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公開番号
2024103175
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-01
出願番号
2023007364
出願日
2023-01-20
発明の名称
状態分類方法、状態分類装置及び状態分類プログラム
出願人
セイコーエプソン株式会社
,
公立大学法人大阪
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
G01H
17/00 20060101AFI20240725BHJP(測定;試験)
要約
【課題】装置の振動の位相変化をとらえることにより装置の状態を精度よく分類することが可能な状態分類方法を提供すること。
【解決手段】振動する装置を対象として計測された振動に関する物理量の計測データを取得する工程と、回帰型ニューラルネットワークを用いたエンコーダー及びデコーダーを含み、前記装置を対象として前記計測データの将来の値を予測する深層学習を行った深層学習モデルが、前記計測データに基づいて、前記エンコーダーから前記振動の中間特徴量を出力する工程と、前記中間特徴量に基づく情報を用いて、前記装置の状態を分類する工程と、を含む、状態分類方法。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
振動する装置を対象として計測された振動に関する物理量の計測データを取得する工程と、
回帰型ニューラルネットワークを用いたエンコーダー及びデコーダーを含み、前記装置を対象として前記計測データの将来の値を予測する深層学習を行った深層学習モデルが、前記計測データに基づいて、前記エンコーダーから前記振動の中間特徴量を出力する工程と、
前記中間特徴量に基づく情報を用いて、前記装置の状態を分類する工程と、
を含む、状態分類方法。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
請求項1において、
前記回帰型ニューラルネットワークは、LSTM(Long Short Term Memory)である、状態分類方法。
【請求項3】
請求項1において、
前記深層学習は、前記中間特徴量に含まれる複数の要素の間で直交化が進むように定義された損失関数の値が小さくなる方向に行われた学習である、状態分類方法。
【請求項4】
請求項3において、
前記複数の要素の自己相関の値が大きいほど前記損失関数の値が小さくなり、前記複数の要素の相互相関の値が小さいほど前記損失関数の値が小さくなる、状態分類方法。
【請求項5】
請求項1において、
前記計測データは、複数チャンネルの計測データである、状態分類方法。
【請求項6】
請求項1において、
前記深層学習は、前記装置を対象として計測された前記物理量の第1の時系列データと、前記第1の時系列データの特定の周波数の信号成分の位相及び振幅の少なくとも一方を変更した第2の時系列データとを用いて行われた学習である、状態分類方法。
【請求項7】
請求項1において、
前記深層学習は、前記装置を対象として計測された前記物理量の第1の時系列データと、前記第1の時系列データが計測された後に状態が経時変化した前記装置を対象として計測された前記物理量の第2の時系列データとを用いて行われた学習である、状態分類方法。
【請求項8】
振動する装置を対象として計測された振動に関する物理量の計測データを取得する計測データ取得部と、
回帰型ニューラルネットワークを用いたエンコーダー及びデコーダーを含み、前記装置を対象として前記計測データの将来の値を予測する深層学習を行った深層学習モデルが、前記計測データに基づいて、前記エンコーダーから前記振動の中間特徴量を出力する中間特徴量出力部と、
前記中間特徴量に基づく情報を用いて、前記装置の状態を分類する状態分類部と、
を備える、状態分類装置。
【請求項9】
振動する装置を対象として計測された振動に関する物理量の計測データを取得する工程と、
回帰型ニューラルネットワークを用いたエンコーダー及びデコーダーを含み、前記装置を対象として前記計測データの将来の値を予測する深層学習を行った深層学習モデルが、
前記計測データに基づいて、前記エンコーダーから前記振動の中間特徴量を出力する工程と、
前記中間特徴量に基づく情報を用いて、前記装置の状態を分類する工程と、
をコンピューターに実行させる、状態分類プログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、状態分類方法、状態分類装置及び状態分類プログラムに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
工場などで使われる回転機械の故障診断は現在重要なタスクとなっている。生産ラインの一端を担っている機械など重要度が高い機械は停止させると非常に大きな損失が発生する。故障が診断されてから早急に停止させることが難しいため、より早期に故障を発見し、故障モードを診断することが重要である。回転機械の故障にはベアリング傷、アンバランス、ミスアライメントなどの多くのモードがある。これらほとんどの故障モードの影響が振動に現れることから、診断には振動データがよく利用されている。
