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公開番号2024119539
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-03
出願番号2023026520
出願日2023-02-22
発明の名称ロータ鉄芯構造、磁性板、磁性板セット、回転電機、およびレゾルバ
出願人多摩川精機株式会社
代理人個人
主分類H02K 1/24 20060101AFI20240827BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】レゾルバその他の回転電機において、スキュー構造を有する積層鉄芯であってもプラスチックキャップを使用可能であり、塗装処理の不要化に資する技術を提供すること。
【解決手段】ロータ鉄芯構造は、軸方向に対して角度を有する構造であるスキュー構造1を有する回転電機のロータ鉄芯構造であって、スキュー構造は、鉄芯を構成するティース2の外周部3に形成され、ティースの巻線部4は軸方向に方向を合わせた垂直形態5に形成されている構成とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
軸方向に対して角度を有する構造であるスキュー構造を有する回転電機のロータ鉄芯構造であって、
前記スキュー構造は、鉄芯を構成するティースの外周部に形成され、
該ティースの巻線部は軸方向に方向を合わせた垂直形態に形成されている
ことを特徴とする、ロータ鉄芯構造。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記鉄芯は
、鉄芯構成用の磁性板を複数枚積層すること
により形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のロータ鉄芯構造。
【請求項3】
前記
磁性板
は、円環状の基部上に外方に突設された複数の
ティース部
からなり、

ティース部
は該基部から突出していて前記巻線部を形成する脚部と、該脚部の外方端にこれに略直交して形成されていて前記外周部を形成する端部とからなり、
該端部はその長手方向にずれをもって該脚部に設けられており、
該ずれGの大きさは、該脚部の幅をW、該端部の長さをLとしたときに、
0 ≦ G < W+L
の範囲内である
ことを特徴とする、請求項2に記載のロータ鉄芯構造。
【請求項4】
請求項2に記載のロータ鉄芯構造を形成するための
磁性板
であって、
円環状の基部上に外方に突設された複数の
ティース部
からなり、

ティース部
は該基部から突出している脚部と、該脚部の外方端にこれに略直交して形成されている端部とからなり、
該端部はその長手方向にずれをもって該脚部に設けられており、
該ずれGの大きさは、該脚部の幅をW、該端部の長さをLとしたときに、
0 ≦ G < W+L
の範囲内であることを特徴とする、
磁性板。
【請求項5】
請求項2に記載のロータ鉄芯構造を形成するための複数の
磁性板
からなる
磁性板
セットであって、各
磁性板
は、
円環状の基部上に外方に突設された複数の
ティース部
からなり、

