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公開番号2024129599
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-27
出願番号2023038917
出願日2023-03-13
発明の名称粉体流量測定装置及び粉体流量測定方法
出願人電源開発株式会社,有限会社トムデータ,中国電力株式会社,大崎クールジェン株式会社,日本測器株式会社
代理人弁理士法人谷・阿部特許事務所
主分類G01F 1/74 20060101AFI20240919BHJP(測定;試験)
要約【課題】高温・高圧であり、且つ固気比の安定しない粉体の流量を高精度に測定する流量測定装置及び流量測定方法を提供する。
【解決手段】静電容量式の粉体流量測定装置であって、交流アンプと、交流アンプの出力側に配置される直流アンプと、直流アンプの出力側に配置される第1のアナログデジタル変換器と、交流アンプと直流アンプとの間に分岐されて配置される第2のアナログデジタル変換器とを含み、第1及び第2のアナログデジタル変換器から出力されるデジタル信号に基づいて、オフセット値及びゲイン値の適正値を算出するゲイン値及びオフセット値適正値算出手段をさらに含み、オフセットの適正値をデジタル信号として直流アンプに送信することにより、直流アンプのオフセット値を自動調整し、ゲイン値の適正値をデジタル信号として交流アンプと直流アンプに送信することにより、交流アンプと直流アンプのゲイン値を自動調整する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
粉体が流されるセンサパイプ内の静電容量の変化を測定することにより粉体流量を測定する静電容量式の粉体流量測定装置であって、
前記センサパイプ内の静電容量に応じた信号を測定する密度判定用静電容量測定手段と、
前記測定した信号から粉体密度を演算する粉体密度演算手段と、
前記センサパイプ内の静電容量に応じた信号から前記センサパイプの固有静電容量分をオフセットして前記粉体の静電容量のみの変化分を増幅して測定する第1及び第2の流速判定用静電容量測定手段と、
前記測定した各変化分の相関に基づいて粉体流速を演算する粉体流速演算手段と、
前記粉体密度と前記粉体流速とから粉体流量を演算する粉体流量演算手段と、
を備え、
前記第1及び第2の流速判定用静電容量測定手段は、
前記測定した各変化分に関する信号を受信し、増幅する、アナログデバイスである交流アンプと、
前記交流アンプが出力した前記信号に対し、オフセット値及びゲイン値を設定して直流増幅する直流アンプと、
前記直流アンプが出力するアナログ信号をデジタル信号に変換する第1のアナログデジタル変換器と、
前記交流アンプと前記直流アンプとの間に分岐されて配置され、前記直流アンプに入力される前の前記信号をデジタル信号に変換する第2のアナログデジタル変換器と、
をさらに備え、
前記粉体流量測定装置は、前記第1及び第2のアナログデジタル変換器から出力される前記デジタル信号に基づいて、前記オフセット値及び前記ゲイン値の適正値を算出するゲイン値及びオフセット値適正値算出手段をさらに備え、
前記オフセット値の適正値をデジタル信号として前記直流アンプに送信することにより、前記直流アンプのオフセット値を自動調整し、
前記ゲイン値の適正値をデジタル信号として前記交流アンプと前記直流アンプに送信することにより、前記交流アンプと前記直流アンプのゲイン値を調整する、
ことを特徴とする粉体流量測定装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記センサパイプはアルミナ系セラミックスであり、
前記センサパイプの肉厚は5mmである、
請求項1に記載の粉体流量測定装置。
【請求項3】
前記流速判定用静電容量測定手段は、整流器とローパスフィルタをさらに備え、
前記センサパイプ内の静電容量に応じた前記信号は、整流されて高周波成分を除去した後に前記直流アンプに入力されることを特徴とする請求項1または2に記載の粉体流量測定装置。
【請求項4】
前記密度判定用静電容量測定手段は、前記センサパイプの外表面に設置される密度測定用の一対の電極をさらに備え、
前記密度測定用の一対の電極により前記センサパイプ内の静電容量を直接測定し、
前記第1および第2の流速判定用静電容量測定手段の各々は、前記センサパイプの外表面に設置される第1の流速測定用の一対の電極および第2の流速測定用の一対の電極をさらに備え、
前記密度測定用の一対の電極は、前記第1および前記第2の流速測定用の一対の電極の間に設置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の粉体流量測定装置。
【請求項5】
前記第1および第2の流速判定用静電容量測定手段の各々は、所定の周波数のキャリア信号を発生する発振器を備え、前記キャリア信号の周波数は1MHz以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の粉体流量測定装置。
【請求項6】
前記密度測定用の一対の電極と前記第1および第2の流速測定用の一対の電極との形状は、櫛の歯状にすることを特徴とする請求項4に記載の粉体流量測定装置。
【請求項7】
金属製の胴体と、
前記センサパイプと前記胴体の間に配置さられるOリング及びクッションガスケットと、
をさらに備え、
前記Oリングは耐熱温度330℃を有するパーフルオロエラストマーであり、
前記クッションガスケットは、石炭チャー配管用のガスケットと同一または類似の材料である、請求項1または2に記載の粉体流量測定装置。
【請求項8】
耐圧貫通端子をさら備え、前記耐圧貫通端子は、ポリテトラフルオロエチレンである、請求項1または2に記載の粉体流量測定装置。
【請求項9】
粉体が流されるセンサパイプ内の静電容量の変化を測定することにより粉体流量を測定する静電容量式の粉体流量測定方法であって、
製作したセンサパイプの固有静電容量を測定することと、
