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公開番号2024120372
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-05
出願番号2023027119
出願日2023-02-24
発明の名称パルプリフトによる揚鉱方法およびこの揚鉱方法に使用される解泥装置
出願人五洋建設株式会社,公立大学法人大阪
代理人個人,個人
主分類E21C 50/00 20060101AFI20240829BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】大粒径の鉱石を揚鉱するために高粘度のパルプリフトによる流体を一律に送る場合よりもポンプの負担が小さくて済むパルプリフトによる揚鉱方法およびこの揚鉱方法に使用される解泥装置を提供する。
【解決手段】この揚鉱方法は、海底から鉱石を鉛直方向に揚鉱管14内でパルプリフト流体により海上まで運搬する。海底地盤で破砕された鉱石を粘土とともに解泥・集鉱機に集積し、解泥・集鉱機で粘土に海水を加えて解泥して泥水を作製し、ポンプにより鉱石と泥水とを解泥・集鉱機から揚鉱管内に送り海上の船上へ運搬する。泥水からなるパルプリフト流体の粘性に関し高粘性部21と低粘性部22とを交互に発生させ、鉱石の大きさにバラツキがある場合、揚鉱管内において、比較的小さい鉱石は沈降速度が小であり低粘性部で揚鉱され、比較的大きい鉱石は沈降速度が大であり高粘性部で揚鉱される。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
海底から鉱石を鉛直方向に揚鉱管内でパルプリフト流体により海上まで運搬する揚鉱方法であって、
鉱石と粘土とを含む海底地盤において運搬可能なサイズに破砕された鉱石を粘土とともに解泥・集鉱機に集積するステップと、
前記解泥・集鉱機において前記粘土に海水を加えて解泥することで泥水を作製するステップと、
ポンプにより前記鉱石と前記泥水とを前記解泥・集鉱機から前記揚鉱管内に送り海上の船上へ運搬するステップと、を含み、
前記泥水からなるパルプリフト流体の粘性に関し高粘性部と低粘性部とを交互に発生させ、
前記鉱石の大きさにバラツキがある場合、前記揚鉱管内において、比較的小さい鉱石は沈降速度が小であり前記低粘性部または前記高粘性部で揚鉱され、比較的大きい鉱石は沈降速度が大であり前記高粘性部で揚鉱されるようにした、パルプリフトによる揚鉱方法。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
海底から鉱石を鉛直方向に揚鉱管内でパルプリフト流体により海上まで運搬する揚鉱方法であって、
鉱石と粘土とを含む海底地盤において運搬可能なサイズに破砕された鉱石を粘土とともに解泥・集鉱機に集積するステップと、
前記解泥・集鉱機において前記粘土に海水を加えて解泥することで泥水を作製するステップと、
ポンプにより前記鉱石と前記泥水とを前記解泥・集鉱機から前記揚鉱管内に送り海上の船上へ運搬するステップと、を含み、
前記解泥の際に前記海水の取り込み量を変化させることで前記泥水からなるパルプリフト流体の粘性に関し高粘性部と低粘性部とを交互に発生させ、
前記鉱石の大きさにバラツキがある場合、前記揚鉱管内において、比較的小さい鉱石は沈降速度が小であり前記低粘性部または前記高粘性部で揚鉱され、比較的大きい鉱石は沈降速度が大であり前記高粘性部で揚鉱されるようにした、パルプリフトによる揚鉱方法。
【請求項3】
海底から鉱石を鉛直方向に揚鉱管内でパルプリフト流体により海上まで運搬する揚鉱方法であって、
鉱石と粘土とを含む海底地盤において運搬可能なサイズに破砕された鉱石を粘土とともに解泥・集鉱機に集積するステップと、
前記解泥・集鉱機において前記粘土に海水を加えて解泥することで泥水を作製するステップと、
ポンプにより前記鉱石と前記泥水とを前記解泥・集鉱機から前記揚鉱管内に送り海上の船上へ運搬するステップと、を含み、
前記揚鉱管の吸引口に対し前記泥水が通過する泥水通過部と前記泥水の通過を阻害する泥水通過阻害部とが交互に位置するように切り替える切り替え機構を設けており、
前記切り替え機構により、前記泥水の通過時に前記泥水が前記鉱石とともに高粘度のパルプリフト流体を形成し、前記泥水の通過阻害時に海水が通過し低粘度のパルプリフト流体を形成することで、前記パルプリフト流体に高粘性部と低粘性部とを交互に発生させ、
