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公開番号
2024121242
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-06
出願番号
2023028227
出願日
2023-02-27
発明の名称
加工工具の検査方法及び検査装置
出願人
株式会社岡本
代理人
個人
,
個人
主分類
G01N
21/95 20060101AFI20240830BHJP(測定;試験)
要約
【課題】加工工具の有効な検査方法及び検査装置を提供する。
【解決手段】所定の加工に供された加工工具の先端加工部を撮影して、加工部画像を採取する画像採取工程10と、採取された加工部画像から、フーリエ変換によるフィルタ処理によって摩耗部を抽出して、加工部摩耗画像として取り出す画像抽出工程12と、取り出された加工部摩耗画像から、設定された所定の閾値に基づいて各画素の二値化を行い、摩耗部が白色画素にて構成される二値化画像を形成する二値化工程14と、そのような二値化画像からノイズとを除去して、摩耗部をより鮮明に表示するノイズ処理画像を取り出すノイズ除去工程16と、ノイズ処理画像における摩耗部を構成する白色画素から、加工工具における先端加工部の摩耗状態を評価する評価工程16とを含むようにして、加工工具の検査方法を構成した。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
所定の加工に供された加工工具の先端加工部を撮影して、検査されるべき加工部画像を採取する画像採取工程と、
該採取された加工部画像から、フーリエ変換によるフィルタ処理によって、前記先端加工部の前記所定の加工によって生じた摩耗部を抽出して、加工部摩耗画像として取り出す画像抽出工程と、
かかる取り出された加工部摩耗画像から、設定された所定の閾値に基づいて、各画素の二値化を行い、前記摩耗部が白色画素にて構成されてなる二値化画像を形成する二値化工程と、
該形成された二値化画像において、白色画素の密度の高い摩耗部に該当しない微少の白色画素部位をノイズとして除去することにより、該摩耗部をより鮮明に表示するノイズ処理画像を取り出すノイズ除去工程と、
該ノイズ処理画像における摩耗部を構成する白色画素から、前記加工工具における先端加工部の摩耗状態を評価する評価工程とを、
含むことを特徴とする加工工具の検査方法。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記画像採取工程が、
前記加工工具の先端加工部を、工具軸方向に工具先端部から工具輪郭部に向かって所定間隔で焦点が位置するように撮影することにより、複数の先端部画像を取得する撮像工程と、
かかる複数の先端部画像を用いて、被写界深度合成法により、前記先端加工部の全体に亘って焦点の合った一つの合成画像を、前記加工部画像として形成する画像合成工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の加工工具の検査方法。
【請求項3】
前記画像合成工程において、前記撮像工程で得られた各先端部画像をそれぞれ縦横に複数に分割して、多数の分割画像を形成した後、各先端部画像における同一場所の分割画像を比較して、最も鮮明な分割画像を選択することにより、前記一つの合成画像が形成されることを特徴とする請求項2に記載の加工工具の検査方法。
【請求項4】
前記画像抽出工程において、前記加工部画像を高速フーリエ変換して、スペクトル画像を形成した後、該スペクトル画像に対して、高周波数部分が残るマスク処理を施して、逆高速フーリエ変換することにより、前記加工部摩耗画像が取り出されることを特徴とする請求項1に記載の加工工具の検査方法。
【請求項5】
前記ノイズ除去工程において、前記二値化画像を構成する各画素に対して、膨張・縮小処理及び微少面積の白色画素の塗潰し処理が、少なくとも実施されることを特徴とする請求項1に記載の加工工具の検査方法。
【請求項6】
前記加工部画像における前記加工工具が写っている縦方向及び横方向の区間を、それぞれ、該加工部画像の縦方向及び横方向に位置する画素の各列及び各行の高速フーリエ変換にて得られる振幅の和をプロットして、求めた後、それら縦方向及び横方向の区間の中心に位置する画素列及び画素行が交差する点を、前記加工工具の工具中心として求めることからなる工具中心検出工程を、更に含むことを特徴とする請求項1に記載の加工工具の検査方法。
【請求項7】
前記工具中心検出工程において求められた加工工具の工具中心を用い、かかる工具中心の周りに、前記ノイズ処理画像を所定角度ずつ回転せしめ、それぞれの回転角度における画像を二等分して、その二つの等分画像を比較することにより、前記摩耗部が水平方向に延びるように、該ノイズ処理画像の位相を補正する位相補正工程を、更に有していることを特徴とする請求項6に記載の加工工具の検査方法。
【請求項8】
前記位相補正工程により位相補正されたノイズ処理画像を用い、その回転中心から一定距離の円周上にあり、且つ前記水平位置にある摩耗部から所定の角度をもって位置する白色画素部位を除去せしめた後、前記評価工程が実施されることを特徴とする請求項7に記載の加工工具の検査方法。
【請求項9】
前記加工工具が、ドリルであることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の加工工具の検査方法。
【請求項10】
前記加工工具が、ダイヤモンドコーティングドリルであることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の加工工具の検査方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工工具の検査方法及び検査装置に係り、特に、所定の加工に用いられた加工工具の摩耗状態を有利に検査することの出来る方法及び装置に関するものである。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から、ドリルやエンドミル等の加工工具を装着した加工機械を用いて、被加工物の穴開け加工や切削加工が行われているが、そのような加工の進行に伴って、ドリルやエンドミル等の加工工具の先端部分が、漸次摩耗したり、欠けたりして、加工精度が低下する等の問題が惹起されるようになる。このため、目的とする加工に供された加工工具の先端加工面の検査や、その管理が重要となっているのであるが、それを目視によって判断することは、極めて難しい。
