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公開番号
2024107670
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-09
出願番号
2023011715
出願日
2023-01-30
発明の名称
蓄電池のデータ抽出装置及び蓄電池のデータ抽出方法
出願人
日新電機株式会社
,
学校法人同志社
代理人
個人
,
個人
主分類
G01R
31/396 20190101AFI20240802BHJP(測定;試験)
要約
【課題】蓄電池の劣化診断に有用なより多くのデータを抽出し得る蓄電池のデータ抽出装置及び蓄電池のデータ抽出方法を提供する。
【解決手段】蓄電池の検出値データを劣化診断に係る解析用データとして抽出するかの判定は、蓄電池の検出電流値が急変する変動区間及び前区間での変動条件を充足するかで行われる。変動区間での検出電流値の頂点以降では、蓄電池の検出電流値の変動条件が一定変動若しくは減少変動のいずれでも判定可能である。また、データ抽出区間の検出値データについては有用な解析用データとなるような選定処理(処理A~C)も行われる。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
稼動中の蓄電池の検出値データを連続的に格納する記憶部と、
前記記憶部に連続的に格納した前記検出値データの中から前記蓄電池の劣化診断に係る有用な解析用データを取得するためのデータ抽出を行うデータ抽出部と、を備えた蓄電池のデータ抽出装置であって、
前記データ抽出部は、前記蓄電池のCレート値又は電流値若しくは電力値のいずれかである検出値が急変する変動区間と前記変動区間の前区間とに分け、
前記前区間では、前記検出値の変動が第1閾値以下で第1時間以上継続する安定推移の判定と、
前記変動区間では、前記検出値の変動の頂点の設定とともに、前記検出値の前記頂点までの変動が第2時間以内に第2閾値以上変動する急変推移の判定と、前記頂点以降において、前記頂点からの前記検出値の一定変動が第3閾値以下の変動幅内で第3時間以上継続する、若しくは前記頂点からの前記検出値の減少変動が減少過程での第4閾値以下の増加変動の許容を含み第4時間以上継続する頂点後推移の判定と、を実施し、
前記各判定に基づき、前記前区間及び前記変動区間を含むデータ抽出区間を設定するものであり、
前記データ抽出部の後段には更に、前記データ抽出区間の前記検出値データを選定して前記解析用データとして出力するデータ選定部を備えている、
蓄電池のデータ抽出装置。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記データ選定部は、前記データ抽出区間における前記前区間の減少と前記検出値の前記頂点後の区間延長とを図るべく前記データ抽出区間の後側へのシフトにより前記検出値データの選定を行う、
請求項1に記載の蓄電池のデータ抽出装置。
【請求項3】
前記データ選定部は、前記データ抽出区間における最終点と前記最終点より後側にシフトした変更点とのそれぞれの過渡応答解析の解析値に基づき前記検出値データの選定を行う、
請求項1に記載の蓄電池のデータ抽出装置。
【請求項4】
前記データ選定部は、前記データ抽出区間における途中点の過渡応答解析の解析値と前記途中点以降の前記検出値の変化量とに基づき前記検出値データの選定を行う、
請求項1に記載の蓄電池のデータ抽出装置。
【請求項5】
前記データ選定部は、前記データ抽出区間における前記前区間の減少と前記検出値の前記頂点後の区間延長とを図るべく前記データ抽出区間の後側へのシフトにより前記検出値データの選定を行う第1処理と、
前記データ抽出区間における最終点と前記最終点より後側にシフトした変更点とのそれぞれの過渡応答解析の解析値に基づき前記検出値データの選定を行う第2処理と、
前記データ抽出区間における途中点の過渡応答解析の解析値と前記途中点以降の前記検出値の変化量とに基づき前記検出値データの選定を行う第3処理と、のうち少なくとも2つ以上の処理を行う、
請求項1に記載の蓄電池のデータ抽出装置。
【請求項6】
前記データ抽出部及び前記データ選定部の対象とする前記蓄電池は定置用蓄電池である、
請求項1に記載の蓄電池のデータ抽出装置。
【請求項7】
稼動中の蓄電池の検出値データを連続的に記憶部に格納し、
前記記憶部に連続的に格納した前記検出値データの中から前記蓄電池の劣化診断に係る有用な解析用データを取得するためのデータ抽出を行う、蓄電池のデータ抽出方法であって、
前記蓄電池のCレート値又は電流値若しくは電力値のいずれかである検出値が急変する変動区間と前記変動区間の前区間とに分け、
前記前区間では、前記検出値の変動が第1閾値以下で第1時間以上継続する安定推移を判定し、
