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公開番号2024118225
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-30
出願番号2023024546
出願日2023-02-20
発明の名称距離推定装置、距離推定方法及びプログラム
出願人日本電信電話株式会社,国立大学法人大阪大学
代理人弁理士法人ITOH,個人,個人,個人
主分類G01S 5/14 20060101AFI20240823BHJP(測定;試験)
要約【課題】Line graph等のグラフに対して単純にグラフ畳み込みを行っても、畳み込み演算の際に、どのRTT距離がどのアクセスポイントと通信端末間との距離に対応するのかの対応情報が保存されないため、正確に2つの通信端末間の距離の推定ができない。本開示は、Wi-Fiのアクセスポイントとの無線通信を行う2つの通信端末間の距離を、より正確に推定することを目的とする。
【解決手段】本開示では、RTTから得られたアクセスポイント群と2つの通信端末の距離情報から、2つの通信端末間の距離の情報を反映した情報を得ることができると期待される複数のグラフを構築し、これらに対してグラフニューラルネットワークを適用して2つの通信端末間の距離推定を行う。このとき、各グラフに対してグラフ畳み込みを行う際に、畳み込み層同士で情報交換を行うことにより、効果的に互いのグラフから得られる情報を相互利用する。
【選択図】図9
特許請求の範囲【請求項1】
推定フェーズにおいて、Wi-Fiのアクセスポイントとの無線通信を行う第1の通信端末と第2の通信端末との間の距離を推定する距離推定装置であって、
前記アクセスポイントと第1の通信端末におけるラウンドトリップタイムに関する第1のRTT関連情報、及び前記アクセスポイントと第2の通信端末におけるラウンドトリップタイムに関する第1のRTT関連情報に基づいて、複数種類のグラフを作成するグラフ作成部と、
前記複数種類のグラフを入力して、前記距離を示す端末間距離情報を出力する学習済み機械学習モデルを用い、前記複数種類のグラフから前記距離を推定する推定部と、
前記推定された結果を示す前記端末間距離情報を出力する出力部と、
を有する距離推定装置。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
前記学習済み機械学習モデルはグラフ畳み込みニューラルネットワークである、請求項1に記載の距離推定装置。
【請求項3】
前記学習済み機械学習モデルは、
前記複数種類のグラフのそれぞれのグラフ畳み込み処理を行うことで各グラフに関する特徴ベクトルを抽出する複数のグラフ畳み込み層と、
前記複数種類のグラフのうち、他のグラフに関する特徴ベクトルと自身のグラフに関する特徴ベクトルを連結して、新たな自身の特徴ベクトルに変換する特徴量変換部と、
前記複数種類のグラフに関する変換後の新たな各特徴ベクトルに基づいて、前記端末間距離情報を出力する全結合層と、
を有する、請求項2に記載の距離推定装置。
【請求項4】
前記複数種類のグラフは、Device Location Graph、Observation Comparison Graph、Obstacle Detection Graph、及びPositional Embedding Graphのうち少なくとも2つである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の距離推定装置。
【請求項5】
推定フェーズにおいて、Wi-Fiのアクセスポイントとの無線通信を行う第1の通信端末と第2の通信端末との間の距離を推定する距離推定装置が実行する距離推定方法であって、
前記距離推定装置は、
前記アクセスポイントと第1の通信端末におけるラウンドトリップタイムに関する第1のRTT関連情報、及び前記アクセスポイントと第2の通信端末におけるラウンドトリップタイムに関する第1のRTT関連情報に基づいて、複数種類のグラフを作成するグラフ作成処理と、
前記複数種類のグラフを入力して、前記距離を示す端末間距離情報を出力する学習済み機械学習モデルを用い、前記複数種類のグラフから前記距離を推定する推定処理と、
前記推定された結果を示す前記端末間距離情報を出力する出力処理と、
を実行する距離推定方法。
【請求項6】
コンピュータに、請求項5に記載の方法を実行させるプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、Wi-Fiのアクセスポイントとの無線通信を行う2つの通信端末間の距離を推定する技術に関する
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、無線ネットワークアクセスを提供するWi-Fiのアクセスポイントは、一般家庭、病院、駅等に広く普及しており、それに伴ってWi-Fiの電波情報を用いた屋内位置情報サービスに関する基礎的研究が数多く行われている。例えば、ある環境内に設置されたWi-Fiのアクセスポイントからの受信電波強度を用いて位置を推定する方法が数多く研究されている。
【0003】
位置情報の他にも、Wi-Fiの情報から提供可能なコンテキスト情報に関して多くの検討が行われており、本開示では、観測されたWi-Fiの電波情報を用いて、2つのモバイル端末間の物理的な距離を推定する手法に注目する。例えば、あるスマートフォンによって地点Aで信号強度ベクトルw
i
が観測されたとし、別のスマートフォンによって地点Bで信号強度ベクトルw
j
が観測されたとする。このとき、w
i
とw
j
を用いて地点Aと地点Bの間の物理的な距離を推定する。このような距離推定手法の応用には、コミュニティ(集団)の分析、目的地までの距離推定、店舗までの距離を用いた広告配信などが考えられる。
