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公開番号2024122529
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023030109
出願日2023-02-28
発明の名称眼科装置及びその制御方法
出願人キヤノン株式会社
代理人個人
主分類A61B 3/14 20060101AFI20240902BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】断層画像の撮影中における眼底観察時のトラッキングを安定させつつ、眼底画像の撮影のための眼底観察における被検眼の縮瞳を低減し、眼底画像の撮影への影響を小さくする。
【解決手段】OCT複合装置は、被検眼Eの眼底Efに光束を照射して眼底Efを観察する眼底観察機構と、眼底Efの眼底画像を撮影する眼底撮影機構と、被検眼Eの断層画像を撮影する断層撮影機構と、眼底Efに照射する光束量を制御する制御部300とを備えており、制御部300は、断層撮影機構による断層画像の撮影中に眼底観察機構により眼底Efを観察する第1観察時における光束量を、眼底撮影機構による眼底画像の撮影に先立って眼底観察機構により眼底Efを観察する第2観察時における光束量よりも大きく調節する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
被検眼の眼底に照明光を照射して前記眼底を観察する眼底観察機構と、
前記眼底の眼底画像を撮影する眼底撮影機構と、
前記被検眼の断層画像を撮影する断層撮影機構と、
前記眼底に照射する前記照明光の光束量を制御する制御部と、
を備えており、
前記制御部は、
前記断層撮影機構による前記断層画像の撮影中に前記眼底観察機構により前記眼底を観察する第1観察時における前記照明光の光束量を、前記眼底撮影機構による前記眼底画像の撮影に先立って前記眼底観察機構により前記眼底を観察する第2観察時における前記照明光の光束量よりも大きく調節する、
ことを特徴とする眼科装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記眼底観察機構は、前記被検眼に前記照明光を発する光源を有しており、
前記制御部は、
前記第1観察時における前記光源の発する照明光の第1照明光量を、前記第1観察時における前記光源の発する照明光の第2照明光量よりも大きく調節する、
請求項1に記載の眼科装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1観察時における前記照明光の前記被検眼における第1照明面積を、前記第1観察時における前記照明光の前記被検眼における第2照明面積よりも大きく調節する、
請求項1または2に記載の眼科装置。
【請求項4】
前記眼底観察機構は、
前記被検眼に前記照明光を照射する光源と、
前記光源の光路に配され、光軸を覆う遮光絞りと、
前記遮光絞りの径を変更することで、前記眼底における照明面積を前記第1照明面積と前記第2照明面積とに変更自在とする遮光絞り変更部と、
を有する、
請求項3に記載の眼科装置。
【請求項5】
前記遮光絞り変更部は、
第1遮光絞りと、
前記第1遮光絞りよりも径の小さい第2遮光絞りと、
を有しており、
前記第1遮光絞りを照明光路から抜去することで前記被検眼における照明面積を第1照明面積に調節し、前記第1遮光絞りを照明光路に挿入することで前記被検眼における照明面積を第2照明面積に調節する、
請求項4に記載の眼科装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第1観察時に、前記眼底画像である参照画像又は前記断層画像である参照断層画像と前記断層画像である対象画像とを比較して、前記参照画像又は前記参照断層画像と前記対象画像との相関に応じて、前記照明光の照明光量を調節する、
請求項1に記載の眼科装置。
【請求項7】
前記眼底観察機構により取得された前記眼底の観察画像を表示する表示部と、
眼底観察機構における前記眼底に照射する前記照明光の光束量が変更された場合に、前記照明光の光束量の変化に対応して前記表示部に表示される前記眼底の観察画像の明るさを調節し、所定の明るさを維持する表示画像制御部と、
を更に備えた、
請求項1に記載の眼科装置。
【請求項8】
前記断層画像の撮影と前記眼底画像の撮影とを連続的なシーケンスで実行するに際して、
前記断層画像の撮影の後に前記眼底画像の撮影を行う、
請求項1に記載の眼科装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記第1観察時において、前記眼底撮影機構で取得された参照画像と、前記眼底撮影機構で取得された対象画像との相関値に応じて、前記照明光の光束量を調節する、
請求項1に記載の眼科装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記断層撮影機構で取得された参照断層画像と、前記断層撮影機構で取得された対象断層画像との相関値に応じて、前記照明光の光束量を調節する、
