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公開番号
2024148500
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-18
出願番号
2023061683
出願日
2023-04-05
発明の名称
温度センサー、温度管理方法、およびインク組成物
出願人
三菱ケミカル株式会社
代理人
弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類
G01K
11/12 20210101AFI20241010BHJP(測定;試験)
要約
【課題】温度に応じた変色による温度センサーの応答性を向上させる。
【解決手段】本発明の一態様に係る温度センサーは、フォトクロミック色素を含み、所定温度以下の温度で第1色を呈し、前記所定温度超の温度で第2色を呈する変色層を少なくとも有する温度センサーであって、前記変色層は、前記変色層の消色速度を縦軸、温度を横軸とするアレニウスプロットにおいて、使用温度範囲内に変曲点を有する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
フォトクロミック色素を含み、所定温度以下の温度で第1色を呈し、前記所定温度超の温度で第2色を呈する変色層を少なくとも有する温度センサーであって、
前記変色層は、前記変色層の消色速度を縦軸、温度を横軸とするアレニウスプロットにおいて、使用温度範囲内に変曲点を有する、
温度センサー。
続きを表示(約 760 文字)
【請求項2】
前記変色層は、形状記憶樹脂をさらに含む、
請求項1に記載の温度センサー。
【請求項3】
前記形状記憶樹脂は、ウレタン系形状記憶樹脂である、
請求項2に記載の温度センサー。
【請求項4】
前記変色層は、前記所定温度超の温度で不可逆的に変色する、請求項1~3のいずれか1項に記載の温度センサー。
【請求項5】
前記フォトクロミック色素は、紫外線照射により着色体を形成する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の温度センサー。
【請求項6】
前記着色体は、イオン化した分極体である、
請求項5に記載の温度センサー。
【請求項7】
前記温度センサーは、前記変色層を支持する基材をさらに有し、
前記基材は、前記変色層を支持する部分に表示を有し、
前記変色層は、温度が前記所定温度を超えたときに消色状態になる、
請求項1~3のいずれか1項に記載の温度センサー。
【請求項8】
フィルム状に形成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の温度センサー。
【請求項9】
前記所定温度以下の温度で管理される物品、またはその包装もしくは保管庫に、請求項1~3のいずれか1項に記載の温度センサーを配置する配置工程と、
前記温度センサーに前記第1色を呈させる呈色工程と、を含む、
物品の温度管理方法。
【請求項10】
前記第2色を呈する前記温度センサーの前記変色層に、前記所定温度以下の温度において前記第1色を呈させる再生工程をさらに含む、
請求項9に記載の物品の温度管理方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度センサー、温度管理方法、およびインク組成物に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
薬剤および食料品などの物品について求められる温度管理を行うために、温度計を用いて物品またはその周囲の温度を記録する方法が考えられる。しかしながら、トラックなどの輸送手段であれば、貨物室の入口付近および天井付近など、場所によって温度が異なることもある。このような、場所によって温度が異なる環境に対応するために多数のセンサーおよびロガーを設置することは、経済的観点から現実的ではない。このため、例えば、所定温度を超えた場合に不可逆的に変色する材料が塗布されたセンサーを多数設置するか、または大面積の当該センサーを設置することにより、物品の温度履歴において所定温度の超過が生じなかったか確認しつつ、変色により使用不能となったセンサーだけを交換する方法が考えられる。
【0003】
このようなセンサーに塗布する材料として、特定の一般式で表されるジアリールエテン化合物を含むことを特徴とするフォトクロミック材料が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014-15552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような従来技術には、温度に応じた変色による温度センサーの応答性について、特には、変色が急速に進むことが所望される一定の温度である所定温度付近での応答性について、改善の余地がある。例えば、センサーが所定温度超の温度で臨界的に変色することができず、当該温度付近で徐々に変色することがある。したがって、所定温度の超過が短時間生じた場合には、十分な変色が生じないため超過を検知することが難しいことがある。一方で、所定温度の超過が生じなかった場合でも、センサーが所定温度付近で徐々に変色し、長時間の使用により大きく変色してしまうため検知の正確性が低下してしまうことがある。
【0006】
また、温度管理正常範囲では着色状態となり、異常範囲では消色状態または変色状態を適切な時間保持し、かつ一度消色または変色したら、初期の正常範囲で示した着色状態には戻らない、フォトクロミック色素を用いることがある。フォトクロミック色素は特に、色素構造設計により、塗布用途に適した溶解性、着色力、吸収波長、塗膜性および消色速度のバリエーションが確保できる可能性を有する。しかしながら、フォトクロミック色素の変色機構は、光励起して着色体を形成した色素が熱によって消色体へと異性化するというものであり、ここで、その消色速度は、着色体および消色体のエネルギー準位の間のエネルギー障壁、すなわち活性化エネルギーに起因する。つまり、従来技術において、フォトクロミック色素の消色速度は、着色体と消色体との間のエネルギー障壁、すなわち活性化エネルギーに起因して変化し、下記式に従うことが知られている。式中、k[s
-1
]は消色速度を表し、k
B
[J/K]はボルツマン定数を表し、hはプランク定数を表し、T[K]は絶対温度を表し、ΔG[KJ/mol]はギブズエネルギーを表し、ここではフォトクロミック色素の活性化エネルギーを表す。E+23は、10
23
を表す。
【0007】
k=(k
B
T/h・exp(-ΔG×1000/6.02(E+23)/k
B
T))
【0008】
図1は、色素の活性化エネルギーと消色速度との関係性のシミュレーション結果を、アレニウスプロットを用いて示すグラフである。図2は、色素の活性化エネルギーと各温度での消色日数との関係性のシミュレーション結果を示すグラフである。図1に示すように、温度センサーの消色速度は、アレニウスプロットにおいて直線的である、すなわちアレニウスプロットに対する一次相関を示す。また、図2に示すように、消色までの時間もまた、温度変化によって一定の指数関数で変化する。図1および図2から分かるように、消色速度はアレニウスプロットに対する一次相関を示すため、例えば室温を温度管理正常範囲と設定したい場合、室温で速く消色するフォトクロミック色素を用いると、例えば正常管理温度である冷蔵温度であっても、色素は数日もしないうちに消色してしまう。また、冷蔵温度で十分消色しないフォトクロミック色素を用いると、異常温度である室温でもなかなか消色しない。特に、冷蔵以下での温度管理が求められるサプライチェイン(コールドチェイン)での品質管理における、「冷蔵」と「室温以上」との間の狭い温度範囲においては、活性化エネルギーに起因する着色-消色の制御は困難となる虞がある。
【0009】
ここで、色素に特定の置換基を導入して活性化エネルギーをシフトさせることによって、消色速度を制御する従来技術に公知である。しかしながら、このような従来技術によって制御された消色速度もまたアレニウスプロットに対する一次相関を示すため、温度変化による消色速度の変化が十分では無く、例えば活性化エネルギー24Kcal/molの場合、24℃および4℃における消色までの時間の比率(4℃/24℃)は20倍程度であった。
【0010】
本発明の一態様は、温度に応じた変色による温度センサーの応答性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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