【0003】
例えば、半導体の製造装置部品の材料として用いられているアルミナ部品にあっては、ダイヤモンドコーティングされた小径ドリルによる穴開け加工の工程が多数必要とされているのであるが、難加工材であるアルミナ部品の小径の穴開け加工となるものであるところから、加工の進行に伴うところのドリル先端加工部(刃部)の摩耗に加えて、加工中におけるドリルの折損が多発する問題があり、それによって、製品不良や作業性(生産性)の低下等が惹起されるようになる。このため、そのようなドリルの先端加工部の検査が行われることとなるが、その検査では、被加工物の所定量を加工する毎に、ドリルを加工機から取り外し、熟練技術者が、拡大鏡等を使用して、目視にて、ドリル先端の摩耗状況を確認し、その交換の判断を行っているのであるが、そのようなドリルの検査は、属人的であって、手間のかかる煩雑な作業となっているところから、検査精度の安定化や効率化にも、問題が内在しているのである。
【0004】
そこで、検査対象となる加工工具には、その外径や刃先形状が異なる多くの種類があるところから、画像処理技術を利用して、その検査方法を目視から画像処理に置き換えるべく、各種の手法が提案されてきている。例えば、特開2001-129711号公報においては、ドリルの回転軸方向からだけでなく、ドリル切刃面に対して垂直な方向から撮像することにより、刃先全体をレンズの被写界深度内に収まるように撮像した後、その撮像した画像を二値化して、形状データに変換し、そしてその形状データと予め設定しておいた設定値とを比較することにより、ドリルの良否を判定するようにしたドリルの検査方法が、明らかにされている。また、特許第4128613号公報においては、ドリルの刃先を回転軸に沿う方向に撮像する撮像部と、かかる撮像部から入力された画像について、その各画素値を二値化し、得られた二値化画像の位置合わせを行う画像処理部と、この画像処理部により処理された画像内の刃先領域の形状情報を測定する測定部と、測定部により測定された形状情報からドリルの刃先の状態を判定する判定部とを備えたドリル検査装置が、提案されている。
【0005】
しかしながら、それら従来のドリルの検査手法や検査装置にあっては、撮影して得られる画像情報から、単なる二値化処理にて、形状データを得るようにしたものであるところから、撮影対象となる加工工具たるドリルの刃部の表面が、例えば、コーティングによって凹凸形状を呈する場合の如く、粗面となっていると、撮影時の照明光による反射光量のバラツキが大きくなり、ドリルの摩耗部以外の部位を誤検出する問題が内在している。また、ドリルによる加工の進展に伴い、ドリル刃部の表面には、汚れが付着するようになるが、そのような付着汚れを、同時に検出して、摩耗部として誤認する恐れも、内在するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2001-129711号公報
特許第4128613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、加工工具の有効な検査方法及び検査装置を提供することにあり、また他の課題とするところは、所定の加工に供された加工工具の先端加工面の摩耗状態を、より一層効果的に把握することの出来る技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そして、本発明は、上記した課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものであるが、また、以下に記載の各態様は、任意の組み合わせにおいて、採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載、及び図面に開示の発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
【0009】
先ず、上記した課題を解決するための本発明の第一の態様は、所定の加工に供された加工工具の先端加工部を撮影して、検査されるべき加工部画像を採取する画像採取工程と;該採取された加工部画像から、フーリエ変換によるフィルタ処理によって、前記先端加工部の前記所定の加工によって生じた摩耗部を抽出して、加工部摩耗画像として取り出す画像抽出工程と;かかる取り出された加工部摩耗画像から、設定された所定の閾値に基づいて、各画素の二値化を行い、前記摩耗部が白色画素にて構成されてなる二値化画像を形成する二値化工程と;該形成された二値化画像において、白色画素の密度の高い摩耗部に該当しない微少の白色画素部位をノイズとして除去することにより、該摩耗部をより鮮明に表示するノイズ処理画像を取り出すノイズ除去工程と;該ノイズ処理画像における摩耗部を構成する白色画素から、前記加工工具における先端加工部の摩耗状態を評価する評価工程とを、含むことを特徴とする加工工具の検査方法にある。
【0010】
また、本発明の第二の態様は、前記画像採取工程が、前記加工工具の先端加工部を、工具軸方向に工具先端部から工具輪郭部に向かって所定間隔で焦点が位置するように撮影することにより、複数の先端部画像を取得する撮像工程と;かかる複数の先端部画像を用いて、被写界深度合成法により、前記先端加工部の全体に亘って焦点の合った一つの合成画像を、前記加工部画像として形成する画像合成工程とを含むことを特徴としている。
(【0011】以降は省略されています)
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