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公開番号2024135748
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023046598
出願日2023-03-23
発明の名称レーダ装置およびレーダ装置の信号処理方法
出願人JRCモビリティ株式会社
代理人個人
主分類G01S 13/34 20060101AFI20240927BHJP(測定;試験)
要約【課題】ハイパスフィルタのフィルタ特性に基づく誤検出を抑制することが可能なレーダ装置およびレーダ装置の信号処理方法を提供する。
【解決手段】FMCWレーダ装置1は、ビート信号を物標までの距離に応じてHPF15により減衰し、減衰されたビート信号をA/D変換部16によりデジタル信号に変換し、デジタル信号に変換されたビート信号に距離周波数解析部17によって距離方向に対する周波数解析を行なって第1の距離スペクトラムを生成し、第1の距離スペクトラムをHPF逆特性補正部19によりHPF15のフィルタ特性の逆特性を用いて補正して第2の距離スペクトラムを生成し、第2の距離スペクトラムに基づいて物標までの距離を検出する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
物標に向けて送信波を送信し、前記物標からの反射波を受信する送受信手段と、
前記送信波と前記反射波とを混合してビート信号を生成するビート信号生成部と、
前記ビート信号を前記物標までの距離に応じて減衰するハイパスフィルタと、
減衰された前記ビート信号をデジタル信号に変換するA/D変換部と、
デジタル信号に変換された前記ビート信号に距離方向に対する周波数解析を行なって第1の距離スペクトラムを生成する距離周波数解析部と、
前記第1の距離スペクトラムを、前記ハイパスフィルタのフィルタ特性の逆特性を用いて補正して第2の距離スペクトラムを生成する逆特性補正部と、
前記第2の距離スペクトラムに基づいて前記物標までの距離を検出する距離検出部と、
を備えることを特徴とするレーダ装置。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
前記逆特性補正部は、前記ハイパスフィルタの逆特性を前記物標までの距離に応じて前記第1の距離スペクトラムに乗算する、
ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項3】
物標に向けて送信波を送信し、前記物標からの反射波を受信して前記物標までの距離を検出するレーダ装置の信号処理方法であって、
前記送信波と前記反射波とを混合してビート信号を生成し、
前記ビート信号を前記物標までの距離に応じてハイパスフィルタにより減衰し、
減衰された前記ビート信号をデジタル信号に変換し、
デジタル信号に変換された前記ビート信号に距離方向に対する周波数解析を行なって第1の距離スペクトラムを生成し、
前記第1の距離スペクトラムを前記ハイパスフィルタのフィルタ特性の逆特性を用いて補正して第2の距離スペクトラムを生成し、
前記第2の距離スペクトラムに基づいて前記物標までの距離を検出する、
ことを特徴とするレーダ装置の信号処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、物標までの距離を検出するレーダ装置およびレーダ装置の信号処理方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
物標に向けて送信波を送信し、物標からの反射波を受信して物標までの距離を検出するレーダ装置には、感度時間制御(STC:Sensitivity Time Control)機能を備えたものがある。STC機能は、物標からの反射波の信号強度が物標までの距離の4乗に反比例するという基本的原理に基づき、物標までの距離に応じて反射波の信号強度を減衰させるものである。レーダ装置では、このSTC機能により、アンテナ近傍の地面からの反射波(グランドクラッタ)などの信号を減衰することにより、受信系統における信号の飽和(サチュレーション)を抑制している。
【0003】
特許文献1に開示されている発明では、ハイパスフィルタ(HPF:High-pass filter)を用いてSTC機能を実現している。図3は、特許文献1に記載されているFMCW(Frequency Modulation Continuous Wave)レーダ装置10の概略構成を示す。FMCWレーダ装置10は、送信アンテナ101と、受信アンテナ102と、発振器103と、ミキサ104と、HPF105と、A/D変換部106と、距離周波数解析部107と、検出部108と、を備えている。
【0004】
発振器103は、例えば、三角波を周波数変調した送信波を送信アンテナ101から送信させ、受信アンテナ102は、物標にて反射された送信波である反射波を受信する。ミキサ104は、送信波と反射波とを混合してビート信号を生成し、HPF105は、物標までの距離(ビート信号の周波数)に応じてビート信号を減衰する。A/D変換部106は、減衰されたビート信号をデジタル信号に変換し、距離周波数解析部107は、デジタル信号に変換されたビート信号に距離方向に対する周波数解析(フーリエ変換)を行なって距離スペクトラムを生成し、検出部108は、距離スペクトラムに基づいて物標までの距離を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平07-055925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、ハイパスフィルタを用いることにより受信系統における信号の飽和を抑制することはできるが、ハイパスフィルタのフィルタ特性によっては極めて近い位置に存在する物標からの反射波の信号強度よりも、その物標との間で生じた多重反射による信号強度のほうが大きくなり、偽像(虚像ともいう)が発生し、物標が適切に検出できなくなることがある。例えば、図4は、FMCWレーダ装置10の距離周波数解析部107により生成された距離スペクトラムを示している。この距離スペクトラムでは、FMCWレーダ装置10から1mの位置に存在する物標の信号TはHPF105のフィルタ特性によって抑圧され、FMCWレーダ装置10から2m程度の位置に発生している偽像の信号Fの強度が物標の信号Tよりも大きくなっており、誤検出が生じてしまう。
【0007】
そこで本発明は、ハイパスフィルタのフィルタ特性に基づく誤検出を抑制することが可能なレーダ装置およびレーダ装置の信号処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、物標に向けて送信波を送信し、前記物標からの反射波を受信する送受信手段と、前記送信波と前記反射波とを混合してビート信号を生成するビート信号生成部と、前記ビート信号を前記物標までの距離に応じて減衰するハイパスフィルタと、減衰された前記ビート信号をデジタル信号に変換するA/D変換部と、デジタル信号に変換された前記ビート信号に距離方向に対する周波数解析を行なって第1の距離スペクトラムを生成する距離周波数解析部と、前記第1の距離スペクトラムを、前記ハイパスフィルタのフィルタ特性の逆特性を用いて補正して第2の距離スペクトラムを生成する逆特性補正部と、前記第2の距離スペクトラムに基づいて前記物標までの距離を検出する距離検出部と、を備えることを特徴とするレーダ装置である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のレーダ装置において、前記逆特性補正部は、前記ハイパスフィルタの逆特性を前記物標までの距離に応じて前記第1の距離スペクトラムに乗算する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、物標に向けて送信波を送信し、前記物標からの反射波を受信して前記物標までの距離を検出するレーダ装置の信号処理方法であって、前記送信波と前記反射波とを混合してビート信号を生成し、前記ビート信号を前記物標までの距離に応じてハイパスフィルタにより減衰し、減衰された前記ビート信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号に変換された前記ビート信号に距離方向に対する周波数解析を行なって第1の距離スペクトラムを生成し、前記第1の距離スペクトラムを前記ハイパスフィルタのフィルタ特性の逆特性を用いて補正して第2の距離スペクトラムを生成し、前記第2の距離スペクトラムに基づいて前記物標までの距離を検出する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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