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公開番号2024151310
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-24
出願番号2024048524
出願日2024-03-25
発明の名称硫酸アンモニウムを豊富に含む(廃)水からのアンモニアと硫酸の抽出
出願人エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー,Evonik Operations GmbH
代理人弁理士法人あしたば国際特許事務所
主分類C02F 1/469 20230101AFI20241017BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】硫酸アンモニウムを豊富に含む(廃)水からアンモニアと硫酸を回収する方法であって、工業規模で実行可能であり、エネルギー効率が良好な方法を提供する。
【解決手段】電気透析と水電気分解を併用する。陽極3が配置された陽極電極室1を含み、陰極4が配置された陰極電極室2を含み、電極室1、2の間には、スタックが配置され、陽極端部膜6は、スタックと陽極電極室1との間に配置され、陰極端部膜7は、スタックと陰極電極室2との間に配置され、セパレータ15は、2つのコンパートメント13、14の間に配置され、2つのコンパートメント13、14を互いに区切る電気化学セルにおいて、第1コンパートメント13からアンモニア水を排出し、第2コンパートメント14から硫酸水溶液を排出し、アンモニア水からアンモニアを除去し、アンモニアを失った水を得る方法である。
【選択図】図9
特許請求の範囲【請求項1】
硫酸アンモニウムを豊富に含む水からアンモニアと硫酸水溶液を製造する方法であり、下記の非時系列的工程:
(a)少なくとも1つの電気化学セルを準備する工程、
(b)電圧源を準備する工程、
(c)水と硫酸アンモニウムとを含む硫酸アンモニウムを豊富に含む水を準備する工程、
(d)水と硫酸を含む酸性電解質を準備する工程、
(e)水、硫酸、および/または硫酸アンモニウムを含む電極洗浄液を準備する工程、
(f)前記硫酸アンモニウムを豊富に含む水を、前記電気化学セルの第1コンパートメントに充填する工程、
(g)前記酸性電解質を、前記電気化学セルの第2コンパートメントに充填する工程、
(h)電極室を前記電極洗浄液で洗浄する工程、
(i)前記電気化学セルを、前記電圧源から得られる電圧で充電し、陽極と陰極の間に電位差が生じるようにする工程、
(j)前記電気化学セルの前記第1コンパートメントからアンモニア水を排出する工程、
(k)前記電気化学セルの前記第2コンパートメントから硫酸水溶液を排出する工程、
(l)アンモニア水からアンモニアを除去し、アンモニアを失った水を得る工を有し、
前記電気化学セルは、
(i)陽極が配置された陽極電極室を含み、
(ii)陰極が配置された陰極電極室を含み、
(iii)スタックを含み、
(iv)2つの端部膜を含み、第1端部膜は、前記スタックと前記陽極電極室との間に配置され、第2端部膜は、前記スタックと前記陰極電極室との間に配置され、両方の端部膜は、陰イオン伝導膜、陽イオン伝導膜、双極性膜からなる群から同様に選択され、
(v)各双極性膜は、前記電気化学セル内において、その正電荷部分が前記陽極に向かい、その負電荷部分が前記陰極に向かうように配置される
という特徴を有し、
前記スタックは、
‐繰り返し単位を有し、前記繰り返し単位の数は、厳密にnであり、nは自然数であり
‐第1コンパートメントを有し、前記第1コンパートメントの数は厳密にnであり、
‐第2コンパートメントを有し、前記第2コンパートメントの数は厳密にnであり、
‐セパレータを有し、前記セパレータの数は厳密にsであり、sはs=2×n-1で計算され、
‐前記第1コンパートメントと前記第2コンパートメントは、前記スタック内で交互に配置され、それぞれ前記セパレータによって互いに分離され、
‐各セパレータは、陰イオン伝導膜または双極性膜のいずれかであり、
‐陰イオン伝導膜であるセパレータの数aは、n=1の場合、a=1、n>1 の場合、a=n-1で計算され、
‐双極性膜であるセパレータの数bは、n=1の場合、b=0、n>1の場合、b=nで計算され、
‐n>1の場合、陰イオン伝導膜である前記セパレータと双極性膜である前記セパレータは、前記スタック内で交互に配置され、
‐各第1コンパートメントは、隣接する双極性膜の陽極側に配置されるが、隣接する前記双極性膜は、前記スタックの一部である必要はなく、
‐各第2コンパートメントは、隣接する双極性膜の陰極側に配置されるが、隣接する前記双極性膜は、前記スタックの一部である必要はない
という構造を有する、方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記電気化学セルが、厳密に1つの陽極電極室と、厳密に1つの陰極電極室と、厳密に1つのスタックと、厳密に2つの端部膜とを有し、前記第1端部膜が前記スタックおよび前記陽極電極室に直接隣接し、前記第2端部膜が前記スタックおよび前記陰極電極室に直接隣接している、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記スタックが請求項1記載の前記コンパートメントおよび前記セパレータを含む、請求項1または請求項2記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つのコンパートメントおよび/または少なくとも1つの電極室は、スペーサによって跨がれている、請求項1~請求項3のいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
前記電圧源に並列接続された複数の電気化学セルを含む系内で実行される、請求項1~請求項4のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
前記アンモニアが、空気または窒素によるストリッピングにより、前記アンモニア水から除去される、請求項1~請求項5のいずれか一項記載の方法。
【請求項7】
前記アンモニアが、0hPa~1013hPaの圧力で、前記アンモニア水から除去される、請求項1~請求項6のいずれか一項記載の方法。
【請求項8】
バッチ、半バッチ、フィードアンドブリード、およびシングルパスの群から選択される動作モードで実行される、請求項1~請求項7のいずれか一項記載の方法。
【請求項9】
バッチ動作モードで実行され、
前記硫酸アンモニウムを豊富に含む水が第1貯留容器に供給され、前記アンモニアを失った水が前記第1貯留容器に輸送され、
および/または前記酸性電解質が第2貯留容器に供給され、前記硫酸水溶液が前記第2貯留容器に輸送される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
半バッチ動作モードで実行され、
前記硫酸アンモニウムを豊富に含む水が第1貯留容器に供給され、前記アンモニアを失った水が前記第1貯留容器に輸送され、前記第1貯留容器の内容物の一部が随時取り出され、新鮮な硫酸アンモニウムを豊富に含む水と交換され、
および/または前記酸性電解質が第2貯留容器に供給され、前記硫酸水溶液が前記第2貯留容器に輸送され、前記第2貯留容器の内容物の一部が随時取り出され、新鮮な酸性電解質または水と交換される、請求項8記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、硫酸アンモニウムを豊富に含む(廃)水から電気透析によってアンモニアおよび硫酸を製造する方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
硫酸アンモニウム(NH