前記変動区間では、前記検出値の変動の頂点の設定とともに、前記検出値の前記頂点までの変動が第2時間以内に第2閾値以上変動する急変推移を判定し、前記頂点以降において、前記頂点からの前記検出値の一定変動が第3閾値以下の変動幅内で第3時間以上継続する、若しくは前記頂点からの前記検出値の減少変動が減少過程での第4閾値以下の増加変動の許容を含み第4時間以上継続する頂点後推移を判定し、
前記各判定に基づき、前記前区間及び前記変動区間を含むデータ抽出区間を設定するものであり、
更に、前記データ抽出区間の前記検出値データを選定して前記解析用データとして出力する、
蓄電池のデータ抽出方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電池の劣化診断を行うためのデータ抽出を行う蓄電池のデータ抽出装置及び蓄電池のデータ抽出方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
再生可能エネルギーの有効利用や災害時の電力供給等を目的とした定置用蓄電池設備の導入が拡大しつつある。蓄電池は次第に劣化していくため、蓄電池の現状を把握することはシステムを健全に運用していく上で非常に重要である。そのため、蓄電池の劣化状態を診断することが行われている。
【0003】
蓄電池の劣化診断の一例としては、稼動中の蓄電池の過渡応答特性を用いる例えば特許文献1に開示されているような技術がある。開示の劣化診断技術は、蓄電池が所定の過渡応答特性を示した時の電流等の検出値データを解析用データとして抽出し、抽出した解析用データを用いて劣化診断がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-16991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記開示の劣化診断技術は、蓄電池の検出値データから劣化診断に適するデータをより多く抽出できるかが劣化診断の精度を向上させる上での検討事項の一つである。すなわち、本発明者は、蓄電池の劣化診断に有用なより多くのデータを抽出し得る手法を様々検討していた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本開示の一態様に係る蓄電池のデータ抽出装置は、稼動中の蓄電池の検出値データを連続的に格納する記憶部と、前記記憶部に連続的に格納した前記検出値データの中から前記蓄電池の劣化診断に係る有用な解析用データを取得するためのデータ抽出を行うデータ抽出部と、を備えた蓄電池のデータ抽出装置であって、前記データ抽出部は、前記蓄電池のCレート値又は電流値若しくは電力値のいずれかである検出値が急変する変動区間と前記変動区間の前区間とに分け、前記前区間では、前記検出値の変動が第1閾値以下で第1時間以上継続する安定推移の判定と、前記変動区間では、前記検出値の変動の頂点の設定とともに、前記検出値の前記頂点までの変動が第2時間以内に第2閾値以上変動する急変推移の判定と、前記頂点以降において、前記頂点からの前記検出値の一定変動が第3閾値以下の変動幅内で第3時間以上継続する、若しくは前記頂点からの前記検出値の減少変動が減少過程での第4閾値以下の増加変動の許容を含み第4時間以上継続する頂点後推移の判定と、を実施し、前記各判定に基づき、前記前区間及び前記変動区間を含むデータ抽出区間を設定するものであり、前記データ抽出部の後段には更に、前記データ抽出区間の前記検出値データを選定して前記解析用データとして出力するデータ選定部を備えている。
【0007】
上記蓄電池のデータ抽出装置によれば、蓄電池の検出値データを劣化診断に係る解析用データとして抽出するかの判定は、蓄電池の検出値が急変する変動区間及び前区間での変動条件を充足するかで行われる。変動区間での検出値の頂点以降では、蓄電池の検出値の変動条件が一定変動若しくは減少変動のいずれでも判定可能であるため、データ抽出数を多く確保することが可能である。また、データ抽出区間の検出値データの選定も行われて解析用データを得るため、より有用なデータを抽出することが可能である。
【0008】
[2]上記[1]に記載の蓄電池のデータ抽出装置において、前記データ選定部は、前記データ抽出区間における前記前区間の減少と前記検出値の前記頂点後の区間延長とを図るべく前記データ抽出区間の後側へのシフトにより前記検出値データの選定を行う。
【0009】
上記構成によれば、検出値データの選定は、データ抽出区間における前区間の減少と検出値の頂点後の区間延長としてデータ抽出区間を後側にシフトすることにより行われる。本手法を用いることで、より有用なデータの抽出が可能である(図8中、処理A参照)。
【0010】
[3]上記[1]に記載の蓄電池のデータ抽出装置において、前記データ選定部は、前記データ抽出区間における最終点と前記最終点より後側にシフトした変更点とのそれぞれの過渡応答解析の解析値に基づき前記検出値データの選定を行う。
(【0011】以降は省略されています)
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