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公開番号2024150640
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-23
出願番号2024117527,2021093612
出願日2024-07-23,2021-06-03
発明の名称半導体装置とその製造方法
出願人株式会社デンソー
代理人弁理士法人 快友国際特許事務所
主分類H01L 23/29 20060101AFI20241016BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】粗化領域に起因する問題を解決又は抑制する半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置は、第1電極を有する半導体素子12、22と、半導体素子を封止する封止体50と、封止体の内部で第1電極に対向する第1面を有する第1導体板と、を備える。第1導体板の第1面14a、24aは、第1電極が接合された実装領域R1と、実装領域の周囲に位置する粗化領域R2と、粗化領域と第1面の外周縁との間に位置する非粗化領域R3と、を有する。粗化領域における表面粗さは、非粗化領域における表面粗さよりも大きい。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
第1電極(12b、22b)を有する半導体素子(12、22)と、
前記半導体素子を封止する封止体50と、
前記封止体の内部で前記第1電極に対向する第1面(14a、24a)を有する第1導体板(14、24)と、
を備え、
前記第1導体板の前記第1面は、
前記第1電極が接合された実装領域(R1)と、前記実装領域の周囲に位置する粗化領域(R2)と、前記粗化領域と前記第1面の外周縁との間に位置する非粗化領域(R3)とを有し、
前記粗化領域における表面粗さは、前記非粗化領域における表面粗さよりも大きい、
半導体装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記粗化領域は、前記実装領域の外周縁に沿って、連続的又は断続的に延びている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記粗化領域は、前記実装領域の外縁に沿って連続的に延びており、前記実装領域を取り囲んでいる、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1導体板の第1面は、金属の被膜(52)で覆われているとともに、前記粗化領域では、前記金属の酸化膜(54)でさらに覆われている、請求項1から3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1導体板は、前記第1面の反対側に位置するとともに前記封止体の第1面(50b)に露出する第2面(14b、24b)をさらに有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記半導体素子は、前記第1電極の反対側に位置する第2電極(12a、22a)をさらに有し、
前記半導体装置は、前記半導体素子を挟んで前記第1導体板に対向する第2導体板(16、26)をさらに備え、
前記第2導体板は、前記封止体の内部で前記第2電極に接合された第3面(16b、26b)を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2導体板の前記第3面は、導体スペーサ(18、28)を介して、前記半導体素子の前記第2電極に接合されている、請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第2導体板は、前記第3面の反対側に位置するとともに前記封止体の第2面(50a)に露出する第4面(16a、26a)をさらに有する、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
半導体装置の製造方法であって、
第1導体板の第1面の一部を粗化して、前記第1面の一部に粗化領域を形成する工程と、
前記第1導体板の前記第1面の前記粗化領域とは異なる実装領域に、半導体素子を含む少なくとも一つの部材を接合する工程と、
前記第1導体板に接合された前記半導体素子を封止体によって封止する工程と、
を備え、
前記粗化領域は、前記実装領域の周囲に位置するとともに、前記第1面の外周縁から離れて位置しており、
前記接合する工程では、前記第1導体板の前記第1面のうち、前記粗化領域と前記外周縁との間に位置する非粗化領域が、治具(100)によって支持される、
製造方法。
【請求項10】
前記粗化領域を形成する工程では、前記第1導体板の前記第1面にレーザ(L)を照射することによって、前記粗化領域を形成する、請求項9に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、半導体装置とその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1に、半導体装置が開示されている。この半導体装置は、半導体素子と、半導体素子を封止する封止体と、封止体の内部で半導体素子に対向する表面を有する導体板とを備える。導体板の表面は、半導体素子の電極が接合された実装領域と、実装領域の周囲に位置する粗化領域とを有する。粗化領域では、封止体との密着性を向上するために、例えばレーザ照射といった粗化処理によって、表面粗さが高められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-160653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体装置の製造工程では、例えば半導体素子と導体板とを接合する際に、治具を用いて導体板を位置決めすることがある。このとき、導体板の表面に粗化領域が設けられていると、粗化領域の凹凸によって治具の摩耗が徐々に進行していくことで、治具の位置決め精度が低下するおそれがある。