【0003】
近年、深層学習を用いた振動による故障診断に関する研究が行われている。深層学習により、特徴量エンジニアリングのための機械の専門知識の必要性が減った。また、複数の軸振動が関わるような複雑な振動特徴をより正確に捉えることが可能になった。現在CNNベースの手法が多くの異常診断データセットで優秀な成果を上げている。振動データのような時系列データをCNNで扱うためには、振動を画像情報に変換する必要があり、多くの手法では前処理で振動データをスペクトログラムに変換している。スペクトログラムとは各時間におけるそれぞれの周波数成分の強度を色情報で表したものである。例えば、非特許文献1の手法では、短時間フーリエ変換によって、振動時系列データをスペクトログラムに変換してCNNで処理しており、クラスタリングを伴ったGANを利用しており、生成ベースで教師なし学習を行いつつ故障クラスをクラスタリングしている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Tao, Hongfeng, et al. "An unsupervised fault diagnosis method for rolling bearing using STFT and generative neural networks." Journal of the Franklin Institute 357.11 (2020): 7286-7307.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1の手法では、スペクトログラムをCNNで扱うことによって、振動のそれぞれの周波数成分の強度変化をとらえることができる。しかしながら、スペクトログラムを入力としたCNNベース手法では振動の位相変化をとらえることはできない。なぜなら、スペクトログラムには振幅強度のみが反映されており、位相情報は変換の際に消去されてしまうからである。機械の故障が振動強度の変化として顕在化するまえに位相の変化として現れると考えられるため、これらのCNNベース手法では故障初期の変化をとらえることができない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る状態分類方法の一態様は、
振動する装置を対象として計測された振動に関する物理量の計測データを取得する工程と、
回帰型ニューラルネットワークを用いたエンコーダー及びデコーダーを含み、前記装置を対象として前記計測データの将来の値を予測する深層学習を行った深層学習モデルが、前記計測データに基づいて、前記エンコーダーから前記振動の中間特徴量を出力する工程と、
前記中間特徴量に基づく情報を用いて、前記装置の状態を分類する工程と、
を含む。
【0007】
本発明に係る状態分類装置の一態様は、
振動する装置を対象として計測された振動に関する物理量の計測データを取得する計測データ取得部と、
回帰型ニューラルネットワークを用いたエンコーダー及びデコーダーを含み、前記装置を対象として前記計測データの将来の値を予測する深層学習を行った深層学習モデルが、前記計測データに基づいて、前記エンコーダーから前記振動の中間特徴量を出力する中間特徴量出力部と、
前記中間特徴量に基づく情報を用いて、前記装置の状態を分類する状態分類部と、
を備える。
【0008】
本発明に係る状態分類プログラムの一態様は、
振動する装置を対象として計測された振動に関する物理量の計測データを取得する工程と、
回帰型ニューラルネットワークを用いたエンコーダー及びデコーダーを含み、前記装置を対象として前記計測データの将来の値を予測する深層学習を行った深層学習モデルが、前記計測データに基づいて、前記エンコーダーから前記振動の中間特徴量を出力する工程と、
前記中間特徴量に基づく情報を用いて、前記装置の状態を分類する工程と、
をコンピューターに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
減衰のある場合の1自由度系の強制振動モデルを示す図。
本実施形態の状態分類方法の手順を示すフローチャート図。
真空ポンプの構成を示す概略斜視図。
本実施形態の状態分類方法を実行する状態分類装置の構成例を示す図。
深層学習モデルの構成例を示す図。
エンコーダー及びデコーダーの構成例を示す図。
LSTMセルの構成例を示す図。
直交化の対象となるベクトルを示す図。
ローターキットにおける各クラスのワッシャーの付与とそのラベル名を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
(【0011】以降は省略されています)
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