水分解性シリル基同士が凝集しやすく、コーティング液中において、またはコーティング液を基材の表面に塗布した後、乾燥させる途中に、加水分解性シリル基同士が凝集し反応して不均一な層を形成するためと考えられる。
【0007】
本発明は、撥水撥油性、耐摩擦性、指紋汚れ除去性、潤滑性および外観に優れる表面層を形成できる含フッ素エーテル化合物、含フッ素エーテル組成物およびコーティング液、ならびに撥水撥油性、耐摩擦性、指紋汚れ除去性、潤滑性および外観に優れる表面層を有する物品の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、下記[1]~[14]の構成を有する含フッ素エーテル化合物、含フッ素エーテル組成物、コーティング液および物品を提供する。
[1]下式(1)で表される、含フッ素エーテル化合物。
A
1
-O-(R
f1
O)
m1
-Q
1
-[C(O)N(R
1
)]
p1
-R
11
-C[-R
12
-SiR
13
n1
X
1
3-n1
]
3
・・・(1)
ただし、
A
1
は、炭素数1~20のペルフルオロアルキル基であり、
R
f1
は、分岐構造を有しないフルオロアルキレン基であり、
m1は、2~210の整数であり、
(R
f1
O)
m1
は、2種以上のR
f1
Oからなるものであってもよく、
Q
1
は、単結合または分岐構造を有しないフルオロアルキレン基であり、
R
1
は、水素原子またはアルキル基であり、
p1は、0または1であり、
R
11
は、単結合、アルキレン基、アルキレン基の末端(ただし、C[-R
12
-SiR
13
n1
X
1
3-n1
]
3
と結合する側の末端。)にエーテル性酸素原子を有する基、炭素数2以上のアルキレン基の炭素-炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基、または炭素数2以上のアルキレン基の末端(ただし、C[-R
12
-SiR
13
n1
X
1
3-n1
]
3
と結合する側の末端。)および炭素-炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基であり、
R
12
は、アルキレン基、アルキレン基の末端(ただし、Siと結合する側の末端を除く。)にエーテル性酸素原子を有する基、または炭素数2以上のアルキレン基の炭素-炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基であり、
R
13
は、水素原子または1価の炭化水素基であり、
X
1
は、加水分解性基であり、
n1は、0~2の整数であり、
3つの[-R
12
【0009】
[2]前記式(1)で表される含フッ素エーテル化合物が、下式(1-1)で表される含フッ素エーテル化合物である、[1]の含フッ素エーテル化合物。
A
1
-O-(R
f5
O)
m5
(R
F1
O)
m10
(R
f6
O)
m6
-Q
1
-[C(O)N(R
1
)]
p1
-R
11
-C[-R
12
-SiR
13
n1
X
1
3-n1
]
3
・・・(1-1)
ただし、
A
1
、Q
1
、R
1
、p1、R
11
、R
12
、R
13
、X
1
およびn1は、前記式(1)と同じであり、
R
F1
は、分岐構造を有しないペルフルオロアルキレン基であり、m10は2以上の整数であり、(R
F1
O)
m10
は、2種以上のR
F1
Oからなるものであってもよく、
R
f5
は、1つ以上の水素原子を含む分岐構造を有しないフルオロアルキレン基であり、m5は0~4の整数であり、m5が2~4の整数の場合(R
f5
O)
m5
は2種以上のR
f5
Oからなるものであってもよく、
R
f6
は、1つ以上の水素原子を含む分岐構造を有しないフルオロアルキレン基であり、m6は0~4の整数であり、m6が2~4の整数の場合(R
f6
O)
m6
は2種以上のR
f6
Oからなるものであってもよく、
m10+m5+m6=m1である。
【0010】
[3]前記R
F1
が、炭素数1~6のペルフルオロアルキレン基であり、R
f5
、R
f6
が、それぞれ独立に、炭素数2~6のフルオロアルキレン基である、[2]の含フッ素エーテル化合物。
[4]R
f5
、R
f6
が、それぞれ独立に、水素原子数が1または2のフルオロアルキレン基である、[2]または[3]の含フッ素エーテル化合物。
[5]前記p1が0の場合、m6は1または2でありかつQ
1
は単結合であって、R
11
に結合する(R
f6
O)は(R
f7
CH
2
O)で表される基であり、
前記p1が1の場合、m6は0でありかつQ
1
はフルオロアルキレン基である、[2]~[4]のいずれかの含フッ素エーテル化合物。
[6]前記m10が5以上である、[2]~[5]のいずれかの含フッ素エーテル化合物。
(【0011】以降は省略されています)
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