前記鉱石の大きさにバラツキがある場合、前記揚鉱管内において、比較的小さい鉱石は沈降速度が小であり前記低粘性部または前記高粘性部で揚鉱され、比較的大きい鉱石は沈降速度が大であり前記高粘性部で揚鉱されるようにした、パルプリフトによる揚鉱方法。
【請求項4】
前記揚鉱管は、管内の鉛直方向に延びる仕切り構造により互いに独立した第1の揚鉱部と第2の揚鉱部とを備え、
前記泥水通過部と前記泥水通過阻害部とは、前記揚鉱管の吸引口に対し半円状になって全体として円形状に構成され、前記切り替え機構により一定方向に回転駆動されることで前記第1の揚鉱部の吸引口と前記第2の揚鉱部の吸引口とに対し位置を変えて、前記第1の揚鉱部と前記第2の揚鉱部との前記揚鉱管内で前記パルプリフト流体に濃淡が交互に形成されるようにして前記高粘性部と前記低粘性部とを交互に発生させる請求項3に記載の揚鉱方法。
【請求項5】
前記解泥・集鉱機を、前記粘土を集積し解泥し前記泥水を作製する解泥機と前記鉱石を集積する集鉱機とに分ける請求項1乃至3のいずれかに記載の揚鉱方法。
【請求項6】
前記高粘性部で揚鉱可能な鉱石のサイズに基づいて前記破砕される鉱石の最大粒径を規定する請求項1乃至3のいずれかに記載の揚鉱方法。
【請求項7】
前記揚鉱管内において前記鉱石の沈降が阻害されるように前記揚鉱管が内周面に突起構造を有する請求項1乃至3のいずれかに記載の揚鉱方法。
【請求項8】
前記揚鉱管内において前記鉱石の沈降が阻害されるように前記揚鉱管が内周面にらせん状突起構造を有する請求項1乃至3のいずれかに記載の揚鉱方法。
【請求項9】
前記揚鉱管がらせん管から一体的に構成されることで前記揚鉱管の内周面が前記らせん状突起構造に構成された請求項8に記載の揚鉱方法。
【請求項10】
前記揚鉱管の全体形状がらせん状に曲げられており、
前記揚鉱管内において前記鉱石の沈降が阻害されるように前記揚鉱管が内周面にらせん状突起構造を有する請求項1乃至3のいずれかに記載の揚鉱方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、海底資源の鉱石を海底から海上まで揚鉱するためのパルプリフトによる揚鉱方法およびこの揚鉱方法に使用される解泥装置に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、銅・鉛・亜鉛・金・銀等の有用金属を豊富に含む海底熱水鉱床やレアースが注目され、かかる海底鉱物資源を産業的に利用可能とする技術の1つとして、1000m~5500m程度の深海底で採鉱された鉱石を海上に引き上げる揚鉱技術の開発が行われている。たとえば、パルプリフトと呼ばれる粘度を調整した泥水を用いて海底から海上までの鉛直方向の揚鉱を行う技術が提案されている。
【0003】
特許文献1は、掘削機上の海中原料調製回路であって、鉱石スラリーを処理して、海水と所望のサイズ範囲内の固体粒子とから本質的になる調製済み鉱石スラリーを生産するように適合された海中原料調製回路を含む海底鉱物形態回収システムを開示し、この実施形態は、回転する篩と振動する篩を有する原料調製回路、堆積物の塊を破砕するように適合された水噴射器、堆積物の塊を破砕するように適合された破砕器、磁気分離器を有する原料調製回路を含み、また、調整済み鉱石溶液が浸出タンクから次の浸出タンクへと移動できるように先頭浸出タンクから最終浸出タンクまで配列している一続きの浸出タンクとこの一続きの浸出タンクの中にある撹拌器とを含む(段落[0017])。
【0004】
特許文献2は、水底で採掘される礫を水とともに移送するために必要な処理を水中で行う処理部と、該処理部に接続されて礫を水とともに移送する移送管路と、を備える移送用機器に用いられる水中用礫管理装置であって、前記処理部での礫の量を水中で測定する測定器と、該測定器で測定された礫の量の情報を取得する管理部と、を有し、前記管理部は、取得された礫の量の情報に基づいて、前記処理部での礫の状況を把握する処理を実行する水中用礫管理装置を開示し(請求項1)、本実施形態のストックパイルユニットは、水中での移送用機器として、鉱石の礫を整粒しつつ移送する整粒移送装置であり、ホッパに一次貯留している鉱石の礫を所定サイズに整粒するとともに、海水と混合された所定濃度のスラリーにして揚鉱管の一次側管路から揚鉱ポンプに向けて送り出し、揚鉱ポンプは、ストックパイルユニットから受けた所定のスラリー濃度に調整されたスラリーを受け、その所定濃度のスラリーを揚鉱管の二次側管路から揚鉱母船に移送する(段落[0017])。
【0005】