センサパイプおよび被測定物を電極間物質として、前記センサパイプの固有静電容量及び前記被測定物の静電容量の合計値を検出することと、
前記検出した合計値と、前記製作したセンサパイプの固有静電容量との差を算出することと、
前記算出された差の値を前記被測定物の静電容量として粉体密度演算手段に送信し、粉体密度を算出することと、
キャリア信号を発生させ、前記キャリア信号を流速測定用センサ電極間に印加することで交流電流を発生させることと、
前記被測定物の密度変化に応じて変化する、流速測定用センサ電極間に流れる交流電流の振幅を測定することと、
前記被測定物の前記密度変化による静電容量の変化によって、前記キャリア信号を振幅変調することにより、前記被測定物の密度に応じた信号を計測することと、
前記計測された信号を流速演算手段に送信し、粉体流速を算出することと、
前記粉体密度と前記粉体流速とから粉体流量を乗算することで演算することと、
を備える、
粉体流量測定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体流量測定装置及び粉体流量測定方法に関し、より詳細には、測定の対象となる粉体流体の静電容量の変化を測定することにより当該流体の流量を測定する静電容量式の粉体流量測定装置及び粉体流量測定方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、例えば、ガス化炉に吹き込まれる微粉炭等の粉体を測定する手段として、粉体流量測定装置が用いられている。粉体流量測定装置を用いて粉体流量を測定する方法には、例えば、粉体の密度(t/m
3
)と流速(m/s)を測定し、これらと粉体を吹き込む管の断面積(m
2
)を乗算して粉体の流量(t/s)を求める方法がある。ここで、粉体の密度または流速を測定する方式には、静電容量の変化を測定することにより粉体の流量を測定する静電容量式や、マイクロ波の透過あるいは反射信号より管内の粉体の密度を求めるマイクロ波式等が知られている。
【0003】
しかしながら、マイクロ波式は、センサパイプ(管路)にマイクロ波を通すため、当該マイクロ波を通す部分のみ肉薄にしなければならず、搬送ガスの圧力を上げることができない。また、マイクロ波の出力を上げると、被測定物が熱を持つ可能性がある。そのため、マイクロ波式は、石炭ガス化炉のように管路内の圧力が高圧の場合には使用に適さない。そこで、石炭ガス化炉などの管路内の圧力が高圧の場合に、粉体の密度または流速を測定する方式には、静電容量式が用いられている。
【0004】
図1は、従来の静電容量式の粉体流量測定装置内の静電容量測定手段1を表す構成図である。静電容量測定手段1は、交流信号発振器2と、アナログ式の測定用センサ3と、アナログ式の基準用センサ4と、アンプ6および7と、差動増幅器8を備えている。交流信号発振器2は、測定用センサ3、基準用センサ4および抵抗5aないし5cから構成されるブリッジ回路と並列に接続されている。測定用センサ3および基準用センサ4は、それぞれアンプ6および7に接続され、アンプ6および7は差動増幅器8に接続されている。また、静電容量測定手段1は、差動増幅器8に接続された粉体データ検出増幅器9と、粉体データ検出増幅器9に接続されたLPF10を備えている。
【0005】
従来の静電容量式の粉体流量測定装置は、例えば、静電容量測定手段1を管路の上流と下流の2箇所に備える2センサ方式を用いて静電容量を精密に測定している。具体的には、2箇所の静電容量測定手段1の一方又は両方で測定した静電容量の平均値を粉体の密度として用い、上流と下流で測定した静電容量の変化分の相関から粉体の流速を求めている。この場合、静電容量測定手段1では、静電容量を測定する際に管路等の固有静電容量をキャンセルするため、基準コンデンサ等の基準用センサ4を用いている。
【0006】
このように、従来技術による静電容量式の粉体流量測定装置は、基準用センサを別途設置する必要があるため、以前では、装置のコンパクト化が困難とされていた。しかしながら、近年では、これらの課題を解決するための技術提案もされている。例えば、被測定対象となる粉体の密度を測定する密度測定用センサと当該粉体の流速を測定する流速測定用センサとで、交流電圧の発振源の周波数を変えることにより、各センサにおける交流電圧印加時の相互的な干渉を抑制することで、当該基準コンデンサを不要とする技術が報告されている(例えば、特許文献1参照)。このようなことから、静電容量式は、例えばガス化炉の管路内を流れる粉体の流量測定技術として、今後更なる普及と発展が期待できる流量測定技術と考えられる。
【0007】
一方で、粉体の流量測定技術に対しては、高温高圧の粉体流体に対する高精度な流量測定等、更なる要求も掲げられている。その一例として、ガス化炉における石炭チャーの流量測定が挙げられる。
【0008】
ガス化炉を有する石炭ガス化発電システム、例えば、石炭ガス化複合発電(IGCC)システムや、石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)システムでは、燃料である微粉炭を当該ガス化炉内で燃焼させ、発生する石炭ガスをガスタービンに供給することにより、発電が行われる。この石炭ガスの生成反応において、燃料(微粉炭)の一部は石炭チャーと呼ばれる未反応物として残ることが知られており、当該石炭チャーの粉体は、回収された後、再度ガス化炉に供給され、石炭ガスの生成反応に寄与する。
【0009】
石炭チャーは、回収設備で回収された後、窒素ガス等の不活性ガスと共に加圧(約5MPaまで)されながらガス化炉に供給される。したがって、燃料(微粉炭)と同様に、この石炭チャーに対しても、供給過程における流量を高精度に測定することは、石炭ガス化発電システムの安定な稼働を行う上で重要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2015-161609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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