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公開番号
2024093820
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-09
出願番号
2022210404
出願日
2022-12-27
発明の名称
抗菌ペプチドおよびその製造方法
出願人
住友化学株式会社
代理人
弁理士法人深見特許事務所
主分類
C12N
15/31 20060101AFI20240702BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】中性域からアルカリ性域における安定性に優れ、かつ熱安定性に優れる、抗菌活性を有するポリペプチドおよびその製造方法を提供すること。
【解決手段】特定のアミノ酸配列を含む、抗菌活性を有するポリペプチドを提供する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
配列番号1~配列番号6のいずれかのアミノ酸配列に対して、85%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、または、
配列番号1~配列番号6のいずれかのアミノ酸配列に対して、1もしくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列、
を含む、抗菌活性を有するポリペプチド。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の抗菌活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列を含む核酸。
【請求項3】
配列番号7~配列番号12のいずれかの塩基配列を含む、請求項2に記載の核酸。
【請求項4】
請求項2に記載の核酸を含むベクター。
【請求項5】
請求項2または請求項3に記載の核酸を含むin-vitro用翻訳鋳型分子。
【請求項6】
RNAである、請求項5に記載のin-vitro用翻訳鋳型分子。
【請求項7】
請求項2もしくは請求項3に記載の核酸、または請求項4に記載のベクターを含む形質転換体。
【請求項8】
抗菌活性を有するポリペプチドの製造方法であって、
(A)化学合成法によって請求項1に記載の抗菌活性を有するポリペプチドを合成する工程、
(B)請求項5に記載のin-vitro用翻訳鋳型分子から前記抗菌活性を有するポリペプチドを翻訳する工程、
(C)請求項7に記載の形質転換体を培養する工程、または
(D)受託番号NITE BP-03198、NITE BP-03200およびNITE BP-03201からなる群より選ばれる少なくとも1種の乳酸菌を培養する工程、
を含む、抗菌活性を有するポリペプチドの製造方法。
【請求項9】
第1ポリペプチドおよび第2ポリペプチドの組み合わせ、または、第3ポリペプチドおよび第4ポリペプチドの組み合わせを含む、抗菌活性を有するポリペプチドの組み合わせであって、
前記第1ポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列に対して、85%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、または、配列番号3のアミノ酸配列に対して、1もしくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列を含み、
前記第2ポリペプチドは、配列番号4のアミノ酸配列に対して、85%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、または、配列番号4のアミノ酸配列に対して、1もしくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列を含み、
前記第3ポリペプチドは、配列番号13のアミノ酸配列に対して、85%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、または、配列番号13のアミノ酸配列に対して、1もしくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列を含み、
前記第4ポリペプチドは、配列番号14のアミノ酸配列に対して、85%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、または、配列番号14のアミノ酸配列に対して、1もしくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列を含む、抗菌活性を有するポリペプチドの組み合わせ。
【請求項10】
請求項9に記載の抗菌活性を有するポリペプチドの組み合わせそれぞれをコードする塩基配列を含む核酸の組み合わせであって、
前記核酸の組み合わせは、第1核酸および第2核酸の組み合わせ、または、第3核酸および第4核酸の組み合わせを含み、
前記第1核酸は、前記第1ポリペプチドをコードする塩基配列を含み、
前記第2核酸は、前記第2ポリペプチドをコードする塩基配列を含み、
前記第3核酸は、前記第3ポリペプチドをコードする塩基配列を含み、
前記第4核酸は、前記第4ポリペプチドをコードする塩基配列を含む、核酸の組み合わせ。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌ペプチドおよびその製造方法に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)
【背景技術】
【0002】
抗菌ペプチドは、細菌(例えば、乳酸菌等)、動物(例えば、昆虫、哺乳類等)、および植物に至るまで、多種な生物が産生することができ、生体防御に重要な役割を果たす。抗菌ペプチドは、抗生物質と比べて即効性が高いこと、および消化酵素等によってアミノ酸に分解され環境中に残留しないことから、耐性菌が生じにくいと考えられている。抗菌ペプチドは、今日深刻な社会問題となっている薬剤耐性菌への対抗手段として期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
米国特許第4584199号明細書
米国特許第3295989号明細書
国際公開第89/12399号
国際公開第2004/029082号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
乳酸菌(Lactococcus lactis ATCC-11454株)が産生する抗菌ペプチドとして、ナイシンAが知られている。ナイシンAは、耐熱性芽胞菌を含む多くのグラム陽性菌に対して高い抗菌活性を示し、酸に対して安定で、腸管内の消化酵素でアミノ酸に分解される。そのため、ナイシンAは、50か国以上で食品保存料として実用されている。しかしながら、ナイシンAは中性域からアルカリ性域では不安定であり、中性域での熱安定性も低い。そのため、ナイシンAの利用は、酸性域にpH調整して市販されることが多い食品の保存料等に限られていた。また、ナイシンAは細胞内での翻訳後修飾によって生じる異常アミノ酸(例えば、ランチオニン等)を含むこと、およびランチオニン等によるモノスルフィド結合の架橋構造をとることから、化学合成、遺伝子組換え技術による合成およびin vitro翻訳による合成が困難であった。さらにナイシンAは、グラム陰性細菌(例えば、大腸菌)および真菌(例えば、カンジダ菌)には有効でないことが報告されている。米国特許第4584199号明細書(特許文献1)、米国特許第3295989号明細書(特許文献2)、国際公開第89/12399号(特許文献3)、国際公開第2004/029082号(特許文献4)には、ナイシンが食品の保存のために用いられることが開示されている。
【0005】