特許文献3は、使用時に海底に配置される海底貯鉱装置であって、スラリー移送パイプの取り付けのための、かつ海底ツールからスラリーを受け取るためのスラリー入口と、貯鉱容積を有する空洞を略画定する複数の壁であって、前記スラリー中の水が前記装置から外に出るのを許容する一方で、前記装置内の前記スラリーに含まれる海底物質を取り込んで収容するように構成された壁とを備える装置を開示し(請求項1)、海底物質を取り込むのに望ましいスラリー流量が、例えばライザーおよびリフトシステムによりスラリーを水上船舶にまで引き上げるのに望ましいスラリー流量とは大きく異なる可能性のあることを認識しており、したがって、海底貯鉱装置を用いてこれらの流量の分断を行う。よって、それぞれの流量を別々に最適化することができる。例えば、水上船舶へのスラリー流量が約12%の平均鉱石濃度でおよそ1,000m3/時である一方で、海底貯鉱装置内へのスラリー流量は、約3%の鉱石濃度で例えば約3,000m

/時とすることができる(段落[0015])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2018-532918号公報
特開2020-45643号公報
特表2014-522923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
粘度を調整した泥水(パルプリフト流体)により海底から海上までの鉛直方向の揚鉱を行う際に、鉱石の大きさが一様であれば、パルプリフト流体の条件(密度、粘度、管内流速)を鉱石の大きさに対応して一様に設定すれば、確実に揚鉱が可能である。しかし、実際の採鉱では発生する鉱石の大きさにはバラツキがあり、パルプリフト流体の条件を一様に設定しても径の大きい石は鉛直管内で沈降速度が大きいため、揚鉱するためにはより大きな管内流速が必要になる。また、流体の粘度を上げて径の大きな鉱石も含めて確実な揚鉱を行おうとしても、海底面から海上までの長距離輸送時の管内摩擦の増大の影響が大きくなり、ポンプの吐出能力に限界があるため実現は困難である。
【0008】
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、大粒径の鉱石を揚鉱するために高粘度のパルプリフト流体を一律に送る場合よりもポンプの負担が小さくて済むパルプリフトによる揚鉱方法およびこの揚鉱方法に使用される揚鉱管を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための第1のパルプリフトによる揚鉱方法は、海底から鉱石を鉛直方向に揚鉱管内でパルプリフト流体により海上まで運搬する揚鉱方法であって、
鉱石と粘土とを含む海底地盤において運搬可能なサイズに破砕された鉱石を粘土とともに解泥・集鉱機に集積するステップと、前記解泥・集鉱機において前記粘土に海水を加えて解泥することで泥水を作製するステップと、ポンプにより前記鉱石と前記泥水とを前記解泥・集鉱機から前記揚鉱管内に送り海上の船上へ運搬するステップと、を含み、
前記泥水からなるパルプリフト流体の粘性に関し高粘性部と低粘性部とを交互に発生させ、前記鉱石の大きさにバラツキがある場合、前記揚鉱管内において、比較的小さい鉱石は沈降速度が小であり前記低粘性部または前記高粘性部で揚鉱され、比較的大きい鉱石は沈降速度が大であり前記高粘性部で揚鉱されるようにしたものである。
【0010】
第1のパルプリフトによる揚鉱方法によれば、泥水からなるパルプリフト流体に高粘性部と低粘性部とを交互に繰り返し発生させ、揚鉱管内において、パルプリフト流体の管内密度を一様にするのでなく、管内のパルプリフト流体に粘度の変化を持たせることで、鉱石の大きさにバラツキがある場合、小さい鉱石(沈降速度小)は粘度の低い低粘性部または粘度の高い高粘性部で揚鉱され、大きい鉱石(沈降速度大)は粘度の高い高粘性部で揚鉱される。このため、揚鉱管内に入ってきた鉱石は、鉱石の沈降速度とパルプリフト流体の粘度とが対応するところでトラップされて揚鉱される。パルプリフト流体を上方に送る際に低粘性部と高粘性部とを交互に送るので、大粒径の鉱石を揚鉱するために高粘性流体を一律に送るケースと比較してポンプの負担が小さくて済む。換言すると、ポンプの吐出能力が同一であれば、本揚鉱方法により、より大粒径の鉱石の揚鉱が可能である。また、大粒径の鉱石が高粘性部に集積されるため大粒径の鉱石を効率よく揚鉱できる。
(【0011】以降は省略されています)

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