請求項1に記載の眼科装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、眼科装置及びその制御方法に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
眼科装置として、被検眼の眼底2次元画像を取得するための装置(眼底カメラ装置)や、光干渉断層法(Optical Coherence Tomography:OCT)による被検眼の断層画像を取得(OCT撮影)するための装置(OCT装置)が実用化されている。OCT装置は、光スキャナにより眼底上を2次元走査(X方向、Y方向)することにより任意の箇所の断層像を取得する。装置設置上の省スペース化や装置の低コスト化を目的として、眼底カメラ装置及びOCT装置が1つの対物レンズを共有した形で一体化された、眼底カメラとOCT装置との複合装置(OCT複合装置)も実用化されている。
【0003】
これら眼科装置は、撮影前に装置光学系の被検眼との相対的な位置合わせを行う。この位置合わせはアライメントと呼ばれる。また、OCT撮影は撮影時間が長いために動いてしまう被検眼の眼底に対して、眼底上の撮影したい部位に向けて走査位置を変更することで、特定部位を追い続ける。この眼底の動きに合わせて走査位置を変更することはトラッキングと呼ばれる。アライメントやトラッキングの際、被検眼の眼底には観察を行うための光束が照射される。
【0004】
特許文献1では、アライメント時に被検眼の瞳孔サイズに基づいて、光源の照明光量を変更させる手法が開示されている。
特許文献2では、トラッキング時に眼底からの光を検出した検出信号の強度に基づいて、光源の照明光量を変更させる手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6310589号公報
特開平10-234669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
OCT撮影を行う際のトラッキング動作は、観察光により照射されるトラッキング用の眼底画像が明るい方が安定して行うことができる。しかしながら、観察光の照明光量を大きくすると、被検眼が縮瞳し、光束が虹彩に遮られて、眼底撮影に悪影響を与えることがある。また、絞りを変更した場合には、眼底画像端部にフレア等のアーティファクトが生じやすくなる。その一方で、眼底撮影への悪影響を回避するために、観察光照明光量を下げるとトラッキング用の眼底観察画像のSNが悪くなり、トラッキングが安定しない。このように、従来の眼科装置では、OCT撮影の際のトラッキングを行う観察時と、眼底撮影のためにアライメントを行う観察時とで、眼底の照明光に対する要求が相反するという問題がある。
【0007】
本発明は、断層画像の撮影中における眼底観察時のトラッキングを安定させつつ、眼底画像の撮影のための眼底観察における被検眼の縮瞳を低減し、眼底画像の撮影への影響を小さくする眼科装置及び眼科装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の眼科装置は、被検眼の眼底に照射光を照射して前記眼底を観察する眼底観察機構と、前記眼底の眼底画像を撮影する眼底撮影機構と、前記被検眼の断層画像を撮影する断層撮影機構と、前記眼底に照射する前記照射光の光束量を制御する制御部と、を備えており、前記制御部は、前記断層撮影機構による前記断層画像の撮影中に前記眼底観察機構により前記眼底を観察する第1観察時における前記照射光の光束量を、前記眼底撮影機構による前記眼底画像の撮影に先立って前記眼底観察機構により前記眼底を観察する第2観察時における前記照射光の光束量よりも大きく調節する。
【0009】
本発明の眼科装置の制御方法は、被検眼の眼底に照射光を照射して前記眼底を観察する眼底観察機構と、前記眼底の眼底画像を撮影する眼底撮影機構と、前記被検眼の断層画像を撮影する断層撮影機構と、を備えた眼科装置を用いて、前記断層撮影機構による前記断層画像の撮影中に前記眼底観察機構により前記眼底を観察する第1観察時において前記眼底に照射する前記照射光の光束量を、前記眼底撮影機構による前記眼底画像の撮影に先立って前記眼底観察機構により前記眼底を観察する第2観察時において前記眼底に照射する前記照射光の光束量よりも大きく調節する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、断層画像の撮影中における眼底観察時のトラッキングを安定させつつ、眼底画像の撮影のための眼底観察における被検眼の縮瞳を低減し、眼底画像の撮影への影響を小さくすることができる眼科装置が実現する。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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