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公開番号2024144104
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2024004130
出願日2024-01-15
発明の名称樹脂組成物、フィルム、積層フィルム、及び成形品
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C08L 21/00 20060101AFI20241003BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】表面のきめ細かさを維持しながら、充分に光沢度を低くしてテカリを抑制できる樹脂組成物、並びにこの樹脂組成物を用いたフィルム、積層フィルム、及び成形品を提供する。
【解決手段】ゴム含有重合体(A)と、反応性非架橋重合体(B)と、架橋粒子(C)と、任意に非反応性非架橋重合体(D)とを含有し、前記反応性非架橋重合体(B)と前記架橋粒子(C)の合計質量に対する前記反応性非架橋重合体(B)の質量割合[(B)/(B+C)]が、25~95質量%である、樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ゴム含有重合体(A)と、反応性非架橋重合体(B)と、架橋粒子(C)と、任意に非反応性非架橋重合体(D)とを含有し、
前記反応性非架橋重合体(B)と前記架橋粒子(C)の合計質量に対する前記反応性非架橋重合体(B)の質量割合[(B)/(B+C)]が、25~95質量%である、樹脂組成物。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記架橋粒子(C)のコールター法による体積基準の平均粒子径が0.5~20μmである、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記ゴム含有重合体(A)と前記反応性非架橋重合体(B)と前記非反応性非架橋重合体(D)の合計質量に対する前記架橋粒子(C)の質量割合[(C)/(A+B+D)]が、0.5~20質量%である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記ゴム含有重合体(A)と前記反応性非架橋重合体(B)と前記非反応性非架橋重合体(D)の合計質量に対する前記反応性非架橋重合体(B)の質量割合[(B)/(A+B+D)]が、0.9~40質量%である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記反応性非架橋重合体(B)が、カルボキシ基、ヒドロキシ基、酸無水物基、エポキシ基、イソシアネート基、アミド基、アミノ基、シアノ基及びイ
ミン基よりなる群から選択される1種以上の反応性基を有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
温度240℃で4分間加熱した後、JIS K7210に準拠し、温度240℃、荷重49Nの条件で測定されるメルトフローレート(M1)に対する、温度240℃で120分間加熱した後、JIS K7210に準拠し、温度240℃、荷重49Nの条件で測定されるメルトフローレート(M2)の割合であるMFR保持率(M2/M1)が60~115%である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いた、フィルム。
【請求項8】
フィルム表面のJIS Z8741に準拠した60°表面光沢度が15%以下であり、85°表面光沢度が24%以下である、請求項7に記載のフィルム。
【請求項9】
フィルム表面のJIS Z8741に準拠した60°表面光沢度とJIS B0601-2001に準拠した二乗平均平方根傾斜RΔqの積(60°表面光沢度× RΔq)が、2.60以下である、請求項7に記載のフィルム。
【請求項10】
フィルム表面のJIS Z8741に準拠した60°表面光沢度が15%以下、85°表面光沢度が24%以下であり、かつフィルム表面のJIS Z8741に準拠した60°表面光沢度とJIS B0601-2001に準拠した二乗平均平方根傾斜RΔqの積(60°表面光沢度×RΔq)が、2.60以下である、フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物、フィルム、積層フィルム、及び成形品に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
成形品表面の意匠性を向上させるため、アクリル系マトリクスに艶消し剤を練り込んだ樹脂組成物をフィルム化して得られる艶消しフィルムが提案されている。
艶消し剤としては、反応性基を有する非架橋の直鎖状重合体、無機粒子、有機架橋粒子などが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平10-237261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
艶消しフィルムによって、成形品表面に深み感や高級感を付与するためには、光沢度を低くしてテカリを抑制するだけでなく、表面のきめ細かさも必要である。
しかし、従来艶消し剤として使用されていた無機粒子や有機架橋粒子は、粒子によって表面が粗くなりすぎ、きめ細かさが得られなかった。また、表面が粗くなりすぎないように配合量を抑制すると、充分なテカリ抑制効果が得られなかった。
【0005】
一方、反応性基を有する非架橋の直鎖状重合体を用いると、表面のきめ細かさは得られるものの、充分なテカリ抑制効果は得られなかった。