このような事情のもと、中性域からアルカリ性域における安定性に優れ、かつ熱安定性に優れる抗菌ペプチドが望まれている。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、中性域からアルカリ性域における安定性に優れ、かつ熱安定性に優れる、抗菌活性を有するポリペプチドおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下に例示する項目に関する。
[1] 配列番号1~配列番号6のいずれかのアミノ酸配列に対して、85%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、または、
配列番号1~配列番号6のいずれかのアミノ酸配列に対して、1もしくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列、
を含む、抗菌活性を有するポリペプチド。
[2] [1]に記載の抗菌活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列を含む核酸。
[3] 配列番号7~配列番号12のいずれかの塩基配列を含む、[2]に記載の核酸。
[4] [2]または[3]に記載の核酸を含むベクター。
[5] [2]または[3]に記載の核酸を含むin-vitro用翻訳鋳型分子。
[6] RNAである、[5]に記載のin-vitro用翻訳鋳型分子。
[7] [2]もしくは[3]に記載の核酸、または[4]に記載のベクターを含む形質転換体。
[8] 抗菌活性を有するポリペプチドの製造方法であって、
(A)化学合成法によって[1]に記載の抗菌活性を有するポリペプチドを合成する工程、
(B)[5]または[6]に記載のin-vitro用翻訳鋳型分子から上記抗菌活性を有するポリペプチドを翻訳する工程、
(C)[7]に記載の形質転換体を培養する工程、または
(D)受託番号NITE BP-03198、NITE BP-03200およびNITE BP-03201からなる群より選ばれる少なくとも1種の乳酸菌を培養する工程、
を含む、抗菌活性を有するポリペプチドの製造方法。
[9] 第1ポリペプチドおよび第2ポリペプチドの組み合わせ、または、第3ポリペプチドおよび第4ポリペプチドの組み合わせを含む、抗菌活性を有するポリペプチドの組み合わせであって、
上記第1ポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列に対して、85%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、または、配列番号3のアミノ酸配列に対して、1もしくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列を含み、
上記第2ポリペプチドは、配列番号4のアミノ酸配列に対して、85%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、または、配列番号4のアミノ酸配列に対して、1もしくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列を含み、
上記第3ポリペプチドは、配列番号13のアミノ酸配列に対して、85%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、または、配列番号13のアミノ酸配列に対して、1もしくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列を含み、
上記第4ポリペプチドは、配列番号14のアミノ酸配列に対して、85%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、または、配列番号14のアミノ酸配列に対して、1もしくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列を含む、抗菌活性を有するポリペプチドの組み合わせ。
[10] [9]に記載の抗菌活性を有するポリペプチドの組み合わせそれぞれをコードする塩基配列を含む核酸の組み合わせであって、
上記核酸の組み合わせは、第1核酸および第2核酸の組み合わせ、または、第3核酸および第4核酸の組み合わせを含み、
上記第1核酸は、上記第1ポリペプチドをコードする塩基配列を含み、
上記第2核酸は、上記第2ポリペプチドをコードする塩基配列を含み、
上記第3核酸は、上記第3ポリペプチドをコードする塩基配列を含み、
上記第4核酸は、上記第4ポリペプチドをコードする塩基配列を含む、核酸の組み合わせ。
[11] 上記第1核酸は、配列番号9の塩基配列を含み、
上記第2核酸は、配列番号10の塩基配列を含み、
上記第3核酸は、配列番号15の塩基配列を含み、
上記第4核酸は、配列番号16の塩基配列を含む、[10]に記載の核酸の組み合わせ。
[12] [10]または[11]に記載の核酸の組み合わせを含むベクター。
[13] [10]または[11]に記載の核酸の組み合わせを含むin-vitro用翻訳鋳型分子。
[14] RNAである、[13]に記載のin-vitro用翻訳鋳型分子。
[15] [10]もしくは[11]に記載の核酸の組み合わせ、または[12]に記載のベクターを含む形質転換体。
[16] 抗菌活性を有するポリペプチドの組み合わせの製造方法であって、
(A)化学合成法によって[9]に記載のポリペプチドの組み合わせにおけるポリペプチドそれぞれを合成する工程、
(B)[13]または[14]に記載のin-vitro用翻訳鋳型分子から上記ポリペプチドの組み合わせにおけるポリペプチドそれぞれを翻訳する工程、
(C)[15]に記載の形質転換体を培養する工程、または
(D)受託番号NITE BP-03200の乳酸菌を培養する工程、
を含む、抗菌活性を有するポリペプチドの組み合わせの製造方法。
[17] [1]に記載の抗菌活性を有するポリペプチド、または[9]に記載の抗菌活性を有するポリペプチドの組み合わせと、
添加剤とを含む抗菌用組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、中性域からアルカリ性域における安定性に優れ、かつ熱安定性に優れる、抗菌活性を有するポリペプチドおよびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
抗菌活性評価試験を説明する模式図である。
実施例に係るポリペプチドの抗菌活性評価試験の結果を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(以下「本実施形態」と記す。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。本明細書において「A~Z」という形式の表記は、範囲の上限下限(すなわちA以上Z以下)を意味し、Aにおいて単位の記載がなく、Zにおいてのみ単位が記載されている場合、Aの単位とZの単位とは同じである。本明細書において「~を含む」との表現は、「~からなる」、「~のみからなる」の概念を含む表現である。
【0010】
[抗菌活性を有するポリペプチド]
本実施形態に係る抗菌活性を有するポリペプチドは、
配列番号1~配列番号6のいずれかのアミノ酸配列に対して、85%以上100%以下の配列同一性を有するアミノ酸配列、または、
配列番号1~配列番号6のいずれかのアミノ酸配列に対して、1もしくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列、
を含む、抗菌活性を有するポリペプチドである。以下、抗菌活性を有するポリペプチドを単に「ポリペプチド」と表記する場合がある。
(【0011】以降は省略されています)
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