SO

は、伝統的な農業および園芸で使用される窒素肥料です。しかしながら、これに使用される硫酸アンモニウムは、通常、特別に製造されるのではなく、カプロラクタムまたはシアン化水素の製造など、アンモニウム化合物を出発物質として使用する大規模な化学プロセスにおける副産物として生じることがほとんどである。ただし、この場合、硫酸アンモニウムは、一般に固体(塩)ではなく、水に溶解している。水に硫酸アンモニウム以外の製造残留物が含まれていない場合、硫酸アンモニウムを含む廃水は、過去に農業用に販売され、肥料として畑に散布されていた。
【0003】
硫酸アンモニウムの特性、製造、および用途の概要は、下記によって説明されている。
Zapp,K.-H.、Wostbrock,K.-H.、Schafer,M.、Sato,K.、Seiter,H.、Zwick,W.、Creutziger,R.、およびLeiter,H.(2000年)。アンモニウム化合物。第2節:硫酸アンモニウム。ウルマン工業化学百科事典(編)。DOI:10.1002/14356007.a02_243
【0004】
畑の肥料過多が増え、地下水中の硝酸塩濃度が上昇したため、欧州連合では、窒素肥料の散布に関する規制が強化された。その結果、硫酸アンモニウムを含む製造廃水の農業利用の範囲は縮小している。
【0005】
しかし、アンモニウム化合物を処理する工場では、このような廃水が蓄積し続けているため、これらの廃水を再利用する代替手段が模索されている。
【0006】
その出発点は、廃水中に存在する硫酸アンモニウムの回収である。アンモニアと硫酸から硫酸アンモニウムへの反応は可逆的であり、これは、エネルギーを投入することで、硫酸アンモニウムをアンモニアと硫酸に戻すことが可能であることを意味している。このようにして回収された物質は、硫酸アンモニウムを含む廃水を生成する化学工場で、反応物として再利用され得る。
【0007】
したがって、本発明の目的は、硫酸アンモニウムを含む廃水からアンモニアと硫酸を工業規模で回収できる方法を開発することであった。
【0008】
アンモニウム塩は、電気化学的手段、より正確には電気透析によって、水から除去できることはすでに知られている。
【0009】
電気透析は、電解質のイオン成分を、電界内で、少なくとも1つの選択的イオン伝導膜で分離する膜分離法である。
【0010】
イオン伝導膜には、陰イオン伝導膜(陰イオン交換膜-AEM)、陽イオン伝導膜(陽イオン交換膜-CEM)、および双極性膜(BPM)の3種類がある。AEMは、陽イオンよりも陰イオンに対して、優れたイオン伝導性があり、イオン的に正に帯電している。CEMは、陰イオンよりも陽イオンに対して、優れたイオン伝導性があり、イオン的に負に帯電している。BPMには、イオン的に正に帯電した部分と、イオン的に負に帯電した部分がある。BPMは、陰イオンと陽イオンの両方を伝導するが、方向が異なる。その目的は、電界印加したときに、BPMに拡散する水分子を、イオン的に正に帯電した部分とイオン的に負に帯電した部分との接触面で、塩基性陰イオンと酸性陽イオンに分割することである。これらのイオンが隣接する媒体に輸送された結果、BPM全体にpH勾配が生じる。イオン的に正に帯電した部分に面した側では、高pHの塩基性環境が発生し、イオン的に負に帯電した部分に面した側では、低pHの酸性環境が発生する。
(【0011】以降は省略されています)

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