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公開番号
2024108975
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-13
出願番号
2023013673
出願日
2023-01-31
発明の名称
吸着材及び処理方法
出願人
株式会社ナノジャパン
,
学校法人立命館
代理人
主分類
B01J
20/28 20060101AFI20240805BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】優れた吸着機能を備えた吸着材及び前記吸着材を用いた処理方法を提供する。
【解決手段】標的物質を吸着する機能を有する吸着材であって、側壁に細孔からなる多孔質構造が形成されている管状微粒子の一部及び/又は全部を主成分として含んでおり、前記細孔が略円柱状又は六角形以上の略多角柱状であり、前記細孔が貫通孔である吸着材を用いて標的物質を含む液体又は気体を処理する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
標的物質を吸着する機能を有する吸着材であって、側壁に細孔からなる多孔質構造が形成されている管状微粒子の一部及び/又は全部を主成分として含むことを特徴とする吸着材。
続きを表示(約 460 文字)
【請求項2】
前記細孔が略円柱状又は六角形以上の多角形からなる略多角柱状である請求項1記載の吸着材。
【請求項3】
前記細孔が略円柱状である請求項1記載の吸着材。
【請求項4】
前記細孔が貫通孔である請求項1記載の吸着材。
【請求項5】
前記管状微粒子の平均内径が、5~20μmの範囲内にある請求項1記載の吸着材。
【請求項6】
前記管状微粒子の管の開口形状が略円状である請求項1記載の吸着材。
【請求項7】
前記細孔の平均孔径が、0.5~2μmの範囲内にある請求項1記載の吸着材。
【請求項8】
前記細孔の深さと管の長さの比が、1:10~1:1000の範囲内である請求項1記載の吸着材。
【請求項9】
平均粒径が10μm~100μmである請求項1記載の吸着材。
【請求項10】
前記管状微粒子が酸化物を主成分として含む請求項1記載の吸着材。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸着材及び前記吸着材を用いて標的物質を処理する処理方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
吸着材は、液体や気体に含まれる標的物質を吸着して液体や気体からそれら標的物質を除去することができるので、従来、これら適用について多くの改良がなされ、種々検討されている。
近年においては、電池の電解液が飛び散って、発生するフッ酸の除去及びその抑制のために、吸着材としてCaでイオン交換されたA型のゼオライト等が用いられている(特許文献1)。しかしながら、このような吸着材では、標的物質を蓄積することができず、一時的な吸着だけで時間が経てば、また、放出されるといった問題があった。
【0003】
特許文献2には、β-オキシ水酸化鉄を主成分とし平均結晶子径が10nm以下である粒子を多孔質の支持体に担持してなる、BET比表面積が50m2/g以上の吸着材が記載されている。しかしながら、これら吸着材はβ-オキシ水酸化鉄の吸着機能を利用したものであり、それを多孔質体に担持させることでβ-オキシ水酸化鉄の表面積を大きくしなければ十分な吸着能を発揮できず、また、製造工程が煩雑であり、コストがかかるといった問題があった。また、吸着材担持体の支持体に多孔質高分子材料が用いられており、脱炭素社会を目指すうえで、環境に優しくないため活用しづらいといった問題もあった。
【0004】
特許文献3には、水質浄化材として火山灰土と陰イオン吸着能を有する高機能炭がカルシウムやアンモニアガスで処理された吸着材が用いられている。しかしながら、特許文献3記載の吸着材も特許文献2記載の吸着材と同様、酸と反応して塩を形成する物質を炭などの多孔質体に担持させているに過ぎず、表面積を大きくしなければ十分な吸着能を発揮することができなかった。また、これら吸着材は、火山灰土を併用しなければ、十分標的物質を吸着できないといった問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第7073643号公報
特許第6835319号公報
特開2021-079363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、優れた吸着機能を備えた吸着材及び前記吸着材を用いた処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、標的物質を吸着する機能を有する吸着材であって、側壁に細孔からなる多孔質構造が形成されている管状微粒子の一部及び/又は全部を主成分として含む吸着材が、優れた吸着機能を備えていること等を知見し、このような吸着材が、上記した従来の問題を一挙に解決できるものであることを見出した。
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1] 標的物質を吸着する機能を有する吸着材であって、側壁に細孔からなる多孔質構造が形成されている管状微粒子の一部及び/又は全部を主成分として含むことを特徴とする吸着材。
[2] 前記細孔が略円柱状又は六角形以上の多角形からなる略多角柱状である前記[1]記載の吸着材。
[3] 前記細孔が略円柱状である前記[1]~[2]のいずれかに記載の吸着材。
[4] 前記細孔が貫通孔である前記[1]~[3]のいずれかに記載の吸着材。
[5] 前記管状微粒子の平均内径が、5~20μmの範囲内にある前記[1]~[4]のいずれかに記載の吸着材。
[6] 前記管状微粒子の管の開口形状が略円状である前記[1]~[5]のいずれかに記載の吸着材。
[7] 前記細孔の平均孔径が、0.5~2μmの範囲内にある前記[1]~[6]のいずれかに記載の吸着材。
[8] 前記細孔の深さと管の長さの比が、1:10~1:1000の範囲内である前記[1]~[7]のいずれかに記載の吸着材。
[9] 平均粒径が10μm~100μmである前記[1]~[8]のいずれかに記載の吸着材。
[10] 前記管状微粒子が酸化物を主成分として含む前記[1]~[9]のいずれかに記載の吸着材。
[11] 前記酸化物がSiO
2
を含む前記[10]に記載の吸着材。
[12] 前記管状微粒子が珪藻土からなる前記[1]~[11]のいずれかに記載の吸着材。
[13] 900℃以上の焼結体からなり、かつ吸水率が20%以上である前記[1]~[12]のいずれかに記載の吸着材。
[14] 前記珪藻土が淡水産珪藻からなる前記[12]又は[13]に記載の吸着材。
[15] 前記淡水産珪藻がアウラコセイラ属(Aulacoseira)の珪藻からなる前記[14]記載の吸着材。
[16] 吸着材を用いて標的物質を吸着処理する処理方法であって、前記吸着材が前記[1]~[16]のいずれかに記載の吸着材であることを特徴とする処理方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の吸着材及び前記吸着材を用いて標的物質を処理する処理方法は、優れた吸着機能を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明に用いられる吸着材の好適な実施態様の一例を模式的に示す図である。
実施例における吸着材の顕微鏡像(SEM像)を示す。
比較例における吸着材の顕微鏡像(SEM像)を示す。
本発明の処理方法の好適な実施態様の一例を模式的に示す図である。
本発明の処理方法の好適な実施態様の一例を模式的に示す図である。
本発明の吸着材を含む製品(タイル)の好適な実施態様の一例である。
本発明の吸着材を含む製品(砂利)の好適な実施態様の一例及び試験結果である。
本発明の吸着材を含む製品(タイル)の好適な実施態様の一例及び試験結果である。
本発明の吸着材を含む製品(タイル)の好適な実施態様の一例を模式的に示す図である。
本発明の緑化材を含む製品(砂利)の好適な実施態様の一例を模式的に示す図である。
実施例における吸着材の顕微鏡像(SEM像)を示す。なお、顕微鏡像は図2の緑化材の拡大顕微鏡像である。
実施例における吸着材を含む製品(タイル)の顕微鏡像(SEM像)を示す。
比較例における吸着材の顕微鏡像(SEM像)を示す。なお、顕微鏡像は図3の緑化材の拡大顕微鏡像である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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