【0004】
Wi-Fiの信号強度を用いた距離推定の既存研究として、非特許文献1に開示の手法がある。ここで、非特許文献1の概要について説明する。
【0005】
非特許文献1では、主に2つの信号強度ベクトルw
i
と信号強度ベクトルw
j
から様々な距離指標(ユークリッド距離等)を計算し、それを2つの通信端末間の距離を推定するニューラルネットワークへの入力として用いていた。これは、wiとwjの距離が近ければ近いほど、それらが観測された2地点の物理的距離も近いだろうという考えに基づく。そのため、信号強度から推察されるアクセスポイント群と2つの通信端末の地理的関係性を距離推定に取り込めていなかった。また、非特許文献1の手法の特徴として、アクセスポイントと通信端末の間の障害物の存在を考慮している点にある。アクセスポイントからの電波信号は、通信端末との間に存在する障害物によって減衰するため、減衰を考慮しなければ、アクセスポイントと通信端末の正しい位置関係は得られない。非特許文献1の手法では、2.4GHzと5GHzの2種類の周波数帯を提供するアクセスポイントに着目し、それらの障害物に対する透過性の違いを用いて、アクセスポイントと通信端末間に障害物があるかどうかを推定するニューラルネットワークを構築していた。そして、そのニューラルネットワークの出力を、距離を推定するニューラルネットワークの入力としていた。すなわち、障害物を検出するニューラルネットワークと距離を推定するニューラルネットワークが分離しており、end-to-endで距離の推定が行えなかった。よって、非特許文献1の手法では、ニューラルネットワークによる深層学習を用いているにも関わらず、研究者が手で設計した特徴量に主に依存しており、アクセスポイントと端末の位置関係を、距離の推定に十分に活かせていなかった。
【0006】
一方、近年のWi-Fi技術の進展により、IEEE 802.11mcではアクセスポイントとスマートフォンなどのモバイルデバイスとの物理的距離をTOA(Time of Arrival)により計測する、Wi-Fi RTT(Round trip time:ラウンドトリップタイム)が導入された。RTTにより距離測位は、信号強度により計測するRSSI(Received Signal Strength Indicator)を用いたものに比べて正確であり、複数のアクセスポイントの位置が既知であれば、三辺測量などを用いてスマートフォンの位置を推定するために利用できる。非特許文献2では、RTTによって推定された距離、及び、アクセスポイント群と2つの端末からなるグラフを用いたグラフニューラルネットワークを用いた距離推定を行うことが開示されている。ここで、図13及び図14を用いて、非特許文献2の概要について説明する。
【0007】
非特許文献2に開示の手法では、RTTとグラフニューラルネットワークを用いた2つの通信端末間の距離を推定している。図13に示すようなアクセスポイント(AP)41~44と、通信端末(例えばスマートフォンSM)21,22をノードとするグラフを構築し、エッジの重みはRTTにより推定された距離としている。その後、このグラフを、図14に示すように、エッジをノードにノードをエッジに置き換えたグラフとして、Line graphに変換し、グラフニューラルネットワークによりグラフ畳み込みを行っている。一般的なグラフニューラルネットワークでは、特徴抽出の際にノードに格納された特徴に主に着目しているため、エッジに格納された特徴(重み)に着目した特徴抽出を行うために、エッジをノードに置き換えるLine graphに変換している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
Tomoya Nakatani, Takuya Maekawa, Masumi Shirakawa, and Takahiro Hara: Estimating The Physical Distance Between Two Locations With Wi-Fi Received Signal Strength Information Using Obstacle-aware Approach, Proceedings of the ACM on Interactive, Mobile, Wearable and Ubiquitous Technologies (IMWUT), Vol. 2, Issue 3, No. 130 (Sept. 2018).
Yuqiao Wang, Takuya Maekawa: Preliminary Investigation of Distance Estimation between Devices via Wi-Fi Round Trip Time, 情報処理学会 第76回ユビキタスコンピューティングシステム研究会.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述のようなLine graph等のグラフに対して単純にグラフ畳み込みを行っても、畳み込み演算の際に、どのRTT距離がどのアクセスポイントと通信端末間との距離に対応するのかの対応情報が保存されないため、正確に2つの通信端末間の距離の推定(予測)ができないという課題があった。
【0010】
本開示は、上述の事情に鑑みてなされたもので、Wi-Fiのアクセスポイントとの無線通信を行う2つの通信端末間の距離を、より正確に推定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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