本発明は上記事情に鑑みて、表面のきめ細かさを維持しながら、充分に光沢度を低くしてテカリを抑制できる樹脂組成物、並びにこの樹脂組成物を用いたフィルム、積層フィルム、及び成形品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、鋭意検討を進めた結果、艶消し剤として、反応性基を有する非架橋の直鎖状重合体と有機架橋粒子とを適切な比率で併用することにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、以下の[1]から[13]である。
【0007】
[1]ゴム含有重合体(A)と、反応性非架橋重合体(B)と、架橋粒子(C)と、任意に非反応性非架橋重合体(D)とを含有し、
前記反応性非架橋重合体(B)と前記架橋粒子(C)の合計質量に対する前記反応性非架橋重合体(B)の質量割合[(B)/(B+C)]が、25~95質量%である、樹脂組成物。
[2]前記架橋粒子(C)のコールター法による体積基準の平均粒子径が0.5~20μmである、[1]に記載の樹脂組成物。
[3]前記ゴム含有重合体(A)と前記反応性非架橋重合体(B)と前記非反応性非架橋重合体(D)の合計質量に対する前記架橋粒子(C)の質量割合[(C)/(A+B+D)]が、0.5~20質量%である、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4]前記ゴム含有重合体(A)と前記反応性非架橋重合体(B)と前記非反応性非架橋重合体(D)の合計質量に対する前記反応性非架橋重合体(B)の質量割合[(B)/(A+B+D)]が、0.9~40質量%である、[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5]前記反応性非架橋重合体(B)が、カルボキシ基、ヒドロキシ基、酸無水物基、エポキシ基、イソシアネート基、アミド基、アミノ基、シアノ基及びイミン基よりなる群から選択される1種以上の反応性基を有する、[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6]温度240℃で4分間加熱した後、JIS K7210に準拠し、温度240℃、荷重49Nの条件で測定されるメルトフローレート(M1)に対する、温度240℃で120分間加熱した後、JIS K7210に準拠し、温度240℃、荷重49Nの条件で測定されるメルトフローレート(M2)の割合であるMFR保持率(M2/M1)が60~115%である、[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7][1]~[6]のいずれかに記載の樹脂組成物を用いた、フィルム。
[8]フィルム表面のJIS Z8741に準拠した60°表面光沢度が15%以下であり、85°表面光沢度が24%以下である、[7]に記載のフィルム。
[9]フィルム表面のJIS Z8741に準拠した60°表面光沢度とJIS B0601-2001に準拠した二乗平均平方根傾斜RΔqの積(60°表面光沢度× RΔq)が、2.60以下である、[7]又は[8]に記載のフィルム。
[10]フィルム表面のJIS Z8741に準拠した60°表面光沢度が15%以下、85°表面光沢度が24%以下であり、かつフィルム表面のJIS Z8741に準拠した60°表面光沢度とJIS B0601-2001に準拠した二乗平均平方根傾斜RΔqの積(60°表面光沢度×RΔq)が、2.60以下である、フィルム。
[11]支持層の上に、[1]~[6]のいずれかに記載の樹脂組成物を用いた艶消層が積層された、積層フィルム。
[12]基材と、前記基材の表面の少なくとも一部を被覆した[7]~[10]のいずれかに記載のフィルムを備える、成形品。
[13]基材と、前記基材の表面の少なくとも一部を被覆した[11]の積層フィルムを備える、成形品。
【発明の効果】
【0008】
本発明の樹脂組成物、フィルム又は積層フィルムによれば、表面のきめ細かさを維持しながら、充分に光沢度を低くしてテカリを抑制できる。
また、本発明の成形品は、表面のきめ細かさが維持されながら、充分に光沢度が低くなるので、深み感や高級感が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本発明は以下に限定されるものではない。
本明細書及び特許請求の範囲において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味し、「X~Y」は、X以上Y以下であることを意味する。
「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」とは、アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルの一方又は両方を意味し、特に断りのない限り反応性基を有しない。
(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基及びメタクリロイル基の一方又は両方を意味する。
「ビニル単量体」とは、ビニル基を1つ有し、他に不飽和基を有さず、かつ反応性基を有しない単量体を意味する。
「架橋性単量体」とは、不飽和基を複数有する単量体を意味する。
「不飽和基」とは、分子末端にある炭素-炭素2重結合を意味する。
「反応性基」とは、互いに結合可能な官能基を意味する。
「主成分」とは、全成分の質量に対する割合が50質量%以上であることを意味する。
【0010】
<樹脂組成物>
本実施形態の樹脂組成物は、ゴム含有重合体(A)と、反応性非架橋重合体(B)と、架橋粒子(C)と、任意に非反応性非架橋重合体(D)とを含有する。
(【0011】以降は省略されています)

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