ティース部
は該基部から突出している脚部と、該脚部の外方端にこれに略直交して形成されている端部とからなり、
該端部はその長手方向にずれをもって該脚部に設けられており、
該ずれGの大きさは、該脚部の幅をW、該端部の長さをLとしたときに、
0 ≦ G < W+L
の範囲内であることを特徴とする、
磁性板
セット。
【請求項6】
前記ずれGの大きさが全て異なる複数の
磁性板
からなることを特徴とする、請求項5に記載の
磁性板
セット。
【請求項7】
前記ずれGの大きさにより等差数列を形成できる複数の
磁性板
からなることを特徴とする、請求項5に記載の
磁性板
セット。
【請求項8】
前記等差数列の公差dは、ティース数をt、
磁性板
枚数をnとすると、
d = 360/(t*n)
により角度(°)として規定されることを特徴とする、請求項7に記載の
磁性板
セット。
【請求項9】
請求項1、2、3のいずれかに記載のロータ鉄芯構造を有することを特徴とする、回転電機。
【請求項10】
請求項1、2、3のいずれかに記載のロータ鉄芯構造を有することを特徴とする、レゾルバ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はロータ鉄芯構造、磁性板、磁性板セット、回転電機、およびレゾルバに係り、特に、モ-タの回転検出・回転制御に用いられるレゾルバなど回転電機におけるロータ鉄芯構造、製造技術に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
図8は、従来のレゾルバにおいてスキュー構造を有するロータ積層鉄芯を形成するための磁性板の構成例を示す説明図である。図示するように磁性板86は、円環状の基部87上に複数のティース部88が外方に突設されてなる。ティース部88は、基部87から突出していて巻線が施される脚部88Fと、脚部88Fに略直交する端部88Tとからなる。従来のロータ積層鉄芯は、かかる磁性板86が複数枚積層されて構成される。なお磁性板86としては、電磁鋼板を好適に用いることができる。
【0003】
図9は、図8に示した磁性板を用いて形成されたスキュー構造を有するロータ積層鉄芯の構成を示す説明図である。図示するように従来のレゾルバにおけるロータ積層鉄芯820では、性能向上のため、図8に示した同一仕様の各磁性板86を一枚一枚等角度でずらして階段状に積層して斜溝構造とする、すなわちスキュー構造81を形成する方式が採用されている。同一仕様の各磁性板86の積層によるため、図9に示す通り、鉄芯820の外周部83のみならず巻線部84すなわちスロット内部の構造も、当然ながらスキュー構造85となる。したがって、絶縁目的のプラスチックキャップは適用できないため、塗装処理による絶縁がなされている。
【0004】
なお、図10は、スキュー構造ではない場合のロータ積層鉄芯におけるプラスチックキャップによる絶縁方法の説明図、また図11は図10に示す絶縁方法により形成されたロータを示す説明図である。これらに示すように、磁性板96の積層により形成されるロータ鉄芯構造920が外周部93にスキュー構造を有せず、ティース部98の脚部98Fが積層されてなる巻線部94が軸方向に合わせたまっすぐな形状であれば、プラスチックキャップ99u、99dをそれぞれ上下から被せることによって、絶縁処理とすることができる。
【0005】
レゾルバのスキュー構造については従来、特許出願等もなされている。たとえば後掲特許文献1には、スキュ-効果が高く、かつ組み立て容易なスキュ-方法として、レゾルバの磁性板において、複数のキ-溝が下式の角度θの間隔で各磁極に対応して設けられ、各磁性板を積層する際にキ-溝をずらしながら積み重ねることで所定のスキュ-角度Sを得るように構成するという技術が開示されている。
θ=(360°/K)±(S/K)
S=P/N
(K:キ-溝数、S:スキュ-角度、P:磁極ピッチ、N:歪みの原因となる高調波次数に対応して設定される整数)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平5-312590号公報「磁気レゾルバ-のスキュ-方法」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
さて、図8、9により説明した通り、従来は、磁性板の積層によるロータ鉄芯構造において性能向上のためのスキュー構造を備える構成とする場合、スロット内部までもがスキュー構造となってしまうため、絶縁目的のプラスチックキャップを適用することができず、手間がかかりコストの高い絶縁コーティング塗装処理を選択せざるを得ない。スキュー構造を有する積層鉄芯であってもプラスチックキャップを使用可能であり、塗装処理の不要化に資する技術が求められている。これは、レゾルバのみならず広く回転電機全般にも敷衍されることである。
【0008】
そこで本発明が解決しようとする課題は、かかる従来技術の問題点を踏まえ、レゾルバその他の回転電機において、スキュー構造を有する積層鉄芯であってもプラスチックキャップを使用可能であり、塗装処理の不要化に資する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明者は上記課題について検討した結果、ロータ鉄芯構造に関して、外周面にはスキュー構造を確保しつつスロット内部にはストレートな構造を構築するための磁性板の構成方式に想到した。つまり、下から積み上げる磁性板ごとにティース部の端部=外周部は任意の角度でずれてスキュー構造を形成するが、スロット内部の方は、絶縁用のキャップを適用可能なようにストレートな形態が保持される、というものである。そして、これに基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
【0010】
〔1〕 軸方向に対して角度を有する構造であるスキュー構造を有する回転電機のロータ鉄芯構造であって、
前記スキュー構造は、鉄芯を構成するティースの外周部に形成され、
該ティースの巻線部は軸方向に方向を合わせた垂直形態に形成されている
ことを特徴とする、ロータ鉄芯構造。
〔2〕 前記鉄芯は、鉄芯構成用の磁性板を複数枚積層することにより形成されていることを特徴とする、〔1〕に記載のロータ鉄芯構造。
〔3〕 前記磁性板は、円環状の基部上に外方に突設された複数のティース部からなり、
該ティース部は該基部から突出していて前記巻線部を形成する脚部と、該脚部の外方端にこれに略直交して形成されていて前記外周部を形成する端部とからなり、
該端部はその長手方向にずれをもって該脚部に設けられており、
該ずれGの大きさは、該脚部の幅をW、該端部の長さをLとしたときに、
0 ≦ G < W+L
の範囲内である
ことを特徴とする、〔2〕に記載のロータ鉄芯構造。
(【0011】以降は省略されています)

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