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公開番号2024136209
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023047244
出願日2023-03-23
発明の名称電力変換装置
出願人富士電機株式会社
代理人弁理士法人一色国際特許事務所
主分類H02J 3/40 20060101AFI20240927BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】電力変換装置が単独運転状態となったか否かを確度良く検出することが可能な電力変換装置を提供する。
【解決手段】電力系統に連系可能な仮想同期発電機機能を有する電力変換装置において、連系点電圧振幅制御部は、仮想同期発電機機能における周波数又は電力系統との連系点における電圧の周波数の一方の周波数に応じた電圧を出力する周波数フィードバック部22aと、連系点における無効電力に応じた第1電圧を出力する無効電力制御部22dと、周波数フィードバック部の出力に基づく第2電圧及び第1電圧の加算結果に第1上下限制限を与えた第3電圧が第1上下限制限に達した場合に、電力変換装置が電力系統から切り離された単独運転状態であることを検出する単独運転検出部22jと、を含む。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
電力系統に連系可能であり、仮想同期発電機機能を有する電力変換装置であって、
前記仮想同期発電機機能における周波数又は前記電力系統との連系点における電圧の周波数の一方の周波数に応じた電圧を出力する周波数フィードバック部と、
前記連系点における無効電力に応じた第1電圧を出力する無効電力制御部と、
前記周波数フィードバック部の出力に基づく第2電圧及び前記第1電圧の加算結果に第1上下限制限を与えた第3電圧を出力する出力部と、
前記連系点における電圧に関する所定の第1振幅指令値と、前記第3電圧とを加算した第2振幅指令値を出力する第1加算部と、
前記第2振幅指令値及び前記連系点における電圧の振幅に基づいて、インバータ出力電圧振幅指令値を生成する連系点電圧振幅制御部と、
前記仮想同期発電機機能における位相及び前記インバータ出力電圧振幅指令値に基づいて、三相交流電圧を発生させる電圧出力部と、
前記第3電圧が前記第1上下限制限に達した場合に、前記電力変換装置が前記電力系統から切り離された単独運転状態であることを検出する単独運転検出部と、
を含む、
電力変換装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載の電力変換装置であって、
前記周波数フィードバック部は、
前記電力変換装置が単独運転状態である場合、前記一方の周波数の変動に伴って変動幅が拡大する電圧を出力し、
前記無効電力制御部は、
前記電力変換装置が前記電力系統と連系している場合、前記連系点における無効電力の変動を抑制する前記第1電圧を出力する、
電力変換装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電力変換装置であって、
前記周波数フィードバック部は、前記一方の周波数に所定の伝達関数を演算し、
前記伝達関数に含まれるパラメータは、系統連系中は安定を保ちつつ、単独運転状態では不安定となるように決定される、
電力変換装置。
【請求項4】
請求項1に記載の電力変換装置であって、
前記周波数フィードバック部の出力に第2上下限制限を与えた電圧を出力する上下限制限部を更に含み、
前記第2電圧は、前記上下限制限部の出力に基づく電圧である、
電力変換装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電力変換装置であって、
前記上下限制限部の出力に時間変化率の上限制限を与えた電圧を出力する変化率制限部を更に含み、
前記第2電圧は、前記変化率制限部の出力に基づく電圧である、
電力変換装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の電力変換装置であって、
前記単独運転検出部は、
前記第2電圧及び前記第3電圧に基づいて、前記電力変換装置が単独運転状態であることを検出する、
電力変換装置。
【請求項7】
請求項6に記載の電力変換装置であって、
前記単独運転検出部は、
前記第2電圧の推移と、前記第2電圧及び前記第3電圧の比の推移とに基づいて、前記電力変換装置が単独運転状態であることを検出する、
電力変換装置。
【請求項8】
請求項6に記載の電力変換装置であって、
前記単独運転検出部は、
前記第2電圧の推移と、前記第2電圧の推移及び前記第3電圧の推移の類似度とに基づいて、前記電力変換装置が単独運転状態であることを検出する、
電力変換装置。
【請求項9】
請求項5に記載の電力変換装置であって、
前記電力変換装置が電力を供給する負荷の消費電力が所定値以下の場合に、前記変化率制限部の出力に所定の変調信号を加算した電圧を出力する第2加算部を更に含み、
前記第2電圧は、前記第2加算部の出力である、
電力変換装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電力系統における再生可能エネルギーの増加に伴ってインバータ電源の割合が増加しつつあるが、現在普及している電流制御型インバータでは慣性力をもたないため、さらなるインバータ電源の割合増加によって周波数が変動しやすくなって系統が不安定になることが懸念されている。
【0003】
この問題の解決手段として、同期発電機のように振舞わせる、仮想同期発電機(VSG)制御を行うインバータが期待されている。(特許文献1、非特許文献1)
【0004】
インバータ電源に限らず、系統に連系する発電設備には、系統電源から切り離されて単独運転状態となった場合にその状態を速やかに検知して部分系統への通電を遮断することが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第4846450号
IEEE Journal,Vol.141 No.11,2021「電力系統の慣性不足に対応するインバータの仮想同期発電機制御」著者 三浦友史
加藤豊邦,岡土千尋,伊藤整,苔縄雅文,野宮成生:「同期発電機用単独運転検出装置の開発」、電気学会論文誌B,No.7/8、'94120巻(2000) 8-9号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、発電設備が電力系統に連系している状態において、系統擾乱が起こった場合、発電設備が単独運転状態に移行したと誤って検出される可能性がある。
【0007】
しかしながら、非特許文献2に記載された単独運転の検出方法は、このような系統擾乱の対策が考慮されていない。
【0008】
本発明はこのような課題を鑑みてなされたものであり、系統擾乱時においても電力変換装置が単独運転状態となったか否かを確度良く検出することが可能な電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための一の発明は、電力系統に連系可能であり、仮想同期発電機機能を有する電力変換装置であって、前記仮想同期発電機機能における周波数又は前記電力系統との連系点における電圧の周波数の一方の周波数に応じた電圧を出力する周波数フィードバック部と、前記連系点における無効電力に応じた第1電圧を出力する無効電力制御部と、前記周波数フィードバック部の出力に基づく第2電圧及び前記第1電圧の加算結果に第1上下限制限を与えた第3電圧を出力する出力部と、前記連系点における電圧に関する所定の第1振幅指令値と、前記第3電圧とを加算した第2振幅指令値を出力する第1加算部と、前記第2振幅指令値及び前記連系点における電圧の振幅に基づいて、インバータ出力電圧振幅指令値を生成する連系点電圧振幅制御部と、前記仮想同期発電機機能における位相及び前記インバータ出力電圧振幅指令値に基づいて、三相交流電圧を発生させる電圧出力部と、前記第3電圧が前記第1上下限制限に達した場合に、前記電力変換装置が前記電力系統から切り離された単独運転状態であることを検出する単独運転検出部と、を含む、電力変換装置である。本発明の他の特徴については、本明細書の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電力変換装置が単独運転状態となったか否かを確度良く検出することが可能な電力変換装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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