そこで、導体板の表面の一部に非粗化領域を設け、その非粗化領域を治具によって支持することが考えられる。しかしながら、非粗化領域を単に設けるだけでは、粗化領域の面積が減少することによって、第1導体板と封止体との間の剥離という新たな問題を招くおそれがある。本明細書は、このような粗化領域に起因するトレードオフの問題を、解決又は抑制し得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する技術は、半導体装置(10)に具現化される。この半導体装置は、第1電極(12b、22b)を有する半導体素子(12、22)と、前記半導体素子を封止する封止体(50)と、前記封止体の内部で前記第1電極に対向する第1面(14a、24a)を有する第1導体板(14、24)とを備える。前記第1導体板の前記第1面は、前記第1電極が接合された実装領域(R1)と、前記実装領域の周囲に位置する粗化領域(R2)と、前記粗化領域と前記第1面の外周縁(14e、24e)との間に位置する非粗化領域(R3)とを有する。前記粗化領域における表面粗さは、前記非粗化領域における表面粗さよりも大きい。ここで、前記半導体素子の前記第1電極は、実装領域へ直接的に接合されていてもよいし、導体スペーサといった他の部材を介して、実装領域へ間接的に接合されていてもよい。
【0006】
上記した構成では、第1導体板の第1面に、実装領域及び粗化領域に加えて、非粗化領域が設けられている。非粗化領域の表面粗さは、粗化領域の表面粗さよりも小さい。従って、第1導体板を治具で位置決めする際は、非粗化領域を治具によって支持することで、治具の摩耗を抑制することができる。但し、前述したとおり、非粗化領域を単に設けるだけでは、第1導体板と封止体との間の剥離を招くおそれがある。この点に関して、発熱源である半導体素子の近辺では、封止体との密着性に優れた粗化領域が配置されており、封止体との密着性に劣る非粗化領域については、粗化領域の外側に配置されている。このような構成によると、非粗化領域が存在する場合でも、第1導体板と封止体との間の剥離が効果的に抑制される。
【0007】
本明細書が開示する技術は、半導体装置の製造方法にも具現化される。この製造方法は、第1導体板の第1面の一部を粗化して、前記第1面の一部に粗化領域を形成する工程と、前記第1導体板の前記第1面の前記粗化領域とは異なる実装領域に、半導体素子を含む少なくとも一つの部材を接合する工程と、前記第1導体板に接合された前記半導体素子を封止体によって封止する工程とを備える。前記粗化領域は、前記実装領域の周囲に位置するとともに、前記第1面の外周縁から離れて位置している。そして、前記接合する工程では、前記第1導体板の前記第1面のうち、前記粗化領域と前記外周縁との間に位置する非粗化領域が、治具によって支持される。この製造方法によると、粗化領域に起因する治具の摩耗を抑制して、半導体装置の製造品質を高めることができる。
【0008】
特に限定されないが、上記した粗化領域を形成する工程では、前記第1導体板の前記第1面にレーザを照射することによって、前記粗化領域を形成してもよい。このような構成によると、レーザを照射する強度や時間を調整することによって、粗化領域の表面粗さを自由に変更することができる。また、レーザを照射する範囲を調整することによって、様々な形状を有する粗化領域を自由に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例の半導体装置10の外観を示す平面図。
図1中のII-II線における断面図であって、半導体装置10の内部構造を示す。
図1の平面図から第1上側導体板16、第2上側導体板26及び封止体50の図示を省略した平面図であって、半導体装置10の内部構造を示す。
半導体装置10の電気的な構成を示す回路図。
第1下側導体板14及び第2下側導体板24の各上面14a、24aに設けられた実装領域R1、粗化領域R2及び非粗化領域R3を示す平面図。
図2中のVI-VI部の拡大図であって、第1下側導体板14の上面14aにおける断面構造を示す。
半導体装置10を製造するときに、治具100を用いて第1下側導体板14を支持する様子を示す。
粗化領域R2の幅Wと、第1下側導体板14と封止体50との間に生じるせん断応力と、第1上側導体板16と封止体50との間に生じるせん断応力との関係を示すデータの一例である。
図9(A)-図9(D)は、実装領域R1の周辺に設けられた粗化領域R2のいくつかの変形例を示す。
図10(A)-図10(D)は、実装領域R1の周辺に設けられた粗化領域R2のいくつかの変形例を示す。
図11は、実装領域R1の周辺に設けられた粗化領域R2の一変形例であって、実装領域R1に対して多重に設けられた環状の粗化領域R2を示す。
半導体装置10の製造方法の一工程を示す図であって、特に、下側導体板14、24の各上面14a、24aにレーザLを照射することによって、粗化領域R2を形成する様子を示す。
半導体装置10の製造方法の一工程を示す図であって、下側導体板14、24の各上面14a、24aの実装領域R1に、半導体素子12、22及び導体スペーサ18、28が接合された様子を示す。
半導体装置10の製造方法の一工程を示す図であって、導体スペーサ18、28に上側導体板16、26が接合された様子を示す。
半導体装置10の製造方法の一工程を示す図であって、半導体素子12、22を封止する封止体50が成形された様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本技術の一実施形態において、前記粗化領域(R2)は、前記実装領域(R1)の外周縁に沿って、連続的又は断続的に延びていてもよい。このような構成によると、発熱源である半導体素子の近辺では、第1導体板と封止体との間の密着性が十分に高められることで、第1導体板と封止体との間の剥離が効果的に抑制される。
(【0011】以降は省略されています)

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